お金の寺子屋

FP3級実技(保険)解説-2024年5月CBT・前半

2026.6~2027.5試験対応済み
【問1】~【問3】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
会社員のAさん(56歳)は、妻Bさん(52歳)および長女Cさん(19歳)との3人暮らしである。Aさんは、大学卒業後、X株式会社に入社し、現在に至るまで同社に勤務しており、65歳まで勤務する予定である。
Aさんは、今後の資金計画を検討するにあたり、公的年金制度の老齢給付について知りたいと思っている。また、次の誕生日で20歳になる長女Cさんの国民年金の保険料の納付について、学生納付特例制度の利用を検討している。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<Aさんとその家族に関する資料>

[Aさん(1967年10月18日生まれ・会社員)]
公的年金加入歴 下図のとおり(65歳までの見込みを含む)
20歳から大学生であった期間(27月)は国民年金に任意加入していない。
全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している

[妻Bさん(1971年3月10日生まれ・専業主婦)]

公的年金加入歴 18歳からの14年間(168月)は、厚生年金保険に加入。その後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。

[長女Cさん(2004年6月3日生まれ・大学生)]

全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。
妻Bさんおよび長女Cさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
Aさんとその家族は、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
Aさんとその家族の年齢は、いずれも2023年12月31日現在のものである。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問1】
Mさんは、〈Aさんとその家族に関する資料〉に基づき、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額(202年度価額)を試算した。Mさんが試算した老齢基礎年金の年金額の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。(注)制度改正あり
1. 847,300円×450月/480月
2. 847,300円×480月/480月
3. 847,300円×510月/480月
正解:(3点)
老齢基礎年金の計算上、年金額に反映されるのは、20歳以上60歳未満の期間における、国民年金保険料納付期間や厚生年金保険の被保険者期間などです。
<設例>において、20歳以上65歳未満の期間(540月)のうち、60歳以上65歳未満の期間(60月)は、年金額の計算に反映されませんから、年金額の計算に反映されるのは、510月-60月=450月です。
【問2】
Mさんは、Aさんおよび妻Bさんが受給することができる公的年金制度の老齢給付について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「Aさんおよび妻Bさんには、特別支給の老齢厚生年金は支給されず、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することになります」
2. 「Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の額には、配偶者の加給年金額が加算されます」
3. 「妻Bさんが65歳から老齢基礎年金を受給する場合、老齢基礎年金の額に振替加算額が加算されます」
正解:(4点)
1. 正しい記述です。特別支給の老齢厚生年金が支給されるのは、男性は1961年4月1日以前生まれの人、女性は1966年4月1日以前生まれの人です。
2. 正しい記述です。基本的に、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、65歳未満の年下の配偶者がいる場合、老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
3. 振替加算は、配偶者が受け取っていた加給年金の加算対象であった配偶者(1966年4月1日以前生まれの人に限る)が65歳になった場合、配偶者の加給年金が支給停止となる代わりに、加算対象であった配偶者の老齢基礎年金に加算されるものです。妻Bさんは、1966年4月2日以後生まれですから、振替加算は支給されません。
【問3】
Mさんは、国民年金の学生納付特例制度(以下、「本制度」という)について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「本制度は、大学等の所定の学校に在籍する学生について、在学中の国民年金の保険料の納付が猶予される制度です。長女Cさんが本制度を利用するためには、( ① )の前年所得が一定額以下である必要があります。本制度の適用を受けた期間に係る保険料は、( ② )年以内であれば、追納することができます。追納しない場合、本制度の適用を受けた期間は、将来の老齢基礎年金の( ③ )されません」

1. ①長女Cさん ②5 ③受給資格期間に算入
2. ①長女Cさん ②10 ③年金額に反映
3. ①Aさん   ②10 ③受給資格期間に算入
正解:(3点)
学生納付特例制度の所得の要件は、本人のみに設けられています(保護者の所得の要件はありません)。
国民年金保険料の免除や猶予を受けた期間に係る保険料は、最大10年間遡って追納することができます。
国民年金保険料の免除や猶予を受けた期間に係る保険料を追納しなかった場合、その期間は、受給資格期間には反映されますが、年金額には反映されません。

【問4】~【問6】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(59歳)は、専業主婦である妻Bさん(59歳)との2人暮らしである。Aさんは、来年、60歳の定年でX社を退職する予定である。
Aさんは、退職を間近に控え、現在加入している生命保険を見直して、医療保障や介護保障を充実させたいと考えている。また、退職後の健康保険(現在、Aさんは全国健康保険協会管掌健康保険に加入)についても理解を深めておきたいと考えている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<Aさんが現在加入している生命保険に関する資料>
保険の種類:定期保険特約付終身保険
契約年月日:2009年4月1日
月払保険料:24,000円(保険料払込期間:65歳満了)
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問4】
Mさんは、生命保険の見直しを検討するにあたって、現時点の必要保障額を試算することにした。下記の〈算式〉および〈条件〉に基づき、Aさんが現時点で死亡した場合の必要保障額として、次のうち最も適切なものはどれか。

〈算式〉
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の支出の総額-遺族の収入見込金額
〈条件〉
1. 現在の毎月の生活費は40万円であり、Aさん死亡後の妻Bさんの生活費は、現在の生活費の50%とする。
2. 現在の妻Bさんの平均余命は、30年とする。
3. Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)・緊急予備資金は、500万円とする。
4. 住宅ローン(団体信用生命保険に加入)の残高は、300万円とする。
5. 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は、2,400万円とする。
6. Aさん死亡後に妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、4,300万円とする。
7. 現在加入している生命保険の死亡保険金額は考慮しないものとする。

