お金の寺子屋

計算問題(FP2) 10種類の所得1(不動産所得・事業所得・譲渡所得)

【問1】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
東条さんが保有する賃貸マンションに係る2021年分の収入および支出等が下記<資料>のとおりである場合、2021年分の所得税に係る不動産所得の金額を計算しなさい。なお、<資料>以外の収入および支出等はないものとし、青色申告特別控除は考慮しないこととする。

<資料:2021年分の賃貸マンションに係る収入および支出等>
[賃料収入(総収入金額)]
148万円

[支出]
管理業務委託費:月額賃料の5%
銀行へのローン返済金額:70万円(元金50万円、利息20万円)
管理費等:15万円
共益費:85,000円
火災保険料:15,000円
固定資産税:135,000円
修繕費:6万円

[減価償却費]
25万円

支出等のうち必要経費となるものは、すべて2021年分の所得に係る必要経費に該当するものとする。
正解:511,000円
不動産所得=総収入金額-必要経費(*青色申告特別控除を考慮しない場合)です。
資料より、収入金額は、148万円です。
また、支出と減価償却費については、借入金の元本返済額以外はすべて必要経費になります(土地取得に係る借入金の利子も必要経費になります)から、必要経費は、148万円×0.05+20万円+15万円+85,000円+15,000円+135,000円+6万円+25万円=969,000円です。
よって、不動産所得=1,480,000円-969,000円=511,000円となります。


【問2】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
東条さんは個人で飲食店を営む自営業者(青色申告者)である。2021年分の東条さんの飲食店の財務データが下記<資料>のとおりである場合、東条さんの2021年分の所得税における事業所得の金額を計算しなさい。

<資料>
(1) 売上(収入)金額:1,740万円
(2) 売上原価:630万円
(3) 必要経費:390万円
(4) 青色事業専従者給与:180万円

青色事業専従者給与は東条さんの妻に対して支払われたものであり、この金額は、(3)の必要経費には含まれていない。
東条さんは、青色申告特別控除65万円の控除要件を満たしている。
<計算式>
事業所得の金額=売上(収入)金額-売上原価-必要経費-青色事業専従者給与-青色申告特別控除
正解:475万円
事業所得の金額=1,740万円-630万円-390万円-180万円-65万円=475万円となります。

【問3】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
個人事業主の東条さんは、2021年7月1日にトラック(新車)を購入したが、営業開始が遅延し、同年9月25日から事業の用に供している。東条さんのこのトラックの2021年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額はいくらか。なお、トラックの取得価額は600万円、耐用年数は5年とする。また、東条さんは個人事業を開業して以来、車両についての減価償却方法を選択したことはない。

<償却率(法定耐用年数5年)>
定額法:0.200
定率法:0.400
正解:400,000円
減価償却費の額は、「取得価額×償却率×供用月数/12」という式で求めることができます。
また、個人事業主の事業所得の計算上、減価償却費の計算方法は、定率法を選択しない限り定額法となること、減価償却費として費用計上することができるのは、業務の用に供した期間に対応する期間分だけであることより、減価償却費は、600万円×0.200×4/12=400,000円となります。

【問4】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
海洋散骨業を営む個人事業主の東条さんは、2020年7月に乗用車(新車)を購入し、その日から2021年12月まで引き続き事業の用に供している。購入した乗用車に関する内容が以下のとおりである場合、東条さんの2021年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減価償却費の金額はいくらか。なお、東条さんは個人事業の開業年(2014年)において、車両の減価償却方法として定率法を選択している。また、償却保証額は考慮しないこととし、計算過程および計算結果において、円未満の端数が生じたときは、これを切り上げることとする。

<乗用車に関する内容>
取得年月:2020年7月
法定耐用年数:6年
取得価額:400万円
事業専用割合:100%
<償却率(法定耐用年数6年)>
定額法:0.167
定率法:0.333
正解:1,110,222円
2020年の減価償却費=400万円×0.333×1/2=666,000円です。
よって、2021年1月1日時点の車両の未償却残高は、400万円-666,000円=3,334,000円ですから、2021年の減価償却費は、3,334,000円×0.333=1,110,222円となります。
【問5】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
Aさんは、相続によって5年前に取得し、現在居住している自宅マンションを譲渡する予定です。譲渡に係る状況が下記<資料>の通りである場合、所得税における課税長期譲渡所得の金額を計算してください。なお、<資料>に記載のない条件については一切考慮しないこととします。

取得費(合計):不明
譲渡価額(合計):6,000万円
譲渡費用(合計):200万円
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。
【答5】
2,500万円
譲渡所得の金額=収入金額-(取得価格+譲渡費用)-特別控除額です。
なお、取得価格が不明である時は、収入金額の5%とする事ができますから、取得費は、6,000万円×5%=300万円となります。
よって、譲渡所得の金額=6,000万円-(300万円+200万円)-3,000万円=2,500万円となります。
【問6】学科/FP協会/金財(個人)/金財(保険)
Aさんは、相続によって5年前に取得した投資用マンションを譲渡する予定です。譲渡に係る状況が下記<資料>の通りである場合、課税長期譲渡所得に係る所得税と住民税の合計金額(復興特別所得税は除きます)を計算してください。なお、<資料>に記載のない条件については一切考慮しないこととします。

取得費(合計):4,000万円
譲渡価額(合計):6,000万円
譲渡費用(合計):200万円
【答6】
360万円
譲渡所得の金額=収入金額-(取得価格+譲渡費用)=6,000万円-(4,000万円+200万円)=1,800万円となります。
不動産の譲渡に係る課税長期譲渡所得には、20%(所得税15%、住民税5%)の税金がかかりますから、税額は、1,800万円×20%=360万円となります。

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