FP2級学科解説-2026年5月CBT・問21~30
【問21】
内閣府が公表する景気動向指数等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | 景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。 |
| 2. | 景気動向指数に採用されている系列は、おおむね景気の1つの山または谷が経過するごとに見直しが行われている。 |
| 3. | 経済成長率は、国内総生産(GDP)がどれだけ変化したかを数値で表したものであり、内閣府が四半期および年次のデータを公表している。 |
| 4. | 経済成長率には名目値と実質値があり、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、一般に、実質値が名目値を下回る。 |
| 正解:4 | |
| 1. | 正しい記述です。景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であす。コンCIとDIがあり、CIを中心に公表されます。 |
| 2. | 正しい記述です。景気動向指数に採用されている系列は、おおむね景気の1つの山または谷が経過するごとに見直しが行われています。 |
| 3. | 経済成長率は、当年のGDPから前年のGDPを引いたものを、前年のGDPで割って求めます。 GDPと一緒に、内閣府が四半期および年次のデータを公表しています。 |
| 4. | GDPやGDPを用いて計算される経済成長率は、一般的に、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、名目値が実績値を下回ります。 |
【問22】
銀行等の金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | デリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断によって満期日が繰り上がる商品がある。 |
| 2. | 総合口座において、紙の通帳の代わりにオンライン上で入出金の明細や残高を確認することができるサービスを提供しているのは、ネット専業銀行に限られる。 |
| 3. | 自動積立定期預金は、各指定日に普通預金口座からの口座振替等により、指定金額を預入することができる定期預金である。 |
| 4. | 直近10年以上、入出金等の取引のない普通預金は、休眠預金として預金保険機構に移管され、民間公益活動に活用される。 |
| 正解:2 | |
| 1. | 正しい記述です。デリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断により、満期日が繰り上がるものがあります。 |
| 2. | ネット専業銀行以外の銀行でも、紙の通帳の代わりにオンライン上で入出金の明細や残高を確認することができるサービスを提供しています。 |
| 3. | 正しい記述です。自動積立定期預金は、指定した日に、普通預金口座からの口座振替等により、自動的かつ定期的に指定金額を預け入れることができる定期預金です。 |
| 4. | 正しい記述です。休眠預金とは、10年以上、入出金等の取引がない預金をいいます。休眠預金は、休眠預金等活用法に基づき、民間公益活動に活用されます。 |
【問23】
上場不動産投資信託(J-REIT)の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | J-REITは、投資家から集めた資金を不動産投資法人が不動産等に投資し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託である。 |
| 2. | J-REITは、証券取引所の立会取引において、成行注文や指値注文によって売買を行うことができる。 |
| 3. | J-REITは、一般に、発行体がいつでも買戻しに応じるオープン・エンド型の投資信託として設定されている。 |
| 4. | J-REITの分配金に係る配当所得は、税法上、配当控除の対象とならない。 |
| 正解:3 | |
| 1. | 正しい記述です。J-REITは、不動産を投資対象とする投資信託です。 |
| 2. | 正しい記述です。J-REITは、上場している株式と同様に取引をすることができます(成行注文や指値注文によって売買し、信用取引をすることもできます)。 |
| 3. | J-REITは、クローズドエンド型の投資信託です。 |
| 4. | 正しい記述です。J-REITは、配当可能利益の90%超を分配することにより法人税が免除されています。したがって、J-REITの分配金には法人税と所得税の二重課税の問題がしょうじないため、J-REITの分配金に係る配当所得は、二重課税の問題を緩和する趣旨の制度である配当控除の対象となりません。 |
【問24】
個人向け国債に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
| 1. | 個人向け国債は、最低額面金額である5万円から1万円単位で購入することができる。 |
| 2. | 個人向け国債には、「3年満期」「5年満期」「10年満期」の3種類があり、いずれも毎月発行されている。 |
| 3. | 個人向け国債のうち、「5年満期」と「10年満期」は固定金利型であり、いずれも半年ごとに利払いがある。 |
| 4. | 個人向け国債は、原則として第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、中途換金することができ、その換金金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から換金手数料および中途換金調整額を差し引いた金額となる。 |
| 正解:2 | |
| 1. | 個人向け国債は、最低額面金額である1万円から1万円単位で購入することができる。 |
| 2. | 正しい記述です。個人向け国債には、「3年満期」「5年満期」「10年満期」の3種類があり、いずれも毎月発行されています。 |
