お金の寺子屋

FP2級学科解説-2025年5月CBT・問11~20

【問11】
生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 責任準備金は、保険会社が将来の保険金等の支払のために、保険数理に基づいて算定し、積み立てる準備金である。
2. 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率と予定利率に基づいて計算される。
3. 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は高くなる。
4. 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。
正解:
1. 正しい記述です。責任準備金は、保険会社が将来の保険金等の支払のために、保険数理に基づいて算定し、積み立てる準備金です。
2. 正しい記述です。生命保険の保険料は、将来の保険金等の支払財源となる純保険料と、保険の運営コストの財源となる付加保険料に分かれています。純保険料は、予定死亡率と予定利率に基づいて計算され、付加保険料は、予定事業費率に基づいて計算されます。
3. 予定利率の引き上げは、保険料の低下要因です。予定利率を引き上げると、集めた保険料を運用により沢山増やすことができると見積もることになるため、保険金等を支払うために契約者から集めなくてはいけないお金(=保険料)が少なくて済むようになるからです。
4. 正しい記述です。生命保険の剰余金の内訳は、死差益、利差益、費差益の3つです。このうち、費差益は、事業費が保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合に生じる剰余金です。
【問12】
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
1. 逓減定期保険は、保険期間の経過に伴って所定の割合で保険料が逓減するが、保険金額は一定である。
2. 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少ない。
3. 低解約返戻金型終身保険では、他の契約条件が同一で低解約返戻金型ではない終身保険と比較して、保険料払込期間中の解約返戻金額が低く抑えられているため、割安な保険料が設定されている。
4. 定期保険特約付終身保険(更新型)では、定期保険特約を同額の保険金額で更新した場合、更新後の保険料は更新前の保険料よりも高くなる。
正解:
1. 逓減定期保険は、保険期間の経過に伴って所定の割合で保険金額が逓減しますが、保険料は保険期間を通して一定です。
2. 正しい記述です。収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少なくなります。年金形式で受け取る場合、将来受け取る部分を運用により増やすことができますが、一時金で受け取るとそれができなくなるからです。
3. 正しい記述です。低解約返戻金型終身保険は、他の契約条件が同一で低解約返戻金型ではない終身保険と比較して、保険料払込期間中の解約返戻金額が低く抑えられている分、割安な保険料が設定されています。なお、保険料払込期間が満了すると、その後の解約返戻金の水準は、低解約返戻金型ではない終身保険と比較して同程度となります。
4. 定期保険特約を同額の保険金額で更新した場合、更新後の保険料は、更新時の条件(年齢など)で再計算されるため、更新前の保険料よりも高くなります。
【問13】
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 確定年金では、年金支払期間中に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合、あらかじめ指定された受取人が既払込保険料相当額から被保険者に支払われた年金額を差し引いた金額を死亡保険金として受け取ることができる。
2. 保証期間付終身年金の保険料は、他の契約条件が同一であれば、被保険者が男性のほうが女性よりも高くなる。
3. 変額個人年金保険では、特別勘定における運用実績によって、将来受け取る年金額や解約返戻金額が変動する。
4. 個人年金保険では、被保険者が保険料払込期間中に所定の高度障害状態に該当すると、以後の保険料の払込みが免除され、直ちに年金を受け取ることができる。
正解:
1. 確定年金は、保証期間付き有期年金の保証期間を年金支払期間と等しくした個人年金保険です。よって、確定年金では、年金支払期間中(=保証期間中)に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合、予め受取人に指定されていた人が、残りの期間に対応する年金または一時金を受け取ることになります。
2. 保証期間付終身年金ほか、個人年金保険の保険料は、予定死亡率が高いほど、支払う年金額の見積額が少なくなるため、保険料は低くなります。よって、他の契約条件が同一であれば、男性の方が女性よりも平均寿命が短い(=予定死亡率が高い)ため、個人年金保険の保険料は、被保険者が男性のほうが女性よりも低くなります。
3. 正しい記述です。変額個人年金保険では、特別勘定における運用実績によって、将来受け取る年金額や解約返戻金額が変動します。なお、一般的に、死亡給付金には最低保証があります。
4. 個人年金保険では、被保険者が保険料払込期間中に所定の高度障害状態に該当すると、以後の保険料の払込みが免除され、将来年金を受け取ることができます。
【問14】
所得税における生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、生命保険契約は2012年1月1日以後に締結されたものとし、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。
1. 勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
2. 特定(三大)疾病保障定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
3. 一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除および介護医療保険料控除の控除限度額は、各5万円である。
