FP2級実技(個人)解説-2022年1月・解説のみ
【問1】
正解:×、○、×
① | 問題文より、Aさんは女性であると分かります。女性の場合、1962年4月2日から1964年4月1日までに生まれた人で、特別支給の老齢厚生年金の受給要件を満たした人には、63歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金が支給されます。 |
② | 正しい記述です。2022年4月以降、60~64歳を対象とする在職老齢年金制度(低在老)は、総報酬月額相当額と年金月額の合計額が月額47万円(現在は月額28万円)を超えると超過分の年金額の一部または全部が支給停止されるようになります。 |
③ | 2022年4月以降、公的年金を繰り上げたことによる減額率は、1月当たり0.4%になります。よって、61歳8ヵ月で繰上げの請求(40月繰上げ)をした場合、減額率は、0.4%/月×40月=16%となります。 |
【問2】
正解:ニ、イ、チ
① | 高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われる賃金額が、60歳到達時の賃金月額の75%未満となる場合に支給されます。 |
② | 健康保険の任意継続被保険者となることができる期間は、最長で2年間です。 |
③ | 健康保険の継続被保険者の保険料は、全額被保険者負担です。 |
【問3】
正解:780,900円、1,026,547円、540円、1,027,087円
① | 老齢基礎年金の計算上、20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間は年金額に反映されますが、20歳未満の厚生年金保険の被保険者期間は年金額に反映されません。 よって、老齢基礎年金の額=老齢基礎年金の満額×480/480となります。 |
② | 280,000円×7.125/1,000×264+400,000円×5.481/1,000×228=1,026,547.2≒1,026,547円です。 |
③ | 経過的加算額の計算上、被保険者期間の月数は、原則として、480月が上限となります。 よって、1,628円×480-780,900円×480/480=540円となります。 |
④ | 長女Cさんは、年金法上の子に該当しませんから、加給年金は支給されません。 よって、1,026,547円+540円=1,027,087円となります。 |
【問4】
正解:9.41%、4.17%
① | ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100=4,000百万円÷(40,000+45,000)百万円÷2×100=9.4117…≒9.41%となります。 |
② | 配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100です。 また、1株当たり年間配当金=2,000百万円÷1,000万株=200円です。 よって、配当利回り(%)=200円÷4,800円×100=4.166…=4.17%となります。 |
【問5】
正解:×、○、×
① | PBR=株価÷1株当たり当期純資産です。 1株当たり当期純資産=45,000百万円÷1,000万株=4,500円です。 よって、X社のPBR=4,800円÷4,500円=1.066…倍となります。 |
② | 正しい記述です。権利付最終日は、権利確定日の2営業日前(権利確定日から起算して3営業日前)です。 |
③ | つみたてNISAで株式を購入することはできません(一定の要件を満たした投資信託に限られています)。 |
【問6】
正解:○、○、×
① | 正しい記述です。 |
② | 正しい記述です。 |
③ | 特定口座内(源泉徴収あり)で生じた利益については、20.315%相当額が源泉徴収等されます。 |
【問7】
正解:800、1,990、355
① | 勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、800万円+70万円×(勤続年数-20年)となります。 |
② | 退職所得控除額の計算上、勤続年数の1年未満の端数は切り上げます。 よって、勤続年数は37年になりますから、退職所得控除額=800万円+70万円×(37-20)=1,990万円となります。 |
③ | 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(2,700万円-1,990万円)×1/2=355万円となります。 |
【問8】
正解:25万円、635万円
① | 一時所得の額=600万円-500万円-50万円=50万円です。 一時所得は、その2分の1相当額が総所得金額に算入されますから、総所得金額への算入額は、50万円×1/2=25万円となります。 |
② |
Aさんは、給与収入の金額が850万円を超えて、23歳未満の扶養親族を有していますから、所得金額調整控除を受けることができます。 また、不動産所得の計算上生じたマイナスは、土地取得のための借入金の利子にかかる部分を除いて損益通算の対象になりますから、100万円-10万円=90万円が損益通算の対象になります。 したがって、Aさんの総所得金額は、700万円-90万円+25万円=635万円となります。 |
【問9】
正解:×、×、○
① | 合計所得金額が2,400円以下の人に対する基礎控除額は、48万円です。 |
② | 合計所得金額が900円以下の人が受けることができる配偶者控除の額は、38万円です。 |
③ | 正しい記述です。扶養控除の計算上、19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族は、特定扶養親族として63万円の控除対象となります。 |
【問10】
正解:480、1,680
① | 特定行政庁が指定する角地は建蔽率が10%緩和されます。 また、準防火地域耐火建築物を建てる場合にも建蔽率が10%緩和されます。 よって、甲土地の建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となりますから、建蔽率の上限となる建築面積は、60㎡×80%=480㎡となります。 |
② | 前面道路の幅員によって定まる容積率の上限は、7m×4/10=2.8(280%)です。 前面道路の幅員が12m未満である場合、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、どちらか小さい方を適用しますから、容積率の上限は、280%となります。 よって、容積率の上限となる延べ床面積は、600㎡×280%=1,680㎡となります。 |
【問11】
正解:○、○、×
① | 正しい記述です。 |
② | 正しい記述です。 |
③ | 相続空き家の特例と、相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算の特例)は、どちらか片方しか適用を受けることができません。 |
【問12】
正解:ハ、ニ、ト
① | 事業用定期借地権等は、存続期間を10年以上30年未満で定めた場合と30年以上50年未満で定めた場合とで、借地借家法の規定の適用が異なります。 |
② | 事業用定期借地権等の設定契約は、必ず公正証書で行う必要があります。 |
③ | 賃貸している土地は、相続税の計算上、貸宅地として評価します。 |
【問13】
正解:102、1,500、23
① | 贈与税の計算上、20歳以上の人が直系尊属から贈与を受けた財産は、特例贈与財産になります。 よって、贈与税額=(750万円-110万円)×30%-90万円=102万円となります。 |
② | 『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度』の適用を受けた場合、受贈者1人につき1,500万円まで非課税になります。 |
③ | 教育資金管理契約期間中に贈与者が死亡した場合、管理残額があるときは、その死亡の日において受贈者が23歳未満である等の一定の場合を除いて、相続税の課税対象となります。 |
【問14】
正解:○、○、×
① | 正しい記述です。相続時精算課税制度を選択した場合、2,500万円の特別控除額が与えられ、税率は一律20%になります。 |
② | 正しい記述です。いったん相続時精算課税制度を選択すると、その贈与者からの贈与について、暦年課税に戻すことはできません。 |
③ | 相続時精算課税制度を利用するためには、贈与を受けた年の1月1日時点において、受贈者が20歳以上の推定相続人である必要があります。 |
【問15】
正解:○、×、×
① | 正しい記述です。死亡保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数=500万円×2=1,000万円です。 |
② | 相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×2=4,200万円です。 |
③ | 自宅の敷地について小規模宅地の評価減の特例を受けた場合、330㎡までの部分について、相続税評価額が80%減額されます。 本問のケースでは、敷地が400㎡ですから、相続税評価額は、8,000万円×330㎡/400㎡×(1-80%)+8,000万円×70㎡/400㎡=2,720万円となります。 |
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