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FP2級実技(個人)解説-2021年1月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
Aさん(55歳)は、自動車メーカーに勤務する会社員である。2020年10月、M市内の実家(甲土地および建物)で1人暮らしをしていた母親が死亡した。法定相続人は、1人息子のAさんのみであり、相続に係る申告・納税等の手続は完了している。
甲土地(地積:300㎡)は、最寄駅から徒歩5分に位置し、準住居地域に指定されている。周辺では宅地開発が進んでおり、築50年を超える実家の建物は、周りの建物に比べると、いかにも場違いな存在となっている。
Aさんは、他県に所有する持家に妻と子の3人で暮らしており、実家の売却を検討している。他方、先日、大手ドラッグストアのX社から「甲土地での新規出店を考えています。弊社との間で事業用定期借地権の契約を締結してもらえないでしょうか」との提案があり、Aさんは甲土地の有効活用にも興味を抱くようになった。

<甲土地の概要>

指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
甲土地上に耐火建築物を建築する場合における次の①、②を求め、解答用紙に記入しなさい(計算過程の記載は不要)。

建蔽率の上限となる建築面積
容積率の上限となる延べ面積
正解:210、600
準防火地域に耐火建築物を建てると、建蔽率の上限が10%緩和されます。
よって、建蔽率の上限となる建築面積=300㎡×(60+10)%=210㎡となります。
前面道路の幅員が12m未満ですから、容積率の上限は、指定容積率(200%)と前面道路の幅員×法定乗数のうち、いずれか小さい方となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率=8×4/10=3.2=320%より、 容積率の上限は200%となります。
したがって、容積率の上限となる延べ面積=300㎡×200%=600㎡となります。
【問11】
X社が提案する事業用定期借地権方式に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「事業用定期借地権方式とは、借主であるX社が甲土地を契約で一定期間賃借し、X社が建物を建設する手法です。本方式のメリットとして、土地を手放さずに安定した地代収入を得ることができること、期間満了後は土地が更地となって返還される点などが挙げられます」
「事業用定期借地権等は、存続期間が10年以上30年未満の事業用借地権と30年以上50年未満の事業用定期借地権に区別されます。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書により作成しなければなりません」
「X社が甲土地にドラッグストアの店舗を建設した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。自用地価額1億円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%とした場合の甲土地の相続税評価額は8,200万円です」
正解:○、○、×
正しい記述です。
正しい記述です。
賃貸している土地は、相続税額の計算上、貸宅地として評価します。
【問12】
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「本特例の適用を受けるための要件の1つとして、1981(昭和56)年5月31日以前に建築された家屋であることが挙げられます。実家の建物を取り壊して、甲土地を更地にした場合、本特例の適用を受けることはできませんので、本特例の適用を検討しているのであれば、建物は現況の空き家のままにしておいてください」
「 本特例の適用を受けた場合の特別控除の額は最高3,000万円です。本特例と相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(相続税の取得費加算の特例)とは選択適用となりますので、有利なほうを選択するようにしてください」
「本特例の適用を受けるためには、確定申告書に被相続人居住用家屋等確認書を添付する必要があります。当該確認書は実家が所在する地域を管轄する法務局に申請し、交付を受けてください」
正解:×、○、×
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例は、相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売った場合にも適用を受ける事ができます。
正しい記述です。被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例は、相続税の取得費加算の特例との選択適用です。
被相続人居住用家屋等確認書は、適用を受けようとする家屋が所在する地域を管轄する市区町村に申請して交付を受けます。

【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

《設例》
非上場企業であるX株式会社(以下、「X社」という)の代表取締役社長であったAさんは、2020年12月22日(火)に病気により79歳で死亡した。
Aさんは、自宅に自筆証書遺言を残しており、相続人等は自筆証書遺言の内容に従い、Aさんの財産を下記のとおり取得する予定である。また、妻Bさんは、死亡保険金2,500万円およびX社から死亡退職金5,000万円を受け取っている。

<Aさんの親族関係図>

<各人が取得する相続財産(みなし相続財産を含む)>
[妻Bさん(75歳)]
現金および預貯金:1,000万円
自宅(敷地330㎡):1,000万円(「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の金額)
自宅(建物):500万円(固定資産税評価額)
死亡保険金:2,500万円(契約者(=保険料負担者)・被保険者はAさん、死亡保険金受取人は妻Bさん)
死亡退職金:5,000万円

