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FP3級実技(個人)解説-2021年1月・後半

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
Aさん(58歳)は、2020年9月、父親が死亡し、アスファルト敷きの月極駐車場(甲土地)および実家(建物とその敷地である乙土地)を相続により取得した。父親が1人で暮らしていた実家の建物は、父親が亡くなったときのまま、空き家として放置している。
Aさんは、別の都市に自宅を保有し、居住しているため、実家に戻る予定はない。築45年の実家の建物は老朽化が激しく、管理にも手間がかかるため、Aさんは実家の建物を取り壊し、乙土地を売却するか、あるいは乙土地上に賃貸マンションを建築することを検討している。

<甲土地および乙土地の概要>
甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
乙土地に耐火建築物を建築する場合の①建蔽率の上限となる建築面積と②容積率の上限となる延べ面積の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。
1. ① 270㎡ ② 1,200㎡
2. ① 300㎡ ② 1,200㎡
3. ① 300㎡ ②  900㎡
正解:(4点)
建蔽率が80%である防火地域に耐火建築物を建てる場合には、建ぺい率が100%となります。
よって、建蔽率の上限となる建築面積=300㎡×100%=300㎡となります。
前面道路の幅員が12m未満ですから、容積率の上限は、指定容積率(400%)と、前面道路の幅員×法廷乗数のどちらか小さい方です。
前面道路の幅員によって定まる容積率=5×6/10=3=300%より、容積率の上限は300%となりますから、容積率の上限となる延べ床面積=300㎡×300%=900㎡となります。
【問11】
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下、「本特例」という)に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ⅰ) 「被相続人の居住用家屋およびその敷地を取得した相続人が、本特例の適用を受けて、その家屋または敷地を譲渡した場合、最高( ① )万円の特別控除の適用を受けることができます。本特例の対象となる家屋は、( ② )年5月31日以前に建築されたもので、マンションなどの区分所有建物登記がされている建物は対象になりません」
ⅱ) 「本特例の適用を受けるためには、譲渡価額が( ③ )円以下であること、2023年12月31日までに行われる譲渡で相続開始日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することなど、所定の要件を満たす必要があります」
1. ①3,000 
②1981(昭和56) 
③1億
2. ①3,000 
②1991(平成3) 
③1億6,000万
3. ①1,000 
②2001(平成13) 
③1億6,000万
正解:(3点)
相続空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けた場合、最高で3,000万円の控除を受けることができます。
相続空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の対象となる家屋は、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたものです。
相続空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用を受けるためには、譲渡価額が1億円以下であるなどの要件を満たさなくてはいけません。
【問12】
Aさんに対するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「等価交換方式とは、Aさんが所有する土地の上に、事業者が建設資金を負担してマンション等を建設し、完成した建物の住戸等をAさんと事業者がそれぞれの出資割合に応じて取得する手法です」
2. 「甲土地と乙土地を一体とした土地に賃貸マンションを建築する場合、乙土地単独での有効活用に比べて、上限となる容積率が大きくなります」
3. 「甲土地の前面道路(幅員10mの公道)の相続税路線価は、1㎡当たりの価額が300万円であることを示しています」
正解:(3点)
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。甲土地と乙土地を一体とした土地に建物を建てる場合、前面道路の幅員が10mとなり、前面道路の幅員によって定まる容積率=10×6/10=6=600%>指定容積率(400%)より、容積率の上限が400%となり、乙土地を単独で有効活用した場合(容積率300%。問10参照。)に比べて、上限となる容積率が大きくなります。
3. 路線価図にある数字は千円単位ですから、300という数字は、前面道路の路線価が1㎡当たり300千円、つまり、30万円である事を示しています。

【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
Aさん(70歳)は、妻Bさん(70歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、遺言書の準備を検討している。

<Aさんの親族関係図>

<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)>
[現預金]
7,500万円

[上場株式]
2,000万円

[自宅]
①敷地(250㎡):8,000万円(注)
②建物:1,0000万円

[賃貸アパート]
①敷地(250㎡):5,000万円(注)
②建物(築8年・6室):2,500万円

合計 2億6,000万円

(注) 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 「遺言により、Aさんの全財産を妻Bさんに相続させた場合、兄Cさんおよび甥Dさんが遺留分侵害額請求権を行使する可能性があります」
2. 「Aさんは、自身が作成した自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預けることができます」
3. 「公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して作成するものです」
正解:(3点)
1. 相続人ではない甥Dさんには、遺留分はありません。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
【問14】
仮に、Aさんの相続が現時点(2021年1月24日)で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億5,000万円であった場合の相続税の総額は、次のうちどれか。

<資料>相続税の速算表(一部抜粋)
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
1. 3,100万円
2. 3,350万円
3. 4,300万円
正解:(4点)

相続人は配偶者相続人と第三順位の血族相続の組み合わせですから、妻Bさんの法定相続分は3/4になります。
また、兄Cさんの法定相続分は1/4となります。

よって、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、1億5,000万円×3/4=1億1,250万円、兄Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は1億円5,000万円×1/4=3,750万円となります。

したがって、妻Bさんの法定相続分対応する相続税額は、1億1,250万円×40%-1,700万円=2,800万円となり、兄Cさんの法定相続分対応する相続税額は、3,750万円×20%-200万円=550万円となります。

ゆえに、相続税の総額は、2,800万円+550万円=3,350万円となります。

【問15】
現時点(2021年1月24日)において、Aさんの相続が開始した場合に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ⅰ) 「妻Bさんが自宅の敷地を相続により取得し、当該敷地の全部について、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた場合、減額される金額は( ① )となります。なお、自宅の敷地について優先して本特例の適用を受けた場合、貸付事業用宅地等として適用を受けることができる面積は所定の算式により調整しなければなりません」
ⅱ) 「配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、妻Bさんが相続により取得した財産の金額が、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか( ② )金額までであれば、納付すべき相続税額は算出されません」
ⅲ) 「相続税の申告書の提出期限は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内です」
1. ①6,400万円 ②多い  ③10カ月
2. ①1,600万円 ②少ない ③10カ月
3. ①6,400万円 ②少ない ③4カ月
正解:(3点)
自宅の敷地について小規模宅地等の特例の適用を受けた場合、特定居住用宅地等として、330㎡までの部分にかかる課税価格が80%減額されます。
本文では自宅の敷地は250㎡ですから、敷地の全体に対して特例の適用を受けることができて、土地の相続税評価額8,000万円の80%にあたる6,400万円が減額されます。
配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか多い金額までにかかる税金が非課税となります。
相続税の申告期限は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10 ヵ月以内です。

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