お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2022年9月・解説のみ

【問1】
正解:イ、ト、ニ
年金法上の「子」とは、18歳到達年度の末日までの子、または、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人を指します。
遺族基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額+子の加算額です。
第3子以降の1人当たりの子の加算額は、第1子・第2子の子の加算額の3分の1です。
【問2】
正解:3/4、444,926、65
遺族厚生年金の額は、基本的に、無くなった人の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額です。
ⓐ250,000円×7.125/1,000×60=106,875円
ⓑ370,000円×5.481/1,000×233=472,517.01円です。
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合に支払われる遺族厚生年金の計算上、被保険者期間は最低300月が保証されますから、遺族厚生年金額は、(106,875円+472,517.01円)×300月/(60月+233月)×3/4=444,925.6…≒444,926円となります。
中高齢寡婦加算を受給する為の配偶者の年齢要件は、40歳以上65歳未満とされています。
【問3】
正解:×、×、○
介護保険の保険給付を受けるためには、市区町村から、要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。
介護保険の第2号被保険者の自己負担割合は、1割です。
正しい記述です。

【問4】
正解:7.93%、7.27%、14.61倍、50.63倍
X社のROE=2,300百万円÷29,000百万円=0.07931…≒7.93%です。
Y社のROE800百万円÷11,000百万円=0.07272…≒7.27%です。
X社のPER=1,600円÷(2,300百万円÷2,100万株)=14.608…≒14.61倍です。
Y社のPER=4,050円÷(800百万円÷1,000万株)=50.625≒50.63倍です。
【問5】
正解:×、○、○
PBR=株価÷1株当たり純資産(=純資産の額÷発行済株式数)です。
X社のPBR=1,600円÷(29,000百万円÷2,100万株)=1.158…≒1.16倍です。
Y社のPBR=4,050円÷(11,000百万円÷1,000万株)=3.681…≒3.68倍です。
よって、PBRはY社の方が高いです。
配当性向=配当金総額額÷当期純利益です。
X社の配当性向=420百万円÷2,300百万円=0.18260…≒18.26%です。
Y社の配当性向=300百万円÷800百万円=0.375≒37.5%です。
よって、配当性向はY社の方が高いです。
自己資本比率=自己資本の額÷資産の総額です。
X社の自己資本比率=29,000百万円÷54,000百万円=0.53703…≒53.70%です。
Y社の自己資本比率=11,000百万円÷18,000百万円=0.61111…≒61.11%です。
よって、自己資本比率はY社の方が高いです。
【問6】
正解:×、×、○
つみたてNISAで上場株式を買い付けることはできません。
一般NISAの非課税投資枠は、年間120万円です。
正しい記述です。

【問7】
正解:ヘ、チ、イ、リ
住宅ローン控除を受けるための床面積の要件は、50㎡以上(合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以上)で、その2分の1以上が専ら自己の居住の用に供するものである事とされています。
住宅ローン控除を受けるための合計所得金額の要件は、2,000万円以下とされています。
既存住宅を取得した場合の控除年数は、10年間です。
既存住宅を取得した場合の住宅ローン控除の額の計算においては、控除の対象となる住宅が、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に該当する場合、計算上のローン残高の上限は3,000万円とされます。
【問8】
正解:×、×、×
給与所得者が住宅ローン控除を受ける場合、最初の年は必ず確定申告をする必要があります。
翌年の住民税から控除することができる住宅ローン控除額は、最高97,500円です。
「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」によって非課税となる贈与財産の価額は、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までです。
【問9】
正解:9,900,000、380,000、136,500

23歳未満の扶養親族を有する給与所得者は、所得金額調整控除の適用を受けることにより、「{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%」の式により計算された金額を給与所得の計算上控除することができます。
よって、給与所得の額=1,200万円-195万円-(1,000万円- 850万円)×10%=9,900,000円となります。

<別解>
公的年金に係る収入がないため、給与収入の額が850万円を超える場合の給与所得控除額と所得金額調整控除の合計は、「収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) ×10%+110万円」の式で計算されますから、210万円となり、1,200万円-210万円=990万円となります。

