お金の寺子屋

FP2級学科解説-2024年1月・問21~30

【問21】
銀行等の金融機関で取り扱う預貯金の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 決済用預金は、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という3つの条件を満たした預金である。
2. 当座預金は、株式の配当金の自動受取口座として利用することができる。
3. スーパー定期預金は、預入期間が3年以上の場合、単利型と半年複利型があるが、半年複利型を利用することができるのは法人に限られる。
4. 大口定期預金は、最低預入金額が1,000万円に設定された固定金利型の定期預金である。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。当座預金は、決済用口座として利用すること(自動受取や自動引落しのための口座として利用すること)が出来ます。
なお、貯蓄預金は、決済用口座として利用することができません。
3. スーパー定期預金の半年複利型の利用は、個人に限られます。
4. 正しい記述です。大口定期預金の最低預入金額は1,000万円です。
【問22】
公募株式投資信託の費用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 購入時手数料がかからない投資信託は、一般に、ノーロード型(ノーロードファンド)と呼ばれる。
2. 運用管理費用(信託報酬)は投資信託の銘柄ごとに定められており、一般に、インデックス型投資信託よりもアクティブ型投資信託の方が高い傾向がある。
3. 会計監査に必要な費用(監査報酬)や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、受益者(投資家)の負担となる。
4. 信託財産留保額は、長期に投資信託を保有する投資家との公平性を確保するための費用であり、すべての投資信託に設定されている。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。インデックス型投資信託よりもアクティブ型投資信託の方が、ベンチマークを上回ろうとする分、投資対象の調査や分析、売買等に係るコストがかかるため、運用管理費用(信託報酬)が高くなる傾向があります。
3. 正しい記述です。監査報酬や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、間接的に受益者(投資家)が負担していると言えます。
4. 信託財産留保額の無い投資信託も存在します。
【問23】
固定利付債券の利回り(単利・年率)に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。

表面利率が0.90%、償還までの残存期間が10年の固定利付債券を、額面100円当たり103円で購入した投資家が、購入から4年後に額面100円当たり102円で売却した場合の所有期間利回りは( ア )であり、償還期限まで10年保有した場合の最終利回りよりも( イ )。
1. (ア)0.63% (イ)高い
2. (ア)0.63% (イ)低い
3. (ア)0.58% (イ)高い
4. (ア)0.58% (イ)低い
正解:
所有期間利回り(%)={0.9+(102-103)÷4}÷103×100=0.6310…%≒0.63%です。
最終利回り(%)={0.9+(100-103)÷10}÷103×100=0.5825…%≒0.58%です。
【問24】
東京証券取引所の市場区分等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. プライム市場の上場維持基準では、新規上場から一定期間経過後の株主数および流通株式数について、新規上場基準よりも高い数値基準が設定されている。
2. プライム市場の新規上場基準では、上場申請会社の直近事業年度におけるROEの数値基準について、8%以上と定められている。
3. スタンダード市場の上場会社がプライム市場へ市場区分の変更を申請することはできるが、プライム市場の上場会社がスタンダード市場へ市場区分の変更を申請することはできない。
4. JPX日経インデックス400は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式の中から、ROEや営業利益等の指標等により選定された400銘柄を対象として算出される。
正解:
1. 上場維持基準と新規上場基準の株主数、流通株式数、流通株式時価総額、売買高は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場のいずれの市場においても、それぞれ同じ基準とされています。
なお、基準の厳しさは、プライム市場>スタンダード市場>グロース市場となっています。
2. プライム市場の新規上場基準には、純資産の額や、利益の額又は売上高についての要件がありますが、ROEの数値基準はありません。
3. スタンダード市場からプライム市場へ市場区分を変更することと、プライム市場からスタンダード市場へ市場区分を変更することは、どちらも可能です。
4. 正しい記述です。JPX日経インデックス400は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした400銘柄で構成される株価指数で、対象銘柄は、東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式とされています。
【問25】
下記<X社のデータ>に基づき算出される投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<X社のデータ>
株価 4,500円
発行済株式数 0.8億株
売上高 2,500億円
営業利益 180億円
当期純利益 120億円
自己資本(=純資産) 2,000億円
配当金総額 36億円
1. ROEは、6%である。
2. PERは、20倍である。
3. PBRは、1.8倍である。
4. 配当利回りは、1%である。
正解:
1. ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100=120億円÷2,000億円×100=6%です。
2. PER(倍)=株価÷1株当たり当期純利益=4,500円÷(120億÷0.8億)=30倍です。
3. PER(倍)=株価÷1株当たり純資産=4,500円÷(2,000億÷0.8億)=1.8倍です。
4. 配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100=(36億÷0.8億)÷4,500円×100=1%です。

