お金の寺子屋

FP2級実技(生保)解説-2023年9月・解説のみ

【問1】
正解:795,000、1,224,670、53,360、1,278,030
老齢基礎年金の計算上、第1号被保険者として保険料を納付した期間以外に、厚生年金保険の被保険者であった期間等も、保険料納付済期間として扱います。
よって、20歳以上60歳未満の期間における保険料納付済期間は480月ですから、老齢基礎年金の額=795,000円×480/480=795,000円となります。
280,000円×7.125/1,000×60+450,000円×5.481/1,000×448=1,224,669.6円≒1,224,670円。
1,657円×480-795,000円×448/480=53,360円です。
なお、被保険者期間の月数の上限は480月として計算します。
配偶者が年上である場合、加給年金は支給されません。
よって、1,224,670円+53,360円=1,278,030円となります。
【問2】
正解:ロ、ホ、チ
iDeCoには最長65歳まで加入することができます。
企業型DCおよび企業年金が無い企業に勤務する第2号被保険者のiDeCoの掛金の拠出限度額は、年額276,000円です。
iDeCoの掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除されます。
【問3】
正解:×、○、×
iDeCoの加入者は、任意に脱退することはできません。なお、後半部分の記述(脱退一時金は一時所得となる)は正しいです。
正しい記述です。iDeCoの老齢給付金を60歳から受け取るためには、通算加入者等期間が10年以上なくてはならず、iDeCoの老齢給付金は、最も早いと60歳から、最も遅いと75歳から受給を開始することができます。
学生納付特例制度は、本人の所得の要件はありますが、親や家族の所得要件はありません。

【問4】
正解:ホ、チ、ロ、ル
遺族基礎年金の額=老齢厚生年金の満額+子の加算額です。
子の加算額は、第2子までは1人当たり228,700円、第3子以降は1人当たり76,200円です。
よって、遺族基礎年金の額=795,000円+228,700円=1,023,700円となります。
遺族厚生年金の額は、原則として、亡くなった人さんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額です。
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合などに支給される遺族厚生年金の額は、その計算上、被保険者期間が300ヵ月最低保証されます。
中高齢寡婦加算は、基本的に、夫の死亡当時40歳以上65歳未満の子のない妻に対して、妻が65歳に達するまで支給されます。
また、40歳に達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻が、年金法上の子が居なくなることにより遺族基礎年金を受け取ることができなくなった場合にも、妻が65歳に達するまで支給されます。
【問5】
正解:○、×、×
正しい記述です。収入保障特約の年金額は年額60万円で、最低支払保証期間5年ですから、期間満了まで25年なら、受取総額は60万円/年×25年=1,500万円で、期間満了まで5年以下なら、受取総額は60万円/年×5年=300万円となります。
収入保障特約から毎年受け取る年金は、2年目以降、雑所得として所得税・住民税の課税対象となります(相続税・贈与税の課税対象とならなかった部分のみ)。
先進医療特約では、療養を受けた時点において、先進医療と定められていれば給付の対象となります。
【問6】
正解:○、×、○
正しい記述です。
団体信用生命保険に加入して住宅ローンを組んだ場合、債務者の死亡時に残債務は0となるため、必要保障額の計算上、住宅ローンの残債務を遺族に必要な生活資金等の支出の総額に含める必要はありません。
正しい記述です。

【問7】
正解:1,920、1,540
勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
また、退職所得控除額の計算上勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから勤続年数は36年となります。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(36-20)=1,920万円となります。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(5,000万円-1,920万円)×1/2=1,540万円となります。
【問8】
正解:○、○、×
正しい記述です。生命保険を解約した場合、法人は、当該生命保険にかかる資産計上額を取り崩します。
この時、法人が受け取ったお金との差額が益金または損金となりますが、終身保険の保険料は、払った金額の全額が資産計上されるため、取り崩した資産計上額2,250万円と解約返戻金額2,300万円の差額50万円が雑収入として経理処理されます。
正しい記述です。
名義変更により、生命保険を退職金として現物給付した場合、当該生命保険の解約返戻金相当額が、退職所得の収入金額となります。
【問9】
正解:○、○、×、×
正しい記述です。長期平準定期保険は、定期保険の一種ですから、満期保険金はありません。また、生命保険の解約返戻金は、使途に制限がないので、役員退職金の原資や設備投資等の事業資金として活用することができます。
正しい記述です。最高解約返戻率が70%以上85%未満である生命保険の保険料は、原則として、保険期間開始日から保険期間の4割に相当する期間を経過する日までは、当期分支払保険料の6割相当額を前払保険料として資産計上します。
払済終身保険に変更した場合、その変更時における解約返戻金相当額とその保険契約により資産に計上している保険料の額との差額を、益金または損金として経理処理します。
契約者貸付制度は、解約返戻金の額の一定範囲内で、保険会社から融資を受けることができる制度です。

