FP2級実技(保険)解説-2018年1月・解説のみ
【問1】10(年)、63(歳)、1,078,109 (円)
① | 特別支給の老齢厚生年金は、老齢厚生年金の受給資格期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あること等が支給要件となっています。 |
② | 特別支給の老齢厚生年金は、男性なら昭和36年4月1日以前生まれの人に支給されます。 この事から、昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれの人は64歳から報酬比例部分の年金が支給されると考える事が出来れば、昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれの人は63歳から報酬比例部分の年金が支給されると考える事ができます。 |
③ | a=32万円×7.125/1,000×264=601,920円、 b=48万円×5.481/1,000×181=476,189.28円より、 報酬比例部分の年金額=601,920円+476,189円=1,078,109円です。 |
【問2】×、×、○
1. | 老齢基礎年金の金額は、基本的に、779,300円×(国民年金保険料納付月数+厚生年金保険の被保険者期間の月数)/480ヵ月で、779,300円を上限とします。 Aさんは、国民年金の未加入期間がありますから、老齢基礎年金を満額受給する事はできません。 |
2. | 加給年金が支給停止される条件の一つに、「配偶者(妻)が厚生年金保険(共済年金)の加入期間が20年以上あり、老齢厚生年金(共済年金)を受け取るとき」とあります。 本問では、妻の生年月日が昭和41年4月2日以降であり、妻は特別支給の老齢厚生年金を受給していませんから、Aさんが65歳から受給する老齢厚生年金の額には、(妻が老齢厚生年金の受給を開始するまで)加給年金額が加算されます。 |
3. | 老齢年金を繰り上げる場合、基礎年金と厚生年金の両方を同時に繰り上げなくてはいけません。ちなみに、繰下げは、別々にすることができます。 |
【問3】ロ、ト、ヘ
① | 健康保険の任意加入被保険者となれるのは、最大で2年間です。 |
② | 介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者に分けられます。 |
③ | 公的年金制度から年額18万円以上の年金を受給している第1号被保険者に係る介護保険料は、原則として公的年金から特別徴収されます。 |
【問4】ロ、ハ、ヘ、リ
① | 外貨建て投資を行う際には、換金時の為替レートが円高になると、為替差損が生じます。 |
② | 市場価格調整(MVA)とは、解約返戻金の額が解約時の市場金利に応じて増減する仕組みの事です。 保険会社は、集めた保険料を債券で運用していますから、市場金利が上がれば債券価格は下落し、市場金利が下がると債券価格は上昇します。そこで、解約時の市場金利が契約時より上昇している場合には解約返戻金が減少し、逆に下落している場合には解約返戻金が増加する商品があります。 |
③ | どの資産分類にどの程度の割合で資産を配分するかに関する決定を行う事を、アセットアロケーションと言います。 シャープレシオは運用の巧拙を判断する指標で、デュレーションは債券の金利変動リスクの大きさです。 |
④ | 銀行窓口で契約した生命保険契約は、生命保険契約者保護機構による保護の対象となります。 |
【問5】○、○、×
1. | 適切な記述です。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 一時払い終身保険の解約返戻金は、5年以内に解約しても源泉分離課税とはならず、一時所得として総合課税の対象になります。 金融類似商品とされる条件の一つに、「死亡保険金額が満期保険金額の一定倍率以下」というものがあり、終身保険は満期が無いため、金融類似商品に該当しません。 |
【問6】○、○、×
1. | 正しい記述です。 |
2. | 適切な記述です。 |
3. | 死亡保険金は、受取人固有の財産であり、原則として遺留分算定の基礎となる財産には含まれません。 |
【問7】800、1,780、2,610
① | 勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、800万円+70万円×(勤続年数-20年)です。 |
② | 退職所得控除額の計算上、勤続年数の端数は切り上げますから、退職所得控除額=800万円+70万円×(34-20)=1,780万円です。 |
③ | 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2より、退職所得=(7,000万円-1,780万円)×1/2=2,610万円です。 |
【問8】×、○、○
1. | 法人を死亡保険の受取人とする終身保険の保険料は、全額資産計上されますから、これまで資産計上していた保険料積立金=払込保険料累計額=1,800万円となります。 したがって、解約返戻金1,980万円との差額180万円は、雑収入として経理処理します。 |
2. | 適切な記述です。 |
