お金の寺子屋

FP3級実技(保険)解説-2018年1月・問1~9

【問1】~【問3】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 Aさん(48歳)は、デザイン事務所を経営する個人事業主である。Aさんは、丁寧な仕事が評判で取引先が多く、収入は安定している。
 Aさんは、これまで国民年金のみに加入しているが、収入が安定していることもあり、最近、老後の年金収入を増やすための方策を考えている。一方で、Aさんは、過去に国民年金の保険料を支払っていない期間があるため、自分の公的年金がどのくらい支給されるのか不安を感じている。
 そこで、Aさんは懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんに関する資料は、以下のとおりである。

<Aさんに関する資料>
 昭和44年10月17日生まれ
 公的年金の加入歴は下記のとおりである(見込み期間を含む)。

Aさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問1】
はじめに、Mさんは、国民年金の制度について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「老齢基礎年金を受給するためには、原則として、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が( ① )年必要です。Aさんは、原則として65歳から老齢基礎年金を受給することができます。
 Aさんが老後の年金収入を増やすために、所定の手続により、国民年金の定額保険料に加えて、月額( ② )円の付加保険料を納付し、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合、Aさんは、老齢基礎年金と『( ③ )円×付加保険料納付済期間の月数』の算式で計算した付加年金を受け取ることができます」

1. ①10 ②400 ③200
2. ①25 ②400 ③400
3. ①40 ②200 ③400
正解: (3点)
老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間が10年以上ある事が必要です。
国民年金の付加保険料は、月額400円です。
国民年金の付加年金の年金額は、年額200円×付加保険料納付済期間の月数です。
【問2】
次に、Mさんは、Aさんが老齢基礎年金の受給を65歳から開始した場合の年金額を試算した。Mさんが試算した老齢基礎年金の年金額の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、老齢基礎年金の年金額は、平成29年度価額に基づいて計算するものとする。
1. 779,300円×408月/480月
2. 779,300円×(408月+72月×1/2)/480月
3. 779,300円×(408月+72月×1/3)408月/480月
正解:(3点)
老齢基礎年金の年金額=779,300円×(厚生年金保険の被保険者期間+国民年金保険料納付済月数)/480ヵ月です。
なお、分数式の分子は480ヵ月を上限とし、免除を受けた期間分は、免除の種類に応じて国民年金保険料(全額)納付済月数に換算しますが、未納の期間は年金額の計算期間には反映されません。
【問3】
最後に、Mさんは、老後の年金収入を増やす方法について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「小規模企業共済制度は、個人事業主が廃業等した場合に必要となる資金を準備しておくための共済制度です。毎月の掛金は、1,000円から70,000円の範囲内(500円単位)で選択することができます」
2. 「Aさんが確定拠出年金の個人型年金に加入した場合、拠出する掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります」
3. 「国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者の老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する任意加入の年金制度です。国民年金基金の老齢給付は、終身年金ではなく、5年もしくは10年の確定年金となります」
正解: (4点)
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 国民年金基金は、口数単位で加入し、老齢給付は終身年金もしくは確定年金となりますが、1口目は必ず終身年金に加入しなくてはいけない事になっています。

【問4】~【問6】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 会社員のAさん(55歳)は、同じく会社員の妻Bさん(52歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には2人の子がいるが、いずれも結婚して独立している。
 Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんから、介護終身保障保険の提案を受けたことを機に、現在加入している定期保険特約付終身保険を解約し、要介護状態になった場合の保障を充実させたいと思うようになった。
 Mさんが提案した生命保険に関する資料は、以下のとおりである。

