お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2023年1月・解説のみ

【問1】
正解:732,428、290,055、110、290,165
老齢基礎年金の計算上、20歳以上60歳未満の保険料納付済期間と厚生年金保険の被保険者期間は年金額に反映されますが、学生納付特例を受け追納していない期間は年金額に反映されません。
よって、老齢基礎年金の額=777,800円×(189+263)/480=732,428.33…円≒732,428円となります。
28万円×5.481/1,000×189=290,054.52円≒290,055円です。
1,621円×189-777,800円×189/480=110.25円≒110円です。
年上の配偶者がいる場合には加給年金は支給されませんから、老齢厚生年金の額=290,055円+110円=290,165円となります。
【問2】
正解:○、×、×
正しい記述です。老齢年金は、最大10年間(120月:75歳まで)繰下げることができ、繰下げた月数1月あたり年金額が0.7%増額されますから、最大限繰り下げた場合の増額率は、0.7%/月×120月=84%となります。
確定拠出年金の個人型年金と小規模企業共済は、同時に加入することができます。
国民年金の被保険者となるのは、成年年齢の引き下げ後も従来と変わらず、満20歳からです。
【問3】
正解:ロ、ト、リ
付加年金の額=200円×加保険料納付月数です。
国民年金基金は口数単位で加入し、一口目は必ず終身年金を選択することとされています。
国民年金基金の掛金は、全額社会保険料控除の対象となります。

【問4】
正解:×、×、○
一般に、投機的格付とされるのは、BB(ダブルビー)格相当以下の格付がされた債券です。
債券の利子は、社債の額面金額に表面利率を乗じて得た金額です。なお、問題文の後半は固定利付債の説明であり、正しいです。
正しい記述です。特定公社債の利子は名目は利子所得ですが、上場株式に係る配当所得と同じように課税されます。
【問5】
正解:○、○、×
正しい記述です。
正しい記述です。
外貨預金の為替差損益は雑所得ですから、為替差損を他の所得と損益通算することはできません。
なお、所得の計算上赤字が生じたとき、他の所得と損益通算することができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得のうち、一定のものです。
【問6】
正解:0.34、1.19
最終利回り(%)={0.8+(100-101.8)÷4}÷×100=0.34381…%≒0.34%です。
預入時の円ベースの金額=30,000米ドル×132.75円/米ドル=3,982,500円です。
また、満期時のドルベースの金額=30,000米ドル×1.01=30,300米ドルですから、円ベースの金額は、30,300米ドル×133円/米ドル=4,029,900円です。
よって、円ベースの1年間のリターンは4,029,900円-3,982,500円=47,400円です。
したがって、円ベースの利回りは、47,400円÷3,982,500円=0.011902…≒1.1902…%≒1.19%となります。

【問7】
正解:ヘ、ル、イ、ホ
通常の医療費控除は、正味負担した医療費の額が10万円を超える場合に適用を受けることができます。
通常の医療費控除の控除額は、最高200万円です。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、正味負担したスイッチOTC医薬品の購入費用が12,000円を超えるなどの要件を満たした場合に、適用を受けることができます。
セルフメディケーション税制の適用を受けた場合の医療費控除の控除額は、最高88,000円です。
【問8】
正解:×、×、○
妻Bさんは給与収入が300万円(給与所得は、300万円-300万円×30%+8万円=202万円)あり、合計所得金額が133万円を超えますから、配偶者控除や配偶者特別控除の対象外です。
長男Cさんは、19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族ですから、特定扶養親族として63万円の控除を受けることができます。
二男Dさんは、16歳未満ですから扶養控除の対象ではありません。
よって、Aさんの扶養控除の額は、63万円となります。
正しい記述です。医療費控除は年末調整により適用を受けることができません。
年末調整により適用を受けることができない所得控除(寄付金控除・医療費控除・雑損控除)は、「寄付をしたら、いざ(医雑)確定申告会場へ」という語呂合わせで覚えてください。
【問9】
正解:700、640

