お金の寺子屋

FP2級学科解説-2025年1月・問21~30

【問21】
内閣府が公表する景気動向指数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)を中心として公表される。
2. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定した指標であり、そのうち生鮮食品を除く総合指数は、景気動向指数の遅行系列に採用されている。
3. コンポジット・インデックス(CI)は、主として景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを目的としており、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。
4. 景気転換点の判定には、一致指数を構成する個別指標ごとに統計的手法を用いて景気の山と谷を設定し、谷から山に向かう局面にある指標の割合を算出したヒストリカル・ディフュージョン・インデックス(ヒストリカルDI)が用いられている。
正解:
1. 正しい記述です。景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測するために、景気に例どうして動く様々な指標を統合して作られ、CIを中心に公表されます。
2. 正しい記述です。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、景気動向指数の遅行系列に採用されています。
3. 問題文は、DIの説明です。CIとDIがあり、CIは、構成する指標の動きを合成することで景気変動の量感やテンポを測定することを主な目的とし、DIは、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを目的とします。
4. 正しい記述です。景気転換点の判定には、ヒストリカルDIを用います。
ちなみに、ヒストリカルDIは、景気転換点を判定するために用いられ、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを目的として毎月公表されるDIとは異なります。
【問22】
銀行等の金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. オプション取引などのデリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断によって満期日が繰り上がるものがある。
2. スーパー定期預金は、預入期間が3年以上の場合、単利型と半年複利型があるが、半年複利型を利用することができるのは法人に限られる。
3. 期日指定定期預金は、据置期間経過後から最長預入期日までの間で、任意の日を満期日として指定することができる。
4. 預金口座の名義人自身が、ケガや病気による長期の入院などにより金融機関に行くことが難しくなる場合に備えて、事前に代理人の指名手続きを行うことにより、指名された代理人が口座名義人に代わって、普通預金の払戻しなどを行うことができる。
正解:
1. 正しい記述です。デリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断により、満期日が繰り上がるものがあります。
2. スーパー定期預金の半年複利型を利用することができるのは、個人に限られます。
3. 正しい記述です。期日指定定期預金は、据置期間経過後から最長預入期日までの間で、預金者が、任意の日を満期日として指定します。
4. 正しい記述です。預金口座の名義人が事前に代理人の指名手続きを行うことにより、指名された代理人が口座名義人に代わって、普通預金の払戻しなどを行うことができるようになります。
【問23】
固定利付債券の利回り(単利・年率)の計算に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる計算式として、最も不適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。

