お金の寺子屋

FP3級実技(FP協会)解説-2023年9月・後半

【問11】
大津さん(66歳)の2023年分の収入は下記<資料>のとおりである。大津さんの2023年分の所得税における総所得金額として、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。

<資料>
アルバイト収入:200万円
老齢基礎年金:78万円

アルバイト収入は給与所得控除額を控除する前の金額である。
老齢基礎年金は公的年金等控除額を控除する前の金額である。
<資料>給与所得控除額
給与収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%-10万円 
(最低55万円)
180万円超
360万円以下
収入金額×30%+8万円
360万円超
660万円以下
収入金額×20%+44万円
660万円超
850万円以下
収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円
<65歳未満の者の公的年金等控除額の速算表>
収入金額(A) 公的年金等控除額
130万円以下 60万円
130万円超
410万円以下
A×25%+27.5万円
410万円超
770万円以下
A×15%+68.5万円
770万円超
1,000万円以下
A×5%+145.5万円
1,000万円超 195.5万円
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合
<65歳以上の者の公的年金等控除額の速算表>
収入金額 公的年金等控除額
330万円以下 110万円
330万円超
410万円以下
A×25%+27.5万円
410万円超
770万円以下
A×15%+68.5万円
770万円超
1,000万円以下
A×5%+145.5万円
1,000万円超 195.5万円
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合
1. 132万円
2. 150万円
3. 200万円
正解:
給与所得の額=200万円-(200万円×40%-10万円)=132万円で、全額総所得金額に算入されます。
老齢基礎年金に係る雑所得の額は、収入金額78万円<公的年金等控除額110万円より、0円です。
よって、総所得金額は、132万円となります。
【問12】
会社員の井上大輝さんが2023年中に支払った医療費等が下記<資料>のとおりである場合、大輝さんの2023年分の所得税の確定申告における医療費控除の金額として、正しいものはどれか。なお、大輝さんの2023年中の所得は、給与所得800万円のみであり、支払った医療費等はすべて大輝さんおよび生計を一にする妻のために支払ったものである。また、医療費控除の金額が最も大きくなるよう計算することとし、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)については、考慮しないものとする。

<資料>

(※1) 人間ドックの結果、重大な疾病は発見されていない。
(※2) この入院について、加入中の生命保険から入院給付金が6万円支給された。
1. 19万円
2. 25万円
3. 27万円
正解:
総所得金額等が200万円以上である場合、医療費控除の額=正味負担した医療費-10万円です。
人間ドックの費用は、診断の結果重大な疾病が発見されなかったため、控除の対象外。
入院費用は、30万円-6万円-24万円が控除の対象。
健康増進のための費用は対象外。
骨折の治療費は、5万円が控除の対象。
よって、医療費控除の額は、24万円+5万円-10万円=19円となります。
【問13】
2023年9月2日に相続が開始された鶴見和之さん(被相続人)の<親族関係図>が下記のとおりである場合、民法上の相続人および法定相続分の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないものとする。

<親族関係図>

優子さんは適法に相続を放棄している。
1. 由希 1/2 達哉 1/2
2. 由希 1/2 達哉 1/4 勇斗 1/4
3. 由希 1/2 達哉 1/6 勇斗 1/6 莉華 1/6
正解:
相続人が、配偶者相続人と第一順位の血族相続人である場合、配偶者相続人の法定相続分は1/2となります。
血族相続人全体の相続分は1/2であり、血族相続人に該当するのは、達也さんと代襲相続人である勇斗さんです。
よって、各相続人の法定相続分は、由希さんが1/2、達也さんと勇斗さんがそれぞれ1/4となります。
【問14】
落合さん(65歳)は、相続税の計算における生命保険金等の非課税限度額について、FPで税理士でもある佐野さんに質問をした。下記の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値または語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

<佐野さんの回答>
「被相続人の死亡によって相続人等が取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。
この死亡保険金の受取人が相続人である場合、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。非課税限度額は『( ア )万円 ×( イ )の数』で求められます。」
1. (ア)300 (イ)法定相続人
2. (ア)300 (イ)生命保険契約
3. (ア)500 (イ)法定相続人
正解:
死亡保険金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」の式により計算される額です。
【問15】
長岡さん(35歳)が2023年中に贈与を受けた財産の価額および贈与者は以下のとおりである。長岡さんの2023年分の贈与税額として、正しいものはどれか。なお、2023年中において、長岡さんはこれ以外の財産の贈与を受けておらず、相続時精算課税制度は選択していないものとする。

長岡さんの父からの贈与:現金180万円
長岡さんの祖父からの贈与:現金50万円
長岡さんの祖母からの贈与:現金200万円
上記の贈与は、住宅取得等資金や教育資金、結婚・子育てに係る資金の贈与ではない。
<贈与税の速算表>
[18歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
1,000万円超
1,500万円以下
40% 190万円
1,500万円超
3,000万円以下
45% 265万円
3,000万円超
4,500万円以下
50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
1,000万円超
1,500万円以下
45% 175万円
1,500万円超
3,000万円以下
50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
1. 16万円
2. 38万円
3. 56万円
正解:
贈与税の課税価格は、(180万円+50万円+200万円)-110万円=320万円です。
贈与者は全員直系尊属ですから、贈与税額=320万円×15%-10万円=38万円となります。

