お金の寺子屋

FP3級実技(FP協会)解説-2019年1月・前半

【問1】
ファイナンシャル・プランニング業務を行うに当たっては、関連業法を順守することが重要である。ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の行為に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 宅地建物取引業の免許を受けていないFPが、顧客から依頼され、業務の一環としてマンションの賃借の媒介を行い、仲介手数料を受け取った。
2. 税理士資格を有していないFPが、参加費有料のセミナーにおいて、仮定の事例に基づき、税額計算の手順を解説した。
3. 生命保険募集人登録をしていないFPが、顧客から相談を受け、顧客が死亡した場合における遺族の必要保障額を計算した。
正解:
1. 不動産取引を業として行うためには、宅地建物取引業の免許が必要です。
2. 個別具体的な税金の計算は、税理士資格を持っていないとすることができませんが、仮定の事例に基づいた税金の計算は、誰でもすることができます。
3. 必要保障額の計算は誰でもすることができます。
【問2】
下記は、杉山家のキャッシュフロー表(一部抜粋)である。このキャッシュフロー表の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、計算過程においては端数処理をせず計算し、計算結果については万円未満を四捨五入すること。

年齢および金融資産残高は各年12月31日現在のものとし、2018年を基準年とする。
給与収入は可処分所得で記載している。
記載されている数値は正しいものとする。
問題作成の都合上、一部空欄にしてある。
1. (ア)307 (イ)1,184
2. (ア)308 (イ)1,184
3. (ア)308 (イ)1,197
正解:
(ア) 290×(1.02)^3=307.75です。
*万円未満四捨五入で、308(万円)
(イ) 1,251×1.01-67=1,197です。
【問3】
下記<資料>に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<資料>
1. 2018年6月21日の日経平均株価は、前日終値比マイナスで推移した時間帯があった。
2. 2018年6月21日17時時点のドル/円相場は、1ドル=110円53銭の買値と1ドル=110円54銭の売値が提示されていた。
3. 新発10年国債利回りの終値は、前営業日の0%に対し、2018年6月21日は0.035%へと上昇した。
正解:
1. 右下のグラフを見ると、正しい記述だと分かります。
2. 真ん中の点の下(外国為替・商品欄のドル/円レート)を見ると、正しい記述だと分かります。
3. ( )内の0は、前営業日比です。つまり、前営業日比±0で、6月21日は0.035%だったという意味です。
よって、「前営業日の0.035%に対して増減が無かった」というのが正しい表現です。
【問4】
下記は、NISA(少額投資非課税制度)およびつみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)についてまとめた表である。下表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1. 空欄(ア)に入る語句は、「株式・投資信託等」である。
2. 空欄(イ)に入る語句は、「80万円」である。
3. 空欄(ウ)に入る語句は、「20年間」である。
正解:
1. 正しいです。
2. NISAの非課税投資枠は、年間120万円までです。
3. 正しいです。つみたてNISAの非課税期間は最長20年です。
【問5】
下記<資料>は、福岡さんと杉田さんがQA銀行(日本国内に本店のある普通銀行)で保有している金融商品の時価の一覧表である。仮にQA銀行が破綻した場合、この時価に基づいて預金保険制度によって保護される金額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

福岡さんおよび杉田さんともに、QA銀行からの借入れはない。
預金の利息については考慮しないこととする。
普通預金は決済用預金ではない。
1. 福岡さんの金融商品のうち、保護される金額の合計は1,050万円である。
2. 福岡さんの金融商品のうち、保護される金額の合計は1,000万円である。
3. 杉田さんの金融商品のうち、保護される金額の合計は680万円である。
正解:
外貨預金・投資信託・債券は、預金保険制度によって保護されません。
よって、ここでは別枠で全額保護される決済用預金がありませんから、普通預金と定期預金が合わせて1,000万円まで保護されます。
つまり、福岡さんは、700万円+350万円=1,050万円で1,000万円を超えたので1,000万円、杉田さんは、180万円+300万円=480万円が、それぞれ保護されます。

