お金の寺子屋

FP2級実技(FP協会)解説-2024年9月・問30~35

【問30】~【問35】は、以下の資料を元に解答してください。

<設例>
安西真治さんは、民間企業に勤務する会社員である。真治さんと妻の亜紀さんは、今後の資産形成や家計の見直しなどについて、FPで税理士でもある加瀬さんに相談をした。なお、下記のデータはいずれも2024年9月1日現在のものである。

<家族構成>
[安西 真治(本人)]
1987年2月13日(37歳)
会社員(正社員)

[安西 亜紀(妻)]
1990年6月30日(34歳)
会社員(正社員)

[安西 涼(長男)]
2017年7月22日( 7歳)
小学生

[安西 華(長女)]
2019年5月 1日( 5歳)
保育園児

<収入金額(2023年)>
[真治さん]
給与収入480万円(手取り額)。給与収入以外の収入はない。

[亜紀さん]
給与収入370万円(手取り額)。給与収入以外の収入はない。

<自宅>
賃貸マンションに居住しており、家賃は月額9万円(管理費込み)である。
マイホームとしてマンションを購入する予定である。

<金融資産(時価)>

[真治さん名義]
銀行預金(普通預金) 260万円
銀行預金(定期預金) 420万円
上場株式 120万円
投資信託 240万円
企業型確定拠出年金 170万円
[亜紀さん名義]
銀行預金(普通預金) 400万円
銀行預金(外貨預金) 180万円
投資信託 140万円
個人型確定拠出年金 80万円
<負債>
真治さんと亜紀さんに負債はない。

<保険>
[団体定期保険A]
保険金額1,000万円。保険契約者は真治さんの勤務先、保険加入者(保険料負担者)および被保険者は真治さんである。

[収入保障保険B]
年金月額15万円。保険契約者(保険料負担者)および被保険者は真治さん、年金受取人は亜紀さんである。

[その他]
上記以外の情報については、各設問において特に指示のない限り一切考慮しないこと。
【問30】
亜紀さんは個人向け国債(変動10年)の購入を検討しており、FPの加瀬さんに質問をした。個人向け国債(変動10年)に関する加瀬さんの次の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

1. 「適用利率は、実勢金利の動きに応じて、1年ごとに見直されます。」
2. 「適用利率には、年率0.05%の下限が設けられています。」
3. 「発行から1年経過すれば、原則として、いつでも一部または全部を中途換金することができます。」
4. 「中途換金する場合の換金額は、原則として、額面金額と経過利子相当額の合計額から中途換金調整額が差し引かれますが、中途換金調整額は直前2回分の各利子(税引前)相当額を基に算出されます。」
正解:
1. 個人向け国債の適用利率は、実勢金利の動きに応じて、半年ごとに見直されます。
2. 正しい記述です。3年物、5年物、10年物の全てに、0.05%の最低保証金利が設けられています。
3. 正しい記述です。3年物、5年物、10年物のいずれも、原則として、購入から1年経過後から中途換金が出来るようになります。
4. 正しい記述です。3年物、5年物、10年物のいずれも、中途換金時には、原則として、直前2回分の利息の手取額がペナルティとして徴収されます。
【問31】
真治さんは企業型確定拠出年金に加入し、亜紀さんは個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している。それぞれの制度に関する下表の空欄(ア)~(エ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1. 空欄(ア)にあてはまる語句は、「事業主の拠出額を超えてはならない」である。
2. 空欄(イ)にあてはまる数値は、「23,000」である。
3. 空欄(ウ)にあてはまる語句は、「個人年金保険料控除」である。
4. 空欄(エ)にあてはまる語句は、「事業主」である。
正解:
(ア) 正しい記述です。マッチング拠出による掛金の額は、事業主拠出分と合わせて限度額まで、かつ、事業主の拠出額以下とされています。
(イ) 正しい記述です。確定給付型の企業年金、企業型確定拠出年金のどちらも実施していない企業で働く人(第2号被保険者)のiDeCoの掛金の拠出限度額は、年額276,000円ですから、月額23,000円と言えます。
(ウ) 個人が拠出した確定拠出型年金の掛金は、全額、小規模事業共済等掛金控除の対象となります。
(エ) 企業型確定拠出年金の口座管理料の負担者は、原則として、事業主です。
【問32】
安西さん夫婦はマンション購入に当たり、住宅ローンの年間元利合計返済額を世帯の手取り年収の20%以内に抑えたいと考えている。下記<資料>に基づき、住宅ローンの借入可能額を計算しなさい。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとし、計算に当たっては、毎月の返済額は円未満を切り捨て、計算結果は万円未満を切り捨てること。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。

<資料>
[住宅ローンの条件]
適用金利年2.5%(全期間固定)
返済期間25年(返済回数300回)
元利均等返済のみ(ボーナス返済なし)

[借入額100万円当たりの毎月の元利合計返済額早見表]
全期間固定金利、元利均等返済(ボーナス返済なし)の場合 (単位:円)

返済期間 適用金利
2.0% 2.5% 3.0%
25年 4,238 4,486 4,742
30年 3,696 3,951 4,216
35年 3,312 3,574 3,848
記載されている数値は正しいものとする。
正解:3,157(万円)
世帯の手取り年収は、設例より、480万円+370万円=850万円です。
つまり、住宅ローンの年間元利合計返済額は、850万円×20%=170万円以下に抑えることが要件だということです。
適用金利年2.5%(全期間固定)、返済期間25年、元利均等返済のみ(ボーナス返済なし)という条件で住宅ローンを借りた場合、100万円あたりの毎月の返済額は、資料より、4,486円であると読み取ることができます。つまり、100万円あたりの毎年の返済額は、4,486円×12=53,832円です。
したがって、借入可能額は、170万円÷53,832円×100万円=31,579,729.52…円≒3,157万円(万円未満四捨五入)となります。

