お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2021年9月・問11~22

【問11】
佐野大輔さん(50歳)が保険契約者(保険料負担者)および被保険者として加入している生命保険(下記<資料>参照)の保障内容に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値を解答欄に記入しなさい。なお、保険契約は有効に継続し、かつ特約は自動更新しているものとし、大輔さんはこれまでに<資料>の保険から、保険金・給付金を一度も受け取っていないものとする。また、各々の記述はそれぞれ独立した問題であり、相互に影響を与えないものとする。

<資料/保険証券1>
<資料/保険証券2>
大輔さんが現時点で、肺炎で20日間入院し(手術は受けていない)、退院日の翌日から約款所定の期間内に10日間通院した場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( ア )万円である。
大輔さんが現時点で、初めてがん(悪性新生物)と診断され、治療のため42日間入院し、その間に約款所定の手術(給付倍率40倍)を1回受けた場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( イ )万円である。
大輔さんが現時点で、交通事故で死亡(入院・手術なし)した場合、保険会社から支払われる保険金・給付金の合計は( ウ )万円である。
約款所定の手術は無配当定期保険特約付終身保険および終身医療保険ともに該当するものである。
正解:21、1,070、3,820
(ア) 疾病入院特約5,000円×(20-4)+疾病入院給付金5,000円×20+通院給付金3,000円×10=21万円となります。
(イ) 特定疾病保険金1,000万円+疾病入院特約5,000円×(42-4)+手術給付金5,000円×40+疾病入院給付金5,000円×42+手術給付金10 万円=1,070万円となります。
(ウ) 終身保険金額300万円+定期保険特約保険金額2,000万円+三大疾病保障定期保険特約保険金額1,000万円+傷害特約保険金額500万円+死亡保険金20万円=3,820万円となります。
【問12】
下記(ア)~(ウ)は、終身保険について、従来の保険料を払い続けることが困難になった場合に、解約をせずに保険契約を継続する方法の仕組みを図で表したものである。(ア)~(ウ)の仕組み図と契約継続方法の組み合わせとして、正しいものはどれか。

1. (ア)延長(定期)保険 
(イ)払済保険    
(ウ)自動振替貸付
2. (ア)払済保険    
(イ)延長(定期)保険 
(ウ)自動振替貸付
3. (ア)払済保険    
(イ)延長(定期)保険 
(ウ)減額
4. (ア)延長(定期)保険 
(イ)払済保険    
(ウ)減額 
正解:
(ア) 延長保険は、保険料の払込を中止して、解約返戻金をもとに、保険金額を変えず保険期間を短くする制度です。
(イ) 払済保険は、保険料の払込を中止して、解約返戻金をもとに、保険期間を変えず保険金額を小さくする制度です。
(ウ) (保険金額の)減額は、保険金額を小さくして、保険料の払込みを継続する制度です。
【問13】
FPの増田さんが行ったリビングニーズ特約の一般的な説明に関する以下の記述について、空欄(ア)~(エ)に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

リビングニーズ特約は、( ア )被保険者の余命が( イ )以内と医師により診断されたときに、死亡保険金の一部または全部を保険金として受け取ることができる特約です。
請求できる金額は、保険金額の範囲内で1被保険者当たり( ウ )が限度となります。
リビングニーズ特約の請求により被保険者が受け取った保険金は( エ )となります。
1. (ア)原因にかかわらず (イ)3ヵ月 
(ウ)1,000万円 (エ)所得税の課税対象
2. (ア)原因にかかわらず (イ)6ヵ月 
(ウ)3,000万円 (エ)非課税
3. (ア)疾病により    (イ)3ヵ月 
(ウ)1,000万円 (エ)非課税
4. (ア)疾病により    (イ)6ヵ月 
(ウ)3,000万円 (エ)所得税の課税対象
正解:
(ア) リビングニーズ特約による保険金を受け取るための余命宣告の原因についての制限はありません。
(イ) リビングニーズ特約は、被保険者の余命が6ヵ月以内と医師により診断されたときに、死亡保険金の一部または全部を保険金として受け取ることができる特約です。
(ウ) リビングニーズ特約により請求できる金額は、保険金額の範囲内で1被保険者当たり3,000万円が限度となります。
(エ) リビングニーズ特約の請求により被保険者が受け取った保険金は非課税です。
【問14】
岡さん(58歳)は、自身を記名被保険者として契約している自動車保険の契約更新案内(下記<資料>参照)のプランおよび補償内容について、FPの大地さんにアドバイスを求めた。大地さんが述べた次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、<資料>に記載のない特約については考慮しないものとする。

