お金の寺子屋

FP3級実技(保険)解説-2023年9月・解説のみ

【問1】
正解:(3点)
老齢基礎年金の計算上、年金額に反映されるのは、20歳以上60歳未満の期間における、国民年金保険料納付期間や厚生年金保険の被保険者期間などです。
よって、年金額の計算に反映されるのは、20歳以上65歳未満の期間(540月)のうち、513月-60月=453月です。
したがって、老齢基礎年金の額は、「795,000円×453/480」の算式で計算されます。
【問2】
正解:(4点)
公的年金の繰り上げが繰り下げの効果は一生涯続きます。
老齢年金を繰上げると、1月あたり0.4%減額されますから、60歳0ヵ月から受給を開始して60月繰上げると、減額率は、0.4%/月×60月=24%となります。
1952(昭和27)年4月2日以前生まれの人、または、2017(平成29)年4月1日以降に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している人は、老齢年金を最大10年間繰下げることができます。
【問3】
正解:(3点)
1) 特別支給の老齢厚生年金を受給するための生年月日の要件は、男性の場合、1961(昭和36)年4月1日以前生まれであること、女性の場合、1966(昭和41)年4月1日以前生まれであることです。
2) 公的年金を繰り上げる場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げなくてはいけません。なお、 繰り下げる場合は別々に繰り下げることができます。
3) 配偶者が年上である場合、 老齢厚生年金に加給年金が加算されることはありません。

【問4】
正解:(4点)
<遺族に必要な生活資金等>
25万円/月×70%×12ヵ月×22年=4,620万円
25万円/月×50%×12ヵ月×39年=5,850万円
死亡整理資金など:500万円
教育資金など:1,500万円
住居費:5,400万円
の、計17,870万円

<遺族の収入見込額>
死亡退職金と金融資産:2,000万円
公的年金等:8,500万円
の、計10,500万円

よって、必要保証額=17,870万円-10,500万円=7,370万円となります。

【問5】
正解:(3点)
1) 団体信用生命保険に加入して住宅ローンを組んだ場合、債務者の死亡時に残債務は0となるため、必要保障額の計算上、住宅ローンの残債務を遺族に必要な生活資金等の支出の総額に含める必要はありません。
2) 遺族基礎年金は、子のある配偶者または子に対して支給され、年金法上の子とは、 原則として、18歳到達年度の末日を経過していない子供を指しますから、末子である長女Cさんがしぼうすると支給停止されます。
一方、遺族厚生年金は、子がいることが要件とはされていませんから、原則として、一生涯支給されます。
3) 適切な記述です。
【問6】
正解:(3点)
1) 適切な記述です。一般的に、必要保障額は、末子誕生時に最大となり、子どもの成長とともに逓減していきます。
2) 生命保険募集人には告知受領権はありません。告知受領権を持っているのは、一般的に、生命保険会社と生命保険会社が指定した医師だけですから、募集人や代理店に口頭で告知をしたとしても、告知を行った事にはなりません。
3) 適切な記述です。

【問7】
正解:(3点)
勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(30-20)=1,500万円となります。
したがって、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(5,000万円-1,500万円)×1/2=1,750万円となります。
【問8】
正解:(3点)
1) 長期平準定期保険は、定期保険の一種であるため、満期保険金はありません。
2) 法人が契約している保険を払済保険にする場合、原則として、現在の資産計上額を変更時における解約返戻金の額に修正する(洗い替える)経理処理が必要です。
具体的には、現在の資産計上額を取り崩し、新しい保険の解約返戻金相当額を資産計上し、差額を雑収入または雑損失として処理します。
3) 正しい記述です。解約返戻金のある生命保険を役員の退職時に役員に名義変更することで、退職金を支払ったものとして扱われます。
【問9】
正解:(4点)
<設例>の長期平準定期保険は、2019年7月7日以前に契約したものであり、保険料の払込時にその2分の1相当額を資産計上しています。
現時点の払込保険料累計額は5,200万円であることから、現時点の資産計上額は5,200万円÷2=2,600万円であると推定されます。
よって、資産計上額2,600万円を取り崩し、現金(解約返戻金)4,200万円を資産計上し、差額の1,600万円を雑収入として処理します。

【問10】
正解:(4点)
給与所得の額=650万円-(650万円×20%+44万円)=476万円です。
一時所得の額は、総収入金額から収入を得るために直接支出した金額が、特別控除額(最高50万円)を下回っているため0円です。
給与所得は、全額が総所得金額に算入されますから、総所得金額は、476万円となります。
【問11】
正解:(3点)
1) 給与所得及び退職所得以外の所得が20万円を超える場合には確定申告をしなくてはいけませんが、 問10の解説の通り、一時払変額個人年金保険の解約差益に係る一時所得の額は0(ゼロ)であるため、 確定申告は不要です。
2) 妻Bさんの合計所得金額は、給与所得=100万円-55万円=45万円より、妻Bさんは配偶者控除の対象になります。
なお、合計所得金額が900万円以下の人が、一般の控除対象配偶者(12月31日時点で70歳未満の配偶者)について適用を受けることができる配偶者控除の額は、38万円です。
3) 長女Cさんは、16歳以上19歳未満であり、一般の控除対象扶養親族に該当しますから、 38万円の扶養控除の対象です。
【問12】
正解:(3点)
2012年以降に契約した契約に係る、一般の生命保険料控除の対象となる保険料は、年間正味払込保険料が8万円を超える場合、所得税の計算上、4万円の控除を受けることができます。
2012年以降に契約した契約に係る、介護医療保険料控除の対象となる保険料は、年間正味払込保険料が8万円を超える場合、所得税の計算上、4万円の控除を受けることができます。
よって、生命保険料控除の額は、8万円となります。

【問13】
正解:(3点)
1) 相続人が受け取った相続税の課税対象となる生命保険の死亡保険金は、「500万円×法定相続人の数」の式で計算された額まで非課税となります。
法定相続人の数は4人であるため、非課税限度額は、500万円×4=2,000万円となり、死亡保険金の額と等しいことから、相続税の課税価格に算入される死亡保険金の額は0(ゼロ)となります。
2) 被相続人の孫は、基本的には2割加算の対象ですが、代襲相続人である孫は、2割加算の対象でない人(被相続人の子)の立場を引き継ぐため、2割加算の対象ではありません。
3) 相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。
【問14】
正解:(4点)
公正証書遺言を作成するためには、証人が2人以上必要です。
遺言者の推定相続人は、公正証書遺言の証人にはなれません。
相続税の計算上、自宅の敷地について、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、特定居住用宅地等として、相続税の課税価格へ算入する額が330㎡を限度として80%減額されますから、相続税の課税価格へ算入する額は、7,000万円×(1-80%)=1,400万円となります。
【問15】
正解:(3点)
妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、1億6,000万円×1/2=8,000万円となります。
これに対応する相続税額は、8,000万円×30%-700万円=1,700万円です。
長男Cさんの法定相続分に対応する取得金額は、1億6,000万円×1/4=4,000万円となります。
これに対応する相続税額は、4,000万円×20%-200万円=600万円です。
孫Eさんおよび孫Fさんの法定相続分に対応する取得金額は、それぞれ、1億6,000万円×1/8=2,000万円となります。
これに対応する相続税額は、2,000万円×15%-50万円=250万円です。
よって、相続税の総額は、1,700万円+600万円+250万円+250万円=2,800万円となります。

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