【問33】
真治さんの健康保険料等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、真治さんは全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の被保険者である。また、健康保険料の計算に当たっては、下記<資料>に基づくこと。

<資料>
[真治さんに関するデータ]
毎月の給与:基本給 300,000円
      通勤手当 15,000円
賞与:1回につき800,000円(年2回支給)

[標準報酬月額]
標準報酬月額 報酬月額
300,000円 290,000円以上310,000円未満
320,000円 310,000円以上330,000円未満

[健康保険の保険料率]
介護保険第2号被保険者に該当しない場合:10.00%(労使合計)
介護保険第2号被保険者に該当する場合 :11.64%(労使合計)

1. 毎月の給与に係る健康保険料のうち、真治さんの負担分は18,560円である。
2. 賞与に係る健康保険料については、全額会社が負担する。
3. 真治さんが負担した健康保険料は、全額が社会保険料控除の対象となる。
4. 真治さんは、亜紀さんを健康保険の被扶養者とすることができる。
正解:
1. 通勤手当などの各種手当は、標準報酬月額に含まれますから、報酬月額は315,000円となり、標準報酬月額は320,000円となります。
また、設例より、真治さんは37歳であり、介護保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)に該当しないことから、毎月の給与に係る健康保険料は、320,000円×10%=32,000円となります。
この金額を労使折半しますから、真治さんの負担額は、32,000円×1/2=16,000円となります。
2. 賞与に係る健康保険料は、労使折半します。
3. 正しい記述です。所得税・住民税の計算上、個人が負担した社会保険料は、全額、社会保険料控除の対象となります。
4. 同一世帯に属している60歳未満の人を健康保険の被扶養者とするためには、被扶養者の年収が、本人の年収の2分の1以下、かつ、130万円以下でなければなりません。
設例より、真治さんの年収は手取りで480万円、亜紀さんの年収は手取りで370万円ですから、扶養のための要件を満たしません。
【問34】
亜紀さんは、真治さんが死亡した場合の公的年金の遺族給付について、FPの加瀬さんに質問をした。真治さんが2024年9月に37歳で在職中に死亡した場合、真治さんの死亡時点において亜紀さんが受け取ることができる遺族給付に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる適切な語句を語群の中から選び、その番号のみを解答欄に記入しなさい。なお、真治さんは、大学卒業後の22歳から死亡時まで継続して厚生年金保険に加入しているものとする。また、家族に障害者に該当する者はなく、記載以外の遺族給付の受給要件はすべて満たしているものとする。

「真治さんが2024年9月に死亡した場合、亜紀さんには遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。亜紀さんに支給される遺族基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額に相当する額に涼さんと華さんを対象とする子の加算額を加えた額です。華さんが( ア )を経過すると遺族基礎年金は支給されなくなります。また、遺族厚生年金の額は、原則として、真治さんの被保険者期間に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分に相当する額の( イ )相当額ですが、真治さんの死亡による遺族厚生年金は短期要件に該当するものであるため、被保険者期間が( ウ )に満たない場合は( ウ )として計算されます。」
語群
1.18歳の誕生日 
2.18歳到達年度の初日 
3.18歳到達年度の末日 
4.2分の1 5.3分の2 6.4分の3 
7.240月 8.300月 9.360月
正解:3、6、8
(ア) 遺族基礎年金は、末子が18歳到達年度の末日を経過するまで支給されます。
(イ) 遺族厚生年金の額は、原則として、真治さんの被保険者期間に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分に相当する額の4分の3相当額です。
(ウ) 厚生年金保険の被保険者が死亡した場合に支給される遺族厚生年金は、その計算上、被保険者期間が300月最低保証されます。
【問35】
真治さんは、現在の勤務先を退職した場合に受給することができる雇用保険の基本手当についてFPの加瀬さんに質問をした。雇用保険の基本手当に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、雇用保険の基本手当の受給要件はすべて満たしているものとする。また、真治さんは障害者等の就職困難者には該当せず、個別延長給付等の記載のない事項については一切考慮しないものとする。

「会社都合による退職の場合、( a )の経過後、基本手当が支給されます。また、本人の責めに帰すべき重大な理由による解雇の場合の給付制限期間は、( b )です。なお、正当な理由のない自己都合により退職した場合であっても、( c )までは、給付制限期間が( d )となります。」
(ア) 空欄(a)にあてはまる語句は、「7日間の待期期間および1ヵ月間の給付制限期間」である。
(イ) 空欄(b)にあてはまる語句は、「最長3ヵ月間」である。
(ウ) 空欄(c)にあてはまる語句は、「4年間のうち2回」である。
(エ) 空欄(d)にあてはまる語句は、「2ヵ月間」である。
正解:×、○、×、○
(ア) 会社都合による退職の場合、7日間の待期期間の経過後、基本手当が支給されます。給付制限期間はありません。
(イ) 基本手当の支給において、失業の理由が、本人の責めに帰すべき重大な理由による解雇の場合、給付制限期間は最長3ヵ月となります。
(ウ) 正当な理由のない自己都合により退職した場合、1回目の離職日から5年間のうち2回までは、給付制限期間が2ヵ月間となります。
ちなみに、1回目の離職日から5年間に3回以上自己都合による退職をしている場合ハ、給付制限期間は3ヵ月間になります。
(エ) 同上。

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