お金の寺子屋

知識の維持・確認用(2級)-相続

明らかに3級レベルのものは外していますので、是非「3級の問題」も解いてみて下さい。
【問1】
下記の親族図について、民法上の相続人および各人の法定相続分を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<親族図>
正解:妻:1/2、実子A:1/8、実子B:1/8、
養子C:1/8、養子D:1/8
相続人の組み合わせが、配偶者相続人と第1順位の血族相続人ですから、配偶者相続人の法定相続分が1/2となります。
なお、血族相続人が複数存在する場合、各血族相続人の法定相続分は、基本的に、残りを頭数で割ります。また、実子と養子の法定相続分は等しいので、各子の法定相続分はそれぞれ、1/2×1/4=1/8となります。

【問2】
下記の相続事例(2021年7月10日相続開始)における相続税の課税価格の合計額を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<課税価格の合計額を算出するための財産等の相続税評価額>
土地:4,000万円(「小規模宅地等の評価減の特例」適用後:800万円)
建物:600万円
現預金:2,500万円
死亡保険金:3,000万円(生命保険金等の非課税限度額控除前)
債務および葬式費用:300万円
<親族関係図>
<親族関係図>
「小規模宅地等の評価減の特例」の適用対象となる要件はすべて満たしており、その適用を受けるものとする。
死亡保険金はすべて被相続人の配偶者が受け取っている。
すべての相続人は、相続により財産を取得している。
相続開始前3年以内に被相続人からの贈与により財産を取得した相続人はおらず、相続時精算課税制度を選択した相続人もいない。また、相続を放棄した者もいない。
債務および葬式費用はすべて被相続人の配偶者が負担している。
正解:5,100万円
土地は、小規模宅地等の評価減の特例の適用後の金額が相続税の課税価格に算入されます。
また、相続人が受け取った死亡保険金は500万円×法定相続人の数まで非課税(課税価格に不算入)になります。
よって、相続税の課税価格=800万円+600万円+2,500万円+(3,000万円-500万円×3)-300万円=5,100万円となります。

【問3】
下記の<親族図>において、被相続人の相続における相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額を計算しなさい。なお、相続は2022年中に開始しているものとする。

<親族図>
正解:5,400万円
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
なお、法定相続人の数を数える際には、実子が居る場合、養子は1人までしかカウントする事ができませんから、法定相続人の数は、妻、実子A、実子B、+1人の、計4人です。
よって、遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×4=5,400万円となります。

【問4】
下記の<親族図>において、被相続人の相続に係る課税価格の合計額が1億9,000万円であった場合の相続税の総額を計算しなさい。

<親族図>
<資料>相続税の速算表(抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
正解:2,230万円

遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×4=5,400万円です。
よって、課税遺産総額は、1億9,000万円-5,400万円=1億3,600万円となります。

課税遺産総額を法定相続分通り分けたとすると、各相続人の法定相続分に応ずる取得金額はそれぞれ、
妻:1億3,600万円×1/2=6,800万円
子A:1億3,600万円×1/4=3,400万円
孫C:1億3,600万円×1/8=1,700万円
孫D:1億3,600万円×1/8=1,700万円です。

よって、各相続人の法定相続分に応ずる取得金額に係る相続税額はそれぞれ、
妻:6,800万円×30%-700万円=1,340万円
子A:3,400万円×20%-200万円=480万円
孫C:1,700万円×15%-50万円=205万円
孫D:1,700万円×15%-50万円=205万円です。

ゆえに、相続税の総額=1,340万円+480万円+205万円+205万円=2,230万円となります。


【問5】
東条慎也さん(59歳)は、2021年9月に妻から居住用不動産(財産評価額3,100万円)の贈与を受けた。慎也さんが贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合の2021年分の贈与税額を計算しなさい。なお、2021年においては、このほかに慎也さんが受けた贈与はないものとする。また、納付すべき贈与税額が最も少なくなるように計算すること。

<贈与税の速算表>
[18歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
1,000万円超
1,500万円以下
40% 190万円
1,500万円超
3,000万円以下
45% 265万円
3,000万円超
4,500万円以下
50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
1,000万円超
1,500万円以下
45% 175万円
1,500万円超
3,000万円以下
50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
1.  41万円
2.  43万円
3.  70万円
4. 920万円
正解:271万円
贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、課税価格から最高で2,000万円を控除することができます。
また、贈与税の配偶者控除は、基礎控除と合わせて適用を受けることができますから、贈与税の課税価格は、3,100万円-2,000万円-110万円=990万円となります。
配偶者からの贈与は、直系尊属からの贈与には該当しませんから、贈与税額は、990万円×40%-125万円=271万円と求めることができます。

【問6】
東条慎也さん(33歳)は、父(69歳)と母(61歳)から下記<資料>の贈与を受けた。慎也さんの2021年分の贈与税額を計算しなさい。なお、父からの贈与については、2020年から相続時精算課税制度の適用を受けている。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<資料>
[2020年中の贈与]
父から贈与を受けた金銭の額:1,400万円

[2021年中の贈与]
父から贈与を受けた金銭の額:1,500万円
母から贈与を受けた金銭の額:550万円

<贈与税の速算表>
[18歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
1,000万円超
1,500万円以下
40% 190万円
1,500万円超
3,000万円以下
45% 265万円
3,000万円超
4,500万円以下
50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
1,000万円超
1,500万円以下
45% 175万円
1,500万円超
3,000万円以下
50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
正解:138万円
2021年に使える相続時精算課税制度の特別控除額は、2,500万円-1,400万円=1,100万円です。
よって、父からの贈与に係る贈与税額は、(1,500万円-1,100万円)×20%=80万円です。
また、母からの贈与に係る贈与税額は、(550万円-110万円)×20%-30万円=58万円です。
よって、2021年分の贈与税額は、80万円+58万円=138万円となります。

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