FP2級実技解説-2018年(平成30年)5月・問19~28
【問19】
下記<資料>の土地に係る路線価方式による自用地の相続税評価額の計算式として、正しいものはどれか。
<資料>
※ | 奥行価格補正率(8m以上10m未満):0.97 |
※ | 借家権割合:30% |
※ | その他の記載のない条件は、一切考慮しないものとする。 |
1. | 250千円×0.97×96㎡ |
2. | 250千円×0.97×96㎡×60% |
3. | 250千円×0.97×96㎡×(1-60%) |
4. | 250千円×0.97×96㎡×(1-60%×30%×100%) |
正解:1
自用地の相続税評価額=路線価×奥行価格補正率×敷地面積です。
【問20】
【改題】相続税における「小規模宅地等の評価減の特例」に関する記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。
・ | 特定居住用宅地等は、( ア )㎡まで評価額が80%減額される。 |
・ | 貸付事業用宅地等は、( イ )㎡まで評価額が( ウ )%減額される。 |
1. | (ア)300 (イ)240 (ウ)50 |
2. | (ア)300 (イ)200 (ウ)80 |
3. | (ア)330 (イ)240 (ウ)80 |
4. | (ア)330 (イ)200 (ウ)50 |
正解:4
特定居住用宅地等は、330㎡まで80%減額評価され、貸付事業用宅地等は、200㎡まで50%減額評価されます。
【問21】
露木さんは、自宅の取得に当たり、FPで税理士でもある東さんに「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」について質問をした。下記の空欄(ア)~(エ)に入る適切な数値または語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。
<語群>
1.500 2.700 3.1,000
4.可能 5.不可能
6.12月31日
7.1月1日 8.3月15日 9.3月31日
正解:2、4、7、8
(ア) | 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の非課税枠は、一定の基準を満たした住宅の場合は1,200万円で、それ以外の場合は700万円です。 |
(イ) | 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の非課税枠は、暦年課税の基礎控除額や相続時精算課税制度の特別控除額と別枠で、併用する事ができます。 |
(ウ) | 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例を受けるための年齢要件は、贈与の年の1月1日時点を基準とします。 |
(エ) | 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年の3月15日までにその家屋に居住する事などの要件があります。 |
【問22】
【改題】下記の相続事例(2018年4月24日相続開始)における相続税の課税価格の合計額として、正しいものはどれか。
<課税価格の合計額を算出するための財産等の相続税評価額>
土地:4,000万円(小規模宅地等の評価減特例適用後:800万円)
建物:1,200万円
現預金:1,000万円
死亡保険金:1,800万円(生命保険金等の非課税限度額控除前)
債務および葬式費用:500万円
<相続人関係図>
被相続人には、配偶者と長男と次男が居る。
※ | 小規模宅地等の評価減特例の適用対象となる要件はすべて満たしており、その適用を受けるものとする。 |
※ | 死亡保険金はすべて被相続人の配偶者が受け取っている。 |
※ | 長男は、被相続人より2014年5月に有価証券100万円の贈与を受けている。 |
※ | すべての相続人は、相続により財産を取得している。 |
※ | 相続時精算課税制度を選択した相続人はおらず、相続を放棄した者もいない。 |
※ | 債務および葬式費用は被相続人の配偶者がすべて負担している。 |
1. | 2,800万円 |
2. | 2,900万円 |
3. | 4,300万円 |
4. | 6,000万円 |
正解:1
土地800万円
建物:1,200万円
現預金:1,000万円
死亡保険金:1,800万円-500万円×3=300万円
生前贈与加算:0円
債務および葬式費用:500万円
よって、相続税の課税価格=800万円+1,200万円+1,000万円+300万円-500万円=2,800万円となります。
*法定相続人の数は3人、被相続人の死亡の3年以上前の贈与財産は、生前贈与加算の対象外です。
