お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2023年9月・解説のみ

【問1】
正解:795,000、1,187,874
老齢基礎年金の計算上、第1号被保険者として保険料を納付した期間以外に、厚生年金保険の被保険者であった期間等も、保険料納付済み期間として扱います。
よって、老齢基礎年金の額=795,000円×480/480=795,000円となります。
報酬比例の額=250,000円×7.125/1,000×72+420,000円×5.481/1,000×440=1,141,138.8円≒1,141,139円。
経過的加算額=1,657円×480-795,000円×452/480=46,735円(被保険者期間の月数の上限は480月)。
配偶者が年上である場合、加給年金は支給されない。
よって、老齢厚生年金の額=1,141,139円+46,735円=1,187,874円となります。
【問2】
正解:チ、ル、ロ、ニ
企業型DCおよび企業年金が無い企業に勤務する第2号被保険者のiDeCoの掛金の拠出限度額は、年額276,000円です。
個人が拠出した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除されます。
iDeCoの老齢給付金を60歳から受け取るためには、通算加入者等期間が10年以上なくてはいけません。
iDeCoの老齢給付金は、最も早いと60歳から、最も遅いと75歳から受給を開始することができます。
【問3】
正解:×、○、×
老齢年金を繰下げると、1月あたり0.7%増額されますから、70歳から受給を開始して60月繰下げると、増額率は、0.7%/月×60月=42%となります。
正しい記述です。
iDeCoの死亡一時金は、原則として、相続税の課税対象となります(死亡後3年以内に支給が確定した場合。3年を超えた場合は一時所得)。

【問4】
正解:6.42、3.06
ROE=当期純利益÷自己資本=5,200百万円÷(79,000円+83,000円)=0.06419…≒6.42%です。
1株あたり配当金=2,600百万円÷5,000万株=26億円÷0.5億円=52円です。
よって、配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100=52円÷1,700円×100=3.058…%≒3.06%です。
【問5】
正解:×、○、×
1株あたり当期純利益=5,200百万円÷5,000万株=52億円÷0.5億円=104です。
X社のPER=株価÷1株当たり当期純利益=1,700円÷104円=16.346…≒16.34倍です。
なお、後半の記述は正しいです。
正しい記述です。売却益=(1,750円-1,700円)/株×300株=15,000円です。
源泉徴収ありの特定口座内で生じた株式の譲渡益には、20.315%の税金が源泉徴収されます。
文章の前半は正しいです。権利確定日が11月30日(木)である場合、権利付き最終日が11月28日(火)、権利落ち日が11月29日(金)です。
権利付き最終日までに買い注文が約定し、それを売却しなければ、配当金を受け取ることができますから、11月28日に買い注文が約定し、11月29日に売り注文が約定すれば、配当金を受け取ることができます。
【問6】
正解:○、×、×
正しい記述です。アクティブ型の投資信託はパッシブ型の投資信託に比べて、運用にノウハウが必要な分、信託報酬が高い傾向があります。
ドルコスト平均法は、同じ商品を定期的に一定金額ずつ購入する方法です。
分配落ち後の基準価格が個別元本を上回っている場合、支払われた分配金は全額が普通分配金となります。

【問7】
正解:70、37、1,990、230
勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
退職所得控除額の計算上勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから勤続年数は37年となります。
800万円+70万円×(37-20)=1,990万円です。
退職所得=(2,450万円-1,990万円)×1/2=230万円となります。
【問8】
正解:×、○、×
純損失の繰越控除は、損益通算してもなお引ききれない金額を、翌年以降の所得と通算する制度です。本問では、損益通算の対象となる損失が、給与所得の額以下ですから、純損失の繰越控除はありません。
正しい記述です。社会保険料控除は、本人だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために払ったお金も控除の対象となります。
配偶者の給与所得の額は、90万円-55万円=35万円ですから、合計所得金額が48円以下となり、配偶者控除の対象となります。
配偶者控除の額は、合計所得金額が900万円以下、配偶者が70歳未満である場合、38万円です。
長女Cさんに係る扶養控除の額は、長女Cさんが特定扶養親族(19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族)に該当するため、63万円です。
【問9】
正解:700、680