16歳以上19歳未満の控除対象扶養親族については、一般の控除対象扶養親族として、38万円の控除を受けることができます。
住宅ローン控除の額は、年末のローン残高の0.7%相当額ですから、1,950万円×0.7%=136,500円です。

【問10】
正解:ロ、ニ、チ
1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた建物は、旧耐震基準によって建てられていますから、特例の趣旨(耐震基準を満たして欲しい・取り壊してほしい)より、これを満たす建物が制度の適用対象とされています。
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、マンションなどの区分所有建物登記がされている建物は対象となりません。
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用を受けるための譲渡対価の要件は、1億円以下であることとされています。
【問11】
正解:○、○、○
正しい記述です。建設協力金方式は、予めテナントを見つけてから、当該テナントから建築資金の一部または全部の提供を受け、テナントの意向に沿った賃貸用の建物を建てるスキームです。
正しい記述です。建設協力金方式においては、土地と建物(貸家)の名義は地主ですから、賃貸期間中に地主が死亡した場合、建物は貸家として評価され、土地は貸家建付地として評価されます。
正しい記述です。建設協力金方式においては、土地と建物(貸家)の名義は地主ですから、当該敷地の相続税評価額の計算においては、所定の要件を満たせば、貸付事業用宅地等として小規模宅地の特例の適用を受ける事ができます。
【問12】
正解:480㎡、1,440㎡
特定行政庁が指定する角地は建蔽率が10%緩和されます。
また、準防火地域に準耐火建築物を建てる場合にも建蔽率が10%緩和されます。
よって、甲土地の建蔽率の上限は、80%+10%+10%=100%となりますから、建蔽率の上限となる建築面積は、480㎡×100%=480㎡となります。
前面道路(複数の道路に面している土地については幅員が広い方の道路)の幅員によって定まる容積率の上限は、7m×6/10=4.2(420%)です。
前面道路の幅員が12m未満である場合、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、どちらか小さい方を適用しますから、容積率の上限は、300%となります。
よって、容積率の上限となる延べ床面積は、480㎡×300%=1,440㎡となります。

【問13】
正解:ホ、イ、ヌ、ト
抽象的遺留分の割合は、遺留分算定基礎財産の1/2ですから、長女の具体的遺留分の割合は、1/2×1/4=1/8です。
よって、具体的遺留分の額は、8億円×1/8=1億円となります。
特定同族会社事業用宅地等として小規模宅地の特例の適用を受けた敷地は、400㎡まで相続税評価額が80%減額されます。
よって、7,000万円×(1-80%)=1,400万円となります。
特定居住用宅地等に該当する敷地と特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等に該当する敷地がある場合、調整計算をすることなく、それぞれ限度面積の上限まで小規模宅地の特例の適用を受ける事ができます(最大330㎡;400㎡=730㎡について特例の適用を受ける事ができます)。
特別養子縁組でない縁組をした場合、養子と実の親との親族関係は継続します。
【問14】
正解:×、○、○
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」の適用を受けるための、受贈者の親の合計所得金額の要件はありません。
なお、受贈者の合計所得金額の要件は、1,000万円以下であることとされています。
正しい記述です。「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」と相続時精算課税制度は、併せて適用を受けることができます。
正しい記述です。
【問15】
正解:4,800、5,820、26,240
基礎控除の額=3,000万円+600万円×法定相続人の数=3,000万円+600万円×3=4,800万円です。
課税遺産総額=8億円-4,800万円=7億5,200万円です。
よって、長男Cさんの法定相続分に対応する相続金額は、7億5,200万円×1/4=1億8,800万円となります。
これに対応する相続税額は、1億8,800万円×40%-1,700万円=5,820万円です。
妻Bさんの法定相続分に対応する相続金額は、7億5,200万円×1/2=3億7,600万円です。
これに対応する相続税額は、3億7,600万円×50%-4,200万円=1億4,600万円です。
また、長女Dさんの法定相続分に対応する相続税額は、長男Cさんと同じですから、相続税の総額は、1億4,600万円+5,820万円+5,820万円=2億6,240万円となります。

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