<資料:自動車保険 契約更新のご案内>
(ア) 「更新プランAでは、岡さんが被保険自動車を運転中に単独事故を起こしたことによる被保険自動車の損害は補償の対象となります。」
(イ) 「岡さんが被保険自動車を運転中の事故でケガを負った場合、岡さんの過失割合にかかわらず、治療費用が補償の対象となるのは更新プランBと更新プランCです。」
(ウ) 「運転免許証を取得した岡さんの長女(同居で19歳)が被保険自動車を運転して対物事故を起こした場合、更新プランA、更新プランB、更新プランCのいずれであっても補償の対象になります。」
(エ) 「更新プランCでは、岡さんが自転車で買い物へ行く途中に、他人と接触し、ケガをさせてしまい法律上の損害賠償責任を負担した場合についても補償の対象となります。」
正解:×、○、×、○
(ア) 車対車+A型の車両保険では、自損事故による被保険自動車の損害は補償の対象外とされます。
(イ) 正しい記述です。人身傷害補償保険に加入していれば、自己の過失割合にかかわらず、治療費用が保険金額の範囲で全額補償されます。
(ウ) 運転者が本人・夫婦に限定されている更新プランAでは、長女が運転中の事故は補償しません。
(エ) 正しい記述です。個人賠償責任特約を付帯していれば、自転車の運転中に他人に怪我をさせた場合など、日常生活における様々な事故を補償します。
【問15】
桑原さん(67歳)の2021年分の収入および経費は以下のとおりである。桑原さんの2021年分の所得税における総所得金額を計算しなさい。なお、青色申告特別控除額は10万円であるものとする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<収入および経費>
内容 金額
老齢基礎年金  72万円
遺族厚生年金 115万円
駐車場収入  84万円
駐車場に係る経費  11万円
桑原さんは、駐車場経営を始めた2015年から青色申告者となっており、帳簿書類の備え付け等の要件は満たしている。なお、この駐車場経営については、その収入は不動産所得に該当するが、事業的規模に該当しない。
<65歳以上の者の公的年金等控除額の速算表>
公的年金等の収入金額 公的年金等控除額
330万円未満 110万円
330万円以上
410万円未満
A×25%+27.5万円
410万円以上
770万円未満
A×15%+68.5万円
770万円以上
1,000万円未満
A×5%+145.5万円
1,000万円以上 A×5%+145.5万円
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合
正解:63万円
遺族基礎年金は非課税です。
よって、公的年金等に係る雑所得の収入金額は、老齢基礎年金の72万円のみですが、これは公的年金等控除額以下ですから、公的年金等に係る雑所得の金額は0となります。
駐車場収入に係る不動産所得の金額は、青色申告特別控除額が10万円ですから、84万円-11万円-10万円=63万円となります。
不動産所得の金額はその全額が総所得金額に算入されますから、総所得金額は、63万円となります。

【問16】
飲食店を営む個人事業主の明石さんは、2021年4月に器具・備品を購入し、事業の用に供している。明石さんの2021年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額として、正しいものはどれか。なお、器具・備品の取得価額は60万円、2021年中の事業供用月数は9ヵ月、耐用年数は5年とする。また、明石さんは個人事業を開業して以来、器具・備品についての減価償却方法を選択したことはない。

