FP2級実技(個人)解説-2024年5月・解説のみ
【問1】
正解:746,969、1,109,776、48,391、1,158,167
① | 老齢基礎年金の計算上、20歳以上60歳未満の期間における、国民年金保険料納付期間や厚生年金保険の被保険者期間などは、年金額に反映されますが、追納していない国民年金の未加入期間や、60歳以上の期間における厚生年金保険の被保険者期間などは、年金額に反映されません。 よって、老齢基礎年金の額=795,000円×(480-29)/480=746,968.75円≒746,969円となります。 |
② | 300,000円×7.125/1,000×192+400,000円×5.481/1,000×319=1,109,775.6円≒1,109,776円です。 |
③ | 厚生年金保険の被保険者期間は192月+319月=511月ですが、経過的加算額の計算上、(厚生年金保険の)被保険者期間の月数の上限は480月となります。 よって、経過的加算額=1,657円×480-795,000円×(480-29)/480=48,391.25円≒48,391円となります。 |
④ | 配偶者が年上である場合、加給年金は支給されません。 よって、1,109,776円+48,391円=1,158,167円となります。 |
【問2】
正解:○、×、×
① | 正しい記述です。老齢基礎年金と老齢厚生年金は、同時に繰り上げなければなりません。なお、繰下げは別々にすることができます。 |
② | 老齢年金は、最大120月繰下げる(75歳から支給開始する)ことができ、繰下げ1ヵ月当たり0.7%増額されます。よって、75歳0ヵ月で繰下げ支給の申出をすると、増額率は、0.7%/月×120月=84%となります。 |
③ | 女性の場合、1966年4月1日以前に生まれた人には特別支給の老齢厚生年金が支給されます。 |
【問3】
正解:チ、ホ、ロ
① | 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われた賃金額(みなし賃金を含む)が、60歳到達時の賃金の75%未満になる等の要件を満たした場合に支給されます。 |
② | 健康保険の任意継続被保険者となるためには、原則として、退職日の翌日から20日以内に手続きを行わなければなりません。 |
③ | 健康保険の任意継続被保険者となることができるのは、最長2年間です。 |
【問4】
正解:○、○、×
① | 正しい記述です。 |
② | 正しい記述です。一般に、表面利率や残存期間が同一であれば、格付が高い債券の方が価格が高いため、格付が低い債券よりも利回りが低い傾向があります(価格が高いと利回り計算式の分母が大きくなるため、利回りが低くなります)。 |
③ | 問題文にある通り、デュレーションは、金利変動に対する債券価格の感応度という意味があります。債券は、一般的に、その表面利率が低いほど、また、残存期間が長いほど、金利変動リスクを大きく受けるので、デュレーションは、債券の表面利率が低いほど、また、残存期間が長いほど大きくなると言えます。 |
【問5】
正解:○、×、×
① | 正しい記述です。 |
② | Y銀行の米ドル建定期預金の利子は、源泉分離課税の対象となり、その支払いを受ける際に、当該利子額の20.135%相当額が源泉徴収されます。 |
③ | 外貨預金の為替差益は、預入時に為替予約をしていない場合、雑所得として総合課税されます。 |
【問6】
正解:1.15、2.26
① | 最終利回り(%)={0.6+(100-97.4)÷5}÷97.4×100=1.1498…%≒1.15%となります。 |
② | 円ベースの投資額は、20,000米ドル×140円/米ドル=2,800,000円です。 満期時の米ドルベースの金額は、20,000米ドル×(1+0.03)=20,600米ドルより、これを円転した額は、20,600米ドル×139円/米ドル=2,863,400円です。 よって、1年あたりのリターンの額は、2,863,400円-2,800,000円=63,400円となります。 したがって、円ベースの利回り(%)は、63,400円÷2,800,000円×100=2.2642…%≒2.26%となります。 |
【問7】
正解:745、740
① |
23歳未満の扶養親族を有する場合、所得金額調整控除の適用を受けることができます。
<別解> |
② | 給与所得の額745万円は、全額総所得金額に算入されます。 不動産所得の赤字40万円のうち、土地取得のための借入金の利子相当額10万円を除いた、5万円が損益通算の対象となります。 上場株式に係る譲渡所得は分離課税され、総所得金額に算入されません。 解約返戻金に係る一時所得の額=総収入金額-収入を得るために直接支出した金額-特別控除額(最高50万円)=500万円-450万円-50万円=0円です。 よって、総所得金額=745万円-5万円=740万円となります。 |
【問8】
正解:×、○、×
① | 特定口座年間取引報告書は、証券会社が作成するものです。 |
② | 正しい記述です。 |
③ | 合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けることはできません。 |
【問9】
正解:ト、リ、ホ、ロ
① | 納税者が支払った、自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料も、社会保険料控除の対象となります。 |
