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FP3級実技(保険)解説-2019年5月・問1~9

【問1】~【問3】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
会社員のAさん(38歳)は、妻Bさん(37歳)、長男Cさん(4歳)および二男Dさん(0歳)との4人暮らしである。
Aさんは、二男Dさんの誕生を機に、生命保険の見直しを考えている。Aさんは、その前提として、自分が死亡した場合に公的年金制度から遺族給付がどのくらい支給されるのかを知りたいと思っている。また、40歳から公的介護保険制度の保険料負担が生じることから、当該制度についても詳しく知りたいと考えている。
そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんの家族構成等は、以下のとおりである。

<Aさん夫妻に関する資料>
[Aさん]
1981年4月26日生まれ
会社員(厚生年金保険・全国健康保険協会管掌健康保険に加入中)

[妻Bさん]
1982年4月19日生まれ
国民年金に第3号被保険者として加入している。

[長男Cさん]
2014年7月25日生まれ

[二男Dさん]
2018年10月14日生まれ

<公的年金加入歴>
妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、生計維持関係にあるものとする。また、就業の予定はないものとする。
家族全員、Aさんと同一の世帯に属し、Aさんの健康保険の被扶養者である。
家族全員、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問1】
はじめに、Mさんは、Aさんが現時点(2019年5月26日)において死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族基礎年金の年金額(2018年度価額)を試算した。Mさんが試算した遺族基礎年金の年金額の計算式として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 779,300円+224,300円=1,003,600円
2. 779,300円+224,300円+74,800円=1,078,400円
3. 779,300円+224,300円+224,300円=1,227,900円
正解:
遺族基礎年金の年金額は老齢基礎年金の満額プラス子の加算です。
子の加算は、第2子までは、一人当たり224,300円が加算されます。
【問2】
次に、Mさんは、Aさんが現時点(2019年5月26日)において死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の3分の2に相当する額になります」
2. 「妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額は、その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が360月に満たないため、360月として計算した額になります」
3. 「二男Dさんの18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが受給する遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます」
正解:
1. 厚生年金保険の被保険者が死亡した場合の遺族厚生年金の金額は、当該被保険者の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の、4分の3相当額です。
2. 遺族厚生年金の金額を計算する際、被保険者期間が300ヵ月に満たない場合、300ヵ月の被保険者期間があったものとして計算します。
3. 中高齢寡婦加算は、基本的に、遺族基礎年金を受給することができない、40歳以上65歳未満の配偶者が受給することができます。
【問3】
最後に、Mさんは、公的介護保険(以下、「介護保険」という)について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「介護保険の被保険者は、70歳以上の第1号被保険者と40歳以上70歳未満の医療保険加入者である第2号被保険者に分けられます」
2. 「介護保険の介護給付を受けようとする場合は、要介護者に該当することおよびその該当する要介護状態区分について、都道府県知事の認定を受ける必要があります」
3. 「介護保険の第2号被保険者については、要介護状態となった原因が、初老期における認知症や脳血管疾患などの特定疾病によって生じたものでなければ介護給付を受けられません」
正解:
1. 介護保険の第1号被保険者は、65歳以上の人で、第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の人です。
2. 介護保険の介護給付を受けようとする場合、市区町村の認定を受ける必要があります。
3. 正しい記述です。介護保険の第2号被保険者は、16種類の特定疾病に起因して介護が必要であると認定された場合でなければ、介護保険の給付を受けることができません。

【問4】~【問6】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
会社員のAさん(32歳)は、専業主婦である妻Bさん(29歳)および長女Cさん(1歳)との3人暮らしである。Aさんは、先日、職場で生命保険会社の営業担当者から生命保険を勧められた。現在加入している終身保険はAさんが結婚する前に加入したものである。
そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんが現在加入している生命保険の内容等は、以下のとおりである。

<Aさんが現在加入している生命保険の契約内容>
<Aさんが提案を受けた生命保険の内容>
保険の種類:5年ごと配当付終身保険(60歳払込満了)
月払保険料(集団扱い):15,600円
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん

最低支払保証期間は5年(最低5回保証)
所定のがん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中、重度の糖尿病、重度の高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎不全、慢性すい炎のいずれかを保障する。重度疾病保険金を支払った場合、本特約は消滅する。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問4】
はじめに、Mさんは、現時点の必要保障額を試算することにした。下記の<算式>および<条件>に基づき、Aさんが現時点で死亡した場合の必要保障額は、次のうちどれか。

