FP2級学科解説-2022年1月・問11~20
【問11】
少額短期保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. | 少額短期保険業者と締結した保険契約は保険法の適用対象となるが、少額短期保険業者は保険業法の適用対象とならない。 |
2. | 少額短期保険業者が同一の被保険者から引き受けることができる保険金額の合計額は、原則として、1,500万円が上限となる。 |
3. | 少額短期保険業者と締結する保険契約は、生命保険契約者保護機構または損害保険契約者保護機構による保護の対象となる。 |
4. | 保険契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、保険金受取人を相続人とする少額短期保険において、相続人が受け取った死亡保険金は、相続税法における死亡保険金の非課税金額の規定の適用対象となる。 |
正解:4 | |
1. | 少額短期保険業者と締結した保険契約は保険法の適用対象となり、少額短期保険業者は保険業法の規制の適用対象になります。 |
2. | 少額短期保険業者が1人の被保険者から引き受けることができる保険金額の合計額は、原則として、1,000万円までです。 |
3. | 少額短期保険業者と締結する保険契約は、生命保険契約者保護機構や損害保険契約者保護機構による保護の対象とはなりません。 |
4. | 被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となり、相続人が受け取った場合には、死亡保険金の非課税規定の適用を受けることができます。 |
【問12】
死亡保障を目的とする生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
1. | 終身保険の保険料は、保険料払込期間が終身払いと有期払いを比較すると、他の契約条件が同一の場合、終身払いの方が払込み1回当たりの金額が高い。 |
2. | 定期保険特約付終身保険において、定期保険特約の保険金額を同額で更新した場合、更新後の保険料は更新前の保険料に比べて高くなる。 |
3. | 収入保障保険の死亡保険金を年金形式で受け取る場合の受取総額は、一時金で受け取る場合の受取額よりも少なくなる。 |
4. | 保険期間の経過に伴い保険金額が増加する逓増定期保険は、保険金額の増加に伴い保険料も増加する。 |
正解:2 | |
1. | 終身保険の保険料について、有期払いと終身払いを比較すると、他の条件を同じとすれば、1回あたりの保険料は、有期払いよりも終身払いの方が安いです。 |
2. | 正しい記述です。同額の保障内容で保険契約を更新した場合、更新後の保険料は更新時の保険料率(前回の契約・更新時よりも高い年齢での保険料率)で再計算されますから、通常、更新後の保険料は更新前よりも高くなります。 |
3. | 収入保障保険の死亡保険金の受取総額は、一時金で受け取るより、年金形式で受け取った方が多くなります(未受取部分が運用によって増えるため)。 |
4. | 逓増定期保険の保険料は、保険期間を通して一定です。 |
【問13】
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. | 確定年金において、保険料払込期間中に被保険者が死亡した場合、死亡保険金受取人が契約時に定められた基本年金額の受取総額と同額の死亡保険金を受け取ることができる。 |
2. | 確定年金において、保険料払込満了から年金受取開始までの据置期間を長く設定すれば、年金の受取総額を増やすことができる。 |
3. | 保証期間付終身年金において、保証期間中に被保険者(=年金受取人)が死亡した場合、被保険者の相続人が残りの保証期間に対応した年金を受け取ることができる。 |
4. | 保証期間付終身年金において、契約時の被保険者の年齢、基本年金額、保険料払込期間や年金受取開始年齢などの契約内容が同一の場合、その保険料は、被保険者が男性であるよりも女性である方が高くなる。 |
正解:1 | |
1. | 個人年金保険において、保険料払込期間中に被保険者が死亡した場合には、既払込保険料相当額など所定の死亡保険金が支払われます。 |
2. | 正しい記述です。据置期間を長くするとその分運用によってお金が増えます。 |
3. | 正しい記述です。 |
4. | 正しい記述です。個人年金保険は、基本的に、被保険者が生きていることを条件に年金が支払われる保険商品ですから、他の条件を同じとして保険料を比較すると、被保険者が平均寿命が長い(=予定死亡率が低い)女性である方が男性であるよりも高いです。 |
【問14】
生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1. | 養老保険の月払保険料について、保険料の支払いがなかったため、自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、生命保険料控除の対象となる。 |
2. | 終身保険の月払保険料のうち、2022年1月に払い込まれた2021年12月分の保険料は、2021年分の生命保険料控除の対象となる。 |
3. | 2021年4月に加入した特定(三大)疾病保障定期保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。 |
4. | 2021年4月に加入した一時払定額個人年金保険の保険料は、個人年金保険料控除の対象となる。 |
正解:1 | |
1. | 正しい記述です。自動振替貸付によって保険料に充当された金額も、保険料を払っていることには変わりありませんから、生命保険料控除の対象になります。 |
2. | 生命保険料控除の対象となる保険料は支払日基準で判定しますから、2022年に払った2021年分の保険料は、2022年分の生命保険料控除の対象になります。 |
3. | 特定(三大)疾病保障定期保険は、定期保険の一種ですから、その保険料は、一般の生命保険料控除の対象になります。 |
4. | 個人年金保険料控除の対象とするためには税制適格特約を付ける必要があり、税制適格特約を付けるためには、保険料の払込期間が10年以上であるなど所定の要件を満たす必要があります。 |
【問15】
法人を契約者(=保険料負担者)とする生命保険に係る保険料の経理処理に関する次の記述のうち 最も適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2021年10月に締結したものとする。
1. | 被保険者が役員および従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が被保険者である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。 |
2. | 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。 |
3. | 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間20年、年払保険料100万円)の支払保険料は、保険期間の前半100分の40相当期間においては、その40%相当額を限度に損金の額に算入することができる。 |
4. | 被保険者が役員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、損金の額に算入することができる。 |
正解:4 | |
