お金の寺子屋

FP2級学科解説-2022年5月・問21~30

【問21】
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 日銀短観は、統計法に基づいて行われる調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、政府の財政政策の適切な運営に資することを目的としている。
2. 日銀短観の調査は年4回実施され、その結果は、3月、6月、9月、12月に公表される。
3. 日銀短観の調査対象企業は、全国の資本金1,000万円以上の民間企業(金融機関等を除く)の中から抽出され、各種計数が業種別および企業規模別に公表される。
4. 日銀短観で公表される「業況判断DI」は、回答時点の業況とその3カ月後の業況予測について、「良い」と回答した企業の社数構成比から「悪い」と回答した企業の社数構成比を差し引いて算出される。
正解:
1. 日銀短観は、政府の財政政策の適切な運営に資することを目的として行われるものではなく、日本銀行の金融政策の適切な運営に資することを目的として行われるものです。
2. 日銀短観の公表日は、4・7・10・12月です。
3. 日銀短観の調査対象企業は、資本金2,000万円以上の民間企業(調査はここから抽出された約1万社)です。
4. 正しい記述です。
【問22】
銀行等の金融機関で取り扱う預金商品の一般的な商品性等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」を休眠預金等活用法という。
1. 決済用預金は、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という3つの条件を満たした預金であり、法人も個人も預け入れることができる。
2. オプション取引などのデリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断によって満期日が繰り上がる商品がある。
3. 自動積立定期預金は、各指定日に普通預金口座からの口座振替等により、指定金額を預入することができる定期預金である。
4. 2009年1月1日以降、取引がないまま7年が経過した普通預金は、休眠預金等活用法に基づく「休眠預金等」に該当する。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
4. 休眠預金等活用法でいう「休眠預金」とは、最終異動日が2009年1月1日以降であり、かつ、最終異動日から10年間経過している預金(2009年1月1日以降10年以上取引がない預金)を指します。
【問23】
上場投資信託(ETF)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. ETFは、非上場の投資信託と異なり、運用管理費用(信託報酬)は発生しない。
2. ETFは、支払われる分配金が自動で再投資されるため、投資の複利効果を得ることができる。
3. ETFには、つみたてNISAの対象となっているものがある。
4. ETFには、株価指数に連動するものはあるが、REIT指数や商品指数に連動するものはない。
正解:
1. ETFは投資信託ですから、信託報酬が発生します。
2. ETFの分配金は、上場株式の配当金と同じように支払われ、自動で再投資されるものではありません。
3. 正しい記述です。
4. ETFには、 株価指数に連動するもののほか、REIT指数や商品指数に連動するものもあります。
【問24】
年1回複利の割引率を年率0.3%とした場合、5年後の100万円の現在価値として、最も適切なものはどれか。なお、計算過程では端数処理を行わず、計算結果は円未満を切り捨てること。
1. 984,909円
2. 985,000円
3. 985,134円
4. 985,221円
正解:
100万円÷(1.003)^5 =985,134.06…円≒985,134円です。
【問25】
株式指標の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 同規模・同一業種の銘柄間においては、PERの高い銘柄が割安と考えられる。
2. 同規模・同一業種の銘柄間においては、PBRの高い銘柄が割安と考えられる。
3. 配当性向は、企業の当期純利益に対する年間配当金の割合を示す指標である。
4. ROAは、企業の売上高に対する当期純利益の割合を示す指標である。
正解:
1. PERは、低いほど割安であると言えます。
2. PBRは、低いほど割安であると言えます。
3. 正しい記述です。 配当性向=配当金総額÷当期純利益です。
4. ROAは、総資産に対する利益の割合を表す指標です。

