FP3級実技(個人)解説-2024年5月CBT・後半
2026.6~2027.5試験対応済み
【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。
《設例》
Aさん(50歳)は、1年前に父親の相続により甲土地(900㎡)を取得している。甲土地は父親の存命中から月極駐車場として賃貸しているが、その収益性は低く、Aさんは、甲土地を有効活用できないかと考えている。
そのような折、知人の不動産会社の社長から、「大手ドラッグストアのX社が、新規出店にあたり、最寄駅から徒歩5分にある甲土地に興味を示しており、X社は建設協力金方式を希望している。また、駅周辺では再開発が進んでおり、居住用建物について相応の需要が見込まれるため、甲土地で賃貸マンション経営をしてもよいのではないか」とアドバイスを受けた。
Aさん(50歳)は、1年前に父親の相続により甲土地(900㎡)を取得している。甲土地は父親の存命中から月極駐車場として賃貸しているが、その収益性は低く、Aさんは、甲土地を有効活用できないかと考えている。
そのような折、知人の不動産会社の社長から、「大手ドラッグストアのX社が、新規出店にあたり、最寄駅から徒歩5分にある甲土地に興味を示しており、X社は建設協力金方式を希望している。また、駅周辺では再開発が進んでおり、居住用建物について相応の需要が見込まれるため、甲土地で賃貸マンション経営をしてもよいのではないか」とアドバイスを受けた。
<甲土地の概要>


| ・ | 甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。 |
| ・ | 指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。 |
| ・ | 特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。 |
| ※ | 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。 |
【問10】
甲土地に耐火建築物を建築する場合の①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
| 1. | ①630㎡ ②2,700㎡ |
| 2. | ①720㎡ ②2,160㎡ |
| 3. | ①720㎡ ②2,700㎡ |
正解:2(4点)
| ① | 準防火地域に耐火建築物を建てる場合には、建蔽率の上限が10%緩和されます。 また、特定行政庁が指定する角地に建物を建てる場合には、建蔽率の上限が10%緩和されます。 よって、建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となります。 したがって、建ぺい率の上限となる建築面積は、900㎡×80%=720㎡です。 |
| ② | 前面道路の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。 前面道路の幅員によって定まる容積率=6×4/10=2.4=240%ですから、容積率の上限は、240%となります。 よって、容積率の上限となる延床面積は、900㎡×240%=2,160㎡です。 |
【問11】
建設協力金方式による土地の有効活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | 「建設協力金方式とは、X社が建設資金をAさんに貸し付け、この資金を利用してAさんが建設した店舗をX社に賃貸する手法です。X社から借り受けた建設資金は、契約期間中に賃料と相殺する形で返済するのが一般的です」 |
| 2. | 「建設協力金方式によりAさんが店舗をX社に賃貸した後、Aさんの相続が開始した場合、相続税額の計算上、店舗は貸家として評価されます」 |
| 3. | 「建設協力金方式により建設した店舗の賃貸借契約は、契約の更新がなく、借主であるX社が賃貸借契約満了時に店舗を撤去し、貸主であるAさんに甲土地を更地で返還することが保証されています」 |
正解:3(3点)
| 1. | 正しい記述です。建築協力金方式は、地主がテナントとして入居する事業者を予め見つけて、入居予定のテナントから建設協力金という名目で建物の建築資金を借り受ける土地の有効活用の手法です。借り受けた建設協力金は、一般的に、契約期間中に賃料と相殺する形で返済します。 |
| 2. | 正しい記述です。建設協力金方式においては、土地と建物の名義は全て地主となります。よって、建物の借家人が居る状態で当該地主が死亡して相続が発生した場合、相続税の計算上、建物は貸家として評価されます。 |
| 3. | 建設協力金においては、建物の賃貸借契約は、普通借家契約・定期借家契約のいずれも認められますから、普通借家契約である場合、契約の更新が可能です。 また、土地と建物の名義は全て地主となり、テナントは借家人となりますから、土地に借地権は設定されません。よって、テナントには、定期借地権を設定した借地人のような、土地を更地にして返還する義務はありません。 |
【問12】
甲土地の有効活用に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。貸家建付地の価額は、『自用地価額×( ① )』の算式により評価されます。甲土地の借地権割合は( ② )%です。また、Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、甲土地に係る固定資産税の課税標準を、住宅1戸につき200㎡までの部分(小規模住宅用地)について課税標準となるべき価格の( ③ )の額とする特例の適用を受けることができます」
| 1. | ①借地権割合×賃貸割合 ②70 ③6分の1 |
| 2. | ①(1-借地権割合×賃貸割合) ②70 ③3分の1 |
| 3. | ①(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) ②60 ③6分の1 |
正解:3(3点)
| ① | 貸家建付地の相続税評価額は、自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)の算式で計算されます。 |
| ② | 借地権割合は、路線価図にアルファベットで記載されており、A(90%)~G(30%)まで10%刻みで設定されています。 甲土地の借地権割合は、Dと表示されており、60%であることを意味します。 |
| ③ | 固定資産税評価額の計算において、小規模住宅用地の特例の適用を受けると、課税標準が6分の1となります。 |
【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。
《設例》
Aさん(82歳)は、妻Bさん(78歳)との2人暮らしである。Aさんの推定相続人は、妻Bさん、長男Cさん(50歳)および孫Fさん(22歳)の3人である。Aさんは、自身の相続が開始した際に遺産分割で親族が争うことがないようにしたいと考えており、遺言書の作成を検討している。
Aさん(82歳)は、妻Bさん(78歳)との2人暮らしである。Aさんの推定相続人は、妻Bさん、長男Cさん(50歳)および孫Fさん(22歳)の3人である。Aさんは、自身の相続が開始した際に遺産分割で親族が争うことがないようにしたいと考えており、遺言書の作成を検討している。
<Aさんの親族関係図>


