お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2025年1月・問1~10

【問1】
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)は、ファイナンシャル・プランニング業務を行ううえで関連業法等を順守することが重要である。FPの行為に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。

(ア) 社会保険労務士の登録を受けていないFPが、顧客に対して「ねんきんネット」の説明と「ねんきんネット」を使用した顧客の年金見込額の試算を行い、顧客から報酬を受け取った。
(イ) 税理士の登録を受けていないFPが、自治体主催の無料相談会において、相談者からの依頼に基づき、無償で確定申告書の作成を代行した。
(ウ) 弁護士の登録を受けていないFP(遺言者や公証人と利害関係はない成年者)が、顧客から依頼されて公正証書遺言の証人となり、顧客から適正な報酬を受け取った。
(エ) 生命保険募集人、保険仲立人または金融サービス仲介業の登録を受けていないFPが、保険募集を目的として提携している保険代理店の取り扱っている生命保険の商品説明を相談者に行い、保険の加入を促した。
正解:○、×、○、×
(ア) 年金の受給見込み額の計算は、個別具体的な計算であっても、有償・無償を問わず行うことが可能です。
(イ) 確定申告書のような税務書類の作成の代理は、税理士の登録を受けている人しかすることができません。
(ウ) 公正証書遺言の証人となるために保有しておかなくてはならない資格はありません。
(エ) 生命保険募集人、保険仲立人または金融サービス仲介業の登録を受けていない人は、保険の募集・勧誘・販売をすることができません。
【問2】
「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」および著作権法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1. 個人情報保護法において、個人情報取扱事業者のパソコンが、ランサムウェアにより個人データが暗号化され復元できなくなった場合であっても、個人データが漏えいしたことが明らかでなければ個人情報保護委員会への報告義務はない。
2. 個人情報保護法において、個人情報取扱事業者が顧客に配信しているメールマガジンの設定を誤り、BCC欄に入力すべき300件の特定の個人を識別することができるメールアドレスをすべてCC欄に入力して一括送信してしまった場合であっても、個人情報保護委員会への報告義務はない。
3. 著作権法において、自身が紹介された新聞紙面の記事をコピーし、不特定多数の参加者向けの講演会資料として配布する場合、当該新聞社の許諾を得る必要はない。
4. 著作権法において、公表された他人の著作物を自分の著作物に引用する場合、出典や著作者名を明記したときは、引用部分を明確に区別する必要はない。
正解:
1. 個人データの漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがあるときは、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知を行う必要があります。
具体的には、①要配慮個人情報が含まれる事態、②財産的被害が生じるおそれがある事態、③不正の目的をもって行われた漏えい等が発生した事態、④1,000人を超える漏えい等が発生した事態が該当します。
ランサムウェアにより個人データが暗号化され復元できなくなった場合は、③などに該当しますから、個人情報保護委員会への報告義務が生じます。
2. 正しい記述です。個人データの漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがあるときは、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知を行う必要があります。
具体的には、①要配慮個人情報が含まれる事態、②財産的被害が生じるおそれがある事態、③不正の目的をもって行われた漏えい等が発生した事態、④1,000人を超える漏えい等が発生した事態が該当します。
本問のケースでは、①~④のいずれにも該当しないため、個人情報保護委員会への報告義務はありません。
3. 新聞紙面は新聞社の著作物ですから、不特定多数の参加者向けの講演会資料として配布する場合、当該新聞社の許諾を得る必要があります。
4. 著作権法において、公表された他人の著作物を自分の著作物に引用する場合、出典や著作者名を明記し、引用部分を明確に区別する必要があります。
【問3】
青山さんは、2019年7月に購入し、特定口座(源泉徴収選択口座)で保有している国内公募追加型株式投資信託PAファンドの売却を検討している。下記<資料>に基づき、PAファンドを一部解約した場合の譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、計算過程および解答に当たっては、円未満の端数が生じた場合には、円未満の端数を切り捨てること。

1. 65,036円
2. 81,295円
3. 82,011円
4. 91,500円
正解:

[10,780×(1-0.001)-{8,950円×(1+0.02×1.08)}]/1万口×50万口=81,295円となります。

<別解1>
譲渡所得=(売却単価-購入単価)×取引数量-譲渡費用です。
売却単価は、1万口あたり、10,780円から0.001%の信託財産留保額を控除して、10,780×(1-0.001)=10,769.22円となります。
購入単価は、2%の手数料に8%の消費税が加算されますから、基準価額に2%+2%×0.08=2.16%の手数料(税込)が加算され、1万口あたり、8,950円×(1+0.0216)=9,143.32円となります。
なお、譲渡費用はありません。
よって、譲渡所得=(10,769.22円-9,143.32円)/1万口×50万口=81,295円となります。

<別解2>
100万口の購入に要した費用は、(8,950円/1万口×100万口)×(1+0.02×1.08)=914,332円ですから、50万口の購入に要した費用は、914,332円×50/100=457,166円です。
50万口を売却した際に得られた金額は、10,780×(1-0.001)/1万口×50万口=538,461円です。
よって、譲渡所得=538,461円-457,166円=81,295円となります。

