お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2019年9月・解説のみ

【問1】
正解:二、ロ、へ
昭和36年4月2日以降に生まれた男性と昭和41年4月2日以降に生まれた男性には、特別支給の老齢厚生年金は支払われません。
減額率は1ヵ月あたり0.5%ですから、0.5%/月×36月=18%です。
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、同時に繰上げなくてはいけません(繰下げは別々可)。
【問2】
正解:○、×、×
正しい記述です。
健康保険の任意加入被保険者の保険料は、全額被保険者負担です。
雇用保険の基本手当の受給時、65歳未満の定年退職は自己都合退職と同じで、被保険者期間が20年以上ある場合、最高150日支給されます。
【問3】
正解:780,100、1,051,369、380、1,441,849円
20歳から60歳まで、年金の未納期間が無いため、満額が支給されます。
780,100円×480月/480月
280,000円×7.125/1,000×216+400,000円×5.481/1,000×283=1,051,369.2円
より、1,051,369円です。
経過的加算額の計算上、被保険者期間の月数は480月が最大となります。
1,626円×480-780,100円×480/480=380円です。
加給年金の支給要件(本人の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上、配偶者の厚生年金保険の被保険者期間が20年未満、配偶者が65歳未満等)を満たしているため、加給年金390,100円が支給されます。
したがって、老齢厚生年金の年金額=1,051,369円+380円+390,100円=1,441,849円です。
【問4】
正解:13.33、X社、10.43、28.57
X社のROE(%)=当期純利益÷自己資本×100=28,000百万円÷210,000百万円×100=13.333…%です。
Y社のROE(%)=12,000百万円÷110,000百万円×100=10.909…%です。
よって、ROEはX社の方が高いです。
PER=株価÷1株当たり純利益=730円÷(28,000百万円÷4億)=10.428…倍です。
配当性向(%)=配当金総額÷当期純利益=8,000百万円÷28,000百万円×100=28.571…%です。
【問5】
正解:ホ、ハ、チ
一般NISAの非課税投資枠は、2015年(2014年に制度が開始してから最初の2年間)まで100万円でした。
ロールオーバー後に非課税管理勘定に新規投資で受け入れることができる金額の上限は、120万円-ロールオーバーした株式の時価です。
よって、120万円-70万円=50万円です。
非課税期間の終了後、ロールオーバーせずに非課税管理勘定で購入した上場株式を特定口座に移管した場合、当該特定口座における取得価額は、非課税期間終了時の時価となります。
【問6】
正解:×、×、○
自己資本比率(%)=自己資本÷総資産×100です。
X社の自己資本比率(%)=210,000百万円÷710,000百万円×100=29.577…%
Y社の自己資本比率(%)=110,000百万円÷480,000百万円×100=22.916…%
よって、自己資本比率は、Y社よりもX社の方が高いです。
つみたてNISAで個別株式に投資することはできません。
正しい記述です。
【問7】
正解:70、1,990、255
勤続年数が20年以上である場合、退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20)となります。
退職所得控除額の計算上、勤続年数の端数は切り上げるため、勤続年数が36年5カ月であれば、37年と考えます。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(37-20)=1,990万円となります。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(2,500万円-1,990万円)×1/2=255万円となります。
【問8】
正解:25、445
一時所得=総収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)=500万円-400万円-50万円=50万円です。
総所得金額に算入される一時所得の額は、所得の2分の1ですから、50万円×1/2=25万円が所得金額に算入されます。
給与所得=700万円-(700万円×10%+120万円)=510万円です。
給与所得の額は、全額総所得金額に算入されます。

不動産所得の赤字は給与所得と損益通算されますが、土地等の取得に係る負債の利子10万円は損益通算されませんから、90万円が損益通算の対象となります。

したがって、総所得金額=510万円-90万円+25万円=445万円です。

【問9】
正解:×、○、×
退職所得の受給に関する申告書を出した場合、適切な税金が差し引かれた額が振り込まれるため、確定申告をする必要はありません。
ちなみに、退職所得に対しては、超過累進課税が適用されます。

正しい記述です。
納税者の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除を受けることができ、納税者の合計所得金額が900万円以下であれば、控除額は38万円になります。