<耐用年数表(法定耐用年数:5年)>
定額法の償却率:0.200
定率法の償却率:0.400
1.  90,000円
2. 120,000円
3. 180,000円
4. 240,000円
正解:
減価償却費=取得価額×償却率×供用月数/12です。
また、個人事業主が減価償却方法を選択しない場合、定額法を選択したとみなされます。
よって、減価償却費=60万円×0.2×9/12=90,000円となります。
【問17】
会社員の浅見さんは、2021年4月末に、勤務先を退職した。浅見さんの退職に係るデータが下記<資料>のとおりである場合、浅見さんの退職一時金に係る退職所得の金額として、正しいものはどれか。

<資料:浅見さんの退職に係るデータ>
勤続期間:36年9ヵ月
支給された退職一時金の額:2,500万円(所得税等を控除する前の金額)
浅見さんは、勤務した会社で役員であったことはない。
退職は障害者になったことに基因するものではない。
「退職所得の受給に関する申告書」は適切に提出されている。
1.   255万円
2.   290万円
3.   510万円
4. 1,020万円
正解:
退職所得の計算上、勤続年数の一年未満の端数は切り上げますから、勤続年数は37年とみなされます。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(37-20)=1,990万円となります。
したがって、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(2,500万円-1,990万円)×1/2=255万円となります。
【問18】
会社員の安藤さんは、妻、長男、長女の四人暮らしである。安藤さんが2021年中に新築住宅を購入し、同年中に居住を開始した場合の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、安藤さんは、年末調整および住宅ローン控除の適用を受けるための要件をすべて満たしているものとする。

(ア) 2021年分の住宅ローン控除可能額のうち所得税から控除しきれない額があった場合、翌年度の個人住民税から控除することができる。
(イ) 安藤さんが転勤により単身赴任(国内)する場合は、いかなるときでも、住宅ローン控除の適用を受けることができない。
(ウ) 安藤さんが所得税の住宅ローン控除の適用を受ける場合、2021年分は確定申告をする必要があるが、2022年分以降は勤務先における年末調整により適用を受けることができる。
(エ) 住宅ローン控除を受け始めてから7年目に繰上げ返済を行った結果、すでに返済が完了した期間と繰上げ返済後の返済期間の合計が10年未満となった場合、繰上げ返済後は住宅ローン控除の適用を受けることができなくなる。
正解:○、×、○、○
(ア) 正しい記述です。
(イ) 住宅ローン控除の適用を受けている人が単身赴任する場合、一定要件を満たせば、引き続き住宅ローン控除の適用を受けることができます。
(ウ) 正しい記述です。会社員が住宅ローン控除を受けようとする場合、1年目は自分で確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整によって適用を受けることができます。
(エ) 正しい記述です。 繰上返済により総返済期間が10年を下回った場合、その繰り上げ返済を行った年以降住宅ローン控除を受けることができなくなります。
【問19】
下記<資料>の土地に係る路線価方式による普通借地権の相続税評価額の計算式として、正しいものはどれか。

<資料>
1. 250千円×1.00×660㎡
2. 250千円×1.00×660㎡×70%
3. 250千円×1.00×660㎡×(1-70%)
4. 250千円×1.00×660㎡×(1-70%×30%×100%)
正解:
普通借地権の相続税評価額=自用地評価額×借地権割合です。
また、路線価方式においては、自用地評価額=敷地面積×路線価×各種補正率です。
【問20】
下記の相続事例(2021年7月10日相続開始)における相続税の課税価格の合計額を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<課税価格の合計額を算出するための財産等の相続税評価額>
土地:6,000万円(「小規模宅地等の評価減の特例」適用後:1,200万円)
建物:800万円
現預金:2,000万円
死亡保険金:3,000万円(生命保険金等の非課税限度額控除前)
債務および葬式費用:300万円
<親族関係図>
<親族関係図>
「小規模宅地等の評価減の特例」の適用対象となる要件はすべて満たしており、その適用を受けるものとする。
死亡保険金はすべて被相続人の配偶者が受け取っている。
すべての相続人は、相続により財産を取得している。
相続開始前3年以内に被相続人からの贈与により財産を取得した相続人はおらず、相続時精算課税制度を選択した相続人もいない。また、相続を放棄した者もいない。
債務および葬式費用はすべて被相続人の配偶者が負担している。
正解:5,200
土地は、小規模宅地等の評価減の特例の適用後の金額が相続税の課税価格に算入されます。
また、相続人が受け取った死亡保険金は500万円×法定相続人の数まで非課税(課税価格に不算入)になります。
よって、相続税の課税価格=1,200万円+ 800万円+2,000万円+(3,000万円-500万円×3)-300万円=5,200万円となります。
【問21】
近藤栄子さん(59歳)は、2021年9月に夫から居住用不動産(財産評価額2,450万円)の贈与を受けた。栄子さんが贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合の2021年分の贈与税額として、正しいものはどれか。なお、2021年においては、このほかに栄子さんが受けた贈与はないものとする。また、納付すべき贈与税額が最も少なくなるように計算すること。

