知識の維持・確認用(2級)-タックス
明らかに3級レベルのものは外していますので、是非「3級の問題」も解いてみて下さい。
【問1】
海洋散骨業を営む個人事業主の東条さんは、2020年7月に乗用車(新車)を購入し、その日から2021年12月まで引き続き事業の用に供している。購入した乗用車に関する内容が以下のとおりである場合、東条さんの2021年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額はいくらか。なお、東条さんは個人事業の開業年(2014年)において、車両の減価償却方法として定率法を選択している。また、償却保証額は考慮しないこととし、計算過程および計算結果において、円未満の端数が生じたときは、これを切り上げることとする。
<乗用車に関する内容>
取得年月:2020年7月
法定耐用年数:6年
取得価額:600万円
事業専用割合:100%
取得年月:2020年7月
法定耐用年数:6年
取得価額:600万円
事業専用割合:100%
<償却率(法定耐用年数6年)>
定額法:0.167
定率法:0.333
定額法:0.167
定率法:0.333
正解:1,665,333円
2020年の減価償却費=600万円×0.333×6/12=999,000円です。
よって、2021年1月1日時点の車両の未償却残高は、600万円-999,000円=5,001,000円ですから、2021年の減価償却費は、5,001,000円×0.333=1,665,333円となります。
よって、2021年1月1日時点の車両の未償却残高は、600万円-999,000円=5,001,000円ですから、2021年の減価償却費は、5,001,000円×0.333=1,665,333円となります。
【問2】
下記<資料>に基づき、東条さんの給与所得の金額を計算しなさい。なお、東条さんの給与収入の金額は950万円であり、東条さんには15歳の長女(東条さんの扶養親族に該当する)がいる。また、東条さんには給与以外の収入はない。
<資料>給与所得控除額 | |
給与収入金額 | 給与所得控除額 |
180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 (最低55万円) |
180万円超 360万円以下 |
収入金額×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 |
収入金額×20%+44万円 |
660万円超 850万円以下 |
収入金額×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円 |
正解:745万円
23歳未満の扶養親族を有する場合、給与所得の計算においては、所得金額調整控除を考慮する必要があります。
よって、給与所得の額=収入金額-給与所得控除額-所得金額調整控除となりますが、所得金額調整控除を考慮する際、給与所得控除額の速算表は以下の通りになると考えれば、収入金額から以下の速算表により計算された控除額を引けば早く計算する事ができます(年金所得が無い場合)。
よって、給与所得の額=収入金額-給与所得控除額-所得金額調整控除となりますが、所得金額調整控除を考慮する際、給与所得控除額の速算表は以下の通りになると考えれば、収入金額から以下の速算表により計算された控除額を引けば早く計算する事ができます(年金所得が無い場合)。
給与収入金額 | 給与所得控除額 |
180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 (最低55万円) |
180万円超 360万円以下 |
収入金額×30%+8万円 |
360万円超 660万円以下 |
収入金額×20%+44万円 |
660万円超 1,000万円以下 |
収入金額×10%+110万円 |
1,000万円超 | 210万円 |
よって、給与所得の額=950万円-(950万円×10%+110万円)=745万円となります。
【問3】
会社員の東条さんは、2021年3月末日に勤務先を退職した。東条さんの退職に係るデータが下記<資料>のとおりである場合、東条さんの退職一時金に係る退職所得の金額を計算しなさい。なお、東条さんは、勤務先の役員であったことはなく、「退職所得の受給に関する申告書」は適正に提出している。また、退職は障害者になったことに基因するものではない。
<資料:東条さんの退職に係るデータ>
支給される退職一時金:3,280万円
勤続期間:27年5ヵ月
支給される退職一時金:3,280万円
勤続期間:27年5ヵ月
正解:960万円
勤続年数が20年を超える場合の退職所得控除額=70万円×(勤続年数-20)+800万円です。
このとき、勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから、勤続年数は28年となり、退職所得控除額=70万円×(28-20)+800万円=1,360万円となります。
また、退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2より、退職所得の金額=(3,280万円-1,360万円)×1/2=960万円となります。
このとき、勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから、勤続年数は28年となり、退職所得控除額=70万円×(28-20)+800万円=1,360万円となります。
