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FP3級実技(個人)解説-2019年5月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
会社員のAさん(57歳)は、11年前に父親の相続により取得した甲土地を所有している。Aさんは、現在、甲土地を青空駐車場として賃貸しているが、収益が少ないため、甲土地の売却を検討している。
他方、知人の不動産会社の社長からは、「甲土地は地下鉄の駅から近く、利便性が高い。賃貸マンションを建築するなどの有効活用の方法を検討してみてはどうか」とアドバイスを受けた。

<甲土地の概要>
甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
甲土地に賃貸マンション(耐火建築物)を建築する場合の①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
1. ①360㎡ ②1,296㎡
2. ①400㎡ ②1,440㎡
3. ①400㎡ ②1,600㎡
正解:
建蔽率が80%である防火地域に、耐火建築物を建てる場合、建蔽率の上限が無くなります(建蔽率100%となります)。
よって、建蔽率の上限となる建築面積は、400㎡×100%=400㎡となります。
前面道路の幅員が12m未満である事から、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員×法定乗数のどちらか小さい方になります。
指定容積率=400%、前面道路の幅員×法定乗数=6×6/10=360%より、容積率の上限は360%になります。
したがって、容積率の上限となる延べ面積は、400㎡×360%=1,440㎡となります。
【問11】
甲土地の売却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得の金額の計算上、取得費は、父親の相続に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入された金額(相続税評価額)となります」
2. 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えていますので、当該譲渡による譲渡所得については、長期譲渡所得に区分されます」
3. 「Aさんが甲土地を譲渡した場合、譲渡所得金額が6,000万円以下の部分について、所得税および復興特別所得税10.21%、住民税4%の軽減税率が適用されます」
正解:
1. 相続によって取得した土地を売却し、譲渡所得を計算する際に用いる取得費は、被相続人の取得費を引き継ぎます。
2. 正しい記述です。不動産に係る譲渡所得(分離譲渡所得)の長期・短期は、取得日から売却日が属する年の1月1日までの期間が、5年を超えるか否かで判定します。
3. 軽減税率の特例は、居住用不動産を売却した場合にのみ適用されます。
【問12】
甲土地の有効活用に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、相続税の課税価格の計算上、甲土地は( ① )として評価されます。また、甲土地が貸付事業用宅地等に該当すれば、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができます。貸付事業用宅地等は、200㎡までの部分について( ② )の減額が受けられます」
「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建築した場合、甲土地に係る固定資産税は、住宅1戸につき200㎡までの部分(小規模住宅用地)について課税標準となるべき価格を( ③ )の額とする特例の適用を受けることができます」
1. ①貸宅地 ②50% ③3分の1
2. ①貸家建付地 ②50% ③6分の1
3. ①貸家建付地 ②80% ③3分の1
正解:
賃貸マンションを建築している土地は、相続税評価額の計算上、貸家建付地として評価されます。
貸付事業用宅地等は200㎡まで、相続税評価額が50%評価減されます。
居住用不動産の用に供する土地にかかる固定資産税の計算においては、200㎡まで、課税標準が6分の1になります。

【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
Aさん(72歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、遺言書の準備を検討している。

<Aさんの親族関係図>

<Aさんが保有する主な財産(相続税評価額)>
現預金:4,000万円
自宅(敷地400㎡):6,000万円
自宅(建物):1,000万円
賃貸ビル(敷地400㎡):1億1,000万円
賃貸ビル(建物):7,000万円

敷地は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
現時点(2019年5月26日)において、Aさんの相続が開始した場合に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

Aさんの相続に係る法定相続人は、妻Bさん、妹Cさん、弟Dさんの3人となる。妻Bさんの法定相続分は( ① )である。
Aさんの相続における遺産に係る基礎控除額は、( ② )である。
Aさんの相続により、妻Bさんが自宅の敷地を取得し、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、当該敷地は( ③ )までの部分について80%の減額が受けられる。

正解:
相続人の組み合わせが、配偶者相続人と第3順位の血族相続人であった場合、配偶者相続人の法定相続分は、4分の3になります。
相続における遺産に係る基礎控除額=3,000万円×600万円×法定相続人の数=3,000万円×600万円×3=4,800万円です。
自宅の用に供する土地について、小規模宅地等の特例の適用を受けようとする場合、特定居住用宅地等として、330㎡まで、80%評価減されます。
【問14】
仮に、Aさんの相続が現時点(2019年5月26日)で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が2億円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。

<資料>相続税の速算表(一部抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
1. 4,950万円
2. 5,100万円
3. 6,300万円
正解:
相続人は、配偶者相続人と第3順位の血族相続人ですから、妻Bさんの法定相続分は3/4、妹Cさんと弟Dさんの法定相続分は、それぞれ1/8になります。
よって、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億円×3/4=1億5,000万円となり、妹Cさんと弟Dさんの法定相続分に応ずる取得金額は、それぞれ、2億円×1/8=2,500万円となります。
したがって、妻Bさんの法定相続分対応する相続税額は、1億5,000万円×40%-1,700万円=4,300万円となり、妹Cさんと弟Dさんの法定相続分対応する相続税額は、それぞれ、2,500万円×15%-50万円=325万円となります。
ゆえに、相続税の総額は、4,300万円+325万円×2=4,950万円となります。
【問15】
遺言書に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 「遺言により、全財産を妻Bさんに相続させることも可能ですが、遺言書の作成の際には、妹Cさんおよび弟Dさんの遺留分を侵害しないように配慮してください」
2. 「公正証書遺言は、作成された遺言書の原本が家庭裁判所に保管されるため、紛失や改ざんのおそれがなく、安全性が高い遺言といえます」
3. 「仮に、Aさんの相続開始後、相続人がAさんの自筆証書遺言を発見した場合、相続人は、遅滞なく、その遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません」
正解:
1. 兄弟姉妹には遺留分はありません。
2. 公正証書遺言は、公証役場に原本が保管されます。
3. 正しい記述です。

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