【問6】
建築基準法に従い、下記<資料>の土地に建築物を建築する場合、この土地に対する建築物の建築面積の最高限度として、正しいものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<資料>
1. 300㎡×60%×6/10=108㎡
2. 300㎡×60%=180㎡
3. 300㎡×300%=900㎡
正解:
建築面積の上限=敷地面積×指定建蔽率です。
【問7】
下記<資料>の建築基準法に定める道路およびそれに接する建築物の敷地に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<資料>
道路の幅員について、特定行政庁が指定する区域には該当しない。
これらの土地は、都市計画区域内に存する。
<資料>の道路は、建築基準法上の道路とみなされる2項道路であり、建築基準法が施行されるに至った際、すでに両側に建築物が立ち並んでいる幅員( ア )m未満の道路である。<資料>の場合、道路中心線から水平距離( イ )m後退した線がこの道路の境界線とみなされる。また、甲土地を建築物の敷地として利用する場合、甲土地は( ウ )m以上道路に接していなければならない。
1. (ア)6  (イ)3  (ウ)3
2. (ア)4  (イ)2  (ウ)4
3. (ア)4  (イ)2  (ウ)2
正解:
(ア) 建築基準法で言う道路の定義です。
(イ) 将来的に幅員を4mにしたいので、道路の中心線から水平距離で2m後退した線を、道路の境界線とみなします。
(ウ) 接道義務は、建物の敷地は原則として道路に2m以上接していなければいけないという義務です。
【問8】
浅見さんは、下記<資料>の物件の購入を検討している。この物件の購入金額(消費税を含んだ金額)として、正しいものはどれか。なお、<資料>に記載されている金額は消費税を除いた金額であり、消費税率は8%として計算すること。また、売買に係る諸費用については一切考慮しないこととする。(注)制度改正あり

<資料>
<資料>
1. 2,000万円×1.08+2,500万円=4,660万円
2. 2,000万円+2,500万円×1.08=4,700万円
3. (2,000万円+2,500万円)×1.08=4,860万円
正解:

建物の購入代金には消費税がかかりますが、土地には消費税がかかりません。

<改正後>
なお、現在は消費税率が10%ですので、2,000万円×1.1+2,500万円=4,700万円となります。

【問9】
鶴見一郎さんが加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、保険契約は有効に継続しているものとし、特約は自動更新されているものとする。また、一郎さんはこれまでに<資料>の保険から保険金および給付金を一度も受け取っていないものとする。

<資料>
鶴見一郎さんが、2019年中にぜんそく発作で死亡(急死)した場合に支払われる死亡保険金は、合計( ア )である。
1. 1,700万円
2. 2,000万円
3. 2,200万円
正解:
終身保険200万円+定期保険特約1,500万円+特定疾病保障定期保険特約500万円=2,200万円です。
特定疾病保障定期保険特約は、特定疾病保険金が支払われない限り、死亡原因を問わず死亡保険金が支払われます。
傷害特約は、不慮の事故または特定感染症による死亡等が対象ですから、ぜんそく発作で死亡した場合は、保険金は支払われません。
【問10】
自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1. 自賠責保険では、自動車事故により他人を死傷させた場合の損害賠償責任を補償の対象としており、自動車事故により他人の物を壊した場合の損害賠償責任は補償の対象とならない。
2. 自賠責保険では、自動車事故により他人に傷害を負わせた場合、傷害による損害に対して支払われる保険金の支払限度額は、被害者1名につき120万円である。
3. 自賠責保険では、自動車事故により他人を死亡させた場合、死亡による損害に対して支払われる保険金の支払限度額は、被害者1名につき2,000万円である。
正解:
1. 正しい記述です。自賠責保険は対物事故は対象外です。
2. 正しい記述です。
3. 自賠責保険では、死亡による損害に対して支払われる保険金は、被害者1名につき最高3,000万円です。

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