お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2021年9月・解説のみ

【問1】
正解:ロ、チ、ホ、ヌ
年金法上の子とは、基本的に、18歳到達年度の末日を経過していない子のことを言います。
遺族基礎年金の額=780,900円+子の加算額です。
子の加算額は、子が1人の場合、224,700円ですから、遺族基礎年金の額=780,900円+224,700円=1,005,600円となります。
遺族年金生活者支援給付金の額は、月額5,030円ですから、年額は5,030円×12=60,360円です。
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合に支払われる遺族厚生年金の額の計算において、被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算されます。
【問2】
正解:435,667
(a)240,000円×7.125/1,000×36=61,560円です。
(b)360,000円×5.481/1,000×221=436,068.36円≒436,068円です。
よって、遺族厚生年金の額=(61,560円+436,068円)×300月/(36+221)月×3/4=435,666.53…=435,667円となります。
【問3】
正解:×、×、×
老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したときで、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに保険料の滞納がなければ、遺族基礎年金が支払われます。
障害基礎年金の額=老齢基礎年金の満額×1.25+子の加算額です。
障害厚生年金の額の計算上、配偶者加給年金額が加算されるのは、障害等級が1級または2級の場合です。
【問4】
正解:5.63、7.14、1.41、1.43
ROE=当期純利益÷自己資本です。
X社のROE=90,000百万円÷1,600,000百万円=0.05625=5.625%です。
Y社のROE=100,000百万円÷1,400,000百万円=0.07142…≒7.14%です。
PBR=株価÷1株当たり純資産です。
X社の1株当たり純資産=1,600,000百万円÷5億(株)=16,000億円÷5億(株)=3,200円です。
よって、X社のPBR=4,500円÷3,200円=1.406…≒1.41倍です。
Y社の1株当たり純資産=1,400,000百万円÷10億(株)=14,000億円÷10億(株)=1,400円です。
よって、Y社のPBR=2,000円÷1,400円=1.428…≒1.43倍です。
【問5】
正解:×、×、○
前半部分は正しいですが、PERは、Y社のほうがX社よりも低くなっています。
X社の1株当たり純利益=90,000百万円÷5億(株)=900億円÷5億(株)=180円です。
よって、X社のPER=4,500円÷180円=25倍です。
Y社の1株当たり純資産=100,000百万円÷10億(株)=1,000億円÷10億(株)=100円です。
よって、Y社のPER=2,000円÷100円=20倍です。
配当利回り=1株当たり配当金÷株価です。
X社の配当利回り=100円÷4,500円=0.02222…≒2.22%です。
Y社の配当利回り=60円÷2,000円=0.03=3%です。
よって、配当利回りは、X社株式のほうがY社株式よりも低いと言えます。
自己資本比率=自己資本÷総資産です。
X社の自己資本比率=1,600,000百万円÷4,400,000百万円=0.3636…≒36.4%です。
Y社の自己資本比率=1,400,000百万円÷2,500,000百万円=0.56…=56%です。
よって、自己資本比率は、Y社のほうがX社よりも高いと言えます。
【問6】
正解:○、○、×
正しい記述です。
正しい記述です。
つみたてNISA勘定では、上場株式を買い付けることはできません(一定の投資信託に限られます)。
【問7】
正解:ト、ハ、イ、ヌ
合計所得金額が1,000万円以下の人が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、床面積の要件は。40㎡以上でその2分の1以上もっぱら居住の用に供していることとされます。
住宅ローン控除は最長13年間適用を受けることができます。
住宅ローン控除の金額は、1年目~10年目までは、年末のローン残高×1%ですが、11年目~13年目は計算式が変わります。
11年目~13年目の住宅ローン控除の金額は、原則として「住宅ローンの年末残高×1%」と「(住宅取得等対価の額-消費税額)×2%÷3」のいずれか小さい方の額となります。
【問8】
正解:○、○、×
正しい記述です。
正しい記述です。給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、1年目に限って年末調整を受けることができず、自分で確定申告をする必要があります。
所得税の計算上控除しきれなかった住宅ローン控除額を住民税から控除する場合、特別な手続きは必要ありません。
【問9】
正解:7,900,000、630,000、196,000
23歳未満の扶養親族を有する給与所得者は、所得金額調整控除の適用を受けることにより、「{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%」の式により計算された金額を給与所得の計算上控除することができます。
よって、給与所得の額=1,000万円-195万円-(1,000万円- 850万円)×10%=7,900,000円となります。
扶養控除の額の計算上、19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族は、63万円の控除対象となります。
住宅ローン控除の金額は、控除を受ける1年目~10年目までは、年末のローン残高×1%です。
よって、1,960万円×1%=196,000円となります。