| 3. | 個人向け国債のうち、「3年満期」と「5年満期」は固定金利型であり、「10年満期」は変動金利型です。 なお、いずれも半年ごとに利払いがあります。 |
| 4. | 個人向け国債を中途換金した際に受け取る金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から中途換金調整額(直前2回分の各利子(税引後)相当額)を差し引いた金額です。 なお、個人向け国債は、原則として第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、中途換金することができ、換金手数料はかかりません。 |
【問25】
株式の信用取引の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 1. | 信用取引では、売買が成立した後に相場が変動し、その日の終値を基に計算される委託保証金率が、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなければならない。 |
| 2. | 信用取引では、現物株式を所有していない場合、その株式の買建てを行うことはできるが、売建てを行うことはできない。 |
| 3. | 金融商品取引法等によれば、原則として、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上で、かつ、当該信用取引に係る株式の約定価額に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされている。 |
| 4. | 証券取引所の規則等に基づく制度信用取引で始めた取引を、途中で証券会社との契約に基づく一般信用取引に変更することはできない。 |
| 正解:2 | |
| 1. | 正しい記述です。信用取引では、売買が成立した後に相場が変動し、その日の終値を基に計算される委託保証金率が、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなくてはなりません。 |
| 2. | 信用取引では、買いから取引を始める(買い建てる)ことも、売りから取引を始める(売り建てる)ことも可能です。 |
| 3. | 正しい記述です。金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上で、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされています。 |
| 4. | 正しい記述です。一般信用取引の建株を制度信用取引の建株に変更することはできません。また、制度信用取引の建株を一般信用取引の建株に変更することもできません。 |
【問26】
下記の〈X社のデータ〉に基づき算出される投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
| 〈X社のデータ〉 | ||
| 株価 | : | 1,800円 |
| 発行済株式数 | : | 2億株 |
| 売上高 | : | 2,500億円 |
| 営業利益 | : | 180億円 |
| 当期純利益 | : | 120億円 |
| 自己資本(=純資産) | : | 2,000億円 |
| 配当金総額 | : | 36億円 |
| 1. | ROEは、6%である。 |
| 2. | PERは、20倍である。 |
| 3. | PBRは、1.8倍である。 |
| 4. | 配当利回りは、1%である。 |
| 正解:2 | |
| 1. | ROE=当期純利益÷自己資本=120億円÷2,000億円=0.06=6%です。 |
| 2. | PER=株価÷1株当たり当期純利益=1,800円÷(120億円÷2億株)=30倍です。 |
| 3. | PBR=株価÷1株当たり純資産=1,800円÷(2,000億円÷2億株)=1.8倍です。 |
| 4. | 配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100=(36億円÷2億株)÷1,800円×100=0.01=1%です。 |
【問27】
下記の〈条件〉で、円貨を米ドルに交換して米ドル建定期預金に10,000米ドルを預け入れ、満期時に元利金の米ドルを円貨に交換して受け取る場合における利回り(単利・年率)として、最も適切なものはどれか。なお、税金については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
| 〈条件〉 | |
| ・ | 預入期間:1年 |
| ・ | 預金金利:3.00%(年率) |
| ・ | 為替予約なし |
| ・ | 為替レート(米ドル/円) 預入時…TTS:140.00円 TTB:139.00円 満期時…TTS:145.00円 TTB:144.00円 |
| 1. | 5.94% |
| 2. | 6.68% |
| 3. | 6.71% |
| 4. | 7.45% |
| 正解:1 | |
| 円ベースの投資額=10,000米ドル×140円/米ドル=1,400,000円。 満期時の外貨ベースの元利合計額=10,000米ドル×(1+0.03)=10,300米ドル。 満期時の円ベースの受取額=10,300米ドル×144円/米ドル=1,483,200円。 よって、円ベースの利益=1,483,200円-1,400,000=83,200円となります。 利回りは、1年あたりのリターンを投資金額で割って求めますから、1年あたりのリターン=83,200円より、 円ベースの利回り83,200円÷1,400,000円=0.059428…≒5.94%となります。 |
【問28】
下記の〈資料〉に基づくファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスの比較評価に関する次の記述の空欄(ア)(イ)にあてはまる語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。
| 〈資料〉ファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンス | ||
| ファンドA | ファンドB | |
| 実績収益率 の平均値 |
4.6% | 11.0% |