また、退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2より、退職所得の金額=(3,280万円-1,360万円)×1/2=960万円となります。
【問4】
東条さんが2021年中に受け取った生命保険の満期保険金および解約返戻金は下記<資料>のとおりである。東条さんが確定申告すべき2021年分の所得税における一時所得の金額はいくらか。
<資料>
[一時払い養老保険の満期保険金]
受取金額:150万円
契約日:2002年1月21日
払込保険料総額:140万円
[一時払い変額個人年金保険の解約返戻金]
受取金額:580万円
契約日:2014年1月21日
払込保険料総額:400万円
正解:140万円
一時払い養老保険や一時払い変額個人年金保険の満期保険金や解約返戻金は、契約日からその受取日までの期間が5年を超えていれば一時所得として課税されます。
よって、一時所得の額=総収入金額-収入を得る為に要した金額-特別控除額(最高50万円)より、一時所得の額=(150万円+580万円)-(140万円+400万円)-50万円=140万円となります。
よって、一時所得の額=総収入金額-収入を得る為に要した金額-特別控除額(最高50万円)より、一時所得の額=(150万円+580万円)-(140万円+400万円)-50万円=140万円となります。
【問5】
東条さん(66歳)の2021年分の収入は、下記<資料>のとおりである。東条さんの2021年分の所得税における雑所得の金額として、正しいものはどれか。
<資料:公的年金および個人年金の明細> | ||
年金額(収入金額) | 源泉徴収された税額 | |
老齢基礎年金 | 78万円 | なし |
遺族厚生年金 | 114万円 | なし |
個人年金(注) | 180万円 | 30,630円 |
<資料:公的年金および個人年金の明細> | ||
年金額 (収入金額) |
源泉徴収 された税額 |
|
老齢基礎年金 | 78万円 | なし |
遺族厚生年金 | 114万円 | なし |
個人年金(注) | 180万円 | 30,630円 |
(注) | 必要経費となる個人年金保険料は、150万円である。 |
<65歳以上の者の公的年金等控除額の速算表> | |
収入金額 | 公的年金等控除額 |
330万円未満 | 110万円 |
330万円以上 410万円未満 |
A×25%+27.5万円 |
410万円以上 770万円未満 |
A×15%+68.5万円 |
770万円以上 1,000万円未満 |
A×5%+145.5万円 |
1,000万円以上 | A×5%+145.5万円 |
※ | 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合 |
正解:30万円
収入の内、老齢基礎年金は公的年金等の雑所得となりますが、遺族厚生年金は非課税です。
また、個人年金は、その他の雑所得となります。
公的年金等の雑所得は、「収入金額-公的年金等控除額」の算式により計算されますが、収入金額(78万円)が公的年金等控除額(110万円)を下回りますから、0円となります。
なお、損失が発生している訳ではないので、控除しきれない金額は他の所得と通算する事はできません。
そして、公的年金等以外の雑所得は、「総収入金額-必要経費」の算式により計算され、180万円-150万円=30万円となります(源泉徴収された税額は税金の仮払いであり、収入を得る為に要した必要経費ではありません)。
よって、雑所得の金額は30万円となります。
また、個人年金は、その他の雑所得となります。
公的年金等の雑所得は、「収入金額-公的年金等控除額」の算式により計算されますが、収入金額(78万円)が公的年金等控除額(110万円)を下回りますから、0円となります。
なお、損失が発生している訳ではないので、控除しきれない金額は他の所得と通算する事はできません。
そして、公的年金等以外の雑所得は、「総収入金額-必要経費」の算式により計算され、180万円-150万円=30万円となります(源泉徴収された税額は税金の仮払いであり、収入を得る為に要した必要経費ではありません)。
よって、雑所得の金額は30万円となります。
【問6】
会社員である東条さんの2021年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、東条さんの2021年分の所得税の計算における総所得金額はいくらか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
所得の種類 | 所得金額 | 備考 |
給与所得 | 700万円 | 勤務先からの給与で年末調整済み |
不動産所得 | ▲40万円 | 土地の取得に要した借入金の利子の額50万円が含まれている。 |
一時所得 | 100万円 | 中途解約した生命保険に係る利益 |
譲渡所得 | ▲150万円 | 上場株式の売却に係る損失 |
雑所得 | ▲10万円 | 趣味で行っている執筆活動に係る損失 |
正解:750万円
・ | 給与所得は全額総所得金額に算入されます。 |
・ | 不動産所得の損失は、これに含まれる土地取得の為の借入金の利子相当額を除いた部分が通損益通算の対象になりますから、損失額よりもこれに含まれる土地取得の為の借入金の利子相当額の方が大きい場合、損益通算の対象となる金額は生じません。 |
・ | 一時所得の額は、その2分の1相当額が総所得金額へ算入されます。 |