② | 扶養控除の対象となるのは、合計所得金額が48万円以下であるなどの一定要件を満たす、16歳以上の配偶者以外の扶養親族です。よって、長女Cさんと長男Dさんは控除対象扶養親族となりますが、二男Eさんは控除対象扶養親族には該当しません。 |
③ | 23歳以上70歳未満である長女Cさんは、一般の控除対象扶養親族として38万円の控除対象となり、19歳以上23歳未満である長男Dさんは、特定扶養親族として63万円の控除対象となります。 よって、扶養控除の額は、38万円+63万円=101万円です。 |
④ | 合計所得金額が2,400万円以下である人が受けることができる基礎控除の額は、48万円です。 |
【問10】
正解:○、×、○
① | 正しい記述です。 |
② | 相続空き家の特例の適用を受けるためには、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、譲渡する等の要件を満たす必要があります。 |
③ | 正しい記述です。相続空き家の特例と、相続税の取得費加算の特例は、重複して適用を受けることができません。 |
【問11】
正解:○、○、×
① | 正しい記述です。賃貸マンションを建築して経営するために建物を取り壊す場合において、不動産所得の金額の計算上、賃貸用の建物を取り壊した場合は必要経費となりますが、自宅をを取り壊した場合は必要経費とはなりません。 |
② | 正しい記述です。貸家建付地の相続税評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)ですから、8,000万円×(1-70%×30%×100%)=6,320万円となります。 |
③ | NPV法による投資判断では、将来発生するキャッシュフローの現在価値の合計額(不動産の理論価値)と投資額を比較し、将来発生するキャッシュフローの現在価値の合計額のほうが大きい場合に、その投資は有利であると判断することができます。 |
【問12】
正解:400、1,400
① | 準防火地域に耐火建築物を建てる場合には、建蔽率の上限が10%緩和されます。 また、特定行政庁が指定する角地に建物を建てる場合には、建蔽率の上限が10%緩和されます。 よって、建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となります。 したがって、建ぺい率の上限となる建築面積は、500㎡×0.8%=400㎡です。 |
② | 前面道路の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路(複数の道路に面している場合、幅員が広い方の道路)の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。 前面道路の幅員によって定まる容積率=7×4/10=2.8=280%ですから、容積率の上限は、280%となります。 よって、容積率の上限となる延床面積は、500㎡×280%=1,400㎡です。 |
【問13】
正解:ホ、ロ、リ、チ
① | 遺言保管制度を利用した場合、遺言の原本は法務局に保管されます。 |
② |
○○の敷地は特定同族会社事業用宅地等として400㎡まで80%評価減されますから、相続税の課税価格に算入すべき金額は、8,000万円×400㎡/500㎡×(1-80%)+8,000万円×100㎡/500㎡=2,880万円となります。 <別解> |
③ | 特定居住用宅地等と、特定事業用宅地等/特定同族会社事業用宅地等(「特定」がつくもの同士の組み合わせ)は、それぞれの宅地の適用対象の限度面積まで適用を受けることができます。 |
④ | 代襲相続人である孫は、被代襲者の立場(本来代襲相続人ではない)を引き継ぐため、2割加算の対象外です。 |
【問14】
正解:○、×、×
① | 正しい記述です。 |
② | 贈与者が教育資金管理契約の終了の日までに死亡した場合において、贈与者の相続に係る相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、受贈者は、その年齢にかかわらず、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額を相続により取得したものとみなされます。 |
③ | 教育資金管理契約は、原則として、受贈者が30歳に達した日に終了します。 |
【問15】
正解:4,800、1,025、4,950
① | 相続税の基礎控額除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で計算されます。 よって、3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。 |
② | 孫Eさんの法定相続分(1/2×1/2=1/4)に対応する取得金額は、2億3,000万円×1/4=5,750万円となります。 これに対応する相続税額は、5,750万円×30%-700万円=1,025万円です。 |
③ | 妻Bさんの法定相続分(1/2)に対応する取得金額は、2億3,000万円×1/2=1億1,500万円となります。 これに対応する相続税額は、1億1,500万円×40%-1,700万円=2,900万円です。 また、長男Cさんの法定相続分に対応する相続税額は、孫Eさんと等しく、1,025万円です。 よって、相続税の総額は、2,900万円+1,025万円+1,025万円=4,950万円となります。 |
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