お金の寺子屋

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FP3級実技(FP協会)解説-2021年1月・後半

【問11】
会社員の室井さんは、2020年中に勤務先を定年退職した。室井さんの退職に係るデータが下記<資料>のとおりである場合、室井さんの所得税に係る退職所得の金額として、正しいものはどれか。なお、室井さんは役員であったことはなく、退職は障害者になったことに基因するものではない。また、前年以前に受け取った退職金はないものとする。

<資料>
[室井さんの退職に係るデータ]
支給された退職一時金:4,500万円
勤続年数:38年

[参考:退職所得控除額の求め方]

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
1. 2,440万円
2. 2,060万円
3. 1,220万円
正解:
退職所得控除額=70万円×(38-20)+800万円= 2,060万円です。
よって、退職所得=(4,500万円-2,060万円)×1/2=1,220万円となります。
【問12】
長岡さんが2020年中に支払った医療費等が下記<資料>のとおりである場合、長岡さんの2020年分の所得税の確定申告における医療費控除の金額として、正しいものはどれか。なお、長岡さんの2020年分の所得は給与所得600万円のみであり、支払った医療費等はすべて長岡さんおよび生計を一にする妻のために支払ったもので、保険金等で補てんされたものはない。また、医療費控除の金額が最も大きくなるよう計算すること。

<資料>
風邪を予防するために薬局で購入したビタミン剤の購入代金  25,000円
骨折の治療のために整形外科へ支払った入院代       170,000円
整形外科へ自家用車で通院するために要した駐車場代      8,000円
1. 103,000円
2.  95,000円
3.  70,000円
正解:
風邪を予防するための費用や、自家用車で通院するために要した駐車場代は医療費控除の対象外です。
骨折の治療のために病院へ支払った入院代は医療費控除の対象となり、その年の課税標準の合計金額が200万円以上である場合、医療費控除の金額は正味支払った医療費の額から10万円を引いたものとなりますから、医療費控除の金額=170,000円-100,000円=70,000円となります。
【問13】
佐野さんは、個人でアパートの賃貸をしている青色申告者である。佐野さんの2020年分の所得および所得控除が下記<資料>のとおりである場合、佐野さんの2020年分の所得税額として、正しいものはどれか。なお、佐野さんに<資料>以外の所得はなく、復興特別所得税や税額控除、源泉徴収税額、予定納税等については一切考慮しないこととする。

<資料>
[2020年分の所得]
不動産所得の金額 780万円

必要経費や青色申告特別控除額を控除した後の金額である。

[2020年分の所得控除]
所得控除の合計額 110万円

<所得税額の計算方法>
課税される所得金額×税率-控除額
<資料>所得税の速算表
課税される
所得金額
税率 控除額
195万円未満 5%
195万円以上
330万円未満
10% 97,500円
330万円以上
695万円未満
20% 427,500円
695万円以上
900万円未満
23% 636,000円
900万円以上
1,800万円未満
33% 1,536,000円
1,800万円以上
4,000万円未満
40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円
課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
1.   912,500円
2. 1,158,000円
3. 1,340,000円
正解:
課税される所得金額=780万円-110万円=670万円です。
よって、所得税額=670万円×20%-427,500円=912,500円となります。
【問14】
2021年1月4日に相続が開始された筒井賢太郎さん(被相続人)の<親族関係図>が下記のとおりである場合、民法上の相続人および法定相続分の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<親族関係図>
1. 由香里 1/2 浩太 1/4 玲花 1/4
2. 由香里 1/2 浩太 1/6 進平 1/6
 玲花 1/6
3. 由香里 1/2 広樹 1/6 浩太 1/6
 玲花 1/6
正解:
放棄をしている場合には、民法上の法定相続人にはなりません。よって、法定相続人の組み合わせは、由香里さん、浩太さん、玲花さんの3人となります。
相続人の組み合わせが配偶者相続人と第一順位の血族相続人ですから、配偶者相続人と血族相続人の法定相続分は、それぞれ2分の1となります。
また、同順位の血族相続人が複数いる場合には、各人の法定相続分は、血族相続人全体の法定相続分を頭数で按分しますから、各人の法定相続分は、由香里さんが1/2、浩太さんと玲花さんがそれぞれ1/4となります。
【問15】
相続開始後の各種手続きにおける下記<資料>の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないこととする。

<資料>
手続きの種類 手続きの期限
相続の放棄または
限定承認
相続の開始を知った時から( ア )以内に家庭裁判所に申述書を提出
相続税の申告と納付 相続の開始を知った日の翌日から( イ )以内に被相続人の死亡時の住所地の所轄税務署長に提出
1. (ア)1ヵ月 (イ) 6ヵ月
2. (ア)3ヵ月 (イ) 6ヵ月
3. (ア)3ヵ月 (イ)10ヵ月
正解:
(ア) 相続の放棄または限定承認は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に行わなくてはいけません。
(イ) 相続税の申告と納付は、相続の開始を知ったときから10ヵ月以内に行わなくてはいけません。