【問26】
個人(居住者)が国内の金融機関等を通じて行う外貨建て金融商品の取引等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 外貨建て金融商品の取引に係る為替手数料の料率は、同一の外貨を対象にする場合であっても、取扱金融機関により異なることがある。
2. 国外の証券取引所に上場している外国株式を、国内店頭取引により売買する場合、外国証券取引口座を開設する必要がある。
3. 外国為替証拠金取引では、証拠金にあらかじめ決められた倍率を掛けた金額まで売買することができるが、倍率の上限は各取扱業者が決めており、法令による上限の定めはない。
4. 米ドル建て債券を保有している場合、為替レートが円安・米ドル高に変動することは、当該債券に係る円換算の投資利回りの上昇要因となる。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 外国為替証拠金取引(FX)には、法令によるレバレッジ制限があり、25倍以上のレバレッジを掛けることが禁止されています(取引金額に対して4%以上の証拠金を差し入れ、維持する必要があります)。
4. 正しい記述です。外貨建て投資において、円安は円ベースの利回りの上昇要因です。
【問27】
金融派生商品に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 金融派生商品を利用する場合、現物取引を行った場合と同等の投資効果を得るには、現物取引よりも多額の資金を投入する必要がある。
2. 現物価格の変動による利益と同額の利益が発生するように、現物と同じポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引を、ヘッジ取引という。
3. 現物価格と当該現物を原資産とする先物の理論価格との間で価格差が生じた場合、割安な方を売り、割高な方を買うポジションを組み、その価格差を利益として得ることを狙う取引を、裁定取引という。
4. 先物の将来の価格を予想してポジションを取り、予想どおりの方向に変動したときに反対売買を行って利益を確定することを狙う取引を、スペキュレーション取引という。
正解:
1. 金融発生商品を利用する場合、投入した資産(=資産証拠金として預け入れた資産)以上の取引をすることができますから、現物取引よりも少額の資金で、現物取引を行った場合と同等の投資効果を得ることができます。
2. ヘッジ取引は、現物価額の変動による利益と同額の損失が発生するように、現物と逆のポジションの先物を保有するなどして、価格変動リスクを回避・軽減することを狙う取引です。
3. 裁定取引は、現物価格と当該現物を原資産とする先物の理論価格との間で価格差が生じた場合に、割安な方を買って割高な方を売るポジションを組むことで、利ざやを稼ぐことを狙う取引です。
4. 正しい記述です。
【問28】
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. ポートフォリオのリスクとは、一般に、組成されたポートフォリオの損失額の大きさを示すのではなく、そのポートフォリオの期待収益率と実際の収益率の乖離の度合いをいう。
2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数がゼロである場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は生じない。
3. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。
4. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、22資産間の相関係数が+1でない限りは、リスクの軽減効果が生じます。
3. 正しい記述です。
4. 正しい記述です。
【問29】
一般NISA(非課税上場株式等管理契約に係る少額投資非課税制度)およびつみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、一般NISAにより投資収益が非課税となる勘定を一般NISA勘定といい、つみたてNISAにより投資収益が非課税となる勘定をつみたてNISA勘定という。
1. 2022年中に一般NISA勘定を通じて購入することができる限度額(非課税枠)は、80万円であるのに対し、同年中につみたてNISA勘定を通じて購入することができる限度額(非課税枠)は、40万円である。
2. 一般NISAとつみたてNISAは、同一年中において、併せて新規投資に利用することができる。
3. つみたてNISA勘定に受け入れている金融商品を売却することで生じた譲渡損失は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益と通算することができる。
4. 一般NISAの非課税期間が終了し、受け入れていた金融商品を特定口座に移管する場合、当該特定口座における取得価額は、非課税期間終了時の時価となる。
正解:
1. 一般NISAの非課税投資枠は年間120万円で、つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円です。
2. 一般NISAとつみたてNISAは、同じ年においては併用することはできません(毎年どちらを利用するか選択することができます)。
3. 一般NISA勘定やつみたてNISA勘定で生じた損失は、他の所得と損益通算したり繰越控除したりすることができません。
4. 正しい記述です。
【問30】
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適 切なものはどれか。
1. 日本国内に本店のある銀行の国内支店に預け入れた円建ての仕組預金は、その元本、利息のいずれも預金保険制度による保護の対象とならない。
2. 日本国内に本店のある銀行の国内支店に預け入れた外貨預金は、その金額の多寡にかかわらず、預金保険制度による保護の対象とならない。
3. 日本国内に本店のある銀行の海外支店や外国銀行の在日支店に預け入れた預金は、その預金の種類にかかわらず、預金保険制度による保護の対象とならない。
4. 証券会社が破綻し、分別管理が適切に行われていなかったために、一般顧客の資産の一部または全部が返還されない事態が生じた場合、日本投資者保護基金により、補償対象債権に係る顧客資産について一般顧客1人当たり1,000万円を上限として補償される。
正解:
1. 仕組預金は、その元本と利息の両方が預金保険制度による保護の対象とされています。但し、仕組預金の利息等については、預入時における通常の円定期預金(仕組預金と同一の期間及び金額)の店頭表示金利までが預金保険の対象となり、それを超える部分は預金保険の対象外となります。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
4. 正しい記述です。

スポンサーリンク




スポンサーリンク



<戻る ホーム 進む>
LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。