【問26】
オプション取引の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. オプション取引において、コール・オプションは「権利行使価格で買う権利」であり、プット・オプションは「権利行使価格で売る権利」である。
2. オプション取引のうち、満期日だけに権利行使ができるものはヨーロピアンタイプと呼ばれ、満期日までの権利行使期間中であればいつでも権利行使ができるものはアメリカンタイプと呼ばれる。
3. コール・オプションおよびプット・オプションは、他の条件が同一であれば、いずれも満期までの期間が長いほど、プレミアム(オプション料)が高くなる。
4. プット・オプションの売り手の最大利益は無限定であるが、コール・オプションの売り手の最大利益はプレミアム(オプション料)に限定される。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。アメリカンタイプは、権利行使期間中であれば、いつでも自由に権利行使ができるので、「自由の国アメリカ」と覚えて下さい。
3. 正しい記述です。プレミアム(オプション料)は、権利行使がしやすいほど高くなります。よって、コール・オプションもプット・オプションも共通で、他の条件が同一であれば、いずれも満期までの期間が長いほど、プレミアムは高くなります。
4. コール・オプションもプット・オプションも共通で、売り手の最大利益はプレミアム(オプション料)に限定されます。
オプションの売り手は、オプション料を受け取り権利行使に応じる義務を負いますから、権利行使がされない時に利益が最大となります。
【問27】
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. システマティック・リスクは、市場全体の変動の影響を受けるリスクであり、分散投資によっても消去しきれないリスクとされている。
2. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となる。
3. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。
4. 同一期間における収益率が同じ2つのファンドをシャープ・レシオで比較する場合、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が、収益率の標準偏差の値が大きいファンドよりも当該期間において効率的に運用されていたと評価することができる。
正解:
1. 正しい記述です。システマティック・リスク(市場リスク)は、市場そのものが持つリスクで、分散投資により軽減することは出来ません。
なお、分散投資により軽減することができるのは、投資する対象に固有のリスクであるアンシステマティック・リスク(非市場リスク)です。
2. 正しい記述です。ポートフォリオのリスクは、相関係数が+1の時、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値となり、相関係数が+1未満である時、ポートフォリオ効果が働いて組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値を下回ります。
よって、ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となります。
3. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、リスクの低減効果は最大となります。
なお、リスクの低減効果が得られないのは、2資産間の相関係数が+1である場合です。
4. 正しい記述です。「シャープレシオ=(ファンドの収益率-無リスク利子率)÷標準偏差」ですから、同一期間における収益率が同じであれば、収益率の標準偏差の値が小さいファンドの方が、シャープレシオの値は大きくなります。
シャープレシオの値は、大きいほど、効率的に運用されていたと評価されます。
【問28】
上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、NISA(少額投資非課税制度)により投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
1. 上場株式の配当に係る配当所得の金額について、総合課税を選択して所得税の確定申告をした場合、特定口座内で生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。
2. NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。
3. 上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、所得税の確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
4. NISA口座で取得した上場株式等を売却したことにより生じた損失の金額については、特定口座内で保有する上場株式等の配当等に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
正解:
1. 特定口座内で生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる配当所得は、申告分離課税を選択したものに限られます。
2. 正しい記述です。株式数比例配分方式以外の方法で受け取った配当金は、非課税にはなりません。
3. 正しい記述です。上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除は、最大3年間であり、毎年確定申告を行うことが適用を受けるための要件とされます。
4. 正しい記述です。NISA口座で取得した銘柄に係る譲渡損失は、損益通算の対象外とされます。
【問29】
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 日本国内に本店のある銀行の海外支店や外国銀行の在日支店に預け入れた預金は、その預金の種類にかかわらず、預金保険制度の保護の対象とならない。
2. 日本国内に本店のある銀行の国内支店に預け入れた外貨預金は、その金額の多寡にかかわらず、預金保険制度による保護の対象とならない。
3. 日本国内の証券会社が破綻し、分別管理が適切に行われていなかったために、一般顧客の資産の一部または全部が返還されない事態が生じた場合、日本投資者保護基金により、補償対象債権に係る顧客資産について一般顧客1人当たり1,000万円を上限として補償される。
4. 日本国内の証券会社が保護預かりしている一般顧客の外国株式は、日本投資者保護基金による補償の対象とならない。
正解:
1. 正しい記述です。
2. 正しい記述です。
3. 正しい記述です。
4. 日本国内の証券会社が保護預かりしている一般顧客の外国株式は、日本投資者保護基金による補償の対象です。
【問30】
物価等に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

財やサービスの価格(物価)が継続的に上昇する状態をインフレーション(インフレ)という。インフレには、その発生原因に着目した分類として、好景気等を背景とした需要の増大が原因となる( ア )型や、賃金や材料費の上昇等が原因となる( イ )型などがある。
消費者物価指数(CPI)と( ウ )は、いずれも物価変動に係る代表的な指標であるが、消費者物価指数(CPI)がその対象に輸入品の価格を含む一方、( ウ )は、国内生産品の価格のみを対象とする点などで違いがある。なお、( ウ )は、国内要因による物価動向を反映することから、ホームメイド・インフレを示す指標と呼ばれる。
1. (ア)コストプッシュ (イ)ディマンドプル (ウ)企業物価指数
2. (ア)ディマンドプル (イ)コストプッシュ (ウ)GDPデフレーター
3. (ア)コストプッシュ (イ)ディマンドプル (ウ)GDPデフレーター
4. (ア)ディマンドプル (イ)コストプッシュ (ウ)企業物価指数
正解:
(ア) 好景気等を背景とした需要の増大が原因となるインフレ(物価の上昇)を、ディマンドプルインフレ(需要による物価の引き上げという意味)と言います。
(イ) 賃金や材料費の上昇等が原因となるインフレ(物価の上昇)を、コストプッシュインフレ(コストの増加による物価の押し上げという意味)と言います。
(ウ) GDPは、国内で生産した付加価値の合計ですから、輸入コストが増え、それがすべて商品に価格転嫁されると、国内物価は上昇しても、GDPデフレーターは変わりません(価格転嫁が不十分な場合はGDPデフレーターは下落します)。また、ホームメイド・インフレ(国内に要因がある物価の上昇)があった場合、物価上昇分だけ国内で形成される付加価値が増えるため、GDPデフレーターは上昇します。
このように、GDPデフレーターは、国内要因による物価動向を反映することから、ホームメイド・インフレを示す指標と呼ばれます。

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