4. 終身保険の月払保険料について、保険料の支払がなかったため自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、その年分の生命保険料控除の対象とならない。
正解:
1. 勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)の保険料は、生命保険料控除の対象外です。
2. 正しい記述です。特定(三大)疾病保障定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となります。この商品は、定期保険契約がベースに存在し、生前給付の特約が付いている商品なので、定期保険の保険料と同様の扱いを受けます。
3. 2012年1月1日以後に締結された生命保険契約の保険料について生命保険料控除を受ける場合、一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除および介護医療保険料控除の控除限度額は、各4万円です。
4. 自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、保険料を支払っていることに変わりありませんから、その年分の生命保険料控除の対象となります。
【問15】
契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険等に係る保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2025年4月に締結したものとする。また、特約については考慮しないものとする。
1. 被保険者を役員・従業員全員、死亡保険金受取人を被保険者の遺族、満期保険金受取人を法人とする養老保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
2. 被保険者を役員、死亡保険金受取人を法人とする終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
3. 被保険者を役員、給付金受取人を法人とする解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
4. 被保険者を役員、死亡保険金受取人を法人とし、最高解約返戻率が75%である定期保険(保険期間30年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
正解:
1. 被保険者を役員・従業員全員、死亡保険金受取人を被保険者の遺族、満期保険金受取人を法人とする養老保険は、ハーフタックスプランの要件を満たします、よって、その支払保険料は、2分の1を損金の額に算入することができます。
2. 被保険者を役員、死亡保険金受取人を法人とする終身保険の支払保険料は、将来法人がお金を受け取ることになる(=貯蓄性が高い)ので、その全額を資産に計上します。
3. 被保険者を役員、給付金受取人を法人とする解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、将来法人がお金を受け取ることがないので、その全額を損金の額に算入することができます。
4. 被保険者を役員、死亡保険金受取人を法人とする長期平準定期保険の支払保険料は、その契約の最高解約返戻率が70%超85%以下である場合、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができます。

【問16】
自動車損害賠償責任保険(以下、「自賠責保険」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 原動機付自転車は、自賠責保険の加入が義務付けられていない。
2. 自賠責保険の保険金の支払限度額は、加害車両が1台である場合、被害者1人につき、死亡による損害については3,000万円である。
3. 自賠責保険の補償の対象は対人賠償に限られ、対物賠償は補償の対象とならない。
4. 自賠責保険では、被害者が、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払を請求することができる。
正解:
1. 自賠責保険は、全ての自動車と原動機付自転車に加入が義務付けられています。
2. 正しい記述です。自賠責保険の保険金の支払限度額は、加害車両が1台である場合、被害者1人につき、死亡による損害については3,000万円、高度障害による損害については4,000万円、傷害による損害については120万円とされています。
3. 正しい記述です。自賠責保険は、対人賠償のみを補償の対象とし、対物賠償は補償の対象ではありません。
4. 正しい記述です。自賠責保険では、被害者が、保険会社に対して、保険金額の限度において、損害賠償額の支払を請求することができます(被害者請求)。
【問17】
地震保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 地震保険は、火災保険の契約時に付帯して加入するほか、火災保険の保険期間の中途で付帯して加入することもできる。
2. 地震保険の保険料率は、居住用建物の構造によって異なるが、居住用建物の所在地による違いはない。
3. 地震保険の保険料には、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の割引制度があるが、これらは重複して適用を受けることはできない。
4. 地震保険では、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の区分による損害の程度に応じて保険金が支払われる。
正解:
1. 正しい記述です。地震保険は、火災保険に付帯して加入する必要がありますが、付帯するタイミングは、火災保険の契約時でも火災保険の保険期間中でも構いません。
2. 地震保険の保険料率は、都道府県ごと、居住用建物の構造区分ごとに定められています。
3. 正しい記述です。地震保険の保険料には、「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の割引制度がありますが、これらは重複して適用を受けることはできません。