【問10】
正解:ヌ、ヘ、二、ハ
電子申告要件等を満たした場合、青色申告特別控除額は、最大65万円になります。
不動産の貸付が事業的規模でない場合、不動産所得の計算上控除することができる青色申告特別控除額は、最大10万円です。
不動産所得の金額の計算上、不動産の貸付が事業的規模に該当するか否かは、一般的に、5棟10室基準で判定します。
所得税の計算上、純損失の繰越控除は最大3年間認められています。
【問11】
正解:×、○、×
上場株式の譲渡損失の金額は、総合課税する所得と損益通算することはできません。
正しい記述です。社会保険料控除は、本人だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために払ったお金も控除の対象となります。
長男Cさんに係る扶養控除の額は、長男Cさんが特定扶養親族(19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族)に該当するため、63万円です。
【問12】
正解:9,050,000、480,000、902,500
不動産所得の金額900万円は、全額総所得金額に算入される。
上場株式の譲渡損失の金額は、総所得金額の計算上、損益通算の対象外。
一時所得の額は、(460万円+600万円)-(500万円+500万円)-50万円=10万円であり、2分の1が総所得金額に算入される。
よって、総所得金額は、900万円+10万円×1/2=905万円となります。
合計所得金額が2,400万円以下の人が適用を受けることができる基礎控除の額は、48万円です。
6,650,000円×20%-427,500円=902,500円です。

【問13】
正解:×、○、○
自筆証書遺言は、財産目録以外は全て自書により作成しなくてはなりません。
正しい記述です。自筆証書遺言は、基本的に検認を必要としますが、自筆証書遺言保管制度を利用した場合、内容の改ざん等の恐れがないため、検認は不要となります。
正しい記述です。未成年者、推定相続人、受遺者、推定相続人や受遺者の配偶者や直系血族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記、使用人は、証人になることができません。
【問14】
正解:チ、ホ、ル、ロ
抽象的遺留分の割合は、相続人が直系尊属のみである場合を除いて、遺留分算定基礎財産の1/2です。
また、各相続人の具体的遺留分は、抽象的遺留分を遺留分権利者が法定相続分通り按分した割合となります。
よって、二男Dさんの具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。
したがって、具体的遺留分の額は、6億円×1/8=7,500万円となります。

X社本社の敷地は特定同族会社事業用宅地等として400㎡まで80%評価減されますから、相続税の課税価格に算入すべき金額は、8,000万円×400㎡/500㎡×(1-80%)+8,000万円×100㎡/500㎡=2,880万円となります。

<別解>
500㎡のうち400㎡(80%部分)が適用対象となりますから、8,000万円のうち80%部分の6,400万円について評価減され、残りの20%部分の1,600万円については全額が課税価格に算入されますから、6,400万円×(1-80%)+1,600万円=2,880万円となります。

特定居住用宅地等と特定同族会社事業用宅地等は、調整計算をすることなく、それぞれの宅地の適用対象の限度面積まで適用を受けることができます(「特定居住用宅地等」と「特定事業用(/特定同族会社事業用)宅地等」では、調整計算が不要、「貸付事業用宅地等」を含むと調整計算が必要)。
死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の式で計算されます。
よって、課税価格に算入される死亡保険金の額は、2,000万円-(500万円×3)=500万円となります。
【問15】
正解:4,800、2,820、13,110
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で計算されます。
よって、3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。
課税遺産総額=5億万円-4,800万円=4億5,200万円です。
よって、長男Cさんの法定相続分に対応する取得金額は、4億5,200万円×1/4=11,300万円となります。
これに対応する相続税額は、11,300万円×40%-1,700万円=2,820万円です。

妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、4億5,200万円×1/2=22,600万円となります。
これに対応する相続税額は、22,600万円×45%-2,700万円=7,470万円です。

また、二男Dさんの法定相続分に対応する取得金額に対応する相続税額は、長男Cさんと同じく2,820万円ですから、相続税の総額は、7,470万円+2,820万円+2,820万円=13,110万円となります。

スポンサーリンク




スポンサーリンク



一覧へ
LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。