お金の寺子屋

FP2級実技(個人)解説-2023年5月・解説のみ

【問1】
正解:ロ、リ、ホ、ル
年金法上の「子」とは、18歳到達年度の末日までの間にある子、または、障害等級1級または2級に該当する状態にある20歳未満の未婚の子を指します。
遺族基礎年金の年金額(2022年度価額)は、777,800円+子の加算額(第2子までは1人当たり223,800円、第3子以降は1人当たり74,600円)です。
よって、777,800円+223,800円+223,800円=1,225,400円となります。
遺族年金生活者支援給付金は、月額5,020円(2022年度価額)ですから、年額60,240円です。
遺族厚生年金の額は、基本的に、亡くなった人の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3相当額です。
【問2】
正解:250,000、289、457,357
亡くなった人の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額=2003年3月以前の平均標準報酬月額×7.125/1,000×被保険者期間+2003年4月以前の平均標準報酬月額×5.481/1,000×被保険者期間です。
Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は、48月+241月=289月です。
厚生年金保険の被保険者が死亡した際に支払われる遺族厚生年金の額は、その金額の計算上、被保険者期間が300月保証されますから、実際の被保険者期間が300月に満たない場合、亡くなった人の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額に「300月/実際の被保険者期間」を掛け、その後、3/4を掛けて計算します。
(250,000円×7.125/1,000×48+380,000円×5.481/1,000×241)×300/289×3/4=457,357.25…円≒457,357円です。
【問3】
正解:×、×、○
40歳以上の妻が受け取る老齢基礎年金が、子が18歳到達年度の末日を経過した事により支給停止された場合、当該妻が65歳になるまで、遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます。
なお、寡婦年金が支給されるためには、亡くなった人が、第1号被保険者としての保険料納付済期間が10年以上あるなどの要件を満たしていなくてはなりませんから、妻Bさんには支給されません。
障害等級1級の人が受け取る障害基礎年金の額は、「老齢基礎年金の満額×1.25+子の加算額」の算式により計算されます。
正しい記述です。障害厚生年金に配偶者の加給年金が加算されるのは、障害等級2級以上の人が受給する場合に限ります。

【問4】
正解:×、○、○
日経平均株価は、東京証券取引所のプライム市場に上場している銘柄のうち、代表的な225銘柄を対象とした修正平均型の株価指標です。
正しい記述です。指値注文では、取引相手に有利な条件(買い指値では高い金額、売り指値では低い金額)を提示した人の注文が優先されます。
正しい記述です。X社株式の次回の配当を受け取るためには、権利確定日に株式の受渡が行われていなくてはならないため、権利確定日の2営業日前(=権利確定日から起算して3営業日前)までに約定する必要があります。
【問5】
正解:10.83、2.23
X社株式のPER=株価÷1株当たり当期純利益=1,300円÷(120億円÷1億株)=10.833…倍≒10.83倍です。
Y社株式のPBR=株価÷1株当たり純資産=1,200円÷(430億円÷8,000万株)=2.232…倍≒2.23倍です。
【問6】
正解:○、×、×
正しい記述です。ROEは、「当期純利益÷自己資本」の算式で計算され、この数値が高いほうが経営の効率性が高いと判断されます。各社のROEは以下の通りです。
X社のROE=12,000百万円÷135,000百万円=0.08888…≒8.89%
Y社のROE=11,000百万円÷43,000百万円=0.25581…≒25.58%
配当性向は、「配当金総額÷当期純利益」の算式で計算され、各社の配当性向は以下の通りです。
X社の配当性向=3,000百万円÷12,000百万円=0.25≒25%
Y社の配当性向=3,200百万円÷11,000百万円=0.29090…≒29.09%
企業の業績や財務内容等からみて株価が割安と判断される銘柄に投資する手法は、一般に、バリュー投資と呼ばれます。
なお、グロース投資は、成長性が高いと期待される銘柄に投資する手法です。