23歳未満の扶養親族を有する給与所得者は、所得金額調整控除の適用を受けることにより、「{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%」の式により計算された金額を給与所得の計算上控除することができます。
よって、給与所得の額=900万円-195万円-(900万円-850万円)×10%=700万円となります。

<別解>
公的年金に係る収入がないため、給与収入の額が850万円を超える場合の給与所得控除額と所得金額調整控除の合計は、「収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) ×10%+110万円」の式で計算されますから、200万円となり、900万円-200万円=700万円となります。

不動産所得の金額の計算上生じた損失は、損益通算の対象となりますが、これに含まれる土地取得のための借入金の利子相当額は、損益通算の対象外とされます。
よって、不動産所得の損失80万円のうち、損益通算の対処となるのは、80万円-20万円=60万円です。
したがって、総所得金額=700万円-60万円=640万円となります。

【問10】
正解:×、○、○
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000㎡以上の地積の宅地をいいますが、指定容積率が原則として400%以上である地域、市街化調整区域、工業専用地域などに所在する土地は除かれます。
正しい記述です。
正しい記述です。
【問11】
正解:○、○、×
正しい記述です。DSCR(借入金償還余裕率)=各年毎の元利金返済前のキャッシュフロー÷返済総額であり、この値が大きいほど、返済の余裕がある事を表し、この値が1.0を下回ると、投資対象から得られる収入だけでは借入金の返済ができないことを示します。
正しい記述です。民法611条1項の定めです。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律では、サブリース業者がマスターリース契約(特定賃貸借契約:不動産を一括で賃貸借すること)を締結しようとする際に、誇大広告や不当な勧誘を行うことを禁止していますが、この法律が適用されるのは賃貸住宅のみであり、事業用の事務所や店舗などは対象外です。
【問12】
正解:500、1,800
準防火地域に準耐火建築物を建てる場合には、建ぺい率の上限が10%緩和されます。
また、特定行政庁が指定する角地に建物を建てる場合には、建ぺい率の上限が10%緩和されます。
よって、建蔽率の上限は、80%+10%+10%=100%となります。
したがって、建ぺい率の上限となる建築面積は、500㎡×100%=500㎡です。
前面道路の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率=6×6/10=3.6=360%ですから、容積率の上限は、360%となります。
よって、容積率の上限となる延床面積は、500㎡×360%=1,800㎡です。

【問13】
正解:○、×、×
正しい記述です。
抽象的遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定基礎財産の1/2です。
また、各相続人の具体的遺留分は、抽象的遺留分を遺留分権利者が法定相続分通り按分した割合となります。
よって、長女Dさんの具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。
したがって、具体的遺留分の額は、4億円×1/9=5,000万円となります。

自宅の敷地は特定居住用宅地等として330㎡まで80%評価減されますから、相続税の課税価格に算入すべき金額は、8,000万円×330㎡/400㎡×(1-80%)+8,000万円×70㎡/400㎡=2,720万円となります。

<別解>
400㎡のうち330㎡(82.5%部分)が適用対象となりますから、8,000万円のうち82.5%部分の6,600万円について評価減され、残りの17.5%部分の1,400万円については全額が課税価格に算入されますから、6,600万円×(1-80%)+1,400万円=2,720万円となります。

【問14】
正解:○、×、×
正しい記述です。
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた場合の非課税限度額は、一定の省エネ等住宅であれば1,000万円、それ以外の住宅であれば500万円です。
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受け非課税になった部分の金額は、生前贈与加算の対象外です。
【問15】
正解:4,200、4,460、8,920
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×2=4,200万円です。
課税遺産総額=3億5,000円-4,200万円=3億800万円です。
よって、長男Cさんの法定相続分に対応する相続金額は、3億800万円×1/2=1億5,400万円となります。
これに対応する相続税額は、1億5,400万円×40%-1,700万円=4,460万円です。
長女Dさんの法定相続分に対応する相続金額は、長男Cさんの法定相続分に対応する相続金額と等しく、4,460万円です。
よって、相続税の総額は、4,460万円+4,460万円=8,920万円となります。

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