お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2024年9月・解説のみ(前半)

【問1】
正解:×、×、○、×
(ア) 弁護士の登録を受けていない人は、報酬を得る目的で、法律相談や法律事務を行ってはいけません。
(イ) 投資助言・代理業の登録を受けていない人は、顧客と投資顧問契約を締結して具体的な助言を行ってはいけません。
(ウ) 一般的な税法の説明や、仮定の事例を用いた税額の計算方法の解説は、有償無償を問わず、誰でもすることができます。
(エ) 社会保険関係の書類の作成や手続きの代行は、社会保険労務士の登録を受けていない人が行ってはいけません。
【問2】
正解:
1. 正しい記述です。
2. 消費者契約の取消権は、基本的に、追認することができる時(誤認していたことに気付いた時や困惑の状態を脱した時など)から、1年間行使しない場合、または、当該消費者契約の締結時から5年を経過した場合は、時効により消滅します。
3. 事業者の軽過失により生じた事業者の責任の一部を免除する条項については、軽過失の場合にのみ適用されることを明記する表現にしなければ、その条項が無効になります。
「法令に反しない限り、5万円を上限として賠償する」という表現は、法律的には、「軽過失の場合は、5万円を上限として賠償する」という意味として解釈されますが、法律に詳しくない消費者が正しく解釈できず権利行使を思いとどまってしまう可能性があることから、事業者の軽過失により生じた事業者の責任の一部を免除する条項については、軽過失の場合にのみ適用されること(故意または重大な過失を除いて免除される旨)を明記する表現にしなければ、その条項が無効になります。
4. 消費者の解除権を放棄させる条項は、無効になります。
【問3】
正解:
(ア) 新規募集時(1口=1円の時)に100万口購入すると、購入金額は100万円となります。
資料より、購入金額が1,000万円未満の場合、適用される手数料率は3.30%ですから、支払った購入時手数料は、100万円×3.30%=33,000円となります。
(イ) 収益分配前の基準価額が10,000円、収益分配後の基準価額が9,000円ですから、分配金1,000円のうち、個別元本(9,200円)を上回る部分(普通分配金)は800円です。
【問4】
正解:
1. 正しい記述です。
安藤さんの平均購入単価=80,000円×5÷(22+20.6+25.4+22.3+21.9)=3,565.06…円です。
井川さんの平均購入単価=(79,860+85,360+69,300+78,760+80,300)円÷(22×5)=3,578円です。
2. 保有株式を指値注文で売却するためには、単元株数以上の株式(100株以上の株式)を保有しておかなくてはなりません。
2024年3月時点で、安藤さん、井川さん共に、保有株数が100株に満たないため、2人とも保有株式を指値注文で売却することはできません。
3. 正しい記述です。2024年3月時点で、安藤さん、井川さん共に、保有株数が100株に満たないですが、単元未満の株式についても、配当金は支払われます。
4. 正しい記述です。議決権は、単元株数ごとに与えられますから、2024年3月時点で保有株数が100株に満たない安藤さんと井川さんは、2人とも2024年に開催される定時株主総会の議決権を持ちません。
【問5】
正解:1,445,800(円)
ゼロクーポン債ですから、米ドルベースの取引に着目すれば、9,000米ドルで債券を買い、利息は支払われず、満期時に10,000米ドルを受け取っています。
購入時の円ベースの金額は、9,000米ドル×141円/米ドル(TTS)=1,269,000円です。
また、償還時の円ベースの金額は、10,000米ドル×149円/米ドル(TTB)=1,490,000円です。
よって、円ベースの利益は、1,490,000円-1,269,000円=221,000円ですから、源泉徴収される税金は、221,000円×20%=44,200円となります。
したがって、償還時の償還金額の円貨受取額は、1,490,000円-44,200円=1,445,800円となります。

【問6】
正解:5、9、6、2
(ア) 財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄の契約は、満55歳未満の人でなければすることができません。
(イ) 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の非課税限度額は、合算で550万円まで(貯蓄型は元利合計、保険型は払込保険料ベース)です。
(ウ) 財形年金貯蓄の受取開始は、満60歳以降です。なお、積み立て終了から年金受け取り開始まで、5年以内の据え置き期間を設定することができます。
(エ) >財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄の目的外の払い出しを行った場合、貯蓄型については、過去5年間に支払われた利息について遡及課税されます。
【問7】
正解:130

建築物の敷地が2つの異なる用途地域にまたがる場合、その敷地の建蔽率の上限は、各用途地域の建蔽率をそれぞれの敷地に占める面積の割合で加重平均した値となります。
よって、建蔽率の上限は、60%×150㎡/200㎡+80%×50㎡/200㎡=65%となります。
したがって、建築面積の最高限度は、200㎡×65%=130㎡となります。

<別解>
準住居地域部分の建築面積の最高限度は、150㎡×6/10=90㎡、近隣商業地域部分の建築面積の最高限度は、50㎡×8/10=40㎡ですから、この敷地の建築面積の最高限度は、90㎡+40㎡=130㎡となります。
(全体で130㎡以下であれば、準住居地域部分の建築面積が90㎡を超えたり、近隣商業地域部分の建築面積が40㎡を越えたりしても構いません。)

