FP2級実技(FP協会)解説-2019年1月・問11~20
【問11】
下記<資料>は、吉田さんが加入したガン保険(免責期間3ヵ月)の契約の流れを示したものである。この保険契約のガンに対する保障が開始する日として、最も適切なものはどれか。なお、保険料の支払い方法は月払いを選択するものとする。
<資料>
・ | 2018年10月10日 | 申込書および告知書提出 |
↓ | ||
・ | 2018年10月15日 | 第1回保険料の支払い (代理店に直接払い込んでいる) |
↓ | ||
・ | 2018年10月25日 | 保険会社の引受けの承諾 |
↓ | ||
・ | 2018年10月30日 | 保険証券の受取り |
正解:3
通常の責任開始日は、申し込み、告知、第1回保険料の支払いが終了した、2018年10月15です。ここから3ヵ月が経過した2019年1月15日から、保障が開始します。
【問12】
西里良二さんが2018年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。この場合の西里さんの2018年分の所得税の計算における生命保険料控除の金額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の保険について、これまでに契約内容の変更は行われていないものとする。また、その年分の生命保険料控除額が最も多くなるように計算すること。
<資料>
[定期保険(無配当)]
契約日:2007年3月1日
保険契約者:飯田 洋二郎
被保険者:飯田 洋二郎
死亡保険金受取人:飯田 えり子(妻)
2018年の年間支払保険料:67,000円
[個人年金保険(税制適格特約付)]
契約日:2015年11月1115日
保険契約者:飯田 洋二郎
被保険者:飯田 洋二郎
年金受取人:飯田 洋二郎
2018年の年間支払保険料:215,230円
2018年の年間配当金:なし
<所得税の生命保険料控除額の速算表>
1. | 41,750円 |
2. | 76,750円 |
3. | 81,750円 |
4. | 91,750円 |
正解:3
定期保険に係る生命保険料控除額(一般の生命保険料控除)は、67,000円×1/4+25,000円=41,750円です。
個人年金保険に係る生命保険料控除額(個人年金保険料控除)は、40,000円です。
よって、生命保険料控除額は、41,750円+40,000円=81,750円です。
個人年金保険に係る生命保険料控除額(個人年金保険料控除)は、40,000円です。
よって、生命保険料控除額は、41,750円+40,000円=81,750円です。
【問13】
下記<資料>に基づき、井川さんが契約している普通傷害保険について、FPの天野さんの次の説明の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句を何度選んでもよいこととし、保険金の支払い要件はすべて満たしているものとする。
<資料>
「井川さんが仕事中のケガで5日間病院に通院した場合、受け取れる保険金は( ア )。」
「井川さんが地震によるケガで6日間病院に入院した場合(手術は受けていない)、受け取れる保険金は( イ )。」
「井川さんが交通事故により傷害後遺障害第6級に該当した場合、受け取れる傷害後遺障害保険金は( ウ )。」
「井川さんの中学生の息子が自転車で誤って他人にケガを負わせた場合、相手への賠償責任に関する補償は最高( エ )。」
<語群>
1.ありません 2.1万円です 3.2万円です
4.3万円です 5.4万円です
6.420万円です
7.500万円です 8.590万円です
9.690万円です
10.1,000万円です
11.1億円です
1.ありません 2.1万円です 3.2万円です
4.3万円です 5.4万円です
6.420万円です
7.500万円です 8.590万円です
9.690万円です
10.1,000万円です
11.1億円です
正解:2、4、7、11
(ア) | 2,000円×5=1万円です。 |
(イ) | 5,000円×6=3万円です。 |
(ウ) | 資料より、500万円です。 |
(エ) | 自転車で誤って他人に怪我を負わせた場合は、個人賠償責任特約による補償の対象となりますから、1億円です。 |
【問14】
杉野さんは、2018年12月に22年9ヵ月勤務したSA株式会社を退職し、退職一時金1,350万円を受け取った。この退職一時金に係る退職所得の金額として、正しいものはどれか。なお、杉野さんは、「退職所得の受給に関する申告書」を適正に提出している。また、杉野さんは、SA株式会社の役員であったことはなく、退職は障害者になったことに基因するものではない。
1. | 170万円 |
2. | 205万円 |
3. | 340円 |
4. | 410万円 |
正解:1
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2です。
退職所得控除額の計算上、勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから、勤続年数は23年とみなされ、退職所得控除額=800万円+70万円×(23-20)=1,010万円となります。