| 実績収益率 の標準偏差 |
1.2% | 4.0% |
ファンドの運用パフォーマンスに係る評価指標の1つとして、シャープレシオがある。
無リスク金利を全期間にわたり1.0%とし、〈資料〉の数値により、ファンドAのシャープレシオの値を算出すると( ア )となる。同様にファンドBのシャープレシオの値を算出したうえで、両ファンドの運用パフォーマンスをシャープレシオで比較した場合、過去5年間は( イ )のほうが効率的に運用されたと判断される。
無リスク金利を全期間にわたり1.0%とし、〈資料〉の数値により、ファンドAのシャープレシオの値を算出すると( ア )となる。同様にファンドBのシャープレシオの値を算出したうえで、両ファンドの運用パフォーマンスをシャープレシオで比較した場合、過去5年間は( イ )のほうが効率的に運用されたと判断される。
| 1. | (ア)3.0 (イ)ファンドA |
| 2. | (ア)3.4 (イ)ファンドA |
| 3. | (ア)3.0 (イ)ファンドB |
| 4. | (ア)3.4 (イ)ファンドB |
| 正解:1 | |
| (ア) | シャープレシオ=(ファンドの収益率-無リスク利子率)÷標準偏差より、ファンドAのシャープレシオは、(4.6%-1.0%)÷1.2%=0.3となります。 |
| (イ) | ファンドBのシャープレシオは、(11.0%-1.0%)÷4.0%=2.5となります。 シャープレシオは、高いほど効率的に運用することができたと判断する指標ですから、ファンドAの方が優れた運用であったと評価することができます。 |
【問29】
上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る所得に対する所得税の課税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定口座のうち、源泉徴収がされない口座を簡易申告口座といい、源泉徴収がされる口座を源泉徴収選択口座という。
| 1. | 上場株式等に係る配当所得について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することはできない。 |
| 2. | 上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。 |
| 3. | 源泉徴収選択口座内における上場株式等の譲渡益と、当該口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得について、いずれかのみを申告することはできない。 |
| 4. | 簡易申告口座では、源泉徴収選択口座とは異なり、その年中における口座内の取引内容が記載された「特定口座年間取引報告書」が作成されないため、投資家自身でその年中の上場株式等に係る譲渡所得等の金額を計算する必要がある。 |
| 正解:1 | |
| 1. | 上場株式に係る譲渡損失と損益通算することができる配当所得は、申告分離課税を選択したものに限ります。 |
| 2. | 上場株式に係る譲渡損失の額は、確定申告をすることにより、最大3年間にわたって繰越控除することができます。 |
| 3. | 源泉徴収選択口座内に受け入れた配当と譲渡益がある場合、いずれかのみを申告することができます。 なお、源泉徴収選択口座内に受け入れた配当と譲渡損がある場合、譲渡損失の申告をするなら、配当も同時に申告しなくてはいけません。 |
| 4. | 簡易申告口座は、源泉徴収なしの特定口座です。特定口座であることには変わりありませんから、源泉徴収選択口座と同じく、「特定口座年間取引報告書」が作成されます(投資家自身でその年中の上場株式等に係る譲渡所得等の金額を計算する必要はありません)。 |
【問30】
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(以下、「金融サービス提供法」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
| 1. | 金融サービス提供法において、金融サービス仲介業者の登録を受けた事業者は、銀行業・金融商品取引業・保険業・貸金業に係る金融サービスのうち、顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする金融サービスを仲介することが認められている。 |
| 2. | 金融サービス提供法では、金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとするときは、原則として、あらかじめ勧誘方針を策定して公表することが義務付けられている。 |
| 3. | 金融サービス提供法では、顧客が金融商品販売業者等の説明義務違反に基づき損害賠償を請求する場合、顧客が払い込んだ元本の総額が損害額と推定される。 |
| 4. | 金融サービス提供法では、金融商品販売業者等は、顧客の属性にかかわらず、すべての顧客に対して公平になるように、同じ方法および程度によって重要事項を説明しなければならないとされている。 |
| 正解:2 | |
| 1. | 金融サービス仲介業者の登録を受けた事業者が仲介できるものは、銀行業・金融商品取引業・保険業・貸金業に係る金融サービスのうち、顧客に対し高度に専門的な説明を必要とする金融サービス除いたものです。 |
| 2. | 金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとする時は、原則として、あらかじめ勧誘方針を策定して公表することが義務付けられています。 |
| 3. | 金融サービス提供法では、顧客が金融商品販売業者等の説明義務違反に基づき損害賠償を請求する場合、顧客が払い込んだ元本の欠損額が損害額と推定されます。 |
| 4. | 金融商品販売業者等による顧客への重要事項の説明は、原則として、顧客の属性に応じて(=当該顧客の知識、経験、財産の状況および当該金融商品の販売に係る契約を締結する目的に照らして)、当該顧客に理解されるために必要な方法および程度によるものでなければならないとされています。 |
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