お金の寺子屋

FP3級実技(個人)解説-2021年5月・解説のみ

【問1】
正解:
老齢厚生年金は2階部分の年金ですから、一階部分の年金(老齢基礎年金)の受給資格期間を満たさなければ受給することができません。老齢基礎年金を受け取るためには、受給資格期間が10年以上ある必要があります。
通常の老齢厚生年金を受給するための厚生年金保険の被保険者期間の要件は、1ヵ月以上あることです。
女性の場合、1966年4月1日以前に生まれた人は、一定要件を満たした場合には、特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができ、1960年4月2日~1962年4月1日までの間に生まれた人は、62歳から受け取ることができます。
【問2】
正解:

老齢基礎年金の年金額は、「老齢基礎年金の満額×保険料納付期間÷480」という式により求めます。

<Aさん>
厚生年金保険の被保険者期間は保険料納付期間に算入されますが国民年金の未加入期間は保険料納付期間に算入されません。よって、Aさんの保険料納付期間は450月です。

<妻Bさん>
保険料納付期間は、原則として、20歳以上60歳未満の480月の保険料納付記録をもとに計算しますから、19歳未満の期間については考慮しません。よって、妻Bさんの保険料納付期間は480月です。

【問3】
正解:
1. 年上の配偶者がいる場合には加給年金は支給されません。
2. 公的介護保険の被保険者区分が第2号被保険者から第1号被保険者に変わった場合、特に手続きは必要はありません。
3. 正しい記述です。

【問4】
正解:
1. 為替スプレッド(両替時の手数料のようなもの)は金融機関ごとに差異があります。
2. 正しい記述です。円をドルに変える際に適用されるレートはTTSです。
3. Aさんが満期時に受け取ることができる利息額 (税引前)は、10,000米ドル×2.0%×3/12=50米ドルです。
【問5】
正解:
利息は、10,000米ドル×2.0%×0.25=50米ドルより、満期時の米ドルベースでの元利合計額は、10,050米ドルです。
円転時に使う為替レートはTTBですから、円転額は、10,050米ドル×103.00円×1,035,150 円となります。
【問6】
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 為替差損益は雑所得ですから、マイナスが出ても損益通算の対象とはなりません。

【問7】
正解:
給与所得=1,000万円-195万円=805万円です。
また、65歳以上の人が受け取る公的年金に係る雑所得については、最低90万円以上の公的年金等控除が適用されますから、老齢基礎年金の年金額35万円についての雑所得は0円になります。
そして、不動産所得の赤字は損益通算の対象になります。
よって、総所得金額=805万円-100万円=705万円となります。
【問8】
正解:
配偶者控除を受けるための配偶者の合計所得金額の用件は48万円以下であることです。
問7より、Aさんの合計所得金額は900万円以下で、妻Bさんは老人控除対象配偶者に該当しませんから、配偶者控除の額は38万円になります。
16歳以上70歳未満でかつ19歳以上23歳未満ではない控除対象配偶者は、一般の控除対象扶養親族として38万円の控除の対象となります。
【問9】
正解:
1. 医療費控除は、正味支払った医療費の額が10万円を超えていれば、適用を受けることができます。
2. 正しい記述です。
3. 医療費控除は年末調整の対象ではないため、適用を受けるためには確定申告をする必要があります。

【問10】
正解:
準防火地域に耐火建築物を建てる場合、建蔽率の上限が10%緩和されます。
また、特定行政庁が指定する角地に建物を建てる場合も、建蔽率の上限が10%緩和されますから、甲土地の建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となります。
よって、建蔽率の上限となる建築面積は、900㎡×80%=720㎡となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率の上限は、6m×4/10=2.4 (240%)です。
前面道路の幅員が12m未満である場合、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率 のうち、どちらか小さい方を適用しますから甲土地の容積率の上限は、240%となります。
よって、容積率の上限となる延べ床面積は、900㎡×240%=2,160㎡となります。
【問11】
正解:
貸家建付地の相続税評価額は、「自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」の式により算出されます。
路線価図の英字は借地権割合を表しており、A(90%)~G(30%)まで10%刻みで設定されており、Dは、60%を意味します。
小規模宅地等の特例において、貸付事業用宅地等に該当する土地は、200㎡までの部分について、50%の評価減を受けることができます。
【問12】
正解:
1. 正しい記述です。等価交換方式においては、デベロッパーが建物の建築資金を負担するため、地主は自己資金を使わず建物の持分を取得することができます。
2. 正しい記述です。
3. 建設協力金方式により土地を有効活用した場合、契約期間満了後にテナントが建物を撤去し土地を更地にする義務はありません。

【問13】
正解:
1. 相続人が直系尊属のみである場合を除き、抽象的遺留分の金額は、遺留分算定の基礎となる財産の2分の1相当額で、具体的遺留分の金額は、抽象的遺留分に法定相続分をかけた金額となります。
よって、二女Dさんの遺留分の金額は、3億円×1/2×1/4=3,750万円となります。
2. 正しい記述です。死亡保険金を活用した代償分割の方法を考えた場合、死亡保険金の受取人は代償財産を交付する人とするべきです。
3. 正しい記述です。
【問14】
正解:

相続人は配偶者相続人と第一順位の血族相続の組み合わせですから、妻Bさんの法定相続分は1/2になります。
また、長女Cさんと二女Dさんの法定相続分は、それぞれ1/4となります。

よって、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億4,000万円×1/2=1億2,000万円、長女Cさんと二女Dさんの法定相続分に応ずる取得金額はそれぞれ、2億4,000万円×1/4=6,000万円となります。

したがって、妻Bさんの法定相続分対応する相続税額は、1億2,000万円×40%-1,700万円=3,100万円となり、長女Cさんと二女Dさんの法定相続分対応する相続税額はそれぞれ、6,000万円×30%-700万円=1,100万円となります。

ゆえに、相続税の総額は、3,100万円+1,100万円+1,100万円=5,300万円となります。

【問15】
正解:
1. 正しい記述です。特定居住用宅地等に該当する土地は、330㎡まで80%の評価減を受けることができます。
2. 配偶者は無条件で小規模宅地等の評価減の特例を受けることができます。
3. 特定居住用宅地等に該当する土地と貸付事業用宅地等に該当する土地のそれぞれについて小規模宅地等の特例の適用を受けようとする場合、適用対象面積の調整を受けます。

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