【問4】
松尾さんは、保有しているTC投資信託(国内公募追加型株式投資信託)の収益分配金を2024年10月に受け取った。TC投資信託の運用状況が下記<資料>のとおりである場合、普通分配金と収益分配後の個別元本の組み合わせとして、正しいものはどれか。

1. 普通分配金:130円 収益分配後の個別元本:18,320円
2. 普通分配金:220円 収益分配後の個別元本:18,410円
3. 普通分配金:350円 収益分配後の個別元本:18,190円
4. 普通分配金:350円 収益分配後の個別元本:18,320円
正解:
支払われた分配金350円のうち、収益分配前の個別元本を上回る部分(普通分配金の額)は、収益分配前の基準価額-収益分配前の個別元本=18,670円-18,540円=130円です。
よって、特別分配金(元本払戻金)の額は、350円-130円=220円となります。
収益分配後の個別元本=収益分配前の個別元本-特別分配金の額=18,540円-220円=18,320円となります。
【問5】
下記<資料>に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、計算結果については小数点以下第3位を四捨五入すること。

1. (ア) 3.26 (イ) 1.17
2. (ア) 3.26 (イ)11.24
3. (ア)36.63 (イ) 1.17
4. (ア)36.63 (イ)11.24
正解:
(ア) 配当性向(%)=1株当たり年間配当金÷1株当たり当期純利益×100=163円÷445円×100=36.629…%≒36.63%です。
(イ) PER=株価÷1株当たり当期純利益=5,000円÷445円=11.235…倍≒11.24倍です。

【問6】
個人向け国債に関する下表の空欄(ア)~(エ)にあてはまる適切な語句または数値を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、同じ番号を何度選んでもよいものとする。
正解:2,6,7,1
(ア) 個人向け国債の利払いは年2回行われます。
(イ) 10年物の個人向け国債の金利は、「基準金利×0.66」の算式で計算され、0.05%の最低保証があります。
(ウ) 個人向け国債を中途換金する場合、原則として、額面金額から直前2回分の税引後利息相当額が差し引かれた金額を受け取ります。
(エ) 個人向け国債は、全ての種類が毎月発行されています。
【問7】
建築基準法に従い、下記<資料>の土地に建築物を建てる場合の延べ面積(床面積の合計)の最高限度を計算しなさい。なお、記載のない事項は一切考慮しないものとする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
正解:300(㎡)

前面道路(敷地が複数の道路に面している場合は幅員の大きい方の道路)の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率=5×4/10=2=200%ですから、容積率の上限は、200%となります。
よって、容積率の上限となる延床面積は、150㎡×200%=300㎡です。

【問8】
下記<資料>は、大地さんが購入を検討している投資用マンションの概要である。この物件の表面利回り(年利)と実質利回り(年利)の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとし、計算結果については小数点以下第3位を四捨五入すること。

1. 表面利回り(年利):3.75% 実質利回り(年利):3.44%
2. 表面利回り(年利):3.75% 実質利回り(年利):3.69%
3. 表面利回り(年利):5.25% 実質利回り(年利):3.44%
4. 表面利回り(年利):5.25% 実質利回り(年利):3.69%
正解:

年間の収入は、70,000円/月×12月=84万円です。
また、年間の支出は、17,000円/月×12月+3,000/月×12月+10,000円+40,000円=29万円です。

よって、表面利回り(%)=年間収入÷投資金額×100=84万円÷1,600万円×100=5.25%となります。

また、実質利回り(%)=年間純利益÷投資金額×100=(84万円-29万円)÷1,600万円×100=3.4375%≒3.44%となります。

【問9】
佐久間さん夫妻は、2025年3月にマイホームとして販売価格6,980万円(うち消費税380万円)のマンションを購入する予定である。このマンションの販売価格のうち、土地(敷地の共有持分)の価格を計算しなさい。なお、消費税の税率は10%とし、計算結果については万円未満の端数が生じた場合は四捨五入すること。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
正解:2,800(万円)

土地の売買代金には消費税はかかりませんから、購入金額に含まれる消費税の額は全額建物にかかるものといえます。
よって、建物の代金(税抜)は、380万円÷10%=3,800万円と推定されます。
ゆえに、土地の代金は、6,980万円-3,800万円-380万円=2,800万円となります。

【問10】
長岡さんは、居住している自宅マンションを売却する予定である。売却に係る状況が下記<資料>のとおりである場合、所得税に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値および語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。

1. (ア)150 (イ)短期
2. (ア)450 (イ)短期
3. (ア)150 (イ)長期
4. (ア)450 (イ)長期
正解:
(ア) 譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除額=8,500万円-5,050万円-300万円-3,000万円=150万円となります。
(イ) 不動産を売却した際の譲渡所得は、取得日から売却した日が属する年の1月1日までの期間が5年以下である場合、短期譲渡所得に区分されます。

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