建物:1,200万円
現預金:1,000万円
死亡保険金:1,800万円-500万円×3=300万円
生前贈与加算:0円
債務および葬式費用:500万円
よって、相続税の課税価格=800万円+1,200万円+1,000万円+300万円-500万円=2,800万円となります。
*法定相続人の数は3人、被相続人の死亡の3年以上前の贈与財産は、生前贈与加算の対象外です。
【問23】~【問25】は、以下の資料を元に解答してください。
※ | 年齢および金融資産残高は各年12月31日現在のものとし、2017年を基準年とする。 |
※ | 給与収入は可処分所得で記載している。 |
※ | 記載されている数値は正しいものとする。 |
※ | 問題作成の都合上、一部を空欄としている。 |
【問23】
青山家のキャッシュフロー表の空欄(ア)に入る数値を計算しなさい。なお、計算過程においては端数処理をせず計算し、計算結果については万円未満を四捨五入すること。
正解:290(万円)
273万円×(1.02)^3=289.709…万円です。
【問24】
青山家のキャッシュフロー表の空欄(イ)に入る数値を計算しなさい。なお、計算過程においては端数処理をせず計算し、計算結果については万円未満を四捨五入すること。
正解:660(万円)
489万円×1.01+166万円=659.89万円です。
【問25】
航一さんは、現在居住しているマンションの住宅ローン(全期間固定金利、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし)の繰上げ返済を検討しており、FPの千田さんに繰上げ返済について質問をした。航一さんが住宅ローンを46回返済後に、100万円以内で期間短縮型の繰上げ返済をする場合、この繰上げ返済により短縮される返済期間として、正しいものはどれか。なお、計算に当たっては、下記<資料>を使用し、繰上げ返済額は100万円を超えない範囲での最大額とすること。また、繰上げ返済に伴う手数料等は考慮しないものとする。
<資料>青山家の住宅ローンの償還予定表の一部
1. | 10ヵ月 |
2. | 1年4ヵ月 |
3. | 1年5ヵ月 |
4. | 1年6ヵ月 |
正解:3
46回返済後の残高は、27,557,468円です。
よって、(27,557,468円-100万円=)26,557,468円以上で一番残高が小さい返済回数を調べると、63回である事が分かりますから、短縮される期間は、47回~63回の17回、1年5ヵ月と求める事ができます。
よって、(27,557,468円-100万円=)26,557,468円以上で一番残高が小さい返済回数を調べると、63回である事が分かりますから、短縮される期間は、47回~63回の17回、1年5ヵ月と求める事ができます。
【問26】~【問28】は、以下の資料を元に解答してください。
下記の係数早見表を乗算で使用し、各問について計算しなさい。なお、税金は一切考慮しないこととし、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
<係数早見表(年利1.0%)>
※ | 記載されている数値は正しいものとする。 |
【問26】
杉田さんは、老後の旅行用資金として、毎年年末に100万円を受け取りたいと考えている。受取期間を10年間とし、年利1.0%で複利運用した場合、受取り開始年の初めにいくらの資金があればよいか。
正解:9,471,000円
使用する係数は、年金現価係数です。
よって、100万円×9.471=9,471,000円と求める事ができます。
よって、100万円×9.471=9,471,000円と求める事ができます。
【問27】
明石さんは、開業のための資金として、2,000万円を借り入れる予定である。これを今後10年間、年利1.0%で毎年借入応当日に元利均等返済をする場合、毎年の返済額はいくらになるか。
正解:2,120,000円
使用する係数は、資本回収係数です。
よって、2,000万円×0.106=2,120,000円と求める事ができます。
よって、2,000万円×0.106=2,120,000円と求める事ができます。
【問28】
近藤さんは、自宅のリフォーム資金として、5年後に500万円を準備したいと考えている。5年間、年利1.0%で複利運用する場合、現在いくらの資金があればよいか。
正解:4,755,000円
使用する係数は、現価係数です。
よって、500万円×0.951=4,755,000円と求める事ができます。
よって、500万円×0.951=4,755,000円と求める事ができます。
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