お金の寺子屋

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FP2級実技(生保)解説-2020年9月・問10~15

【問10】~【問12】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
Aさんは、妻Bさん、長女Cさんおよび長男Dさんとの4人家族である。Aさんは、数年前から個人で小売店を営んでおり、白色申告により確定申告を行っているが、最近、同業者の知人から青色申告のメリットを聞き、関心を持っている。また、Aさんは、2020年中に一時払養老保険(10年満期)の満期保険金と一時払終身保険の解約返戻金を受け取っている。

<Aさんとその家族に関する資料>
[Aさん(52歳)]
個人事業主(白色申告者)

[妻Bさん(50歳)]
専業主婦。2020年中の収入はない。

[長女Cさん(20歳)]
大学生。2020年中に、塾講師のアルバイトにより給与収入50万円を得ている。

[長男Dさん(16歳)]
高校生。2020年中の収入はない。

<Aさんの2020年分の収入等に関する資料>
[事業所得の金額]
500万円

[一時払養老保険(10年満期)の満期保険金]
契約年月:2010年5月
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
満期保険金受取人:Aさん
満期保険金額:1,110万円
一時払保険料:1,000万円

[一時払終身保険の解約返戻金]
契約年月:2016年4月
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
解約返戻金額:490万円
一時払保険料:500万円

妻Bさん、長女Cさんおよび長男Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
Aさんとその家族の年齢は、いずれも2020年12月31日現在のものである。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問10】
所得税における青色申告に関する以下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「2019年分の所得税においては、事業所得に係る取引を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表、損益計算書その他の計算明細書を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出することにより、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高( ① )万円を控除することができました。2020年分以後の所得税からは、従前の要件に加えて、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行うことで、引き続き( ① )万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます。従前の要件のみを満たす場合、控除額は( ② )万円に引き下げられます」
「青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除のほかに、青色事業専従者給与の必要経費算入、( ③ )の3年間の繰越控除、( ③ )の繰戻還付、棚卸資産の評価について低価法を選択できることなどが挙げられます」
<語句群>
イ.10 ロ.38 ハ.55 ニ.63 ホ.65 
ヘ.雑損失 ト.純損失
正解:ホ、ハ、ト
青色申告特別控除額は、2019年分の所得税までは65万円でしたが、2020年以降引き続き65万円の控除を受けるためには、一定の電子申告要件等を満たす必要があります。
青色申告特別控除額は、一定の電子申告要件等を満たさない場合、55万円になります。
青色申告者は、純損失を最大3年間繰越控除したり、純損失の繰り戻し還付を受けたりすることができます。
【問11】
Aさんの2020年分の所得税の課税に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます。配偶者控除の控除額は48万円となります」
「Aさんが受け取った一時払養老保険の満期保険金に係る保険差益は、源泉分離課税の対象となりますので、確定申告をする必要はありません」
「Aさんは長女Cさんに係る扶養控除の適用を受けることができます。長女Cさんに係る扶養控除の控除額は63万円となります」
正解:×、×、○
合計所得金額が900万円以下の人が受ける配偶者控除の額は、38万円です。
一時払い養老保険の満期保険金に係る保険差益は、契約から5年を超えていれば一時所得となります。
給与所得控除額は最低55万円が保証されていますから、長女Cさんの合計所得金額は0円になり、扶養控除を受けるための合計所得金額の要件を満たします。
19歳以上23歳未満の扶養親族は、特定扶養親族として、63万円の控除対象になります。
【問12】
Aさんの2020年分の所得税の算出税額を計算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

事業所得の金額 5,000,000円
一時所得の金額 □□□円
(a)総所得金額 ( ① )円
社会保険料控除 □□□円
生命保険料控除 □□□円
配偶者控除 □□□円
扶養控除 ( ② )円
基礎控除 □□□円
(b)所得控除の額の合計額 2,100,000円
(c)課税総所得金額((a)-(b)) □□□円
(d)算出税額((c)に対する所得税額) ( ③ )円
<資料>所得税の速算表
課税される
所得金額
税率 控除額
195万円未満 5%
195万円以上
330万円未満
10% 97,500円
330万円以上
695万円未満
20% 427,500円
695万円以上
900万円未満
23% 636,000円
900万円以上
1,800万円未満
33% 1,536,000円
1,800万円以上
4,000万円未満
40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円
正解:5,250,000、1,010,000、217,500
一時所得の金額=1,110万円-1,000万円+490万円-500万円-50万円=50万円です。
一時所得の金額は、その2分の1相当額が総所得金額に算入されますから、総所得金額への算入額は、50万円×1/2=25万円です。
よって、総所得金額は、5,000,000円+250,000円=5,250,000円となります。
長男Dさんは、16歳以上19歳未満の扶養親族ですから、一般の控除対象扶養親族として38万円の控除対象となります。
問11③より、長女Cさんは、63万円の控除対象になりますから、扶養控除の額は、630,000円+380,000円=1,010,000円となります。
課税総所得金額=5,250,000円-2,100,000円=3,150,000円より、算出税額=3,150,000円×10%-97,500円=217,500円となります。

【問13】~【問15】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
非上場企業のX株式会社(以下、「X社」という)の代表取締役社長であるAさん(71歳)の推定相続人は、妻Bさん(69歳)、長女Cさん(43歳)および二女Dさん(40歳)の3人である。Aさんは、数年のうちに、X社の専務取締役である長女Cさんに事業を承継させたいと考えている。Aさんは、X社株式の移転方法として、非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(事業承継税制の特例)の活用を検討している。

