お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2021年5月・問11~22

【問11】
関根明彦さん(47歳)が保険契約者(保険料負担者)および被保険者として加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値を解答欄に記入しなさい。なお、保険契約は有効に継続しているものとし、明彦さんはこれまでに<資料>の保険から、保険金・給付金を一度も受け取っていないものとする。また、各々の記述はそれぞれ独立した問題であり、相互に影響を与えないものとする。

<資料/保険証券1>
<資料/保険証券2>
明彦さんが現時点で、足を骨折して12日間入院し(手術は受けていない)、退院日の翌日から約款所定の期間内に10日間通院した場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( ア )万円である。
明彦さんが現時点で、初めてがん(悪性新生物)と診断されて20日間入院し、その間に約款所定の手術(給付倍率40倍)を1回受けた場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( イ )万円である。
明彦さんが現時点で、交通事故で死亡(入院・手術なし)した場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( ウ )万円である。
正解:9、170、110
(ア) 疾病入院給付金5,000円×12+通院給付金3,000円10=9万円です。
(イ) 疾病入院給付金5,000円×20+手術給付金5,000円×40+がん診断給付金100万円+がん入院給付金1万円×20+がん手術給付金20万円=170万円です。
(ウ) 死亡保険金100万円+死亡給付金10万万円=110万円です。
【問12】
株式会社LVの代表取締役である筒井康宏さん(44歳)は、現在、法人契約での生命保険の加入を検討しており、生命保険について、FPの氷室さんに質問をした。氷室さんが生命保険の保険料支払時における一般的な経理処理について述べた次の説明の空欄(ア)~(エ)にあてはまる数値および語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

「2019年6月28日の法人税基本通達の改正により、法人が支払う定期保険等の支払保険料の取扱いが変更されました。原則として、2019年7月8日以後の契約について、定期保険か第三分野保険かの種類を問わず、最高解約返戻率に応じて資産計上期間や資産計上額が決定されます。例えば、被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が( ア )%超85%以下の定期保険(保険期間10年)の支払保険料は、保険期間の前半( イ )割相当期間においては、その( ウ )%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができます。なお、本改正後の取扱いは、2019年7月7日以前の既契約に対して遡及適用( エ )。」
1. (ア)50 (イ)4 (ウ)60 (エ)されます
2. (ア)50 (イ)6 (ウ)40 (エ)されます
3. (ア)70 (イ)4 (ウ)60 (エ)されません
4. (ア)70 (イ)6 (ウ)40 (エ)されません
正解:
2019年6月28日の法人税基本通達の改正により、2019年7月8日以後の契約について法人が支払う保険料は、最高解約返戻率が70%超85%以下の保険(保険期間10年)にかかるものであれば、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができることとされました。
なお、本改正後の取扱いは、2019年7月7日以前の既契約に対しては遡及適用されません。
【問13】
浜松一郎さんが2020年中に支払った生命保険の保険料は下記<資料>のとおりである。浜松さんの2020年分の所得税の計算における生命保険料控除額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の保険について、これまでに契約内容の変更はないものとする。また、2020年分の生命保険料控除額が最も多くなるように計算すること。

<資料>
[定期保険(無配当)]
契約日:2012年4月1日
保険契約者:浜松 一郎
被保険者:浜松 咲子(妻)
死亡保険金受取人:浜松 一郎
2020年の年間支払保険料:72,640円

[個人年金保険(税制適格特約付)]
契約日:2011年2月1日
保険契約者:浜松 一郎
被保険者:浜松 一郎
年金受取人:浜松 一郎
2020年の年間支払保険料:150,380円
2020年の年間配当金:なし

<所得税の生命保険料控除額の速算表>
1. 78,160円
2. 83,160円
3. 88,160円
4. 93,160円
正解:
定期保険の保険料は、新契約に係る一般の生命保険料控除の対象となり、個人年金保険の保険料は、旧契約に係る個人年金保険料控除の対象となります。
よって、一般の生命保険料控除の額=72,640円×1/4+20,000円+50,000円=88,160円となります。
【問14】
住吉正勝さんが契約している火災保険(地震保険付帯・下記<資料>参照)の契約に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、超過保険や一部保険には該当しないものとし、<資料>に記載のない特約等については付帯がないものとする。また、保険契約は有効に継続しているものとする。