1. | 死亡保険金受取人が被保険者の遺族で、満期保険金受取人が被保険者である養老保険の保険料を法人が支払った場合には、法人がお金を受け取る可能性が低いため、その全額を損金に算入します。 |
2. | 死亡保険金受取人が法人である終身保険の保険料を法人が支払った場合には、その全額を資産計上します。 |
3. | 最高解約返戻率が50%以上70%未満である定期保険の保険料を法人が支払った場合には、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上(60%相当額を損金算入)することができます。 |
4. | 正しい記述です。法人がお金を受け取る可能性が低い保険契約の保険料を支払った場合には、その全額を損金算入します。 |
【問16】
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
1. | 被保険自動車を運転中に対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、その損害のうち、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた損害が対人賠償保険の補償の対象となる。 |
2. | 被保険自動車を運転中に交通事故で被保険者が死亡した場合、その損害のうち、被保険者自身の過失割合に相当する部分を差し引いた損害が人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。 |
3. | 被保険自動車を運転中に誤って店舗建物に衝突して損壊させ、当該建物自体の損害に加え、建物の修理期間中に休業して発生した損害(休業損害)により、被保険者が法律上の賠償責任を負った場合、それらの損害は、対物賠償保険の補償の対象となる。 |
4. | 被保険自動車が高潮で水没した場合、その損害は、一般車両保険の補償の対象となる。 |
正解:2 | |
1. | 正しい記述です。対人賠償保障保険は、自賠責保険でカバーできない部分の賠償責任に備える保険です。 |
2. | 人身傷害補償保険は、過失割合に関係なく、損害額の全額が補償の対象になります。 |
3. | 正しい記述です。 |
4. | 正しい記述です。高潮や洪水などの水災を原因とする被保険自動車の損害は、一般車両保険の補償の対象です。 |
【問17】
傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1. | 海外旅行傷害保険では、海外旅行中に発生した地震および地震を原因とする津波によるケガは補償の対象とならない。 |
2. | 国内旅行傷害保険では、国内旅行中に発生した地震および地震を原因とする津波によるケガは補償の対象となる。 |
3. | 普通傷害保険では、日本国外における業務中の事故によるケガは補償の対象となる。 |
4. | 家族傷害保険(家族型)では、保険期間中に誕生した記名被保険者本人の子は被保険者とはならない。 |
正解:3 | |
1. | 海外旅行傷害保険では、海外旅行中に発生した地震や津波によるケガは補償の対象です。 |
2. | 国内旅行傷害保険では、国内旅行中に発生した地震や津波によるケガは補償の対象外です。 |
3. | 正しい記述です。普通傷害保険は、国内外を問わず、また、業務中であるか否かを問わず、日常生活におけるケガを補償の対象にします。 |
4. | 家族傷害保険では、保険期間中に誕生した記名被保険者本人の子は、自動的に被保険者になります。 |
【問18】
個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. | 契約者である被保険者が不慮の事故で死亡し、その配偶者が受け取った傷害保険の死亡保険金は 相続税の課税対象となる。 |
2. | 自損事故で被保険自動車である自家用車を損壊して受け取った自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしなくとも、非課税となる。 |
3. | .自宅の建物と家財を対象とした火災保険に地震保険を付帯して加入した場合、火災保険と地震保険の保険料の合計額が地震保険料控除の対象となる。 |
4. | 2021年10月に加入した所得補償保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。 |
正解:3 | |
1. | 正しい記述です。被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 火災保険の保険料は地震保険料控除の対象にはなりません。 |
4. | 正しい記述です。 |
【問19】
医療保険等の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. | 特定(三大)疾病保障定期保険は、悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態と診断され、特定(三大)疾病保障保険金が支払われたとしても、死亡保険金や高度障害保険金が支払われなければ、保険契約は継続する。 |
2. | がん保険では、通常、90日間または3ヵ月間の免責期間が設けられており、その期間中に被保険者ががんと診断確定された場合であっても、がん診断給付金は支払われない。 |
3. | 人間ドックの受診で異常が認められ、医師の指示の下でその治療を目的として入院した場合、その入院は、医療保険の入院給付金の支払対象となる。 |
4. | 先進医療特約で先進医療給付金の支払対象とされている先進医療は、療養を受けた時点において厚生労働大臣によって定められたものである。 |
正解:1 | |
1. | 特定(三大)疾病保障定期保険では、特定(三大)疾病保障保険金が支払われた場合には、保険契約は終了します。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 正しい記述です。 |
4. | 正しい記述です。 |
【問20】
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. | 建設業を営む事業者が、従業員の労災事故に備えるため、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険に加入することを検討している。 |
2. | 遊園地を運営する事業者が、遊戯施設の管理不備による事故によって、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えるため、施設所有(管理)者賠償責任保険に加入することを検討している。 |
3. | レストランを営む事業者が、食中毒を発生させ、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えるため、生産物賠償責任保険(PL保険)に加入することを検討している。 |
4. | 日用雑貨店を営む事業者が、地震リスクに備えるため、店舗併用住宅の建物内に保管している商品を保険の対象として、火災保険に付帯して地震保険に加入することを検討している。 |
正解:4 | |
1. | 正しい記述です。 |
2. | 正しい記述です。 |
3. | 正しい記述です。 |
4. | 地震保険では、商品、営業用什器、業務用の備品等の損害は補償の対象外です。 |
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