よって、退職所得=(1,350万円-1,010万円)×1/2=170万円となります。
退職所得控除額の計算上、勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから、勤続年数は23年とみなされ、退職所得控除額=800万円+70万円×(23-20)=1,010万円となります。
よって、退職所得=(1,350万円-1,010万円)×1/2=170万円となります。
【問15】
個人事業主の広尾さんは、2018年4月に自動車(新車)を購入し、事業の用に供している。広尾さんの2018年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額として、正しいものはどれか。なお、自動車の取得価額は300万円、2018年中の事業供用月数は9ヵ月、耐用年数は6年とする。また、広尾さんは個人事業を開業して以来、車両についての減価償却方法を選択したことはない。
<耐用年数表(抜粋)>
[法定耐用年数6年]
定額法の償却率:0.167
定率法の償却率:0.333
1. | 375,750円 |
2. | 501,000円 |
3. | 749,250円 |
4. | 999,000円 |
正解:1
個人事業主の事業所得の計算上、減価償却費の計算方法は、定率法を選択しない限り定額法となります。
よって、自動車の減価償却費は、300万円×0.167×9/12=375,750円です。
よって、自動車の減価償却費は、300万円×0.167×9/12=375,750円です。
【問16】
会社員の大津さんの2018年分の所得等は下記<資料>のとおりである。大津さんが所得税の確定申告を行う際、給与所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
<資料>
1. | 不動産所得の計算上生じた損失▲30万円と損益通算できる。 |
2. | ゴルフ会員権の譲渡損失▲100万円と損益通算できる。 |
3. | 上場株式の譲渡損失▲20万円と損益通算できる。 |
4. | 損益通算できる損失はない。 |
正解:4
不動産所得の計算上生じた30万円のマイナスのうち、土地取得のための借入金の利子160万円までは損益通算することができませんから、不動産所得は損益通算できません。
また、ゴルフ会員権のような趣味・娯楽などの目的で保有する資産や、上場株式に係る譲渡損失も、損益通算の対象外とされています。
また、ゴルフ会員権のような趣味・娯楽などの目的で保有する資産や、上場株式に係る譲渡損失も、損益通算の対象外とされています。
【問17】
永井さん(68歳)の2018年分の収入等が下記のとおりである場合、永井さんの2018年分の所得税における総所得金額として、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないこととし、総所得金額が最も少なくなるように計算すること。
<2018年分の収入等>
[アルバイト収入]
55万円
[老齢厚生年金および企業年金(老齢年金)]
280万円
[不動産収入]
120万円
※ | アルバイト収入は給与所得控除額を控除する前の金額である。(注)制度改正あり |
※ | 老齢厚生年金および企業年金は公的年金等控除額を控除する前の金額である。 |
※ | 不動産収入は土地を貸しての地代収入であり、地代収入に係る必要経費は年間20万円である。なお、永井さんは青色申告者であり、青色申告特別控除10万円の適用を受けるものとする。また、必要経費の20万円に青色申告特別控除額10万円は含まれていない。 |
<65歳未満の者の公的年金等控除額の速算表>(注)制度改正あり | |
収入金額 | 公的年金等控除額 |
130万円未満 | 70万円 |
130万円以上 410万円未満 |
収入金額×25%+37.5万円 |
410万円以上 770万円未満 |
収入金額×15%+78.5万円 |
770万円以上 | 収入金額×5%+155.5万円 |
<65歳以上の者の公的年金等控除額の速算表> | |
収入金額 | 公的年金等控除額 |
330万円未満 | 120万円 |
330万円以上 410万円未満 |
収入金額×25%+37.5万円 |
410万円以上 770万円未満 |
収入金額×15%+78.5万円 |
770万円以上 | 収入金額×5%+155.5万円 |
1. | 305万円 |
2. | 270万円 |
3. | 260万円 |
4. | 250万円 |
正解:4
給与所得控除額は最低65万円(制度改正後は55万円)が保証されますから、アルバイト収入に係る給与所得額は、0となります。
老齢厚生年金および企業年金は、公的年金等に係る雑所得ですから、280万円-120万円=160万円が、総所得金額に算入されます。
不動産所得は、120万円-20万円-10万円=90万円で、これも全額総所得金額に算入されます。
よって、総所得金額は、160+90万円=250万円となります。
老齢厚生年金および企業年金は、公的年金等に係る雑所得ですから、280万円-120万円=160万円が、総所得金額に算入されます。
