金財の2級の実技試験のヤマ張り
過去問の傾向を分析して、金財の実技試験(個人資産相談業務)のヤマを張ってみました。
良ければ参考にしてください。
老齢厚生年金の受給額の計算が高確率で出題されます。
加給年金の受給要件(被保険者期間20年以上、配偶者の年齢が65歳以下程度で充分です)を押さえてください。
期待収益率やシャープレシオを計算させられる問題が多いです。
以下の3点は必ず押さえてください。
- 単独資産の期待収益率=生起確率と予想収益率の積の合計(いわゆる期待値)です。
- ポートフォリオの期待収益率=組入割合を資料から読み取り、100万円投資して各組入資産が期待収益率通りのパフォーマンスを上げるとどうなるかを計算してみてください。
- シャープレシオ=(投資収益率-無リスク資産の収益率)÷標準偏差です。運用の巧拙を評価するもので、シャープレシオが高いと評価が高いです。
課税総所得金額や所得税額(算出税額)を計算させられる問題が高確率で出題されます。給与収入から給与所得を求める問題も多いです。
以下の3点は必ず押さえてください。
- 課税総所得金額=総合課税する所得の、損益通算後の合計です。一時所得は、その金額の2分の1だけ算入します。
- 所得控除=基礎控除の金額や扶養控除の金額を問われることが時々あります。
- 算出税額=試験対策上、課税総所得金額から所得控除を引いたものに対して、税率をかけて控除額を引くと思ってください。
土地を売却した場合の、分離譲渡所得の金額を計算させられる問題が定番です。
基本的に、以下の3点を押さえておけば大丈夫です。
- 概算取得費(5%)
- 税率(長期は所15・住5、短気は所30・住9)
- 居住用の特例(3,000万円控除の要件と軽減税率の要件、およびこれらが併用できる事)
また、土地に建てる建物の、建築面積の上限や延べ床面積の上限を計算させられる問題も定番です。
2筆の土地を一体利用する時、
- 建蔽率や容積率は加重平均される
- 敷地全体に規制が厳しい方の防火規制が適用される
- 片方の敷地が角地なら、敷地全体が角地になる
- 前面道路は、一方または両方の敷地が面している最も広い道路とする
という論点を踏まえた上で、建蔽率の緩和規制の理解(角地:+10%、防火地域に耐火建築物:+10%)が問われます。
一応セットバック部分が敷地面積に算入されないという論点も押さえておいてください。
相続税の計算における基礎控除額・相続税の総額の基となる税額・相続税の総額を計算させられる問題が高確率で出題されます。各人の課税価格を求めさせられる問題は、生保の実技では頻出で、個人資産の実技ではここ暫くは出題されていません。
相続税の計算の流れをきちんと頭の中に入れておく必要がありますので、以下に整理しておきます。
(1)各人の課税価格の計算
各人が相続した財産の相続税評価額を出します。死亡退職金や死亡保険金の評価減を忘れないでください。
↓
(2)各人の課税価格の合計の計算
(1)で求めたものの和です。
↓
(3)基礎控除額の計算
3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
↓
(4)課税遺産総額の計算
(2)-(3)です。
↓
(5)相続税の総額の基となる税額の計算
(4)が仮に法定相続分どおりに分けられたと仮定し、その場合の各相続人の税額調整(税額控除や2割加算)前の相続税額を計算します。
↓
(6)相続税の総額の計算
(5)で求めたものの和です。