<資料1>
<資料2:地震保険 損害の程度と認定の基準(建物)>
(ア) 住吉さんの住宅が大雨による洪水で床上浸水し、建物と家財に損害を被った場合、補償の対象になる。
(イ) 住吉さんの住宅の屋根が台風の強風により損壊し、100万円の損害を被った場合、補償の対象になる。
(ウ) 住吉さんの住宅が地震による火災で延床面積の80%が焼失した場合、地震保険の損害の程度は「半損」に該当する。
(エ) この火災保険契約では、建物の地震保険金額は、250万円から625万円の範囲内で設定することができる。
正解:×、○、×、×
(ア) 資料より、当該保険契約においては、水災は補償の対象としていません。
(イ) 資料より、当該保険契約においては、風災を補償の対象としており、免責金額は0円です。
(ウ) 地震による火災で延床面積の70%以上が焼失した場合、地震保険の損害の程度は 「全損」に該当します。
(エ) 地震保険の保険金額は、建物については、火災保険の保険金額の30%から50%の範囲で、最高1,000万円まで設定することができます。
よって、この火災保険契約では、建物の地震保険金額は、375万円から6625万円の範囲内で設定することができます。
【問15】
会社員の谷口さんは、2021年3月末日に勤務先を退職した。谷口さんの退職に係るデータが下記<資料>のとおりである場合、谷口さんの退職一時金に係る退職所得の金額として、正しいものはどれか。なお、谷口さんは、勤務先の役員であったことはなく、「退職所得の受給に関する申告書」は適正に提出している。また、退職は障害者になったことに基因するものではない。

<資料:谷口さんの退職に係るデータ>
支給される退職一時金:1,250万円
勤続期間:21年6ヵ月
正解:
勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20)であり、勤続年数の計算上1年未満の端数は切り上げます。
よって、退職所得控除額は、800万円+70万円×(32-20)=940万円となります。
したがって、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(1,250万円-940万円)×1/2=155万円となります。

【問16】
個人事業主の千田さんは、2020年4月に機械装置(新品)を購入し、事業の用に供している。千田さんのこの機械装置の2020年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額として、正しいものはどれか。なお、機械装置の取得価額は900万円、2020年中の事業供用月数は9ヵ月、耐用年数は15年とする。また、千田さんは個人事業を開業して以来、機械装置についての減価償却方法を選択したことはなく、法定償却方法によるものとする。

<耐用年数表(法定耐用年数:15年)>
定額法の償却率:0.067
定率法の償却率:0.133
1.   452,250円
2.   603,000円
3.   897,750円
4. 1,197,000円
正解:
所得税においては、減価償却方法を選択しない場合、法定償却方法は定額法となります。
また、減価償却費の計算は月割計算を行います。
よって、減価償却費=900万円×0.067×9/12=452,250円となります。
【問17】
会社員の有馬さんが、2020年中に新築住宅を購入し、同年中に居住を開始した場合の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、有馬さんは、年末調整および住宅ローン控除の適用を受けるための要件をすべて満たしているものとする。

(ア) 有馬さんが所得税の住宅ローン控除の適用を受ける場合、2020年分は確定申告をする必要があるが、2021年分以降は勤務先における年末調整により適用を受けることができる。
(イ) 有馬さんが転勤により単身赴任をする場合、配偶者が引き続き居住している等の所定の要件を満たしていれば住宅ローン控除の適用を受けることができる。
(ウ) 2020年分の住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合は、その差額を翌年度の住民税から控除することができるが、その場合、市区町村への住民税の申告が必要である。
(エ) 住宅ローン控除を受け始めてから7年目に繰上げ返済を行った結果、すでに返済が完了した期間と繰上げ返済後の返済期間の合計が10年未満となった場合は、住宅ローン控除の適用を受けることはできない。
正解:○、○、×、○
(ア) 正しい記述です。会社員が住宅ローン控除を受ける場合、1年目は自分で確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整によって適用を受けることができます。
(イ) 正しい記述です。 家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その住宅の取得等の日から6ヵ月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。
(ウ) 所得税の計算上控除しきれなかった住宅ローン控除額は、一定の範囲で住民税の額から控除することができますが、その際に特別な手続きは必要ありません。
(エ) 正しい記述です。繰り上げ返済により総返済期間が10年未満となった場合には、その年以降住宅ローン控除を受けることができなくなります。
【問18】
所得税における所得控除に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。

