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FP2級実技(生保)解説-2019年1月・問1~9

【問1】~【問3】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(56歳)は、妻Bさん(53歳)および長男Cさん(19歳)の3人家族である。Aさんは、大学卒業後、X社に入社し、以後、現在に至るまで同社に勤務している。
Aさんは、X社の役職定年制度により、今年の4月以後、管理職から外れ、年収額は3割程度下がる予定である。Aさんは、今後の資金計画を検討するにあたり、公的年金制度から支給される老齢給付について理解を深めたいと思っている。また、今年 20歳になる大学生の長男Cさんの国民年金の保険料の納付について、学生納付特例制度の利用を検討している。
そこで、Aさんは、懇意にしているファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんとその家族に関する資料は、以下のとおりである。

<Aさんとその家族に関する資料>
[Aさん(56歳)]
昭和37年2月21日生まれ
会社員
公的年金加入歴は下図のとおり(60歳定年時までの見込みを含む) 。20歳から大学生であった期間(26月)は国民年金に任意加入していない。
健康保険(保険者:健康保険組合)、雇用保険に加入中

[妻Bさん(53歳)]
昭和40年8月10日生まれ
パート従業員
公的年金加入歴:18歳で就職してからAさんと結婚するまでの10年間(120月)、厚生年金保険に加入。結婚後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
健康保険の被扶養者である。

[長男Cさん(19歳)]
平成11年5月10日生まれ
大学1年生
健康保険の被扶養者である

妻Bさんおよび長男Cさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
家族全員、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問1】
Mさんは、Aさんに対して、公的年金制度の各種取扱い等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「Aさんは、昭和36年4月2日以後の生まれですので、特別支給の老齢厚生年金の支給はなく、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することになります」
「Aさんは、60歳以後、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰上げ支給を請求することができます。仮に、Aさんが62歳0カ月で老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰上げ支給を請求した場合の減額率は12.0%となります」
「国民年金の第3号被保険者である妻Bさんは、国民年金の付加保険料を納付することができます。仮に、付加保険料を60月納付した場合、65歳から受給する老齢基礎年金の額に付加年金として12,000円が上乗せされます」
正解:○、×、×
正しい記述です。男性の場合、昭和36年4月2日以後の生まれであれば、特別支給の老齢厚生年金は支給されません。
公的年金の繰り上げによる減額率は、繰り上げた月数×0.5%です。
62歳から受給を開始する場合、繰り上げた月数は3年(36ヵ月)ですから、減額率は18%となります。
付加保険料を納付する事ができるのは、国民年金の第1号被保険者のみですから、国民年金の第3号被保険者は、付加保険料を納付する事ができません。
【問2】
<設例>の<Aさんとその家族に関する資料>および下記の<資料>に基づき、次の①、②を求め、解答用紙に記入しなさい(計算過程の記載は不要)。なお、年金額は平成30年度価額に基づいて計算し、年金額の端数処理は円未満を四捨五入すること。

原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢基礎年金の年金額
原則として、Aさんが65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額
<資料>
正解:737,088、1,497,165
未納月数が26ヵ月、免除月数は0ヵ月なので、老齢基礎年金の額=779,300円×454/480=737,087.9…円となります。
ⅰ)
a=30万円×7.125/1,000×228=487,350円
b=50万円×5.481/1,000×226=619,353円
より、報酬比例部分の額=487,350円+619,353円=1,106,703円です。
ⅱ)
経過的加算額=1,625円×(228+226)-779,300円×(228+226)/480=737,750-737,088円=662円です。
ⅲ)
Aさんの厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あり、妻Bさんの厚生年金保険の被保険者期間が20年未満である事より、加給年金389,300円が支払われます。
したがって、老齢厚生年金の年金額=1,106,703円+662円+389,300円=1,497,165円となります。
【問3】
Mさんは、Aさんに対して、長男Cさんに係る国民年金の学生納付特例制度(以下、「本制度」という)等について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ヌのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「本制度は、国民年金の第1号被保険者で大学等の所定の学校に在籍する学生について、( ① )の前年所得が一定額以下の場合、被保険者等からの申請に基づき、国民年金保険料の納付を猶予する制度です」
「 本制度の適用を受けた期間の保険料は、( ② )年以内であれば、追納することができます。ただし、本制度の承認を受けた期間の翌年度から起算して、( ③ )年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます」
「長男Cさんが本制度を利用しなかった場合、Aさんは長男Cさんの国民年金保険料を連帯して納付する義務を負います。保険料の納付方法には、納付書による現金納付や口座振替のほかに、クレジットカードによる納付があります。一定期間の保険料を前納することもでき、前納による割引額が最も大きいのは( ④ )による納付になります」
イ.2 ロ.3 ハ.4 ニ.5 
ホ.10 ヘ.15 
ト.学生本人 
チ.学生本人およびその世帯主 
リ.口座振替 ヌ.クレジットカード
正解:ト、ホ、ロ、リ
学生納付特例制度の適用を受けられるか否かは、学生本人のみの所得によって判定されます。
免除や猶予を受けた期間の追納は、10年間遡って行うことができます。
追納を行う場合、2年以内であれば、加算額はありませんが、2年を超えて(=免除や猶予を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に)保険料を追納する場合には、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
前納による割引額が最も大きいのは、口座振替による納付です。
ちなみに、平成31年度の割引額は、口座振替の2年前納で15,760円、現金およびクレジットカードの2年前納で14,520円です。