【問15】~【問20】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
安藤貴博さんは株式会社SKに勤務する会社員である。貴博さんは今後の生活設計についてFPで税理士でもある浅見さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2023年9月1日現在のものである。

<家族構成(同居家族)>
[安藤 貴博(本人)]
1978年7月 4日(45歳)
会社員

[安藤 明子(妻)]
1981年5月31日(42歳)
専業主婦

[安藤 大輔(長男)]
2007年8月17日(16歳)
高校生

[安藤 裕美(長女)]
2009年7月29日(14歳)
中学生

<保有財産(時価)>
[金融資産]
普通預金  :230万円
定期預金  :200万円
投資信託  :180万円
財形年金貯蓄:150万円

[生命保険(解約返戻金相当額)]
35万円

[不動産(自宅マンション) ]
3,200万円

<負債残高>
住宅ローン(自宅マンション):2,800万円(債務者は貴博さん、団体信用生命保険付き)
<その他>
上記以外については、各設問において特に指定のない限り一切考慮しないものとする。
【問16】
FPの浅見さんは、安藤家のバランスシートを作成した。下表の空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、<設例>に記載のあるデータに基づいて解答するものとする。

1. 1,195(万円)
2. 1,430(万円)
3. 1,465(万円)
正解:

<資産>
普通預金230万円
定期預金200万円
投資信託180万円
財形年金貯蓄150万円
上場株式270万円
生命保険35万円
不動産3,200万円
の、計4,265万円

<負債>
住宅ローン2,800万円

よって、純資産=4,265万円-2,800万円=1,465万円となります。

【問17】
貴博さんは、60歳で定年を迎えた後、公的年金の支給が始まる65歳までの5年間の生活資金に退職一時金の一部を充てようと考えている。退職一時金のうち600万円を年利2.0%で複利運用しながら5年間で均等に取り崩すこととした場合、年間で取り崩すことができる最大金額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の係数の中から最も適切な係数を選択して計算し、円単位で解答すること。また、税金や記載のない事項については一切考慮しないものとする。

[年利2.0%]
減債基金係数:0.19216
現価係数  :0.9057
資本回収係数:0.21216
終価係数  :1.104

記載されている数値は正しいものとする。
1. 1,152,960円
2. 1,236,240円
3. 1,272,960円
正解:
使用する係数は、資本回収係数です。
よって、600万円×0.21216=1,272,960円となります。
【問18】
貴博さんは、通常65歳から支給される老齢基礎年金を繰り上げて受給することができることを知り、FPの浅見さんに質問をした。貴博さんの老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰上げ受給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給要件は満たしているものとする。
1. 老齢基礎年金を60歳から繰上げ受給した場合、原則として、老齢厚生年金も60歳から繰上げ受給することになる。
2. 老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額は、繰上げ月数1月当たり、0.4%の割合で減額される。
3. 老齢基礎年金を繰上げ受給した場合、65歳になるまでであれば、繰上げ受給を取り消し、65歳からの受給に変更することができる。
正解:
1. 正しい記述です。年金を繰り上げる場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げなければなりません。
2. 正しい記述です。
3. 一度繰上げや繰り下げをすると、取り消すことはできず、一生涯、増減額された年金を受け取ることになります。
【問19】
明子さんは、現在、専業主婦であり国民年金の第3号被保険者であるが、パートタイマーとして、株式会社SXにて2023年10月1日より「週25時間、月給12万円、雇用期間の定めなし」という労働条件で働く予定である。この条件で働き始めた場合の明子さんの国民年金の被保険者種別に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、株式会社SXは特定適用事業所である。
1. 国民年金の第1号被保険者である。
2. 国民年金の第2号被保険者である。
3. 国民年金の第3号被保険者である。
正解:
特定事業所(厚生年金保険の被保険者が常時101人以上である企業など)に勤務する人で、週の所定労働時間が20時間以上あること、賃金の月額が8.8万円以上であること、学生でないこと、継続して2ヵ月を超えて使用される見込みであること、という4つの条件を満たす人は、厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)となります。
【問20】
貴博さんと明子さんは、個人型確定拠出年金(以下「iDeCo」という)について、FPの浅見さんに質問をした。iDeCoに関する浅見さんの次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 「iDeCoに加入した場合、拠出した掛金全額は、小規模企業共済等掛金控除として税額控除の対象となり、所得税や住民税の負担が軽減されます。」
2. 「老齢給付金は年金として受け取ることができるほか、一時金として受け取ることもできます。」
3. 「国民年金の第3号被保険者である明子さんは、iDeCoに加入することができます。」
正解:
1. iDeCoの掛金は全額小規模企業共済等掛金控除の対象となります。なお、小規模企業共済等掛金控除は所得控除の一つであり、税額控除ではありません。
2. 正しい記述です。iDeCoの老齢給付金の受け取り方法には、年金、一時金、年金と一時金の併用があります。
3. 正しい記述です。国民年金の第3号被保険者も、iDeCoに加入することができます。

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