FP2級実技(生保)解説-2024年5月・問10~15
【問10】
正解:ロ、ホ、ハ
① | 第一次通算では、不動産所得と事業所得(総合課税される所得)の赤字を、経常所得(不動産所得、事業所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得)の黒字と通算します。 |
② | 損失が出た場合に損益通算の対象となる所得は、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つです。 |
③ | 第一次通算では、経常所得のグループと、譲渡所得・一時所得のグループに分けて損益通算を行いますから、総合課税される譲渡所得の赤字は、一時所得の黒字と通算します。 |
【問11】
正解:○、×、○
① | 正しい記述です。確定拠出年金の老齢給付金の年金額は、公的年金等の雑所得となるため、収入金額から公的年金等控除額を引いて所得の額を計算します。 公的年金等控除額は、最低でも40万円が保証されますから、公的年金等の雑所得の収入金額が30万円である場合、公的年金等に係る雑所得の金額は0円となります。 |
② | 一時払変額個人年金保険の解約返戻金は、契約から5年以内に解約した場合には、金融類似商品に該当し、源泉分離課税の対象となりますが、5年を超えて解約した場合には、一時所得として総合課税の対象となります。 |
③ | 妻Bさんは70歳以下であり、給与所得の額は、100万円-65万円=35万円ですから、一般の控除対象配偶者として配偶者控除の適用を受けるための合計所得金額の要件(48万円以下)を満たします。 Aさんの合計所得金額は900万円以下ですから、配偶者控除の額は38万円となります。 |
【問12】
正解:4,870,000、380,000、480,000、132,500
① | 給与所得の額780万円-(780万円×10%+110万円)=592万円は、全額総所得金額に算入されます。 不動産所得の赤字150万円のうち、土地取得のための借入金の利子相当額10万円を除いた、140万円が損益通算の対象となります。 確定拠出年金の老齢給付金の年金額に係る雑所得の額は、0円(問11①の解説の通り)です。 解約返戻金に係る一時所得の額=総収入金額-収入を得るために直接支出した金額-特別控除額(最高50万円)=620万円-500万円-50万円=70万円であり、2分の1が総所得金額に算入されます。 よって、総所得金額=592万円-140万円+70万円×1/2=487万円となります。 |
② | 長男Cさんは、23歳以上70歳未満であり、給与所得の額は、80万円-65万円=15万円ですから、一般の控除対象扶養親族として38万円の控除を受けることができます。 |
③ | 合計所得金額が2,400万円以下である人が受けることができる基礎控除の額は、48万円です。 |
④ | 2,300,000円×10%-97,500円=132,500円です。 |
【問13】
正解:○、×、×、×
① | 正しい記述です。『配偶者に対する相続税額の軽減』や『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができるのは、原則として、相続税の申告期限までに遺産分割が完了している財産に限られます。 但し、相続税の申告書または更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割した場合や、相続税の申告期限から3年を経過する日までに分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4ヵ月以内に分割された場合には、更正の請求をして適用を受けることができます。 |
② | 公正証書遺言の原本は公証役場に保管されます。 |
③ | 抽象的遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定基礎財産の1/2です。 また、各相続人の具体的遺留分は、抽象的遺留分を遺留分権利者が法定相続分通り按分した割合となります。 よって、二男Dさん(法定相続分:1/2×1/2=1/4)の具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。 したがって、具体的遺留分の額は、3億4,000万円×1/=4,250万円となります。 |
④ | 死亡保険金は、みなし相続財産ですから、原則として、遺産分割の対象外となるため、遺留分算定の基礎となる財産の額には含まれません。 |
【問14】
正解:イ、二、ヘ
① | 自宅の敷地は特定居住用宅地等として330㎡まで80%評価減されますから、相続税の課税価格に算入すべき金額は、4,500万円×(1-80%)=900万円となります。 |
② | 小規模宅地の特例の適用を受ける場合、賃貸マンションの敷地は、貸付事業用宅地等に区分されます。貸付事業用宅地等と、特定居住用宅地等など他の区分の宅地の両方について特例の適用を受ける場合、適用対象面積は所定の算式により調整されます。 |
③ | 配偶者に対する相続税額の軽減は、配偶者が相続または遺贈により取得した財産のうち、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか多い金額までに係る相続税額を0にする制度です。 |
【問15】
正解:4,800、1,040、5,020
① | 相続税の基礎控額除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で計算されます。 よって、3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。 |
② | 課税遺産総額=2億8,000万円-4,800万円=2億3,200万円です。 よって、長男Cさんの法定相続分(1/2×1/2=1/4)に対応する取得金額は、2億3,200万円×1/4=5,800万円となります。 これに対応する相続税額は、5,800万円×30%-700万円=1,040万円です。 |
③ | 妻Bさんの法定相続分(1/2)に対応する取得金額は、2億3,200万円×1/2=1億1,600万円となります。 これに対応する相続税額は、1億1,600万円×40%-1,700万円=2,940万円です。 また、二男Dさんの法定相続分に対応する相続税額は、長男Cさんと等しく、1,040万円です。 よって、相続税の総額は、2,940万円+1,040万円+1,040万円=5,020万円となります。 |
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