【問7】
正解:チ、ニ、イ
事業所得の計算上、青色申告特別控除の額は、電子申告要件等を満たした場合、最高65万円となります。
期限後申告を行った場合、青色申告特別控除の額は、10万円となります。
青色申告者は、純損失を最大3年間繰り越して控除することができます。
【問8】
正解:○、×、×
正しい記述です。
青色事業専従者として給料を受け取っている人は、その額に関わらず、配偶者控除の対象外となります。
老人扶養親族は、70歳以上の扶養親族です。
【問9】
正解:4,850,000、480,000、172,500
事業所得の金額500万円(青色申告特別控除後)は、全額総所得金額に算入されます。
不動産所得の金額▲40万円のうち、土地の取得のための借入金の利子(20万円)を除いた▲20万円が損益通算の対象となり、一時所得よりも先に事業所得と通算します。
一時所得の額は、560万円-500万円-50万円=10万円で、2分の1相当額を総所得金額に算入します。
したがって、総所得金額は、500万円-20万円+10万円×1/2=485万円となります。
合計所得金額が2,400万円以下の人は、48万円の基礎控除を受けることができます。
2,700,000円×10%-97,500円=172,500円です。

【問10】
正解:600、2,160
建蔽率が80%である防火地域に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の上限が100%となります。
よって、建ぺい率の上限となる建築面積は、600㎡×100%=600㎡です。
前面道路の幅員が12m未満である場合、容積率の上限は、指定容積率と前面道路の幅員によって定まる容積率のうち、いずれか小さい方となります。
前面道路の幅員によって定まる容積率=6×6/10=3.6=360%ですから、容積率の上限は、360%となります。
よって、容積率の上限となる延床面積は、600㎡×360%=2,160㎡です。
【問11】
正解:×、○、×
自らが貸主となって所有する不動産の賃貸を行うためには、宅地建物取引業の免許を取得する必要はありません。
正しい記述です。
NOI利回り(純利回り)は、不動産投資によって得られる年間の純収益の額(=収入の総額-支出の総額)を総投資額で除して算出されます。
【問12】
正解:○、×、○
正しい記述です。
貸家建付地の相続税評価額は、「貸家建付地の相続税評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」の算式により計算されますから、賃貸割合が高いほど、評価額は低くなります。
正しい記述です。マンションの敷地の固定資産税評価額の計算上、小規模住宅用地の特例の適用を受けると、「200㎡×戸数」までの課税標準が6分の1になります。

【問13】
正解:×、○、×
単純承認をする場合、家庭裁判所に申述する必要はありません。
正しい記述です。準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内です。
死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の式で計算されます。
よって、課税価格に算入される死亡保険金の額は、3,000万円-(500万円×4)=1,000万円となります。
【問14】
正解:5,400、325、3,750
相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式で計算されます。
よって、3,000万円+600万円×4=5,400万円となります。
孫Fさんの法定相続分に対応する取得金額は、2億円×1/8=2,500万円となります。
これに対応する相続税額は、2,500万円×15%-50万円=325万円です。

妻Bさんの法定相続分に対応する取得金額は、2億円×1/2=1億円となります。
これに対応する相続税額は、1億円×30%-700万円=2,300万円です。

長男Cさんの法定相続分に対応する取得金額は、2億円×1/4=5,000万円となります。
これに対応する相続税額は、5,000万円×20%-200万円=800万円です。

孫Eさんに対する相続税の総額の基となる税額は、孫Fさんと同じです。

したがって、相続税の総額は、2,300万円+800万円+325万円+325万円=3,750万円となります。

【問15】
正解:イ、ニ、ホ
配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合に非課税となる金額は、相続や遺贈により取得した財産のうち、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか多い金額までにかかる税額です。
子の代襲相続人は、(本来2割加算の対象とならない人の立場を引き継いでいるため)相続税額の2割加算の対象外です。
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。

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