1. 700万円
2. 1,000万円
3. 1,300万円
正解:(3点)
<遺族に必要な生活資金等>
40万円/月×50%×12ヵ月×30年=7,200万円
死亡整理資金など:500万円
住宅ローン残高:0円(団信加入の為)
の、計7,700万円

<遺族の収入見込額>
死亡退職金と金融資産:2,400万円
公的年金等:4,300万円
の、計6,700万円

よって、必要保証額=7,700万円-6,700万円=1,000万円となります。

【問5】
Mさんは、生命保険の見直しについてアドバイスした。MさんのAさんに対するアドバイスとして、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「終身保険や定期保険特約の保険金額を減額することで、保険料負担を軽減することができます。死亡保障は少なくなりますが、軽減した保険料分で医療保障や介護保障を目的とした保険に新規加入することも検討に値します」
2. 「契約転換制度を活用して定期保険特約付終身保険を転換し、医療保障や介護保障を準備する方法が考えられます。転換後契約の保険料は転換前契約の加入時の年齢により算出されますので、新規に加入するよりも保険料負担を抑えることができます」
3. 「定期保険特約付終身保険を払済終身保険に変更した場合、定期保険特約などの死亡保障を目的とした特約は消滅しますが、入院特約などの医療保障を目的とした特約は継続します」
正解:(4点)
1. 適切な記述です。
2. 転換後契約の保険料は転換前契約の加入時の年齢により算出されますから、(転換前よりも年齢が上がっている分、)新規に加入するよりも保険料負担が増える場合があります。
3. 払済保険や延長保険にすると、元の保険契約に付いていた特約は、リビングニーズ特約・指定代理請求特約・税制適格特約を除いて消滅します。
【問6】
Mさんは、Aさんが60歳でX社を退職した場合の健康保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「Aさんは、退職日の翌日から65歳になるまでの間、全国健康保険協会管掌健康保険に任意継続被保険者として加入することができます」
2. 「Aさんが国民健康保険に加入する場合、妻Bさんを国民健康保険の被扶養者とすれば、これまでどおり妻Bさんの保険料負担はありません」
3. 「Aさんが全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者となるためには、原則として、退職日の翌日から20日以内に任意継続被保険者の資格取得の申出をする必要があります」
正解:(3点)
1. 健康保険の任意継続被保険者となることができるのは、最長で2年間です。《設例》の通り、60歳に定年退職すると、任意継続被保険者となることができるのは62歳になるまでです。
2. 国民健康保険には、扶養の制度はありません。
ちなみに、後期高齢者医療制度にも扶養の制度はありません。
3. 正しい記述です。健康保険の任意継続被保険者となるためには、被保険者期間が2ヵ月以上ある人が、退職日の翌日から20日以内に任意継続被保険者の資格取得の申出をすることが要件とされています。

【問7】~【問9】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
Aさん(70歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは、後継者である長男Bさん(45歳)への事業の承継にめどがつき、今期で第一線から退くつもりでいる。
Aさんは、この機に、従業員の福利厚生の充実を図りたいと考え、従業員に対する退職金準備の方法について生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんに相談したところ、下記の養老保険(福利厚生プラン)の提案を受けた。また、中小企業退職金共済制度の説明を受けた。

<Aさんが提案を受けた養老保険(福利厚生プラン)に関する資料>
保険の種類 養老保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者) X社
被保険者 全役員・全従業員(30名)
死亡保険金受取人 被保険者の遺族
満期保険金受取人 X社
死亡保険金額 500万円(1人当たり)
保険期間・保険料払込期間 60歳満了
年払保険料 600万円(30名の合計)
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問7】
仮に、X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)を40年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
1. 1,400万円
2. 1,700万円
3. 2,800万円
正解:(3点)
続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(40-20)=2,200万円となります。
したがって、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(5,000万円-2,200万円)×1/2=1,400万円となります。
【問8】
Mさんは、Aさんに提案した養老保険(福利厚生プラン)について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「福利厚生プランは、原則として、役員・従業員全員を被保険者とすることになりますので、制度導入後に入社した従業員について加入漏れがないようにご注意ください」
2. 「当該養老保険の支払保険料は、その全額を福利厚生費として損金の額に算入することができます」
3. 「当該養老保険の保険期間中に被保険者である従業員が中途(生存)退職したときは、退職した従業員本人に保険会社から解約返戻金が退職金として直接支払われます」
正解:(4点)
1. 適切な記述です。
2. ハーフタックスプランの要件を満たす養老保険の保険料は、その2分の1を福利厚生費として損金算入し、残りの2分の1を資産計上することができます。
3. 養老保険の解約返戻金は、契約者である法人が受け取ります。
【問9】
Mさんは、中小企業退職金共済制度(以下、「中退共」という)について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「中退共は、中小企業の事業主が退職金を社外に積み立てる退職金準備の共済制度です。毎月の掛金は、原則として、被共済者(従業員)1人につき月額5,000円から( ① )円までの16種類のなかから任意に選択することができ、その全額を損金の額に算入することができます。また、中退共に新たに加入する事業主に対して、原則として、掛金月額の( ② )(従業員ごとに上限5,000円)を加入後4カ月目から( ③ )年間、国が助成する制度があります」

1. ①20,000 ②4分の1 ③1
2. ①30,000 ②2分の1 ③1
3. ①80,000 ②2分の1 ③2
正解:(3点)
中退共の掛金は、被共済者(従業員)1人につき月額30,000円まで拠出することができます。
新しく中退共に加入する事業主に対して、加入後4ヵ月目から1年間、掛金月額の2分の1を国が助成する制度があります。
同上

スポンサーリンク




スポンサーリンク



ホーム 進む>
LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。