<贈与税の速算表>
[20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
400万円以下
15% 10万円
400万円超
600万円以下
20% 30万円
600万円超
1,000万円以下
30% 90万円
1,000万円超
1,500万円以下
40% 190万円
1,500万円超
3,000万円以下
45% 265万円
3,000万円超
4,500万円以下
50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
[上記以外の場合]
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額
200万円以下 10%
200万円超
300万円以下
15% 10万円
300万円超
400万円以下
20% 25万円
400万円超
600万円以下
30% 65万円
600万円超
1,000万円以下
40% 125万円
1,000万円超
1,500万円以下
45% 175万円
1,500万円超
3,000万円以下
50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円
1.  41万円
2.  43万円
3.  70万円
4. 920万円
正解:
贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、課税価格から最高で2,000万円を控除することができます。
また、贈与税の配偶者控除は、基礎控除と合わせて適用を受けることができますから、贈与税の課税価格は、2,450万円-2,000万円-110万円=340万円となります。
配偶者からの贈与は、直系尊属からの贈与には該当しませんから、速算表(ロ)を使い、贈与税額は、340万円×20%-25万円=43万円と求めることができます。
【問22】
青山さんは、自宅の取得に当たり、FPで税理士でもある谷口さんに「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」について質問をした。下記の空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。

青山さん: 「2021年11月にマンションを購入する契約をしたいので、『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税』制度を利用して資金援助を受けたいと考えています。」
谷口さん: 「非課税の適用を受けるためには、いくつかの要件があります。例えば、取得したマンションの専有部分の床面積が、40m2(所得要件あり)以上( ア )以下であることなどです。」
青山さん: 「床面積の要件は満たしているので大丈夫そうですね。あと、資金援助について祖父からの贈与を検討していますが、両親以外の者からの贈与であってもこの制度を適用することはできますか。」
谷口さん: 「祖父からの資金援助については、この特例制度の適用を( イ )。」
青山さん: 「この特例制度の適用を受けたい場合、他に気を付けることはありますか。」 
谷口さん: 「例えば、贈与税の確定申告の期間は、原則として、贈与を受けた年の翌年( ウ )から3月15日までとなります。」
青山さん: 「納税額が0円の場合でも、贈与税の確定申告が必要ですか。」
谷口さん: 「( エ )。」
<語句群>
1.240㎡ 2.280㎡ 3.330㎡
4.受けることができます 
5.受けることはできません
6.2月1日 7.2月16日
8.その場合でも、申告が必要です 
9.その場合には、申告は不要です 
正解:1、4、6、8
(ア) 本特例の適用対象となる建物は、40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものでなくてはなりません。
(イ) 祖父母も直系尊属ですから、祖父母からの贈与についても本特例を適用することができます。
(ウ) 贈与税の申告期限は、翌年の2月1日から3月15日まです。
(エ) 本特例の適用を受けた結果贈与税額が0となる場合であっても、本特例の適用を受けるためには確定申告をする必要があります。

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