不動産所得は、120万円-20万円-10万円=90万円で、これも全額総所得金額に算入されます。
よって、総所得金額は、160+90万円=250万円となります。
【問18】
下記<親族関係図>の場合において、民法の規定に基づく法定相続分に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)に入る適切な語句または数値を語群の中から選び、解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句または数値を何度選んでもよいこととする。
<親族関係図>
[各人の法定相続分] | |
・ | 被相続人の配偶者の法定相続分は( ア )。 |
・ | 被相続人の二男の法定相続分は( イ )。 |
・ | 被相続人の孫Aの法定相続分は( ウ )。 |
<語群>
なし 1/2 1/3
1/4 1/6 1/8
1/12 2/3 3/4
なし 1/2 1/3
1/4 1/6 1/8
1/12 2/3 3/4
正解:1/2、1/6、1/12
(ア) | 配偶者相続人と第一順位の血族相続人の組み合わせですから、配偶者相続人の法定相続分は、2分の1となります。 |
(イ) | 血族相続人は、基本的に、頭数で法定相続分を按分しますから、本来的には、長男、二男、長女の法定相続分は、それぞれ1/2÷3=1/6です。 |
(ウ) | 死亡は代襲原因であって、代襲相続人は、被代襲者の本来の法定相続分を頭数で按分しますから、孫Aと孫Bの法定相続分は、それぞれ1/6÷2=1/12です。 |
【問19】
相続の放棄をした者に係る相続税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. | 相続を放棄した者が、現実に負担した被相続人の葬式費用については、遺産総額から控除することができる。 |
2. | 相続を放棄した者が、遺贈により生命保険金等を取得したものとみなされる場合には、生命保険金等の非課税の規定の適用を受けることができる。 |
3. | 相続税の基礎控除額の計算における法定相続人の数は、相続の放棄をした者がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数である。 |
4. | 配偶者が相続を放棄した場合でも、その配偶者が遺贈により財産を取得したときには、配偶者の税額軽減の規定の適用を受けることができる。 |
正解:2
1. | 正しい記述です。 |
2. | 相続を放棄した人が、相続税の課税対象となる生命保険の死亡保険金を受け取った場合、生命保険金等の非課税の規定の適用を受ける事はできません。 |
3. | 正しい記述です。 |
4. | 正しい記述です。 |
【問20】
唐沢さんは、自宅の取得に当たり、FPで税理士でもある山岸さんに「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」について質問をした。下記の空欄(ア)~(ウ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。
唐沢さん: | 「先週、マンションを購入する契約をしたので、父から資金援助を受けたいと考えています。『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税』について教えてください。」 |
山岸さん: | 「非課税の適用を受けるためには、いくつかの要件があります。例えば、取得したマンションの専有部分の床面積が、( ア )以上240㎡以下であることなどです。」 |
唐沢さん: | 「この制度の適用を受ける場合、その年に110万円の基礎控除を受けることはできますか。」 |
山岸さん: | 「同じ年に、暦年課税における110万円の基礎控除を( イ )。」 |
唐沢さん: | 「この制度の適用を受けた場合、気を付けることはありますか。」 |
山岸さん: | 「贈与税を( ウ )、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、申告書を提出することが必要です。」 |
<語群>
1.30㎡ 2.50㎡ 3.70㎡
4.受けることができます
5.受けることができません
6.支払うときのみ 7.支払わなくても
1.30㎡ 2.50㎡ 3.70㎡
4.受けることができます
5.受けることができません
6.支払うときのみ 7.支払わなくても
正解:2、4、7
(ア) | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用を受けるための、居住用財産の床面積の要件は、50㎡以上 240㎡以下とされています。 |
(イ) | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例は、基礎控除額と併せて適用を受けることができます。 |
(ウ) | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例を受ける場合、贈与税の負担の有無に関わらず、確定申告が必要です。 |
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