お金の寺子屋

投資信託の基準価額

いつも当サイトをご利用頂きましてありがとうございます。

運営チーム代表の東条です。

前回、投資信託の信託財産留保額の記事を書いたところ、割と反応が良かったので、もう一本、投資信託についてのよくある誤解についての記事を書こうかなと思いました。

今回のテーマは、基準価額です。

FPの知識や投資の経験がある人に対して基準価額とは何ですかと質問すると投資信託の時価ですと答えて頂けます。

これは、100点満点、大正解です。

では、日経平均株価に連動するように設計された、基準価額が10,000円の投資信託Aと、基準価額が20,000円の投資信託Bがあったとすると、投資信託Aの基準価額が11,000円になった時、投資信託Bの基準価額は何円になるでしょうか?

答えは、22,000円。

実はこれ、意外と正解できる方が少ないんです。

でも、理由は単純で、どちらも日経平均株価に連動するように設計されているという事は、投資対象とその比率が同じで、数量だけが違うという事を意味しますから、投資信託Aが10%値上がりすると、投資信託Bも10%値上がりするので、20,000円×1.1=22,000円になる、という理屈です。

別に、この問題が解けるかどうか自体は、さほど重要ではありません。

しかし、解けなかった場合でも、次の事はきちんと押さえておいてください。

それは、「投資信託の基準価額を購入時の判断基準にしてはいけない」という事です。

時々、「基準価額が9,000円の投資信託が安くて、基準価額が15,000円の投資信託は手が出せない」みたいな事を言う人が居ますが、全くナンセンスです。

基準価額は、投資信託が設定されたときに、1万口=10,000円でスタートしますから、現在の基準価額は、投資信託の設定時に比べてどのくらい増減したかを表しているに過ぎません。

つまり、投資信託の基準価額からは、その投資信託が割高なのか割安なのかが分からないという事です。

それなら、「どういう投資信が割安なんですか?」と聞かれそうですが、投資信託には、PERやPBRのような指標はありません。

しいて言うなら、バリュー投資型の投資信託は、ファンドマネージャーが割安と考えるものに投資していますし、グロース型の投資信託は、PERやPBRで見れば割高な水準のものが多く含まれています。

どれが正解かなんてわかりませんから、信託報酬や販売手数料が安いものを選んでみるのが良いのではないかと思いますが、割と自信を持って言えるのは、「テーマ型ファンドは大抵割高」という事です。

最近では「AI関連」、オリンピックが決まった時には「オリンピック関連」、ノーベル賞受賞のニュースがあると「バイオ関連」など、世の中で話題になっているテーマに関連する銘柄に投資するタイプの投資信託は、もしかしたら、短期売買には向くかもしれません。

しかし、投資信託が設計された頃には既に割高となっている傾向が強いですし、長期で考えた場合に、わざわざ投資対象を絞る(他に良い銘柄があっても投資できない)のは、賢い運用方法とは言えません。

毎月分配型のテーマ型ファンドで、基準価額が9,000円台なので割安だと思ったら、主要な投資対象が上場来高値をつけている(基準価額が10,000円を割っているのは分配金のせい)なんてケースもありますから、基準価額を購入時の判断基準にしないようにしてくださいね。

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