【問10】
正解:352、880
特定行政庁が指定する角地は建蔽率が10%緩和されます。
また、準防火地域耐火建築物を建てる場合にも建蔽率が10%緩和されます。
よって、甲土地の建蔽率の上限は、60%+10%+10%=80%となりますから、建蔽率の上限となる建築面積は、440㎡×80%=352㎡となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率の上限は、6m×4/10=2.4(240%)です。
前面道路の幅員が12m未満である場合、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、どちらか小さい方を適用しますから、容積率の上限は、200%となります。
よって、容積率の上限となる延べ床面積は、440㎡×200%=880㎡となります。
【問11】
正解:○、×、○
正しい記述です。
一括賃貸を行った場合、借地借家法の規定により、賃借人から賃料の減額請求をされる可能性があります。
正しい記述です。DSCR=年間純収益÷元利返済額であり、この値が1よりも大きければ、不動産から得られる収益で元利金の返済が可能になり、数値が大きいほど空室リスクに耐えられる余裕があると言えますが、1未満であれば賃料収入だけで借入金の返済ができていないと言えます。
【問12】
正解:×、○、×
地積規模の大きな宅地の評価の規定の適用を受けることができるのは、三大都市圏においては500㎡以上の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000㎡以上の宅地です。
正しい記述です。
路線価図に記載されている英数字は、数字部分が1㎡当たりの価額を千円単位で表示しており、英字部分が借地権割合を示しています。
借地権割合は、A(90%)~G(30%)まであり、Dは60%であることを意味します。
【問13】
正解:4,200、1,070、2,140
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×2=4,200万円となります。
課税遺産総額は、1億6,000万円-4,200万円=1億1,800万円です。
相続人は、血族相続人のみですから、長男Bさんと二男Cさんの法定相続分はそれぞれ1/2になります。
よって、長男Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、1億1,800万円×1/2=5,900万円となります。
したがって、妻Bさんの法定相続分に対応する相続税額は、5,900万円×30%-700万円=1,070万円となります。
二男Cさんの法定相続分は、長男Bさんと同じく1/2です。
よって、二男Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は、1億1,800万円×1/2=5,900万円となります。
二男Cさんの法定相続分に対応する相続税額は、5,900万円×30%-700万円=1,070万円となります。
ゆえに、相続税の総額は、1,070万円+1,070万円=2,140万円となります。
【問14】
正解:×、○、○
自筆証書遺言を作成する際に、財産目録は自書以外の方法で作成することができますが、それ以外の部分については、全て自書により作成しなくてはいけません。
正しい記述です。公正証書遺言を作成するためには、証人2人以上の立会いが必要です。但し、推定相続人とその配偶者など、一定の人は証人になる事ができません。
正しい記述です。遺留分は、被相続人の生前にも死亡後にも放棄することができますが、生前に放棄する場合には、家庭裁判所に申し立てる必要があります。
【問15】
正解:チ、ロ、ホ、リ
具体的遺留分の金額は、抽象的遺留分の金額×法定相続分です。
抽象的遺留分の金額は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定の基礎となる財産の価額の2分の1相当額ですから。2億円×1/2=1億円です。
よって、二男Cさんの法定相続分は1/2ですから、二男Cさんの具体的遺留分の金額は、1億円×1/2=5,000万円となります。
自宅の敷地は特定居住用宅地等として330㎡まで80%評価減されますから、敷地の全てが評価減の対象となり、相続税の課税価格に算入すべき金額は、6,000万円×(1-80%)=1,200万円となります。

賃貸アパートの敷地は貸付事業用宅地等として200㎡まで50%評価減されますから、相続税の課税価格に算入すべき金額は、5,000万円×200/250×(1-50%)+5,000万円×50/250=3,000万円となります。

<別解>
250㎡のうち200㎡(80%部分)が適用対象となりますから、5,000万円のうち80%部分の4,000万円について評価減され、残りの20%部分の1,000万円については全額が課税価格に算入されますから、4,000万円×(1-50%)+1,000万円=3,000万円となります。

貸付事業用宅地等の方が特定居住用宅地等よりも㎡単価が高い場合には、有利判定を行う必要がありますが、本問のケースでは、特定居住用宅地等の方が貸付事業用宅地等よりも㎡単価が高いので、有利判定をすることなく、自宅の敷地を優先した方が有利であると分かります。

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