| <Aさんの主な所有財産(相続税評価額)> | ||
| 現預金 | : | 1億円 |
| 上場株式 | : | 4,000万円 |
| 自宅(敷地250㎡) | : | 6,000万円(注) |
| 自宅(建物) | : | 1,000万円 |
| (注) | 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額 |
| ※ | 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。 |
【問13】
自筆証書遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | 「自筆証書遺言は、遺言者が、その遺言の全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成するものです。自筆証書に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められています」 |
| 2. | 「相続人が自宅に保管されていた自筆証書遺言を発見した場合、相続人は、遅滞なく、自筆証書遺言を簡易裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません」 |
| 3. | 「自筆証書遺言の作成の際に押印する印鑑は、必ずしも実印である必要はなく、認印でも有効とされています」 |
正解:2(3点)
| 1. | 正しい記述です。自筆証書遺言は、遺言者が全文、日付および氏名を自書押印して作成しますが、財産目録は、自書以外の方法で作成することができます。 |
| 2. | 自筆証書遺言の検認請求の手続きは、家庭裁判所で行います。 |
| 3. | 正しい記述です。自筆証書遺言の作成の際には、押印する事が要件とされていますが、印鑑の種類についての要件はありません(認印でも遺言は有効です)。 |
【問14】
仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の相続税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
| 1. | 「妻Bさんが自宅の敷地と建物を相続により取得し、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を4,800万円とすることができます」 |
| 2. | 「孫Fさんが相続により財産を取得した場合、孫Fさんは相続税額の2割加算の対象となります」 |
| 3. | 「遺言により相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんが相続した場合、孫Fさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額を2億4,000万円とした場合、孫Fさんの遺留分の金額は3,000万円となります」 |
正解:3(3点)
| 1. | 正しい記述です。相続税の計算上、自宅の敷地について、小規模宅地の特例の適用を受けた場合、330㎡を限度に相続税評価額が80%減額されます(相続税評価額の20%のみを課税価格に算入します)。<設例>より、自宅の敷地は250㎡であることから、敷地の全体について特例の適用を受けることができると分かりますから、自宅の敷地について、相続税の課税価格に算入すべき価額は、6,000万円×(1-80%)=1,200万円となります。 |
| 2. | 代襲相続人である被相続人の孫は、2割加算の対象者ではない被代襲者の立場を引き継ぎますから、2割加算の対象となりません。 |
| 3. | 相続人と各相続人の法定相続分の組み合わせは、妻Bさん1/2、長男Cさん1/4、孫Fさん1/4です。 抽象的遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定基礎財産の1/2です。 また、各相続人の具体的遺留分は、抽象的遺留分を遺留分権利者が法定相続分通り按分した割合となります。 よって、孫Fさんの具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。 したがって、具体的遺留分の額は、2億4,000万円×1/8=3,000万円となります。 |
【問15】
仮に、Aさんの相続が現時点で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億2,000万円であった場合の相続税の総額として、次のうち最も適切なものはどれか。
| <資料>相続税の速算表(一部抜粋) | ||
| 法定相続分に 応ずる取得金額 |
税率 | 控除額 |
| 1,000万円以下 | 10% | - |
| 1,000万円超 3,000万円以下 |
15% | 50万円 |
| 3,000万円超 5,000万円以下 |
20% | 200万円 |
| 5,000万円超 10,000万円以下 |
30% | 700万円 |
| 10,000万円超 20,000万円以下 |
40% | 1,700万円 |
| 1. | 1,900万円 |
| 2. | 2,200万円 |
| 3. | 3,100万円 |
正解:1(4点)
妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、1億2,000万円×1/2=6,000万円となります。
これに対応する相続税額は、6,000万円×30%-700万円=1,100万円です。
長男Cさんおよび二男Dさんの法定相続分に対応する取得金額は、それぞれ、1億2,000万円×1/4=3,000万円となります。
これに対応する相続税額は、3,000万円×15%-50万円=400万円です。
したがって、相続税の総額は、1,100万円+400万円+400万円=1,900万円となります。
これに対応する相続税額は、6,000万円×30%-700万円=1,100万円です。
長男Cさんおよび二男Dさんの法定相続分に対応する取得金額は、それぞれ、1億2,000万円×1/4=3,000万円となります。
これに対応する相続税額は、3,000万円×15%-50万円=400万円です。
したがって、相続税の総額は、1,100万円+400万円+400万円=1,900万円となります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
| <戻る | ホーム | 進む> |


square.png)