【問16】
飯田恵子さんは、夫から居住用不動産の贈与を受けた。恵子さんは、この居住用不動産の贈与について、贈与税の配偶者控除の適用を受けることを検討しており、FPで税理士でもある川久保さんに相談をした。この相談に対する川久保さんの回答の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。

[川久保さんの回答]
「贈与税の配偶者控除を受けるためには、贈与があった日において、配偶者との婚姻期間が( ア )年以上あること等の所定の要件を満たす必要があります。また、贈与税の配偶者控除の額は、最高( イ )万円です。」
1. (ア)10 (イ)2,000
2. (ア)20 (イ)2,000
3. (ア)20 (イ)2,500
正解:
贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、婚姻期間が20年以上あるなどの要件を満たす必要があり、適用を受けた場合には、最高で2,000万円を課税価格から控除することができます。
【問17】~【問20】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
荒木将大さんは今後の生活設計について、FPで税理士でもある福岡さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2021年1月1日現在のものである。

<家族構成(同居家族)>
[荒木 将大(本人)]
1972年6月15日生まれ(48歳)
職業:会社員

[荒木 雅子(妻)]
1974年7月23日生まれ(46歳)
職業:専業主婦

[荒木 咲(長女)]
2000年4月 8日生まれ(20歳)
職業:大学生

<保有財産(時価)>単位:万円
[金融資産]
普通預金:350
定期預金:900
財形年金貯蓄:310
上場株式:140
投資信託:240

[生命保険(解約返戻金相当額)]
50

[不動産(自宅マンション)]
2,500

<負債残高>
住宅ローン(自宅マンション):1,800万円(債務者は将大さん、団体信用生命保険付き)
<その他>
上記以外については、各設問において特に指定のない限り一切考慮しないこととする。
【問17】
FPの福岡さんは、荒木家のバランスシートを作成した。下表の空欄(ア)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお、<設例>に記載のあるデータに基づいて解答することとする。

<資料>
1. 2,550(万円)
2. 2,640(万円)
3. 2,690(万円)
正解:

<資産>
普通預金350万円
定期預金900万円
財形年金貯蓄310万円
上場株式140万円
投資信託240万円
生命保険50万円
不動産2,500万円
の、計4,490万円

<負債>
住宅ローン1,800万円

よって、純資産=4,490万円-1,800万円=2,690万円となります。

【問18】
将大さんは、60歳で定年を迎えた後、公的年金の支給が始まる65歳までの5年間の生活資金に退職一時金の一部を充てようと考えている。仮に退職一時金のうち700万円を年利1.0%で複利運用しながら5年間で均等に取り崩すこととした場合、年間で取り崩すことができる最大金額として、正しいものはどれか。なお、下記<資料>の3つの係数の中から最も適切な係数を選択して計算し、解答に当たっては、万円未満を切り捨てること。また、税金や記載のない事項については一切考慮しないこととする。

<資料:係数早見表(年利1.0%)>
[5年]
減債基金係数:0.19604
現価係数:0.95147
資本回収係数:0.20604
※記載されている数値は正しいものとする。
1. 133万円
2. 137万円
3. 144万円
正解:
資本回収係数を使います。
よって、700万円×0.20604=1,442,280円≒144万円(万円未満切り捨て)となります。
【問19】
将大さんは、病気やケガで働けなくなった場合、健康保険からどのような給付が受けられるのか、FPの福岡さんに質問をした。福岡さんが行った健康保険(全国健康保険協会管掌健康保険)の傷病手当金に関する次の回答の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。

<福岡さんの回答>
「傷病手当金は病気やケガの療養のため、会社を休んだ日が( ア )日間続いた後( イ )日目以降休業して賃金が受けられない日について、休業1日につき、支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で除した額の3分の2相当額が支給されます。」
1. (ア)2 (イ)3
2. (ア)3 (イ)4
3. (ア)4 (イ)5
正解:
傷病手当金は、病気や怪我によって、連続して3日間休んだ後、休業4日目以降最長1年6ヵ月間支給されます。
【問20】
将大さんは老後に備え、個人型確定拠出年金(以下「iDeCo」という)について、FPの福岡さんに質問をした。iDeCoに関する福岡さんの次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 「将大さんは、確定給付企業年金を実施している企業に勤めていますので、iDeCoの加入対象者とはなりません。」
2. 「iDeCoに加入した場合、支払った掛金は、所得税や住民税の計算上、小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となります。」
3. 「国民年金の第3号被保険者である雅子さんは、iDeCoの加入対象者となります。
正解:
1. 確定給付企業年金を実施している企業に勤める会社員も、iDeCoに加入する事ができます。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。

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