FP3級実技(FP協会)解説-2019年9月・前半
【問1】
ファイナンシャル・プランニング業務を行うに当たっては、関連業法を順守することが重要である。ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の行為に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. | 生命保険募集人・生命保険仲立人の登録をしていないFPが、生命保険契約を検討している顧客から相談を受け、顧客が死亡した場合における遺族の必要保障額の計算を有償で行った。 |
2. | 弁護士資格を有していないFPが、離婚に伴う財産分与について係争中の顧客から相談を受け、報酬を得る目的でその顧客の代理人として離婚協議書の作成に係る法律事務を取り扱った。 |
3. | 税理士資格を有していないFPが、参加費無料の相談会において、相談者の持参した資料に基づき、相談者が納付すべき相続税の具体的な税額計算を行った。 |
正解:1
1. | 必要保障額の計算は誰でも行うことができます。 |
2. | 弁護士資格を有していない人が法律事務を行ってはいけません。 |
3. | 税理士資格を有していない人が個別具体的な税額計算を行ってはいけません。 |
【問2】
下記は、広尾家のキャッシュフロー表(一部抜粋)である。このキャッシュフロー表の空欄(ア)~(ウ)に入る数値とその求め方として、最も適切なものはどれか。なお、計算に当たっては、キャッシュフロー表中に記載の整数を使用し、計算結果は万円未満を四捨五入すること。
※ | 年齢および金融資産残高は各年12月31日現在のものとし、2019年を基準年とする。 |
※ | 給与収入は可処分所得で記載している。 |
※ | 記載されている数値は正しいものとする。 |
※ | 問題作成の都合上、一部空欄にしてある。 |
1. | 空欄(ア):「176×(1+0.01)^2≒180」 |
2. | 空欄(イ):「377-450=▲73」 |
3. | 空欄(ウ):「(327+51)×(1+0.01)≒382」 |
正解:1
(ア) | 176×(1+0.01)^2≒180です。 |
(イ) | 450-377=73です。 |
(ウ) | 327×(1+0.01)+51≒381です。 |
【問3】
下記は、NISA(少額投資非課税制度)についてまとめた表である。下表の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句として、最も不適切なものはどれか。
対象となる金融商品 | 上場株式、株式投資信託、 ( ア )等 |
口座開設 | 原則1人1口座 |
金融機関の変更 | 1年単位で可能 |
非課税投資枠 | 新規投資額で年間( イ )まで |
非課税枠の未使用分 | 翌年以降に( ウ ) |
1. | (ア)個人向け国債 |
2. | (イ)120万円 |
3. | (ウ)繰り越すことができない |
正解:1
1. | 個人向け国債は、NISA口座を通して買い付ける事ができません。 |
2. | NISAの非課税投資枠は、120万円です。 |
3. | NISAにおいて、未使用の非課税枠は、に繰り越すことができません。 |
【問4】
下記<資料>に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、この企業の株価は13,500円であるものとし、購入時の手数料および税金は考慮しないこととする。
<資料>
1. | 2018年3月期における1株当たりの利益は443.9円である。 |
2. | この企業の株を1単元(1単位)購入するために必要な資金は135万円である。 |
3. | この企業の株を1単元(1単位)保有していた場合、2018年3月期における年間の配当金額(税引前)は5,000円である。 |
正解:3
1. | 業績欄の「1株益(円)」の列を見ると、正しいと分かります。 |
2. | 単元株数は、100株ですから、1単元購入するために必要な額は、13,500円×100=135万円です。 |
3. | 2018年3月期とは、2017年4月1日~2018年3月31日までを指します。 よって、この間に受け取る事が出来る配当金額(税引前)は、2017年9月の45円と2018年3月の50円の合計95円、つまり、1単元あたり9,500円となります。 |
【問5】
下記<資料>に基づくSZ株式会社の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、購入時の手数料および税金は考慮しないこととする。
<資料>
1. | 株価収益率(PER)で比較した場合、SZ株式会社の株価は日経平均採用銘柄の平均(予想ベース)より割安である。 |
2. | 株価純資産倍率(PBR)で比較した場合、SZ株式会社の株価は東京証券取引所市場第1部(東証1部)全銘柄の平均より割高である。 |
3. | 配当利回りで比較した場合、SZ株式会社の配当利回りは東京証券取引所市場第1部(東証1部)全銘柄の単純平均(予想ベース)より高い。 |
正解:2
