FP2級実技(FP協会)解説-2021年5月・問29~34
【問29】~【問34】は、以下の資料を元に解答してください。
<設例>
荒木健司さんは、民間企業に勤務する会社員である。健司さんと妻の梨花さんは、今後の資産形成や家計の見直しなどについて、FPで税理士でもある福岡さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2021年4月1日現在のものである。
荒木健司さんは、民間企業に勤務する会社員である。健司さんと妻の梨花さんは、今後の資産形成や家計の見直しなどについて、FPで税理士でもある福岡さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2021年4月1日現在のものである。
<家族構成>
[荒木 健司(本人)]
生年月日:1985年10月13日(35歳)
会社員(正社員)
[荒木 梨花(妻)]
生年月日:1986年12月26日(34歳)
会社員(派遣社員)
[荒木 翼(長男)]
生年月日:2015年7月15日(5歳)
保育園児
<収入金額(2020年)>
[健司さん]
給与収入500万円(手取り額)。給与収入以外の収入はない。
[梨花さん]
給与収入400万円(手取り額)。給与収入以外の収入はない。
<自宅>
賃貸マンションに居住しており、家賃は月額9万円(管理費込み)である。
マイホームとして販売価格4,000万円(うち消費税200万円)のマンションを購入する予定である。
賃貸マンションに居住しており、家賃は月額9万円(管理費込み)である。
マイホームとして販売価格4,000万円(うち消費税200万円)のマンションを購入する予定である。
<金融資産(時価)>
[健司さん名義]
銀行預金(普通預金):130万円
銀行預金(定期預金):500万円
[梨花さん名義]
銀行預金(普通預金):50万円
銀行預金(定期預金):400万円
<負債>
健司さんと梨花さんに負債はない。
健司さんと梨花さんに負債はない。
<生命保険等>
[低解約返戻金型終身保険A]
保険金額300万円。保険契約者(保険料負担者)および被保険者は健司さんである。
[団体定期保険B(加入検討中)]
保険金額2,000万円。保険契約者は健司さんの勤務先、保険料負担者および被保険者は健司さんである。
【問29】
荒木さん夫妻は、2021年6月にマンションを購入する予定である。荒木さん夫妻が<設例>のマンションを購入する場合の販売価格のうち、土地(敷地の共有持分)の価格を計算しなさい。なお、消費税の税率は10%とし、計算結果については万円未満を四捨五入すること。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
正解:1,800
土地の売買代金には消費税はかかりませんから、購入金額に含まれる消費税の額は全額建物にかかるものといえます。
よって、建物の代金は、200万円÷10%=2,000万円となります。
ゆえに、土地の代金は、4,000万円-2,000万円-200万円=1,800万円となります。
よって、建物の代金は、200万円÷10%=2,000万円となります。
ゆえに、土地の代金は、4,000万円-2,000万円-200万円=1,800万円となります。
【問30】
健司さんは、勤務先の会社を通じて加入する団体定期保険(任意加入型)について、FPの福岡さんに質問をした。福岡さんが行った団体定期保険(任意加入型)の一般的な説明として、最も不適切なものはどれか。
1. | 「一般に、従業員本人とともにその家族も加入できます。」 |
2. | 「保険料の支払いは、一般に給与天引きとなります。」 |
3. | 「申込みに際しては、会社の健康診断書データの提出が必要です。」 |
4. | 「1年ごとに更新を行うため、契約内容の見直しを毎年行うことができます。」 |
正解:3
1. | 正しい記述です。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 団体定期保険に加入する際は、告知を行う必要がありますが、健康診断書データの提出は不要です。 |
4. | 正しい記述です。 |
【問31】
健司さんと梨花さんはマンション購入に当たり、夫婦での借入れを検討している。夫婦で住宅ローンを借りる場合の主な組み方について、借入希望先の銀行からもらった下記<資料>の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)の適用を受けるための要件はすべて満たしているものとする
<資料>
共働きのご夫婦の住宅ローンの借入方法(単独の場合・収入合算で主債務者を健司さんとする場合・ペアローンの場合の例)
共働きのご夫婦の住宅ローンの借入方法(単独の場合・収入合算で主債務者を健司さんとする場合・ペアローンの場合の例)
※ | ペアローンに加えて、さらに収入合算をつけることはできません。 |
※ | 連帯債務、夫婦連生団体信用生命保険のお取り扱いはありません。 |
※ | 住宅ローン控除の適用条件や控除額など、制度についての詳細は国税庁ホームページなどでご確認ください。 |
1. | (ア)健司さん (イ)健司さん・梨花さん (ウ)健司さん・梨花さん |
2. | (ア)健司さん (イ)健司さん (ウ)健司さん・梨花さん |
3. | (ア)梨花さん (イ)健司さん・梨花さん (ウ)健司さん |
4. | (ア)梨花さん (イ)健司さん (ウ)健司さん |
正解:4
(ア) | ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になる方法です。よって、返済義務を負うのは契約者です。 |
(イ) | 団体信用生命保険(夫婦連星団信を除く)の加入者は、ローンの契約者です。 |
(ウ) | 住宅ローン控除を受けることができるのは、ローンの契約者です。 |
【問32】