(ア) 基礎控除額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず一律48万円である。
(イ) 納税者の事業所得の計算上、配偶者に対して青色事業専従者給与の支払いをしている場合には、その配偶者を対象として配偶者控除および配偶者特別控除を受けることができない。
(ウ) 配偶者特別控除額は、控除を受ける年における納税者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて、控除額が異なる。
(エ) 配偶者控除と基礎控除は同時に適用を受けることができるが、配偶者控除と配偶者特別控除は、どちらか一方しか適用を受けることができない。
正解:×、○、○、○
(ア) 所得税の基礎控除額は、納税者の合計所得金額が2,400万円以下であれば48万円ですが、2400万円を超える場合には、48万円よりも少なくなります。
(イ) 正しい記述です。青色事業専従者は、配偶者控除や配偶者特別控除、および、扶養控除の対象にはなりません。
(ウ) 正しい記述です。
(エ) 正しい記述です。
【問19】
下記<親族関係図>の場合において、民法の規定に基づく法定相続分および遺留分に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)に入る適切な語句または数値を語群の中から選び、解答欄に記入しなさい。なお、同じ語句または数値を何度選んでもよいこととする。

<親族関係図>
[各人の法定相続分と遺留分]
被相続人の配偶者の法定相続分は( ア )。
被相続人の兄の法定相続分は( イ )。
被相続人の母の遺留分は( ウ )。
<語句群>
なし 1/2 1/3 2/3 1/4 
1/6 1/8 1/12 1/16
正解:2/3、なし、1/12
(ア) 相続人が配偶者と第2順位の血族相続人の組み合わせである場合、配偶者の法定相続分は3分の2になります。
(イ) 第2順位の血族相続人がいる場合、第3順位の血族相続人は相続人となることができません(第3順位の血族相続人の法定相続分は0となります)。
(ウ) 相続人が直系尊属のみである場合を除き、抽象的遺留分の金額は、遺留分算定の基礎となる財産の2分の1相当額で、具体的遺留分の金額は、抽象的遺留分に法定相続分をかけた金額となります。
また、被相続人の母の法定相続分は1/6です。
よって、被相続人の母の遺留分の金額は、1/2×1/6=1/12となります。
【問20】
相続税において相続財産から控除できる債務等に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。

(ア) 被相続人に係る未払い医療費は、相続財産から控除することができる。
(イ) 葬式などの前後の出費で、通常葬式に欠かせないお通夜にかかった費用は、葬式費用として相続財産から控除することができる。
(ウ) 香典返しのためにかかった費用は、葬式費用として相続財産から控除することができる。
(エ) 被相続人が生前に購入した墓地の購入未払い金は、相続財産から控除することができる。
正解:○、○、×、×
(ア) 正しい記述です。
(イ) 正しい記述です。
(ウ) 香典返戻費用は債務控除の対象外です。
(エ) 非課税財産に係る債務は債務控除の対象外です。
【問21】
阿久津太郎さん(38歳)は、父(70歳)と叔母(68歳)から下記<資料>の贈与を受けた。太郎さんの2020年分の贈与税額を計算しなさい。なお、父からの贈与については、2019年から相続時精算課税制度の適用を受けている。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<資料>
[2019年中の贈与]
父から贈与を受けた金銭の額:2,000万円

[2020年中の贈与]
父から贈与を受けた金銭の額:1,000万円
叔母から贈与を受けた金銭の額:800万円

2019年中および2020年中に上記以外の贈与はないものとする。
上記の贈与は、住宅取得等資金や結婚・子育てに係る資金の贈与ではない。
<贈与税の速算表>
[20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
1,000万円超
1,500万円以下
40% 190万円
1,500万円超
3,000万円以下
45% 265万円
3,000万円超
4,500万円以下
50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
1,000万円超
1,500万円以下
45% 175万円
1,500万円超
3,000万円以下
50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
正解:251
2020年に使える相続時精算課税制度の特別控除額は、2,500万円-2,000万円=500万円です。
よって、父からの贈与に係る贈与税額は、(1,000万円-500万円)×20%=100万円です。
また、叔母からの贈与に係る贈与税額は、(800万円-110万円)×40%-125万円=151万円です。
よって、2020年分の贈与税額は、100万円+151万円=251万円となります。
【問22】
相続税における「小規模宅地等の評価減の特例」に関する下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。

特定事業用宅地等と貸付事業用宅地等については、一定の場合に該当しない限り、相続開始前3年以内に新たに(貸付)事業の用に供された宅地等を除く。
1. (ア)500 (イ)240 (ウ)40
2. (ア)400 (イ)240 (ウ)50
3. (ア)500 (イ)330 (ウ)40
4. (ア)400 (イ)330 (ウ)50
正解:
(ア) 特定事業用宅地等や特定同族会社事業用宅地等は、400㎡まで80%評価減されます。
(イ) 特定居住用宅地等は、330㎡まで80%評価減されます。
(ウ) 貸付事業用宅地等は200㎡まで50%評価減されます。

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