お金の寺子屋

知識の維持・確認用(2級)-金融

明らかに3級レベルのものは外していますので、是非「3級の問題」も解いてみて下さい。
【問1】
東条さんはTS投資信託を新規募集時に1,000万口購入し、特定口座(源泉徴収口座)で保有して収益分配金を受け取っている。下記<資料>に基づき、東条さんが保有するTS投資信託に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる金額を答えて下さい。

<資料>
[TS投資信託の商品概要(新規募集時)]
投資信託の分類:追加型投資信託/国内/株式
決算および収益分配:毎年6月30日(休業日の場合には翌営業日)
申込価格:1口当たり1円
申込単位:1万口以上1口単位
基準価額:当ファンドにおいては、1万口当たりの価額で表示
購入時手数料(税込み):購入金額1,000万円未満 購入金額に対して1.65%
購入金額1,000万円以上 購入金額に対して1.10%
運用管理費用(信託報酬)(税込み):純資産総額に対し年0.99%
信託財産留保額:1万口につき解約請求日の翌営業日の基準価額に0.05%を乗じた額

[東条さんが保有するTS投資信託の収益分配金受取時の運用状況(1万口当たり)]
収益分配前の個別元本:11,300円
収益分配前の基準価額:11,700円
収益分配金:500円
収益分配後の基準価額:11,200円

東条さんが、TS投資信託を新規募集時に1,000万口購入した際に、支払った購入時手数料(税込み)は、( ア )である。
<資料>の収益分配時に、東条さんに支払われた収益分配金のうち、普通分配金(1万口当たり)は( イ )である。
<資料>の収益分配後の東条さんの個別元本(1万口当たり)は( ウ )である。
正解:110,000円、400円、11,200円
(ア) 100万口購入すると、購入金額は、1円/1口×1,000万口=1,000万円となります。
よって、購入時手数料は、購入金額に対して1.10%が適用され、1,000万円×1.10%=110,000円となります。
(イ) 普通分配金=分配前基準価額(11,700円)と分配後基準価額(11,200円)の差額のうち、個別元本(11,300円)を上回っている部分(400円)が普通分配金で、下回っている部分(100円)が元本払戻金(特別分配金)です。よって、400円です。
(ウ) 分配後の個別元本=分配前の個別元本-元本払戻金=11,300円-100円=11,200円です。

【問2】
固定利付債券の利回り(単利・年率)の計算に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる数値をそれぞれ答えなさい。なお、税金、手数料、経過利子等は考慮しないものとする。また、計算結果については%単位で答え、小数点以下第4位を切り捨てることとする。

表面利率0.2%、償還年限10年の固定利付債券が額面100円当たり100円30銭で発行された。この債券の応募者利回りは( ア )となる。また、直接利回りは( イ )となる。この債券を新規発行時に購入し、4年後に額面100円当たり100円70銭で売却した場合の所有期間利回りは( ウ )となる。一方、この債券を発行から4年後に額面100円当たり100円70銭で購入し、償還まで保有した場合の最終利回りは( エ )となる。
正解:0.169(%)、0.199(%)、0.299(%)、0.082(%)
(ア) 応募者利回り(%)={0.2+(100-100.3)÷10}÷100.3×100=0.1694…%
より、小数点第4位を切り捨てると0.169%となります。
(イ) 直接利回り=0.2÷100.3×100=0.1994…%
より、小数点第4位を切り捨てると0.199%となります。
(ウ) 所有期間利回り(%)={0.2+(100.7-100.3)÷4}÷100.3×100=0.2991…%
より、小数点第4位を切り捨てると0.299%となります。
(エ) 最終者利回り(%)={0.2+(100-100.7)÷6}÷100.7×100=0.0827…%
より、小数点第4位を切り捨てると0.082%となります。

【問3】
東条さんは、国内の上場企業であるPK株式会社の株式(以下「PK株式」という)をTM証券会社の特定口座で保有している。東条さんのPK株式の取引状況が下記<資料>のとおりであるとき、東条さんの2021年分のPK株式に係る譲渡所得の金額に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる金額を計算して下さい。