3. | 正しい記述です。相続人(放棄している者を除く)が受け取る、相続税の課税対象となる死亡保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税となります。 |
【問9】ハ、ト、ホ、ル
① | 長期平準定期保険の保険料の経理処理は、保険期間の前半6割の期間と後半4割の期間とで異なります。 |
② | 長期平準定期保険の保険料を支払った場合、保険期間の前半6割の期間においては、半額を損金算入し、半額を資産計上します。 |
③ | 保険の解約時に取り崩す前払保険料の金額は、これまで資産計上してきた金額の累計です。 解約時までに支払った保険料の総額は5,100万円とありますから、前払保険料は2,550万円です。 |
④ | ③より、前払保険料2,550万円と解約返戻金4,750万円の差額1,800万円が、雑収入となります。 |
【問10】ト、イ、ヘ、ヌ
① | 所得控除のうち、寄付金控除、医療費控除、雑損控除を受けるためには、確定申告をしなくてはいけません。 |
② | 医療費控除の金額は、基本的に、正味負担した医療費から10万円を控除した金額です。 |
③ | セルフメディケーション税制を利用した場合、医療費控除の上限は、88,000円となります。 |
④ | セルフメディケーション税制は、従来の医療費控除との選択適用となる制度です。 |
【問11】○、×、×
1. | 正しい記述です。 |
2. |
給与収入が140万円である場合、給与所得は38万円を超えますので、扶養控除の対象外となります。 <改正後> |
3. | e-Taxを利用して確定申告をする事は可能です。 |
【問12】10,030,000、630,000、997,000 (注)制度改正あり
① |
給与所得=1,100万円-220万円=880万円です。 <改正後> |
② | 長女Cさんは扶養控除の対象外(問11②参照)で、二女Dさんは特定扶養親族として扶養控除を受ける事が出来ますから、扶養控除の金額は、63万円です。 |
③ | ①より、課税総所得金額=1,030万円-320万円=710万円ですから、 算出税額=710万円×23%-63.6万円=997,000円となります。 |
【問13】4,800、2,240、10,620
① | 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数であり、法定相続人の数は3人ですから、基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円です。 |
② | ①より、課税遺産総額は、4億4,000万円-4,800万円=3億9,200万円です。 相続税の総額の基となる税額を計算する際には、課税遺産総額を法定相続分に応じて按分したと仮定して計算しますから、長男Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は、3億9,200万円×1/4=9,800万円となります。 よって、長男Cさんの相続税の総額の基となる税額は、9,800万円×30%-700万円=2,240万円です。 |
③ | 妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、3億9,200万円×1/2=1億9,600万円となります。 よって、妻Bさんの相続税の総額の基となる税額は、1億9,600万円×40%-1,700万円=6,140万円です。 また、長女Dさんの相続税の総額の基となる税額は、長男Cさんと同じ2,240万円ですから、相続税の総額=6,140万円+2,240万円×2=1億620万円です。 |
【問14】○、○、○
1. | 正しい記述です。配偶者に対する相続税額の軽減や小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は、原則として、相続税の申告期限までに遺産分割が行われている事が要件とされています。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 適切な記述です。 |
【問15】110、1,500、500、1,200
① | 贈与税の暦年課税の基礎控除額は、受贈者1人あたり110万円です。 |
② | 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税枠は、1,500万円です。 |
③ | 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税枠のうち、学校等以外の者に対して直接支払われる金銭は、最高500万円までとされています。 |
④ | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の非課税限度額は、住宅用家屋の取 得等に係る契約の締結時期と住宅の種類によって異なります。 締結日が平成30年中で、住宅が省エネ等住宅である場合、非課税限度額は1,200万円となります。 |
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