・ | 上場株式に係る譲渡損失は、上場株式等に係る譲渡益や、申告分離課税された配当所得・利子所得以外と損益通算する事はできません(総所得金額の計算上は損益通算の対象外です)。 |
・ | 不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得以外の所得に係る損失は、損益通算の対象外です。 |
よって、総所得金額=700万円+100万円×1/2=750万円となります。 |
【問7】
会社員の東条さんが2021年中に支払った医療費等が下記<資料>のとおりである場合、東条さんの2021年分の所得税の確定申告における医療費控除の金額はいくらか。なお、東条さんの2021年中の所得は、給与所得900万円のみであり、東条さんは妻と生計を一にしている。
<資料> | |||
支払年月 | 医療等を 受けた人 |
内容 | 支払金額 |
2021年5月 | 本人 | 人間ドック代(※1) | 40,000円 |
2021年6月 | 本人 | 入院費用(※2) | 200,000円 |
2021年12月 | 妻 | 骨折による入院費用(※3) | 140,000円 |
注1 | : | 人間ドックの結果、重大な疾病が発見されたため、引き続き入院して治療を行った。 |
注2 | : | 医療保険から入院給付金60,000円の給付を受けている。 |
注3 | : | 入院費用を支払ったのは、翌年1月6日である。 |
正解:80,000円
人間ドック代:40,000円
入院費用:200,000円-60,000円=140,000円
骨折による入院費用(妻):対象外
よって、医療費控除の対象になる額は、40,000円+140,000円=180,000円となります。
総所得金額等が200万円を超える場合、医療費控除の金額は、「実際に支払った医療費の合計額-保険金等で補填される金額-10万円」の式により計算されます。
よって、医療費控除の金額は、180,000円-100,000円=80,000円となります。
【問8】
下記<資料>に基づき、ポライトセレモニー株式会社の売上高営業利益率、売上高経常利益率、総資産当期純利益率、自己資本当期純利益率、自己資本比率を計算して下さい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示しています。
<資料>ポライトセレモニー株式会社の損益計算書
(単位:万円)
売上高 | 4,000 |
売上原価 | 1,000 |
□□□ | 3,000 |
販売費及び一般管理費 | 2,200 |
□□□ | 800 |
営業外収益 | 120 |
営業外費用 | 40 |
□□□ | 880 |
特別利益 | 80 |
特別損失 | 560 |
税引前当期純利益 | 400 |
法人税・住民税及び事業税 | 120 |
当期純利益 | 280 |
<ポライトセレモニー株式会社のデータ>
・ | 自己資本800万円 |
・ | 総資産2,000万円 |
正解:20%、22%、14%、35%、40% | |
資料より、売上総利益(粗利益)=3,000万円、営業利益=800万円、経常利益=880万円です。 | |
・ | 売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100=800÷4,000×100=20%です。 |
・ | 売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100=880÷4,000×100=22%です。 |
・ | 総資産当期純利益率(%)=当期純利益÷総資産×100=280÷2,000×100=14%です。 |
・ | 自己資本当期純利益率(%)=当期純利益÷自己資本×100=280÷800×100=35%です。 |
・ | 自己資本比率(%)=自己資本÷総資産×100=800÷2,000×100=40%です。 |
【問9】
下記<資料>に基づき、ポライトセレモニー株式会社の流動比率、当座比率、自己資本比率、固定比率、固定長期適合率を計算して下さい。
<資料>ポライトセレモニー株式会社の貸借対照表
流動資産 :4,000万円
内当座資産:3,000万円
棚卸資産:1,000万円
固定資産 :1,000万円
流動負債 :1,000万円
固定負債 :2,000万円
自己資本 :2,000万円
流動資産 :4,000万円
内当座資産:3,000万円
棚卸資産:1,000万円
固定資産 :1,000万円
流動負債 :1,000万円
固定負債 :2,000万円
自己資本 :2,000万円
正解:400%、300%、40%、50%、25% | |
・ | 流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100=4,000÷1,000×100=400%です。 |
・ | 自己資本比率(%)=当座資産÷流動負債×100=3,000÷1,000×100=300%です。 |
・ | 自己資本比率(%)=自己資本÷総資産×100=2,000÷(4,000+1,000)×100=40%です。 |
・ | 固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100=1,000÷2,000×100=50%です。 |
・ | 固定長期適合率(%)=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100=1,000÷(2,000+2,000)×100=25%です。 |