東条さんのPK株式の取引状況
2020年4月に5,000株を購入
(1株当たりの購入価額:280円)
2020年7月に4,000株を購入
(1株当たりの購入価額:370円)
2021年1月に6,000株を購入
(1株当たりの購入価額:330円)
2021年5月に3,000株を売却
(1株当たりの売却価額:340円)
2021年8月に7,000株を売却
(1株当たりの売却価額:350円)
「2021年5月の取引における譲渡所得は( ア )円です。また、2021年8月の取引における譲渡所得は( イ )円です。」
正解:48,000(円)、182,000(円)
(ア) 2021年1月の購入後の取得単価は、(280円×5,000+370円×4,000+330円×6,000)÷(5,000+4,000+6,000)株=324円/株です。
よって、譲渡所得=(340円-324円) /株×3,000株=48,000円となります。
(イ) 2021年5月の売却後の状況は、取得単価324円/株、保有株数12,000株です。
よって、譲渡所得=(350円-324円) /株×7,000株=182,000円となります。

【問4】
下記の<X社のデータ>に基づいて、X社のPER、PBR、ROE、配当利回り、配当性向を計算してください。なお、純資産と自己資本は同じと考えます。

<X社のデータ>
株価 7,200円
当期純利益 720億円
純資産 4,800億円
1株あたり配当金 540円
発行済株式総数 8,000万株
正解:8倍、1.2倍、15%、7.5%、60%

1株当たり当期純利益=720億円÷8,000万株=900円、1株当たり純資産=4,800億円÷8,000万株=6,000円です。

したがって、
PER=7,200円÷900円=8倍
PBR=7,200円÷6,000円=1.2倍
ROE=720億円÷4,800億円=0.15=15%
配当利回り=540円÷7,200円=0.075=7.5%
配当性向=540円÷900円=0.6=60%
となります。


【問5】
下記<資料>の外貨定期預金を満期まで保有した場合における、外貨ベースの元利合計額を円転した金額を計算してください。なお、計算結果(円転した金額)について円未満の端数が生じる場合は切り捨てることとします。

<資料>
預入額:10,000米ドル
預入期間:6ヵ月
預金金利:2.0%(年率)
満期時の為替レート(1米ドル)
 TTS:127.50円
 TTM:126.50円
 TTB:125.50円

利息の計算に際しては、預入期間は日割りではなく月割りで計算すること。
為替差益・為替差損に関する税金については考慮しないこと。
利息に対しては、米ドル建ての利息額の20%(復興特別所得税は考慮しない)相当額が所得税・住民税として源泉徴収されるものとすること。
正解:1,265,040円

満期時の米ドルベースの資産額は、10,000米ドル×{1+0.02×6/12×(1-0.2)}=10,080米ドルです。
円転する際には、TTBを使いますから、円転額は、10,080米ドル×125.5円/米ドル=1,265,040円となります。

<別解>
10,000米ドルを年利2.0%で運用すると、1年あたり200米ドル増えますから、6ヵ月で100米ドル増えます。
ここに20%の税金がかかりますから、手取りは80米ドルとなり、満期時の米ドルベースでの資産は、10,080米ドルになります。
以下同じ。


【問6】
下表のファンドAおよびファンドBのパフォーマンス評価指標に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句または数値のをそれぞれ答えなさい。

ファンドA ファンドB
収益率 10.0% 5.0%
標準偏差  6.0% 2.0%
無リスク資産の収益率 1.0%
シャープレシオは、ポートフォリオの投資効率を測ることができる指標である。ファンドAのシャープレシオは( ア )で、ファンドAとファンドBを比べると、( イ )の方が、投資効率が高いといえる。
正解:1.5、ファンドB
(ア) シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率)÷標準偏差です。
よって、ファンドAのシャープレシオは、(10%-1%)÷6%=1.5です。
(イ) ファンドBのシャープレシオは、(5%-1%)÷2%=2です。
シャープレシオは高いほど投資効率が高いと言えますから、ファンドAよりもファンドBの方が投資効率が高いと言えます。

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