【問4】~【問6】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
会社員のAさん(50歳)は、同じく会社員の妻Bさん(48歳)との2人暮らしである。Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者から終身介護保険の提案を受けたことを機に、要介護状態になった場合の保障を充実させたいと思うようになった。
そこで、Aさんは、その提案内容について、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

<Aさんが提案を受けた生命保険に関する資料>
保険の種類:終身介護保険(無配当)
月払保険料:10,520円(全額が介護医療保険料控除の対象)
保険料払込期間:終身払込
契約者(=保険料負担者):Aさん
被保険者:Aさん
受取人:Aさん
指定代理請求人:妻Bさん

保険料払込期間は、契約時に有期払込を選択することができる。
公的介護保険制度の要介護2以上と認定された場合、または保険会社所定の要介護状態になった場合に支払われる。
介護一時金が支払われた場合、介護一時金特約は消滅する。
<イメージ図>
<イメージ図>

上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問4】
はじめに、Mさんは、Aさんに対して、公的介護保険(以下、「介護保険」という)について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。

「介護保険の被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の医療保険加入者である第2号被保険者に区分されます。介護保険の被保険者が保険給付を受けるためには、( ① )から要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。第2号被保険者は、要介護状態または要支援状態となった原因が加齢に伴う特定疾病である場合に限り、介護給付または予防給付を受けることができます」
「介護保険の第2号被保険者が保険給付を受けた場合、原則として、実際にかかった費用(食費、居住費等を除く)の( ② )割を自己負担する必要があります。第1号被保険者については、被保険者本人の合計所得金額が( ③ )万円未満、または同一世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額の合計額が一定額(単身世帯280万円、2人以上世帯346万円)未満の場合、自己負担割合は( ② )割となります。なお、平成30年8月1日以後、第1号被保険者本人の合計所得金額が220万円以上、かつ、同一世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額の合計額が一定額(単身世帯340万円、2人以上世帯463万円)以上の場合、自己負担割合を3割とする改正がなされています」
「第2号被保険者に係る介護保険料は、各医療保険者がそれぞれの医療保険各法に基づいて、賦課・徴収します。他方、第1号被保険者に係る介護保険料は、被保険者が公的年金制度から年額( ④ )万円以上の年金を受給している場合には、原則として公的年金から特別徴収されます」
<語句群>
イ.1 ロ.1.5 ハ.2 
ニ.18 ホ.20 へ.25 
ト.103 チ.130 リ.160 
ヌ.都道府県 ル.市町村(特別区を含む)
正解:ル、イ、リ、ニ
介護認定を行うのは、市町村(特別区を含む)です。
介護保険の利用者負担額は、原則として1割です。
介護保険の第1号被保険者は、被保険者本人の合計所得金額が160万円未満、または同一世帯の第1号被保険者の年金収入とその他の合計所得金額の合計額が一定額未満の場合、利用者負担割合は1割となります。
介護保険の第1号被保険者に係る介護保険料は、被保険者が公的年金制度から年額18万円以上の年金を受給している場合には、原則として公的年金から特別徴収されます。
【問5】
次に、Mさんは、《設例》の生命保険の保障内容等について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「保険料払込期間を有期払込にした場合、毎月の保険料負担は減少し、保険料の払込総額は少なくなります。払込期間を有期とすることで、将来の保険料負担の不安を解消することも検討事項の1つとなります」
「Aさんが働けなくなった場合、Aさんの収入が減少するだけでなく、妻Bさんの仕事にも影響を及ぼすことになります。公的介護保険の給付は、主に訪問介護や通所介護(デイサービス)などの現物給付による介護サービスであるため、一定額の介護年金および介護一時金を準備することは検討に値すると思います」
「最近では、保険会社所定の認知症状態や、身体障害者福祉法に連動して保険金が支払われる保険商品もあります。複数(他社)の保険商品の保障内容や保険料水準を確認したうえで、加入される保険を検討することをお勧めします」
正解:×、○、○
保険料払込期間を、終身払込ではなく有期払込にした場合、毎月の保険料負担は増加します。
不適切とは言えません。
適切な記述です。
【問6】
最後に、Mさんは、《設例》の生命保険の課税関係について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、選択肢①において、平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に基づく生命保険料控除を「新制度」、平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に基づく生命保険料控除を「旧制度」とする。