<参考>
現在は、配偶者控除を受けるための配偶者の合計所得金額の要件は、48万円以下である事とされています。

長女Cさんの合計所得金額=180万円-180万円×40%=108万円>38万円より、扶養控除の対象とはなりません。
二女Dさんは、16歳以上70歳未満で、かつ、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)に該当しないため、一般の控除対象扶養親族として、38万円の控除対象です。
よって、Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、38万円です。

<参考>
現在の給与所得控除額は、資料と異なります。また、扶養控除を受けるための親族の合計所得金額の要件は、48万円以下である事とされています。
長女Cさんが扶養控除の対象とならず、二女Dさんは一般の控除対象扶養親族なので、Aさんが適用を受けることができる扶養控除の控除額は、38万円という部分は変わりません。


【問10】
正解:○、×、×
正しい記述です。
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用を受ける為には、敷地の評価額の要件はありませんが、売却代金が1億円以下である必要があります。
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」と「相続税の取得費加算の特例」は、どちらか一方しか適用を受けることができません。
参考:三井不動産リアルティHP
国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
【問11】
正解:イ、ホ、チ
建設協力金方式は、土地所有者が、テナントから建設資金の一部または全部を借りて建物を建築する手法です。
土地・貸家とも、土地所有者の名義ですから、相続税額の計算上、土地は、貸家建付地として評価されます。
貸家が建っている土地は、一定要件を満たせば、貸付事業用宅地等として、小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。
【問12】
正解:320㎡、1,152㎡
指定建蔽率が80%である防火地域に耐火建築物を建築すると、建蔽率の制限は無くなります。
よって、建築面積の最高限度は、320㎡×100=320㎡となります。
前面道路の幅員が12m未満であるため、容積率の上限は、前面道路の幅員によって定まる容積率の上限、もしくは、指定容積率(400%)のどちらか小さい方になります。
前面道路の幅員によって定まる容積率の上限は、6×6/10=360%です。
よって、延べ床面積の上限は、320㎡×360%=1,152㎡となります。
【問13】
正解:へ、チ、ハ、ル
「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税 猶予および免除の特例」の適用を受けると、後継者が先代事業者から贈与または相続等により取得した特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額の納税が猶予されます。
「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税 猶予および免除の特例」の適用を受ける為に必要な個人事業承継計画は、都道府県知事に提出します。
特定事業用資産とは、先代事業者の事業の用に供されていた宅地等(400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、その他一定の減価償却資産で青色申告書の貸借対照表に計上されていたものを指します。
「個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税 猶予および免除の特例」と「小規模宅地等の特例」は、どちらか一方しか適用を受ける事が出来ません。
【問14】
正解:○、○、×
適切な記述です。
適切な記述です。
相続人の組み合わせが、配偶者相続人と第一順位の血族相続人の組み合わせである(第二順位の血族相続人のみでない)ため、抽象的遺留分の額は、遺留分算定の基礎となる財産の2分の1、つまり、4億円×1/2=2億円です。
遺留分権利者の具体的遺留分は、抽象的遺留分の額に各人の法定相続分を乗じた額ですから、法定相続分が4分の1である長女Dさんの具体的遺留分は、2億円×1/4=5,000万円となります。
小規模宅地等の特例において、特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等の両方について適用を受ける場合、適用対象面積が調整されます。
ちなみに、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等の両方について適用を受ける場合、適用対象面積は調整されません。
【問15】
正解:4,800、1,190、5,720
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×3=4,800万円です。
課税遺産総額=3億円-4,800万円=2億5,200万円となります。
また、相続人は、配偶者相続人と第1順位の血族相続人ですから、長男Cさんの法定相続分は、1/4になります。
よって、長男Cさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億5,200万円×1/4=6,300万円となります。
したがって、長男Cさんの法定相続分対応する相続税額は、6,300万円×30%-700万円=1,190万円となります。
相続人は、配偶者相続人と第1順位の血族相続人ですから、妻Bさんの法定相続分は、1/2になります。
よって、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額は、2億5,200万円×1/2=1億2,600万円となります。
したがって、妻Bさんの法定相続分対応する相続税額は、1億2,600万円×40%-1,700万円=3,340万円となります。
また、長女Dさんの法定相続分対応する相続税額は、長男Cさんの法定相続分対応する相続税額と等しいので、相続税の総額は、3,340万円+1,190万円+1,190万円=5,720万円となります。

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