4. 正しい記述です。地震保険では、保険金の支払いをスムーズに行うため、損害区分を大まかに定めています。具体的には、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の区分による損害の程度に応じて、保険金が支払われます。
【問18】
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 被保険者および保険金受取人を従業員全員とする普通傷害保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
2. 保険期間5年の火災保険において、5年分の保険料を一括で支払った場合、その全額を支払った事業年度の損金の額に算入することができる。
3. 業務用自動車が交通事故により損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金の全額を充当して修理をした場合、当該保険金について経理処理をする必要はない。
4. 倉庫に保管していた棚卸資産が火災により滅失し、法人が受け取った火災保険の保険金で同一の棚卸資産を取得した場合、当該棚卸資産について圧縮記帳の適用を受けることができる。
正解:
1. 正しい記述です。被保険者および保険金受取人を従業員全員とする普通傷害保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができます。
2. 法人が、複数の会計期間にわたる火災保険の保険料を一括で支払った場合、その会計期間に係る金額のみを損金の額に算入することができます。なお、残額は資産計上して、翌期以降に取り崩して損金算入します。
3. 法人は、貸借対照表または損益計算書に影響が生じる出来事が発生した時(=資産・負債・純資産・収益・費用のいずれかが増減する場合)に、経理処理をする必要が生じます。
業務用自動車が交通事故により損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金の全額を充当して修理をした場合、法人が現金を受け取る(=法人の資産が増加する)などの事象が生じているため、当該保険金について経理処理をする必要があります。
4. 圧縮記帳の対象となる保険差益は、固定資産に対して支払われた保険金のみであり、棚卸資産や営業補償など収益を補てんするための保険金は対象外とされています。
【問19】
第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 医療保険では、治療を目的としない人間ドックなどの検査入院をし、異常が発見されなかった場合、入院給付金は支払われない。
2. 限定告知型の医療保険では、他の契約条件が同一で限定告知型ではない医療保険と比較して、割安な保険料が設定されている。
3. 所得補償保険では、ケガや病気によって就業不能となった場合であっても、医療機関に入院しなければ、保険金は支払われない。
4. がん保険では、180日間または6カ月間の免責期間が設けられており、その期間中にがんと診断確定されても、がん診断給付金は支払われない。
正解:
1. 正しい記述です。医療保険では、治療を目的としない健康診断や人間ドックなどの検査入院は、入院給付金の支払対象外とされています。但し、身体に何らかの症状や異常があり検査のために入院した場合や、治療のために検査入院が必要であるとの医師の指示により入院した場合は、支払いの対象となります。
2. 限定告知型の医療保険は、告知項目を限定して加入しやすくした保険です。リスクの高い人が加入しやすくなる分、他の契約条件が同一で限定告知型ではない医療保険と比較して、割高な保険料が設定されています。
3. 所得補償保険では、ケガや病気によって就業不能となった場合に、保険金が支払われます。入院の有無は保険金の支払いに影響しません。
4. がん保険の一般的な免責期間は、90日間または3ヵ月間です。免責期間中にがんと診断確定されても、がん診断給付金は支払われません。
【問20】
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. レストランを営む事業者が、提供した料理が原因で食中毒を発生させ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
2. 貸しビル業を営む事業者が、火災により所有するビル内に設置した機械に損害が生じる場合に備えて、機械保険を契約した。
3. 建設業を営む事業者が、請け負った建築工事中に誤って工具を落として第三者にケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。
4. 製造業を営む事業者が、業務中の事故により従業員やパート従業員がケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。
正解:
1. 適切な記述です。生産物賠償責任保険(PL保険)は、第三者に引き渡した製品や、業務の結果が原因で、消費者等に損害賠償責任を負った場合に備える保険です。よって、レストランを営む事業者が、提供した料理が原因で食中毒を発生させ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えることができます。
2. 機械保険は、機械の修繕費の支出に備える保険であり、火災により生じた機械の損害は補償しません。
火災による機械の損害は、火災保険で備える必要があります。
3. 適切な記述です。請負業者賠償責任保は、工事・作業等の遂行等に起因する事故や、工事・作業等を行うために所有・使用・管理している施設に起因する事故により、他人の身体や財物に損害を与えて賠償責任を負った場合に備える保険です。よって、建設業を営む事業者が、請け負った建築工事中に誤って工具を落として第三者にケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えることができます。
4. 適切な記述です。労働災害総合保険は、事業主が労災事故を起こした場合に、政府の労災保険ではカバーしきれない部分の支出に備える保険です。政府労災保険の給付の上乗せとなる「法定外補償」と、事業主が民法上の賠償責任を負担する「使用者賠償責任」のいずれか、もしくは両方に備えることができます。

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