23歳未満の扶養親族を有する場合、所得金額調整控除の適用を受けることができます。
給与所得控除額=195万円。
所得金額調整控除の額={給与等の収入金額(1,000万円が上限)-850万円}×10%=(900万円-850万円)×10%=5万円。
よって、給与所得の額=900万円-195万円-5万円=700万円となります。

<別解>
公的年金等の収入金額がない場合、給与所得控除額と所得金額調整控除の額の合計額は、{給与等の収入金額(1,000万円が上限)}×10%+110万円です。
よって、所得金額調整控除を含んだ給与所得の額=900万円-(900万円×10%+110万円)=700万円となります。

給与所得の額700万円は、全額総所得金額に算入される。
不動産所得の赤字40万円のうち、土地取得のための借入金の利子相当額10万円を除いた、30万円が損益通算の対象となる。
一時所得の額=総収入金額-収入を得るために直接支出した金額-特別控除額(最高50万円)=500万円-430万円-50万円=20万円であり、2分の1相当額の10万円が総所得金額に算入される。
退職所得は分離課税され、総所得金額に算入されない。
よって、総所得金額=700万円-30万円+10万円=680万円となります。

【問10】
正解:500、1,750
準防火地域に耐火建築物を建てる場合には、建ぺい率の上限が10%緩和されます。
また、特定行政庁が指定する角地に建物を建てる場合には、建ぺい率の上限が10%緩和されます。
よって、建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となります。
したがって、建ぺい率の上限となる建築面積は、(300+325)㎡×80=500㎡となります。
前面道路(複数の道路に面している場合、幅員が広い方の道路)の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率=7×4/10=2.8=280%ですから、容積率の上限は、280%となります。
よって、容積率の上限となる延床面積は、(300+325)㎡×280%=1,750㎡となります。
【問11】
正解:○、×、×
正しい記述です。
相続や個人からの贈与により取得した資産を売却した場合、譲渡所得の区分の判定において、当該資産の取得日は、相続人や贈与者の取得日を引き継ぎます。
駐車場として利用している土地は、建物の所有を目的としていないため、借地借家法の対象外です。
【問12】
正解:×、○、×
不動産所得の計算上、返済した利子は必要経費に算入されますが、元本の額は必要経費に算入されません。
正しい記述です。建設協力金方式において、土地と建物の名義は、どちらも土地所有者となりますから、土地建物に係る固定資産税の納付義務は、土地所有者が負います。
建設協力金方式において、土地と建物の名義は、どちらも土地所有者となりますから、建物の賃貸期間中に土地所有者が死亡した場合、相続税の計算上、建物は貸家として、土地は貸家建付地として評価されます。

【問13】
正解:×、○、○
法人税の軽減税率が適用されるのは、所得金額のうち年800万円以下の部分です。
適切な記述です。
正しい記述です。
【問14】
正解:4,800、2,300、10,900
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で計算されます。
よって、3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。
長男Cさんの法定相続分に対応する取得金額は、4億円×1/4=1億円となります。
これに対応する相続税額は、1億円×30%-700円=2,300万円です。
妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、4億円×1/2=2億円となります。
これに対応する相続税額は、2億円×40%-1,700円=6,300万円です。
また、二男Dさんの法定相続分に対応する取得金額に対応する相続税額は、長男Cさんと同じく2,300万円ですから、相続税の総額は、6,300万円+2,300万円+2,300万円=10,900万円となります。
【問15】
正解:ル、ト、ホ、ロ
抽象的遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定基礎財産の1/2です。
また、各相続人の具体的遺留分は、抽象的遺留分を遺留分権利者が法定相続分通り按分した割合となります。
よって、二男Dさんの具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。
したがって、具体的遺留分の額は、5億円×1/8=6,250万円となります。
自宅の敷地について、小規模宅地の特例の適用を受けた場合、330㎡を限度として、評価額が80%減額されます。
よって、相続税の課税価格に算入される額は、6,000万円×(1-80%)=1,200万円となります。
相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。
相続税の申告期限までに分割されていない財産は、相続税の申告書または更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限から3年以内に分割したときは、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」等の対象になります。

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