FP協会と金財の実技試験の違いーどっちで受験すべき?
FP3級の試験に申し込もうとした時、FP協会と金融財政事情研究会(金財)の2つの窓口があります。
どちらで申し込んでも、試験日・費用・合格ライン・学科試験の内容および取得できる資格は共通で、実技試験の内容だけが異なります。
実技試験は、FP協会で申し込むと「資産設計提案業務」の1種類しかありません。
金財で申し込むと、3級も2級でも、殆どの場合「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」の2つから選択する事になります(2級では更に、「中小事業主資産相談業務」と「損保顧客資産相談業務」が存在します)。
どちらの実技試験も、口頭試問は無く、机上で計算問題等を解く試験ですが、過去5回の平均合格率は、3級ではFP協会83.35%に対して金財47.53%、2級ではFP協会59.11%に対して金財39.53%と大きな開きがあります。
FP協会 | 金財 | |
2019.1 | 83.38 | 47.75 |
2019.5 | 86.42 | 49.25 |
2019.9 | 79.48 | 44.38 |
2020.1 | 79.45 | 49.17 |
2020.9 | 88.04 | 47.08 |
平均 | 83.35 | 47.53 |
FP協会 | 金財 | |
2019.1 | 50.31 | 37.48 |
2019.5 | 62.65 | 34.65 |
2019.9 | 62.63 | 39.00 |
2020.1 | 62.61 | 38.45 |
2020.9 | 57.37 | 48.09 |
平均 | 59.11 | 39.53 |
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「合格率が高いから、FP協会で受験すればいい」かと言えば、必ずしもそうとは言えません。
何故なら、共通の問題である学科試験の合格率が、過去5回の平均で、3級ではFP協会79.25%に対して金財58.43%、2級ではFP協会44.58%に対して金財26.97%だからです。
つまり、受ける試験は同じなのに、FP協会で受験する人の方が、3級ではおよそ1.1~1.4倍、2級ではおよそ1.5~1.8倍以上合格率が高い(=受験者のレベルが高い)んです。
確かな理由は不明ですが、金財の試験の受験者は金融機関で働いている人が多いので、忙しくて勉強に時間を割けない人が多かったり、試験を強制的に受けさせられている人(モチベーションが低い人)がFP協会の受験者よりも多い事等が要因であると推測されます。
では、実際に過去問を見てどちらの方が簡単なのかと言えば、どちらも同じくらいの難易度です。
両方とも傾向がはっきりしているので、過去問を3回分程度解いて理解する事が出来れば、かなりの高確率で合格できると言えます。
ただ、それぞれに特徴がありますから、過去問をやらずに個別論点の丸暗記だけで試験に臨むと、実技では痛い目を見ます。
試しに両方解いてみて、解きやすい方で申し込んでください。
もし、まだ過去問を見る段階でないけど、試験の申し込みまで時間が迫ってるんだ!という方がいらっしゃいましたら、学科試験を頑張る気持ちがあるなら「FP協会の実技」、学科試験を捨てて実技一本に絞るなら「金財の実技」をお勧めします。
理由は、FP協会の方が、学科の知識が充分あれば合格しやすいからです。
悪い言い方をすれば、個別の論点の理解だけで合格する事ができる(学科試験に合格できる実力があれば、普通に合格できる)とも言えます。
対して、金財の実技では、知識の体系的な理解や、個別論点の深い知識が問われます。
FP協会の試験の受験者が無視するような論点から出題され、個別の論点の暗記だけでは対抗できない問題と言えます。
ただ、問題数が少なく、FP協会の試験以上に傾向がはっきりしていますので、学科を捨てるなら金財の実技の方が対策はしやすいです。
2級試験の合格率は、1月試験は中小企業主資産相談業務を含み、9月試験は中小企業主資産相談業務と損保顧客資産相談業務を含んだデータです。
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