お金の寺子屋

FP2級学科解説-2021年9月・問31~40

【問31】
わが国の税制に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 所得税は、国や地方公共団体の会計年度と同様、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間を単位として課される。
2. 贈与税では、納税者が自らの納付すべき税額を確定させ、申告・納付する申告納税方式を採用している。
3. 税金には、国税と地方税があるが、相続税は国税に該当し、登録免許税は地方税に該当する。
4. 税金を負担する者と税金を納める者が異なる税金を間接税といい、固定資産税は間接税に該当する。
正解:
1. 所得税の課税期間は1暦年間(1月1日~12月31日まで)です。
2. 正しい記述です。
3. 相続税と登録免許税は、どちらも国税です。
4. 固定資産税は、(納税者に納付書が送られ、)納税者が自分で税金を支払う直接税です。
【問32】
所得税の納税義務者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいう。
2. 非永住者は、国内源泉所得に限り、所得税の納税義務がある。
3. 非永住者以外の居住者で、日本国籍を有しない者は、国内源泉所得、国外源泉所得のうち国内において支払われたものまたは国外から送金されたものに限り、所得税の納税義務がある。
4. 日本国籍を有する非居住者は、国内源泉所得および国外源泉所得について所得税の納税義務がある。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 非永住者の課税所得の範囲は、国外源泉所得以外の所得及び国外源泉所得で日本国内において支払われ、又は国外から送金されたものです。
3. 非永住者以外の居住者の課税所得の範囲は、所得が生じた場所が日本国の内外を問わず、その全ての所得に対して課税されます。
4. 非居住者は、国内源泉所得に限り課税されます。
タックスアンサーNo.2010」(国税庁ホームページ)
【問33】
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 賃貸用土地および建物の取得者が、当該土地および建物を取得した際に支出した仲介手数料は、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、全額を必要経費に算入することができる。
2. 不動産の貸付けをしたことに伴い敷金の名目により収受する金銭の額のうち、その全部または一部について、その年中に、返還を要しないことが確定した金額は、その年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
3. 借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際し受ける立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。
4. 収入のない専業主婦(夫)が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。
正解:
1. 賃貸用土地および建物の取得者が、当該土地および建物を取得した際に支出した仲介手数料は、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、全額を必要経費に算入することができません(将来当該資産を譲渡した際の取得費となります)。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際し受ける立退き料は、原則として一時所得に該当します(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額は譲渡所得です)。
4. 正しい記述です。金地金を売却したことによる所得は、原則として、譲渡所得となります(営利を目的として継続的に金地金の売買をしている場合は、その実態により事業所得又は雑所得として総合課税の対象になります)。
【問34】
所得税の各種所得の金額の計算上生じた次の損失の金額のうち、他の所得の金額と損益通算できるものはどれか。
1. 生活の用に供していた自家用車を売却したことにより生じた損失の金額
2. 別荘を譲渡したことにより生じた損失の金額
3. 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額
4. 不動産の貸付けが事業的規模でない場合において、その貸付けによる不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額
正解:
1. 生活用資産の譲渡による所得は、譲渡所得の計算上非課税ですから、損失が生じたとしても損益通算の対象にはなりません。
2. 別荘などの、生活に通常必要でない資産の譲渡に係る損失は損益通算の対象外です。
3. 不動産所得の計算上生じた損失は損益通算の対象ですが、このうち、土地取得のための借入金に係る利子相当額については、損益通算の対象外となります。
4. 不動産所得の計算上生じた損失は、その規模を問わず損益通算の対象となります。
【問35】
所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 青色申告者である納税者が、生計を一にする配偶者に支払った青色事業専従者給与が年間100万円である場合、納税者は配偶者控除の適用を受けることができる。
2. 控除対象扶養親族を有する納税者は、その扶養親族が年の途中で死亡した場合であっても、その年分の扶養控除の適用を受けることができる。
3. 収入のない配偶者を有する納税者は、配偶者控除と配偶者特別控除を重複して適用を受けることができる。
4. 障害者ではない納税者が障害者である親族を扶養している場合、納税者は障害者控除の適用を受けることはできない。
正解:
1. 青色事業専従者給与を受け取っている配偶者は、その額にかかわらず、配偶者控除の対象外となります。
2. 正しい記述です。
3. 配偶者控除と配偶者特別控除はその性質上重複して適用を受けることができません。
4. 障害者控除は、納税者もしくは扶養している親族が障害者に該当する場合に適用を受けることができます。