「当該生命保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となります。新制度と旧制度の適用対象となる生命保険契約等が複数あり、新制度と旧制度を併用する場合、生命保険料控除の適用限度額の合計額は、所得税で10万円、住民税で7万円です」
「Aさんが当該生命保険から介護終身年金を受け取った場合、年金額が20万円を超えますので、Aさんは所得税の確定申告をしなければなりません」
「Aさんが当該生命保険から介護一時金を受け取った場合、当該一時金は非課税所得として扱われます」
正解:×、×、○
新制度と旧制度を併用する場合、生命保険料控除の適用限度額の合計額は、所得税で12万円、住民税で7万円です。
被保険者本人が受け取る、身体の傷害に基因して支払われる給付金は非課税です。
したがって、Aさんが当該生命保険から受け取る介護終身年金は、非課税です。
被保険者本人が受け取る、身体の傷害に基因して支払われる給付金は非課税です。
したがって、Aさんが当該生命保険から受け取る介護一時金は、非課税です。

【問7】~【問9】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
Aさん(53歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の代表取締役社長である。Aさんは、現在、従業員および自身の退職金準備の方法について検討している。
そこで、Aさんは、生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Mさんが提案した内容は、以下のとおりである。

<Mさんの提案内容>
Aさんの退職金準備を目的として、逓増定期保険を提案した。
従業員の退職金準備を目的として、中小企業退職金共済制度(X社は加入要件を満たしている)と下記<資料>の生命保険(福利厚生プラン)を提案した。
<資料>
保険の種類:養老保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者:全従業員(33名)
死亡保険金受取人:被保険者の遺族
期保険金受取人:X社
保険期間・保険料払込期間:60歳満期
死亡・高度障害保険金額:500万円(1人当たり)
年払保険料:700万円(33名の合計)
上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
【問7】
仮に、Aさんが役員在任期間(勤続年数)30年3カ月でX社を退任し、X社が役員退職金として5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額を計算した下記の計算式の空欄①~③に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、Aさんは、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<退職所得控除額>
800万円+( ① )万円×(□□□年-20年)=( ② )万円

<退職所得の金額>
(5,000万円-( ② )万円)×□□□=( ③ )万円

正解:70、1,570、1,715
退職所得控除額は、基本的に、800万円+70万円×(勤続年数-20)で、勤続年数の1年未満の端数は切り上げます。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(31-20)=1,570万円となります。
また、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2より、
退職所得=(5,000万円-1,570万円)×1/2=1,715万円となります。
【問8】
Mさんは、Aさんに対して、中小企業退職金共済制度(以下、「中退共」という)について説明した。Mさんが説明した次の記述①~③について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「中退共は、退職金を社外に積み立てる退職金準備の共済制度です。新しく中退共に加入する事業主に対して、掛金月額の4分の1(従業員ごとに上限5,000円)を加入後4カ月目から3年間、国が助成します」
「被共済者(従業員)が中途退職(死亡による退職ではない)したときは、退職金が事業主であるX社を経由せず、従業員本人に直接支給されます」
「X社が中退共に加入後、急な資金需要が発生した場合は、積立金残高の8割を上限に契約者貸付制度を利用することができます」
正解:×、○、×
新しく中退共 に加入する事業主に対しては、加入後4ヵ月目から1年間、国から掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)の助成があります。
正しい記述です。中退共の被共済者(従業員)が中途退職(死亡による退職ではない)した時は、退職金は、事業主を経由せず、勤労者退職金共済機構から従業員本人に直接支給されます。
中退共には小規模企業共済のような貸付制度はありません。
【問9】
Mさんは、Aさんに対して、<設例>の<資料>の福利厚生プランの特徴について説明した。Mさんが説明した次の記述①~④について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

「福利厚生プランは、原則として、被保険者を従業員全員とする等の普遍的加入でなければ、支払保険料の2分の1を福利厚生費として損金の額に算入することはできません」
「役員や部課長など、特定の者のみを被保険者とする加入であれば、支払保険料の全額を被保険者に対する給与として損金の額に算入します。ただし、職種、年齢、勤続年数等に応ずる合理的な基準により、普遍的に設けられた格差であると認められるときは、保険料の2分の1を福利厚生費として認められる可能性があります」
「死亡保険金が被保険者の遺族に支払われた場合、X社は当該契約に係る資産計上額を取り崩し、当該金額を雑損失として損金の額に算入します」
「福利厚生プランを導入する際は、退職金の支給根拠を明確にするため、退職金規程を整えてください。また、当該制度導入後に入社した従業員について加入漏れがないように注意してください」
正解:○、×、○、○
正しい記述です。福利厚生プラン(ハーフタックスプラン)は、従業員の普遍的加入を要件とします。
契約者と満期保険金受取人が法人、死亡保険金受取人が被保険者の遺族という契約形態の養老保険において、役員や部課長など、特定の者のみを被保険者とする加入であれば、支払保険料の半額を資産計上し、残りの半額をを被保険者に対する給与として損金算入します。
正しい記述です。
正しい記述です。

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