<X社の概要>
[業種]
食料品製造業

[資本金等の額]
5,000万円(発行済株式総数1,000,000株、すべて普通株式で1株につき1個の議決権を有している)

[株主構成]
Aさん:800,000株
妻Bさん:100,000株
長女Cさん:100,000株

[株式の譲渡制限]
あり
X社は、相続その他の一般承継によりX社株式を取得した者に対し、当該株式をX社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めている。

[その他]
年商25億円
経常利益8,000万円
従業員数100人

X社株式の相続税評価額の計算上の規模区分は「大会社」であり、特定の評価会社には該当しない。

<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)>
[現預金等]
5,000万円

[X社株式]
1億7,000万円

[自宅]
敷地(330㎡):3,000万円(注)
建物:1,000万円

[X社本社]
敷地(600㎡):3,000万円(注)
建物:4,000万円

合計 3億3,000万円

(注) 「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の金額
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問13】
Aさんの相続等に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「X社株式の相続税評価額は、原則として類似業種比準方式により評価されます。類似業種比準価額は、類似業種の株価ならびに1株当たりの配当金額、1株当たりの( ① )、1株当たりの純資産価額の3つの比準要素を基に計算されます」
「長女CさんにX社株式を移転する方法として、非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例の活用、相続時精算課税制度の活用、長女CさんがAさんから買い取る等が考えられます。相続時精算課税は、( ② )万円を超える金額について20%の税率で贈与税が課されますが、その後、X社株式の評価額が上昇しても、相続財産に加算されるX社株式の価額は贈与時の価額とされるなどのメリットがあります」
「納税資金の確保を目的として、契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさん、死亡保険金受取人を長女Cさんとする終身保険に加入することも検討事項の1つとなります。終身保険に加入後、Aさんの相続が開始した場合、長女Cさんが受け取る死亡保険金は、( ③ )万円を限度として、死亡保険金の非課税金額の規定「の適用を受けることができます」
「長女CさんがX社本社敷地を相続により取得した場合、所定の要件を満たすことにより、特定同族会社事業用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けることができます。特定同族会社事業用宅地等に該当するX社本社敷地は、400㎡までを限度面積として、評価額の( ④ )%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができます」
<語句群>
イ.50 ロ.80 ハ.90 ニ.110 
ホ.500 ヘ.1,000 ト.1,500 
チ.2,000 
リ. 2,500 ヌ.売上金額 
ル.利益金額 ヲ.資本金等の額
正解:ル、リ、ト、ロ
類似業種比準価額の比準要素は、配当金額と利益金額と純資産価額の3つです。
相続時精算課税制度の特別控除の額は、2,500万円です。
相続税の計算上、死亡保険金の額は、500万円×法定相続人の数だけ非課税になります。
法定相続人の数は3人ですから、死亡保険金の非課税額は、500万円×3=1,500万円です。
特定同族会社事業用宅地等に該当する敷地の相続税評価額は、400㎡まで80%評価減されます。
【問14】
非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(以下、「本特例」という)に関する次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「本特例の適用を受けた場合、本特例の対象となる非上場株式等の贈与に係る贈与税額の全額の納税が猶予されます」
「長女CさんがAさんからX社株式の贈与を受けた場合、本特例による納税猶予の対象となる株式は、長女Cさんがその受贈前から既に保有していたX社株式を含めて、発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分に限られます」
「本特例の対象となる贈与者は代表権を有しているAさんに限られますので、長女CさんがAさんおよび妻BさんからX社株式の贈与を受けた場合、妻Bさんから贈与を受けたX社株式は本特例の適用の対象とはなりません」
正解:○、×、×
正しい記述です。
非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例の対象となる株式は、基本的に、全ての株式です。
非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例の対象となる贈与者は、代表権を有する者に限定されません。
【問15】
現時点(2020年9月13日)において、Aさんの相続が開始した場合における相続税の総額を試算した下記の表の空欄①~③に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、相続税の課税価格の合計額は3億3,000万円とし、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

(a)相続税の課税価格の合計額 3億3,000万円
(b)遺産に係る基礎控除額 ( ① )万円
課税遺産総額(a-b) □□□万円
相続税の総額の基となる税額
妻Bさん □□□万円
長女Cさん ( ② )万円
二女Dさん □□□万円
(c)相続税の総額 ( ③ )万円
<資料>相続税の速算表
法定相続分に
応ずる取得金額
税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超
3,000万円以下
15% 50万円
3,000万円超
5,000万円以下
20% 200万円
5,000万円超
10,000万円以下
30% 700万円
10,000万円超
20,000万円以下
40% 1,700万円
20,000万円超
30,000万円以下
45% 2,700万円
30,000万円超
60,000万円以下
50% 4,200万円
60,000万円超 55% 7,200万円
正解:4,800、1,415、6770
遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数で、法定相続人の数は3人ですから、遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。
課税遺産総額=3億3,000万円-4,800万円=28,200万円です。
よって、長女Cさんの法定相続分に応ずる取得金額=28,200万円×1/4=7,050万円となり、これに対応する税額は、7,050万円×30%-700万円=1,415万円となります。
課税遺産総額=3億3,000万円-4,800万円=28,200万円より、妻Bさんの法定相続分に応ずる取得金額=28,200万円×1/2=14,100万円となり、これに対応する税額は、14,100万円×40%-1,700万円=3,940万円となります。
また、長女Cさんと二女Dさんの法定相続分は等しいため、二女Dさんの法定相続分に応ずる取得金額に対応する税額は、長女Cさんと同じ1,415万円です。
ゆえに、相続税の総額は、3,940万円+1,415万円+1,415万円=6,770万円となります。

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