[長男Cさん(52歳)]
現金および預貯金:7,000万円
X社株式:2億1,000万円(相続税評価額)

[長女Dさん(50歳)]
現金および預貯金:2,000万円

[孫Eさん(24歳)]
現金および預貯金:1,000万円

上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「Aさんの相続が開始し、相続人が自宅に保管されていたAさんの自筆証書遺言を発見した場合、相続人は、遅滞なく、自筆証書遺言を( ① )に提出して、その検認を請求しなければなりません」
「Aさんが2020年分の所得税および復興特別所得税について確定申告書を提出しなければならない場合に該当するとき、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ② )カ月以内に準確定申告書を提出しなければなりません」
「Aさんに係る相続税の申告書の提出期限は、原則として、2021年( ③ )になります。申告書の提出先は、Aさんの(死亡時の)住所地を所轄する税務署長です」
<語句群>
イ.3 ロ.4 ハ.10 ニ.公証役場 
ホ.家庭裁判所 ヘ.法務局 
ト.9月22日(水) 
チ.10月22日(金) リ.11月22日(月)
正解:ホ、ロ、チ
自筆証書遺言の検認の請求は、家庭裁判所に対して行います。
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内です。
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内ですから、2020年12月22日に相続の開始があったことを知った場合、申告期限は2021年10月22日となります。
【問14】
Aさんの相続等に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「妻Bさんが受け取った死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。妻Bさんが受け取った死亡保険金2,500万円のうち、相続税の課税価格に算入される金額は500万円となります」
「長女Dさんが遺留分に相当する財産を受け取ることができない場合、長女Dさんは、長男Cさんに対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができます。遺留分侵害額請求権は、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に行使しない場合、時効により消滅します」
「孫Eさんは、相続税額の2割加算の対象になります」
正解:×、×、○
相続人が受け取った相続税の課税対象となる死亡保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税となります。
法定相続人の数は3人ですから、相続税の課税価格に算入される死亡保険金の額は、2,500万円-500万円×3=1,000万円となります。
遺留分侵害額請求権は、基本的に、相続の開始および遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った日から1年以内に行使しない場合には、時効によって消滅します。
被相続人の配偶者及び1親等の血族以外の人は、相続税額の2割加算の対象となります。
よって、代襲相続人でない被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象です。
【問15】
相続人等は《設例》の記載のとおり、Aさんの財産を取得した。Aさんの相続に係る相続税の総額を計算した下記の表の空欄①~④に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

妻Bさんに係る課税価格 ( ① )万円
長男Cさんに係る課税価格 2億8,000万円
長女Dさんに係る課税価格 2,000万円
孫Eさんに係る課税価格 1,000万円
(a)相続税の課税価格の合計額 □□□万円
(b)遺産に係る基礎控除額 ( ② )万円
課税遺産総額(a-b) □□□円
相続税の総額の基となる税額
妻Bさん □□□万円
長男Cさん ( ③ )万円
長女Dさん □□□万円
(c)相続税の総額 ( ④ )万円
<資料>相続税の速算表
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
30,000万円超
60,000万円以下
50% 4,200万円
60,000万円超 55% 7,200万円
正解:7,000、4,800、1,790、8,520
妻Bさんが受け取った死亡退職金は、500万円×3=1,500万円まで非課税となります(相続税の課税価格に算入されません)。
よって、妻Bさんに係る課税価格は、1,000万円+1,000万円+500万円+(2,500万円-500万円×3)+(5,000万円-500万円×3)=7,000万円となります。
遺産に係る基礎控除額=600万円×法定相続人の数+3,000万円=4,800万円です。

課税遺産総額=7,000万円+2億8,000万円+2,000万円+1,000万円-4,800万円=3億3,200万円です。
これを、法定相続分に従って按分すると、
妻Bの法定相続分に応ずる取得金額は、3億3,200万円×1/2=1億6,600万円となり、長男C、長女Dの法定相続分に応ずる取得金額は、それぞれ、3億3,200万円×1/4=8,300万円となります。

よって、相続税の総額の基となる税額は、
妻B分:1億6,600万円×40%-1,700万円=4,940万円
長男C分:8,300万円×30%-700万円=1,790万円
長女D分:8,300万円×30%-700万円=1,790万円
となります。

③より、相続税の総額=4,940万円+1,790万円+1,790万=8,520万円となります。

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