1. | PER=株価÷1株あたり純利益=280円÷27円≒10.37…倍です。 これは、日経平均採用銘柄の平均(11.96倍)よりも低いです。 なお、PERは、低いほど割安だと言えます。 |
2. | PBR=株価÷1株あたり純資産=280円÷310円≒0.90…倍です。 これは、東証一部全銘柄の平均(1.16倍)よりも低いです。 なお、PBRは、低いほど割安だと言えます。 |
3. | 配当利回り(%)=1株あたり年間配当金÷株価×100≒9.5円÷280円×100=3.39%です。 これは、東証一部全銘柄の平均(2.03%)よりも高いです。 |
【問6】
建築基準法に従い、下記<資料>の土地に建築物を建築する場合、その土地に対する建築物の建築面積の最高限度として、正しいものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。
<資料>
1. | 300㎡×80%×6/10=144㎡ |
2. | 300㎡×80%=240㎡ |
3. | 300㎡×400%=1,200㎡ |
正解:2
建築面積の上限=敷地面積×指定建蔽率です。
【問7】
土地の登記記録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
<土地登記記録の構成> | |||
土地登記記録 | 表題部 | ( ア ) | |
権利部 | 甲区 | ( イ ) | |
乙区 | ( ウ ) |
1. | 土地を最初に取得した者がする所有権保存登記は、(ア)に記録される。 |
2. | 土地が売買により取得された場合、買主がする所有権移転登記は、(イ)に記録される。 |
3. | 工場を建設する際に、金融機関から融資を受け、土地を担保として抵当権が設定される場合、抵当権設定登記は、(ウ)に記録される。 |
正解:1
1. | 表題部には、不動産の権利以外の事項、つまり、敷地の面積や建物の構造などの外観が記録されます。 |
2. | 権利部甲区には所有権移転登記など所有権に関する事項が記録されます。 |
3. | 権利部乙区には抵当権設定登記など所有権以外の権利に関する事項が記録されます。 |
【問8】
唐沢敏和さんが加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、保険契約は有効に継続しているものとし、敏和さんはこれまでに<資料>の保険から保険金および給付金を一度も受け取っていないものとする。
<資料>
唐沢敏和さんが、2019年中に交通事故で大ケガを負い、給付倍率10倍の手術を受け、継続して10日間入院した場合、支払われる給付金は、合計( ア )である。
1. | 3万円 |
2. | 8万円 |
3. | 10万円 |
正解:2
災害入院特約5,000円×(10-4)+手術給付金5,000円×10=8万円です。
【問9】
柴田さんは、地震保険についてFPの横川さんに質問をした。地震保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. | 地震保険は、住宅総合保険などの火災保険契約に付帯して契約する必要はなく、単独で契約することができる。 |
2. | 地震により、居住用の建物に収容されている家財のうち、1個または1組の価額が30万円を超える骨とう品が損害を受けた場合、地震保険の補償の対象となる。 |
3. | 噴火により、居住用の建物が大半損となった場合、地震保険の補償の対象となる。 |
正解:3
1. | 地震保険は、必ず火災保険に付帯して契約しなくてはいけません。 |
2. | 地震保険には、明記物件の制度はありません。 |
3. | 噴火による損害は、地震保険による補償の対象となります。 |
【問10】
野村忠さんが契約している自動車保険の主な内容は、下記<資料>のとおりである。<資料>に基づく次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも保険期間中に損害が発生したものであり、運転者は忠さんである。また、記載のない事項については一切考慮しないこととする。
<資料> | |
保険種類 | 自動車保険 |
保険期間 | 1年 |
保険契約者 | 野村 忠 |
記名被保険者 | 野村 忠 |
対人賠償 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限(免責金額なし) |
人身傷害 | 1名につき1億円 |
車両保険 | 一般条件 180万円 |
1. | 自動車を運転中に、他の自動車と衝突事故を起こし、忠さんが重傷を負った場合、人身傷害保険の補償の対象となる。 |
2. | 自動車を運転中に、誤ってブロック塀に接触し、被保険自動車が破損した場合、車両保険の補償の対象となる。 |
3. | 自動車を駐車場に駐車する際に、誘導中の妻に誤って車が接触し、ケガを負わせた場合、対人賠償保険の補償の対象となる。 |
正解:3
1. | 正しい記述です。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 配偶者やその他親族に怪我をさせた場合、対人賠償保険では補償されません。 |
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