お金の寺子屋

知識の維持・確認用(3級)-相続

【問1】
下記の親族図について、民法上の相続人および各人の法定相続分を答えなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<親族図>

子Cさんは期限内に所定の手続きを行い、相続を放棄した。
【答1】
妻:1/2、子B:1/4、孫D:1/4
死亡は代襲原因となり、放棄は代襲原因となりません。また、放棄した人は、最初から相続人でなかったものとして取り扱われ、代襲相続人の相続分は、被代襲者の本来の相続分と等しいです。
相続人の組み合わせは、配偶者相続人と第1順位の血族相続人ですから、本来の法定相続分は、妻が1/2、子Aと子Bが1/4ずつです。

【問2】
下記の<親族図>において、被相続人の相続における相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額を計算してください。なお、相続は2022年中に開始しているものとします。

<親族図>
【答2】
4,800万円
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
法定相続人は、妻、子A、子Bの3人ですから、遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。

【問3】
下記の<親族図>において、被相続人の相続に係る課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が8,400万円であった場合の相続税の総額を計算してください。

<親族図>
<資料>相続税の速算表(抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
【答3】
1,350万円

課税遺産総額を法定相続分通り分けたとすると、各相続人の法定相続分に応ずる取得金額はそれぞれ、
妻:8,400万円×2/3=5,600万円
母:8,400万円×1/3=2,800万円です。

よって、各相続人の法定相続分に応ずる取得金額に係る相続税額はそれぞれ、
妻:5,600万円×30%-700万円=980万円
母:2,800万円×15%-50万円=370万円です。

ゆえに、相続税の総額=980万円+370万円=1,350万円となります。


【問4】
東条さん(33歳)が2021年中に贈与を受けた財産の価額と贈与者は以下のとおりである時、Aさんの2021年分の贈与税額を計算しなさい。なお、2021年中において、東条さんはこれ以外の財産の贈与を受けておらず、相続時精算課税制度は選択していないものとする。

東条さんの父からの贈与 現金250万円
東条さんの母からの贈与 現金400万円
上記の贈与は、住宅取得等資金や教育資金、結婚・子育てに係る資金の贈与ではない。
<贈与税の速算表(抜粋)>
[20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
【答4】
78万円
贈与税額={(250万円+400万円)-110万円}×20%-30万円=78万円です。

【問5】
東条さんが父からの贈与について相続時精算課税制度を選択し、3,000万円の贈与を受けた場合、東条さんが納付すべき贈与税額を計算しなさい。なお、この年中において、東条さんはこれ以外の財産の贈与を受けておらず、前年までに父から贈与を受けたことは無いものとする。
【答5】
100万円
贈与税額=(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円です。
LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。