【問36】
所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
1. 住宅ローン控除の対象となる家屋は、納税者がもっぱら居住の用に供する家屋に限られ、店舗併用住宅は対象とならない。
2. 住宅ローン控除の適用を受けるためには、その対象となる家屋を取得等した日から6ヵ月以内に自己の居住の用に供さなければならない。
3. 給与所得者が住宅ローン控除の適用を受けようとする場合、最初の年分については年末調整の対象者であっても確定申告しなければならない。
4. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、転勤等のやむを得ない事由により転居したため、取得した住宅を居住の用に供しなくなった場合、翌年以降に再び当該住宅をその者の居住の用に供すれば、 原則として再入居した年以降の控除期間内については住宅ローン控除の適用を受けることができる。
正解:
1. 店舗併用住宅も、居住用部分について住宅ローン控除の適用を受けることができます。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
4. 正しい記述です。
【問37】
法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 事業年度は、法令または定款等により定められた1年以内の会計期間がある場合はその期間をいう。
2. 法人税法上の法人には、普通法人、公益法人等および人格のない社団等などの種類があり、それぞれの種類について納税義務の有無や課税所得等の範囲が定められている。
3. 法人税の確定申告書は、原則として、各事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
4. 新たに設立された株式会社が、設立第1期から青色申告を行う場合は、設立の日から4ヵ月以内に、「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
4. 新たに設立された株式会社が、設立第1期から青色申告を行う場合は、設立の日から3ヵ月以内に、「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければなりません。
【問38】
法人が納付した次に掲げる税金のうち、法人税の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されるものはどれか。
1. 法人税の本税
2. 法人住民税の本税
3. 法人事業税の本税
4. 法人税を延滞したことにより支払った延滞税
正解:
1. 法人税の本税は、益金から損金を引いた後の所得に対して課税されるものですから、経費性が無いため、損金の額には算入されません。
2. 法人住民税の本税は、経費性が無いため、損金の額には算入されません。
3. 法人事業税の本税は、損金の額に算入されます。
4. 法人税を延滞したことにより支払った延滞税など、罰則の性質をもつものは、損金の額には算入されません。
【問39】
消費税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 消費税の課税期間に係る基準期間は、個人事業者についてはその年の前年をいう。
2. 消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円超の法人は、消費税の免税事業者となることができない。
3. 簡易課税制度を選択することができるのは、消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が1億円以下の事業者である。
4. 消費税の課税事業者である個人は、原則として、消費税の確定申告書をその年の翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
正解:
1. 消費税の課税期間に係る基準期間は、個人事業者についてはその年の前々年をいいます。
2. 正しい記述です。消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円超の法人は、消費税の免税事業者となることができません。
3. 簡易課税制度を選択することができるのは、消費税の課税期間に係る基準期間における課税売上高が5,000万円円以下の事業者です。
4. 個人における消費税の申告期限は、原則として、翌年3月31日までです。
【問40】
決算書に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 損益計算書の売上総利益の額は、売上高の額から販売費及び一般管理費の額を差し引いた額である。
2. 損益計算書の経常利益の額は、営業利益の額に営業外収益・営業外費用の額を加算・減算した額である。
3. 貸借対照表の資産の部の合計額は、負債の部の合計額と一致する。
4. 損益計算書の法人税等の額は、貸借対照表の純資産の額に税率を乗じて算出した額である。
正解:
1. 売上総利益の額=売上高の額から売上原価を差し引いた額である。
2. 正しい記述です。経常利益の額は、営業利益の額に営業外収益・営業外費用の額を加算・減算した額です。
3. 貸借対照表の資産の部の合計額は、負債の部と純資産の部の合計額と一致します。
4. 損益計算書の法人税等の額は、法人税法上の所得(益金から損金を引いたもの)に税率を乗じて算出した額です。

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