【問8】
正解:3、4、6、9
(ア) 固定資産税の課税主体は、市町村(東京23区は都)です。
(イ) 固定資産税は、毎年1月1日現在において、課税対象となる固定資産の所有者に対して課されます。
(ウ) 固定資産税の小規模住宅用地の特例の適用を受けると、200㎡までに係る課税標準が6分の1になります。
(エ) 同上
【問9】
正解:
1. 正しい記述です。3,000万円特別控除の特例の適用を受けるためには、居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに譲渡する等の要件を満たさなくてはなりません。
2. 3,000万円特別控除の特例の適用を受けるための合計所得金額の要件はありません。
3. 正しい記述です。3,000万円特別控除の特例の適用を受けるためには、売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと等の要件を満たさなくてはなりません。
4. 正しい記述です。3,000万円特別控除の特例の適用を受けるためには、売った年、その前年および前々年に、3,000万円特別控除の特例の適用や軽減税率の特例など、一定の特例の適用を受けていないことが要件とされています。
【問10】
正解:2、4、6、1
(ア) 定期借家契約は、書面または電磁的記録により締結しなくてはなりません。
(イ) 普通借家契約において、賃貸人が契約の更新を拒むためには、正当事由が必要とされます。
ちなみに、賃借人が更新を拒む場合、正当事由は不要です。
(ウ) 普通借家契約において、1年未満の契約期間を設定した場合、期間の定めのない契約とみなされます。
(エ) 定期借家契約は、自由に契約期間を設定することができます。

【問11】
正解:
(ア) 実質利回り=年間の純収益(収入総額-支出総額)÷投資金額です。
年間の収入総額=140,000円×12=1,680,000円です。
年間の支出総額=(23,000円+140,000円×0.05)×12+130,000円=490,000円です。
よって、実質利回り=(1,680,000円-490,000円)÷2,800万円=0.0425=4.25%となります。
(イ) 不動産所得の金額の計算上、ローン返済額のうち、利息部分は必要経費になります。
ちなみに、土地取得のための借入金の利子も、必要経費になります。
(ウ) 不動産所得の金額の計算上、ローン返済額のうち、元金部分は必要経費になりません。
【問12】
正解:3,840(万円)、170(万円)、424(万円)
(ア) 2027年12月10日は、契約予定日(2024年10月1日)から3年超経過しているため、収入保障保険から支払われる年金の受取総額は、120万円×(35-3)=3,840万円となります。
なお、これ以外に支払われる保険金や給付金はありません。
(イ) 特定疾病保険金100万円+入院給付金1万円×60+手術給付金10万円=170万円です。
(ウ) 特定疾病保険金100万円+入院給付金1万円×7+先進医療給付金317万円=424万円です。
【問13】
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。保険会社が支払う金額に影響がないため、指定代理請求特約の保険料は無料とされています。
3. 指定代理請求人は保険期間の途中で変更することができます。指定代理請求人との関係が変わったり、指定代理請求人が死亡する場合があるからです。
4. 正しい記述です。
【問14】
正解:
1. 資料を見ると、スマートフォンは、携行品損害保険の補償の対象外とされています。
2. 資料を見ると、「携行品」とは、被保険者の居住の用に供される保険証券記載の住宅外において、被保険者が携行している被保険者所有の身の回り品をいうとありますから、自宅での動産の損害は補償されません。
3. 正しい記述です。
4. 資料を見ると、被保険者の職務遂行に直接起因する損害賠償責任は、個人賠償責任保険の補償の対象外とされています。
【問15】
正解:2、4、6、7
(ア) 死亡保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数=500万円×3=1,500万円となります。
(イ) リビング・ニーズ特約により被保険者が受け取る保険金は非課税です。
(ウ) 保険契約者(=保険料負担者)と保険金受取人が異なる保険契約の死亡保険金は、贈与税の課税対象となります。
(エ) 保険契約者(=保険料負担者)が受け取る満期保険金は、所得税・住民税の課税対象となります。

【問16】
正解:
2023年の減価償却費=420万円×0.333×6/12=699,300円です。
よって、2024年1月1日時点の自動車の未償却残高は、420万円-699,300円=3,500,700円ですから、2024年の減価償却費は、3,500,700円×0.333=1,165,733.1円≒1,165,734円(円未満切り上げ)となります。

【問17】
正解:515(万円)
勤続年数が20年を超える場合、退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の式で計算されます。
また、退職所得控除額の計算上勤続年数の1年未満の端数は切り上げますから勤続年数は26年となります。
よって、退職所得控除額=800万円+70万円×(26-20)=1,220万円となります。
したがって、退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2=(2,250万円-1,220万円)×1/2=515万円となります。
【問18】
正解:
1. 公的年金等控除額は、公的年金等の収入金額の合計額と、公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額に応じて決まります。
2. 正しい記述です。
3. 公的年金等控除額は、受給者の年齢が65歳以上か65歳未満かにより、控除額が異なります。
4. 先物取引に係る雑所得等の金額の計算上生じた損失の金額は、他の先物取引に係る雑所得等の金額との損益の通算は可能ですが、先物取引に係る雑所得等以外の所得の金額との損益通算はできません。
【問19】
正解:3、1、7、6
(ア) 所得税の確定申告期間は、原則として、その年の翌年の2月16日から3月15日までです。
(イ) 所得税の還付申告の期間は、その年の翌年1月1日から5年間です。
(ウ) 同上
(エ) 所得税の青色申告者は、純損失の金額を最大で3年間繰越控除することができます。
【問20】
正解:
相続人が受け取った、相続税の課税対象となる死亡保険金は、500万円×法定相続人の数まで非課税となります。
よって、死亡保険金3,000万円のうち、相続税の課税価格に算入される額は、3,000万円-500万円×3=1,500万円です。
したがって、相続税の課税価格の合計額は、800万円+200万円+3,000万円+1,500万円-200万円=5,300万円となります。

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