<算式>
必要保障額=遺族に必要な生活資金等の総額-遺族の収入見込金額
<条件>
長女Cさんが独立する年齢は、22歳(大学卒業時)とする。
Aさんの死亡後から長女Cさんが独立するまで(21年間)の生活費は、現在の日常生活費(月額25万円)の70%とし、長女Cさんが独立した後の妻Bさんの生活費は、現在の日常生活費(月額25万円)の50%とする。
長女Cさん独立時の妻Bさんの平均余命は、38年とする。
長女Cさんの教育資金および結婚援助資金の総額は、1,500万円とする。
Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)・緊急予備資金は、500万円とする。
金融資産(預貯金等)の合計額は、1,400万円とする。
Aさん死亡後に妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は、6,100万円とする。
Aさんが現在加入している生命保険の保障金額は考慮しなくてよい。
1. 4,610万円
2. 6,010万円
3. 10,110万円
正解:
<遺族に必要な生活資金等>
25万円/月×70%×12ヵ月×21年=4,410万円
25万円/月×50%×12ヵ月×38年=5,700万円
結婚資金:1,500万円
死亡整理金・予備資金:500万円
の、計12,110万円

<遺族の収入見込額>
金融資産:1,400万円
公的年金等:6,100万円
の、計7,500万円

よって、必要保証額=12,110万円-7,500万円=4,610万円となります。

【問5】
次に、Mさんは、生命保険の加入等についてアドバイスした。MさんのAさんに対するアドバイスとして、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「算出された必要保障額を満たす死亡保障を準備することが理想ですが、Aさんの今後の収入と支出を考慮して、支出可能な保険料の範囲内で生命保険の加入を考えましょう」
2. 「保険会社各社は、入院給付金や手術給付金が定額で受け取れるものや通院保障が手厚いものなど、最近の医療事情に合わせて、さまざまなタイプの医療保険を取り扱っています。保障内容や保障範囲をしっかりと確認したうえで、加入することをお勧めします」
3. 「先進医療の治療を受けた場合、診察料、投薬料および技術料などの費用はすべて公的医療保険の対象外で全額自己負担となります。一部の先進医療については費用が高額となるケースもありますので、先進医療特約の付加をお勧めします」
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 先進医療の技術料は公的医療保険の対象外で、全額自己負担になりますが、診察料や投薬料等は、公的医療保険が適用されます。
【問6】
最後に、Mさんは、Aさんが提案を受けた生命保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。
1. 「所定の重度疾病に罹患した場合、重度疾病保障特約により150万円を受け取ることができます。さらに、その後、死亡した場合には、当該特約により死亡保険金150万円が妻Bさんに支払われます」
2. 「収入保障特約は、被保険者が死亡した場合、所定の期間、死亡保険金が年金形式で支払われるタイプの特約です。仮に、Aさんが40歳(支払対象期間20年)で死亡した場合、妻Bさんが当該特約により受け取る年金受取総額は1,200万円となります」
3. 「終身保険、定期保険特約の保険料は、生命保険料控除の対象となりますが、収入保障特約の保険料は、生命保険料控除の対象となりませんのでご注意ください」
正解:
1. 資料より、重度疾病保障特約は重度疾病保険金を支払った場合消滅するとありますから、不適切です。
2. 正しい記述です。60万円/年×20年=1,200万円です。
3. 収入保障特約の保険料は、生命保険料控除の対象となります。

【問7】~【問9】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
Aさん(41歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは、現在、自身の退職金準備を目的とする生命保険への加入を検討している。
そこで、Aさんは、生命保険会社の営業担当者であるMさんに相談したところ、下記<資料>の生命保険の提案を受けた。

<資料>Mさんが提案した生命保険の内容
保険の種類:無配当終身保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者)=X社
死亡保険金受取人=X社
被保険者=Aさん
保険金額:5,000万円
保険料払込期間:65歳満了
年払保険料:200万円
払込保険料累計額(①):4,800万円
保険料払込満了時の解約返戻金額(②):4,330万円
受取率(②÷①):90.2%(小数点第2位以下切捨て)
解約返戻金額の80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問7】
仮に、将来X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)を40年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。
1. 1,400万円
2. 1,600万円
3. 2,800万円
正解:
退職所得控除額=800万円+70万円×(40-20)=2,200万円です。
よって、退職所得=(5,000万円-2,200万円)×1/2=1,400万円となります。
【問8】
<設例>の無配当終身保険の第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として、次のうち最も適切なものはどれか。
1.
2.
3.
正解:
法人が死亡保険金受取人である終身保険の保険料は、全額資産計上されます。
【問9】
Mさんは<設例>の無配当終身保険について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も不適切なものはどれか。
1. 「保険料払込満了時に当該終身保険を解約した場合、X社はそれまで資産計上していた保険料積立金を取り崩し、解約返戻金額との差額を雑損失として経理処理します」
2. 「X社が保険期間中に資金を必要とした際に、契約者貸付制度を利用することで、当該保険契約を解約することなく、無利息で資金を調達することができます」
3. 「Aさんの退任時に、役員退職金の一部として当該終身保険の契約者をAさん、死亡保険金受取人をAさんの相続人に名義変更することで、当該終身保険を個人の保険として継続することが可能です」
正解:
1. 正しい記述です。保険料は全額資産計上し、資料より、受取率が100%を割りますから、解約時には雑損失が生じます。
2. 契約者貸付制度によって調達した資金には、利息がつきます。
3. 正しい記述です。

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