健司さんは、生命保険の解約返戻金について、FPの福岡さんに質問をした。福岡さんが生命保険の解約返戻金相当額について説明する際に使用した下記のイメージ図のうち、一般的な低解約返戻金型終身保険の解約返戻金相当額の推移に係る図として、最も適切なものはどれか。
正解:1
低解約返戻型終身保険の解約返戻金は、他の条件が同じで低解約返戻型でない終身保険の解約返戻金と比較して、保険料払込期間が満了するまでは少ないですが、払込期間満了後は同水準となります。
【問33】
梨花さんは、第二子の出産に備えて、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に基づく育児休業等期間中の社会保険料の免除について、FPの福岡さんに質問をした。育児休業等期間中の社会保険料の免除に関する次の説明の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして適切なものはどれか。なお、梨花さんは、現在の会社に就職してから継続して全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)および厚生年金保険の被保険者である。
「育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等期間に係る健康保険・厚生年金保険の保険料は、( ア )が育児休業等取得者申出書を日本年金機構(事務センターまたは年金事務所)へ提出することにより、( イ )が免除されます。
保険料の免除期間は、育児休業等を開始した日の属する月から、育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までとなります。なお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、( ウ )として扱われます。」
保険料の免除期間は、育児休業等を開始した日の属する月から、育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までとなります。なお、この免除期間は、将来、被保険者の年金額を計算する際は、( ウ )として扱われます。」
1. | (ア)被保険者 (イ)被保険者・事業主の両方の負担分 (ウ)保険料の未納期間 |
2. | (ア)被保険者 (イ)被保険者の負担分 (ウ)保険料を納めた期間 |
3. | (ア)事業主 (イ)被保険者の負担分 (ウ)保険料の未納期間 |
4. | (ア)事業主 (イ)被保険者・事業主の両方の負担分 (ウ)保険料を納めた期間 |
正解:4
(ア) | 育児休業期間に係る健康保険料と厚生年金保険の保険料の免除申請は、事業主が行います。 |
(イ) | 育児休業期間に係る健康保険料と厚生年金保険の保険料は、 所定の手続きをすると、被保険者負担分と事業主負担分の両方が免除されます。 |
(ウ) | 公的年金の年金額の計算上、育児休業期間中に免除を受けた期間は、保険料納付済期間として扱われます。 |
【問34】
梨花さんは、健司さんが万一死亡した場合の公的年金の遺族給付について、FPの福岡さんに質問をした。健司さんが仮に、在職中の2021年5月に35歳で死亡した場合、健司さんの死亡時点において梨花さんが受け取ることができる遺族給付に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)に入る適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、健司さんは、大学を卒業し22歳で現在の会社に就職してから死亡時まで継続して厚生年金保険に加入しているものとする。また、家族に障害者に該当する者はなく、記載以外の遺族給付の受給要件はすべて満たしているものとする。
「健司さんが2021年5月に死亡した場合、梨花さんには遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。梨花さんに支給される遺族基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額に相当する額に翼さんを対象とする子の加算額を加えた額です。また、遺族厚生年金の額は、原則として死亡した者の被保険者期間に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分相当額の( ア )に相当する額ですが、梨花さんに支給される遺族厚生年金は短期要件に該当するものであるため、健司さんの被保険者期間が( イ )に満たない場合は( イ )として計算されます。なお、翼さんが( ウ )到達年度の末日(3月31日)を経過すると梨花さんの遺族基礎年金は失権しますが、このとき梨花さんは40歳以上であるため、以後の遺族厚生年金に梨花さんが65歳に達するまでの間、中高齢寡婦加算額が加算されます。」
<語句群>
1.2分の1 2.3分の2
3.4分の3 4.240月
5.300月 6.360月
7.16歳 8.18歳 9.20歳
1.2分の1 2.3分の2
3.4分の3 4.240月
5.300月 6.360月
7.16歳 8.18歳 9.20歳
正解:3、5、8
(ア) | 遺族厚生年金の額は、死亡した人の被保険者期間に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の 4分の3相当額です。 |
(イ) | 厚生年金保険の被保険者が死亡した場合等に支給される遺族厚生年金は、その計算上、被保険者期間が300ヵ月が最低保証されます。 |
(ウ) | 遺族基礎年金の受給権者は、国民年金の被保険者に生計を維持されていた子または子のある配偶者ですが、年金のルールにおいては、子とは、基本的に、18歳到達年度の末日を経過していない子供を指します。 |
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