お金の寺子屋

FP3級実技(保険)解説-2024年5月CBT・後半

2026.6~2027.5試験対応済み
【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
会社員のAさんは、妻Bさんおよび長男Cさんとの3人家族である。Aさんは、住宅ローンを利用して2026年10月に新築マンションを取得し、同月中に入居した。また、Aさんは、生命保険の見直しを行った結果、2026年中に終身保険を解約し、解約返戻金を受け取っている。

<Aさん>
[Aさん(38歳)]
会社員

[妻Bさん(40歳)]
2026年中に、パートタイマーとして給与収入80万円を得て いる。

[長男Cさん(10歳)]
小学生。2026年中の収入はない。

<Aさんの2026年分の収入等に関する資料>
[給与収入の金額]
800万円

[終身保険の解約返戻金]
契約年月:2008年4月
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
解約返戻金額:240万円
正味払込保険料 :270万円

<Aさんが利用した住宅ローンに関する資料>
借入年月:2023年10月
2026年12月末の借入金残高:2,200万円

住宅借入金等特別控除の適用要件は、すべて満たしている。
妻Bさんおよび長男Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
Aさんとその家族の年齢は、いずれも2026年12月31日現在のものである。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
年度部分のみ改題している
【問10】
Aさんの2026年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。(注)制度改正あり

<資料>給与所得控除額
給与収入金額 給与所得控除額
220万円以下 74万円
220万円超
360万円以下
収入金額×30%+8万円
360万円超
660万円以下
収入金額×20%+44万円
660万円超
850万円以下
収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円
1. 580万円
2. 610万円
3. 770万円
正解:(4点)
給与所得=800万円-(800万円×10%+110万円)=610万円です。
終身保険の解約返戻金は、一時所得となり、その額は、240万円-270万円=▲30万円です。
給与所得の額は全額が総所得金額に算入され、一時所得の赤字は損益通算の対象外ですから、総所得金額=610万円となります。
【問11】
Aさんの2026年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。(注)制度改正あり
1. 「妻Bさんの給与収入の金額が62万円を超えていますので、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができません」
2. 「Aさんの合計所得金額は489万円超655万円以下ですので、Aさんが適用を受けることができる基礎控除の控除額は67万円となります」
3. 「長男Cさんは一般の控除対象扶養親族に該当するため、Aさんは、長男Cさんについて38万円の扶養控除の適用を受けることができます」
正解:(3点)
1. 配偶者控除を受けるための配偶者の合計所得金額の要件は、62万円以下であることです。
妻Bさんの給与所得の額(給与以外の収入が無いため合計所得金額と等しい)は、収入金額から給与所得控除額(74万円)を引くと6万円ですから、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。
2. 正しい記述です。所得税の基礎控除は、合計所得金額が2,500万円以下である場合に適用を受けることができ、その額は合計所得金額に応じて決まります。
本問は過去問を改題しておりますが、試験対策上、細かな金額を覚える必要は無く、本問のように出題されたとしても、他の選択肢との消去法で正誤を判断して下さい。
3. 16歳未満の親族は、扶養控除の対象外です。
【問12】
住宅借入金等特別控除に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「Aさんの場合、2026年分の所得税における住宅借入金等特別控除の控除額は、『住宅ローンの年末残高×( ① )%』の算式により算出し、住宅借入金等特別控除の控除期間は、最長で( ② )年間となります。Aさんが2026年分の所得税において住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、所得税の確定申告を行う必要があります。確定申告書の提出期限は、原則として、2027年( ③ )です」

1. ①0.7 ②13 ③3月15日
2. ①1.0 ②13 ③3月31日
3. ①1.0 ②10 ③3月15日
正解:(3点)
住宅ローン控除の額は、原則として、「年末のローン残高×0.7%」の算式により計算されます(一定の上限あり)。
新築住宅について住宅ローン控除の適用を受ける場合、その控除期間は13年です。
所得税の確定申告は、翌年の2月16日~3月15日までです。

【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
Aさん(72歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、自身の相続が開始した際には、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、自筆証書遺言の作成を検討している。

<Aさんの親族関係図>
<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)
(1)現預金:1億6,000万円
(2)自宅

①敷地(300㎡) 5,000万円(注)
②建物 1,000万円
(注) 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 「自筆証書遺言は、原則として、遺言者が遺言書の全文を自書して作成しますが、自筆証書に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められます」
2. 「自筆証書遺言を作成した場合、遺言者は、作成した遺言書をあらかじめ家庭裁判所に提出し、その有効性について確認を受けておく必要があります」
3. 「妻Bさんが遺言によりAさんの全財産を取得する場合、弟Cさんの遺留分を侵害することになるため、弟Cさんから遺留分侵害額請求を受ける可能性があります」
正解:(3点)
1. 正しい記述です。自筆証書遺言は、遺言者が、その遺言の全文、日付および氏名を自書し、これに押印して作成するものですが、自筆証書に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められています。
2. 自筆証書遺言の有効性について、生前に確認を受ける制度はありません。
ちなみに、自筆証書遺言を発見した相続人は、家庭裁判所で検認の手続きをする必要がありますが、検認は、遺言の有効性を確認するものではありません。
3. 被相続人の兄弟姉妹には、遺留分はありません。よって、弟Cさんから遺留分侵害額請求を受けることはありません。
【問14】
仮に、Aさんの相続が現時点で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億4,000万円であった場合の相続税の総額として、次のうち最も適切なものはどれか。

<資料>相続税の速算表(一部抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
1. 2,800万円
2. 3,000万円
3. 3,200万円
正解:(4点)
相続人と各相続人の法定相続分の組み合わせは、妻Bさん3/4、弟Cさん1/4です。
妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、1億4,000万円×3/4=1億500万円となります。
これに対応する相続税額は、1億500万円×40%-1,700万円=2,500万円です。
長男Cさんおよび二男Dさんの法定相続分に対応する取得金額は、それぞれ、1億4,000万円×1/4=3,500万円となります。
これに対応する相続税額は、3,500万円×20%-200万円=500万円です。
したがって、相続税の総額は、2,500万円+500万円=3,000万円となります。
【問15】
仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の相続税に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

「妻Bさんが『配偶者に対する相続税額の軽減』の適用を受けた場合、妻Bさんの相続税の課税価格が、相続税の課税価格の合計額に対する妻Bさんの法定相続分相当額または( ① )のいずれか( ② )金額までであれば、原則として、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません。相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内に、被相続人であるAさんの死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません」

1. ①1億6,000万円 ②多い  ③10カ月
2. ①1億6,000万円 ②少ない ③1年
3. ①1億2,000万円 ②多い  ③8カ月
正解:(3点)
相続税の計算上、配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けると、配偶者が相続または遺贈により取得した財産のうち、法定相続分相当額または1億6,000万円のうちいずれか多い金額までに係る相続税額を非課税とすることができます。
同上
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。

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