<Mさんが提案した生命保険に関する資料>

保険の種類:5年ごと利差配当付介護終身保障保険(死亡給付金倍率5倍)
月払保険料:12,850円(全額が介護医療保険料控除の対象)
保険料払込期間:終身払い込み(下記注釈参照)
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡給付金受取人:妻Bさん
指定代理請求人:妻Bさん
保険料払込期間は、契約時に有期払込を選択することができる。
公的介護保険制度の要介護2以上と認定された場合、または保険会社所定の要介護状態になった場合に支払われる。
介護終身年金の支払事由前に死亡した場合、死亡給付金300万円が支払われる。介護終身年金が支払われた場合、死亡給付金額から当該金額が差し引かれる(5回目の介護終身年金が支払われた後、死亡給付金はない)。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問4】
はじめに、Mさんは、公的介護保険(以下、「介護保険」という)の保険給付について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「Aさんのような介護保険の第2号被保険者は、寝たきりなどにより介護が必要と 認められた場合、病気等の原因を問わず、介護サービスを利用することができます」
2. 「Aさんのような介護保険の第2号被保険者が、介護サービスの提供を受けた場合、実際にかかった費用の3割を自己負担する必要があります」
3. 「居宅サービスを利用する場合、要介護度に応じて利用できる限度額が決められており、限度額を超えて利用したサービスの費用は、全額自己負担となります」
正解: (3点)
1. 介護保険の第2号被保険者は、16種類の特定疾病により介護が必要と認められた場合に限り、介護サービスを利用することができます。
2. 介護保険の給付を受ける場合、利用者負担は原則として1割(一定の所得要件を満たした場合は2割または3割)です。
3. 正しい記述です。
【問5】
次に、Mさんは、<設例>の生命保険の保障内容等について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「保険料払込期間を有期払込にした場合、毎月の保険料負担は減少し、保険料の払込総額も少なくなります。払込期間を有期として、払込満了後の保障を確保することも検討事項の1つとなります」
2. 「Aさんが働けなくなった場合、収入の減少は避けられません。また、会社員である妻BさんがAさんの介護のために休職等をすることも想定されますので、一定額の介護年金および介護一時金を確保することは検討に値すると思います」
3. 「介護終身年金の支払が始まると、死亡給付金の額が段階的に減少していきます。また、当該生命保険に入院・通院の保障はありません。定期保険特約付終身保険を解約される前に死亡保障・医療保障の必要性について確認しましょう」
正解: (4点)
1. 保険料払込期間を有期払込にした場合、毎月の保険料負担は増加します。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
【問6】
最後に、Mさんは、《設例》の生命保険の課税関係について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「当該生命保険の保険料は介護医療保険料控除の対象となります。適用限度額は、所得税で40,000円、住民税で28,000円となります」
2. 「介護一時金は、一時所得の収入金額として総合課税の対象となります。総所得金額に算入される一時所得の金額が20万円を超える場合、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
3. 「Aさんが介護終身年金を請求できない特別な事情がある場合には、指定代理請求特約により指定代理請求人である妻BさんがAさんに代わって請求することができます。妻Bさんが代理請求した場合であっても、介護終身年金は非課税所得として扱われます」
正解: (3点)
1. 正しい記述です。民間の介護保険の保険料を年間8万円以上支払った場合、介護医療保険料控除として、所得税で40,000円、住民税で28,000円の所得控除を受ける事ができます。
2. 個人が受け取る、介護保険の保険金・給付金は、非課税です。
3. 正しい記述です。

【問7】~【問9】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
 X株式会社(以下、「X社」という)の二代目社長であるAさん(40歳)は、Y生命保険会社から退職金準備や事業保障資金の確保等を目的とした2つの生命保険契約の提案を受けている。

<資料>Y生命保険会社から提案を受けた生命保険の内容

①長期平準定期保険(特約付加なし)

契約者(=保険料負担者):X社
死亡保険金受取人:X社
被保険者:Aさん
保険期間・保険料払込期間:98歳満了
死亡保険金額:1億円
年払保険料:215万円
70歳時の解約返戻金額:5,966万円
解約返戻金額の80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。

②無配当定期保険(特約付加なし)

契約者(=保険料負担者):X社
死亡保険金受取人:X社
被保険者:Aさん
保険期間・保険料払込期間:10年(自動更新タイプ)
死亡保険金額:5,000万円
年払保険料:14万円

上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問7】
仮に、将来X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)を35年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
1. 1,575万円
2. 1,850万円
3. 3,150万円
正解:(3点)
勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額=70万円×(勤続年数-20)+800万円より、退職所得控除額=70万円×15+800万円=1,850万円となります。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2より、退職所得=(5,000-1,850)万円×1/2=1,575万円となります。
【問8】
<設例>の<資料>①長期平準定期保険に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「Aさんの勇退時期を70歳と仮定した場合、当該生命保険を解約することにより、X社は相当額の解約返戻金を受け取ることができます。したがって、当該生命保険の加入により、役員(生存)退職金の原資を準備することが可能です」
2. 「契約者貸付制度を利用することにより、当該保険契約を解約することなく、資金を調達することができます。ただし、契約者貸付金には、保険会社所定の利息が発生します」
3. 「保険期間中に被保険者であるAさんが死亡した場合、X社はそれまでに資産計上していた前払保険料を取り崩して、受け取った死亡保険金との差額を雑損失として損金の額に算入します」
正解: (4点)
1. 間違ったことは述べていません。
2. 正しい記述です。
3. 受け取る死亡保険金は、前払保険料よりも多いですから、保険期間中に被保険者であるAさんが死亡した場合、X社はそれまでに資産計上していた前払保険料を取り崩して、受け取った死亡保険金との差額を雑収入として益金の額に算入します。
【問9】
<設例>の<資料>②無配当定期保険に関するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「X社が受け取る死亡保険金は、取引先への買掛金支払や金融機関への借入金返済など、事業を継続するための資金として活用することができます。長期平準定期保険に比べて、割安な保険料で死亡保障を準備できます」
2. 「当該生命保険の払込保険料は、全額を損金の額に算入します。したがって、保険期間中に当該生命保険を解約し、解約返戻金を受け取った場合、X社では、経理処理の必要はありません」
3. 「当該生命保険を10年後に更新する場合の保険料は、加入時ではなく、更新時の保険料率により計算されます」
正解: (2級)
1. 正しい記述です。
2. 定期保険の払込保険料は、全額を損金の額に算入します。したがって、保険 期間中に当該生命保険を解約し、解約返戻金を受け取った場合、受け取った金額を雑収入として益金の額に算入します。
3. 正しい記述です。

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