表面利率が0.1%で、償還年限が10年の固定利付債券が額面100円当たり101円20銭で発行された。この債券の応募者利回り(%)の計算式は( ア )となり、直接利回り(%)の計算式は( イ )となる。また、この債券を新規発行時に購入し、5年後に額面100円当たり102円で売却した場合の所有期間利回り(%)の計算式は( ウ )となる。さらに、この債券を発行から5年後に額面100円当たり102円で購入し、償還まで保有した場合の最終利回り(%)の計算式は( エ )となる。 
1. {0.1+(100.00-101.20)÷10}÷101.20×100
2. 0.1÷101.20×100
3. {0.1+(102.00-101.20)÷5}÷101.20×100
4. {0.1+(102.00-100.00)÷5}÷100.00×100
正解:
1. 正しい記述です。応募者利回り(%)={表面利率+(100-発行価格)÷償還期間}÷発行価格×100です。
2. 正しい記述です。表面利回り(%)=(表面利率÷購入価格)×100です。
3. 正しい記述です。所有期間利回り(%)={表面利率+(売却価格-購入価格)÷保有年数}÷購入価格×100
4. 最終利回り(%)={表面利率+(100-購入価格)÷残存年数}÷購入価格×100です。よって、正しくは、「{0.1+(100-102)÷5}÷102×100」となります。
【問24】
債券のイールドカーブ(利回り曲線)の一般的な特徴等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. イールドカーブは、縦軸を債券の利回り、横軸を債券の残存期間として、利回りと投資期間の関係を表した曲線である。
2. 残存期間の短い債券の利回りよりも残存期間の長い債券の利回りの方が低く、イールドカーブが右下がりの曲線となる状態を、逆イールドという。
3. 残存期間の短い債券の利回りよりも残存期間の長い債券の利回りの方が高い状態のとき、両者の金利差が縮小することを、イールドカーブのフラット化という。
4. イールドカーブが逆イールドの状態にあるとき、時間の経過に伴って債券価格が上昇し、キャピタルゲインが期待される効果を、ロールダウン効果という。
正解:
1. 正しい記述です。イールドカーブは、利回り(=イールド)の曲線(=カーブ)という意味で、横軸を残存期間、縦軸を利回りとして、債券の残存期間と利回りの関係を図にしたものです。
2. 正しい記述です。他の条件を同じとすると、通常、償還までの日数が長いほど、(リスクが高くなり、債券価格が低くなりますから、)利回りは高くなります。よって、通常、イールドカーブは右肩上がりとなり、このような状態を、順イールドと言います。逆に、イールドカーブが右下がり(残存期間が長いほど、債券価格が高く、利回りが低い)となっている状態を、逆イールドと言います。
3. 正しい記述です。残存期間の短い債券の利回りよりも残存期間の長い債券の利回りの方が高い状態(順イールドの状態)のとき、両者の金利差が縮小する(残存期間の短い債券の利回りが上昇し、残存期間の長い債券の利回りが低下する)と、イールドカーブの曲線はなだらかになります。これを、フラット化と言います。
なお、フラット化の逆(順イールドの状態で金利差が拡大すること)は、スティーブ化と言います。
4. 債券は、通常、償還までの日数が長いほど、そのリスク分、債券価格が低く(=利回りは高く)なります。よって、イールドカーブが順イールドの状態である時、時間が経過すると、リスクが小さくなる分、債券価格が高くなります。これを、ロールダウン効果と言います。
【問25】
株式の信用取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1. 信用取引で売建てした場合の決済方法には、反対売買により決済する方法と、売付株と同種同量の株式を証券会社に引き渡して決済する方法がある。
2. 制度信用取引の対象となる銘柄は、証券取引所が規則等に基づき選定したものに限られる。
3. 一般信用取引では、投資家が証券会社から貸付けを受けた金銭や株式を6ヵ月以内に返済しなければならない。
4. 金融商品取引法等によれば、原則として、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上で、かつ、株式の約定金額に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされている。
正解:
1. 正しい記述です。信用取引の決済方法には、反対売買の他に、現引き(信用買いの場合)と現渡し(信用売りの場合)があります。
2. 正しい記述です。制度信用取引は、証券取引所が定めたルールに基づく信用取引で、対象となる銘柄は、証券取引所が選定したものに限られます。
3. 制度信用取引の説明です。一般信用取引では、返済期限、金利、対象銘柄などを、自由に決めることができます。
4. 正しい記述です。金融商品取引法等によれば、原則として、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は、約定金額の30%以上、かつ、30万円以上とされています。

【問26】
下記<資料>に基づき算出されるX社およびY社の株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

<資料>
X社 Y社
株価 2,500円 1,300円
当期純利益 210億円 190億円
純資産
(自己資本)
6,000億円 2,800億円
配当金総額 120億円 70億円
発行済株式数 4億株 3億株
1. ROEは、Y社よりもX社の方が高い。
2. PERは、X社よりもY社の方が高い。
3. PBRは、Y社よりもX社の方が高い。
4. 配当性向は、X社よりもY社の方が高い。
正解:
1. ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100です。
よって、
X社のROE(%)=210億円÷6,000億円×100=3.5%
Y社のROE(%)=190億円÷2,800億円×100=6.785…%=6.79%
となります。
2. PER=株価÷1株当たり当期純利益です。
よって、
X社のPER=2,500円÷(210億円÷4億)=47.619…倍≒47.62倍
Y社のPER=1,300円÷(190億円÷3億)=20.526…倍≒20.53倍
となります。
3. PBR=株価÷1株当たり純資産です。
よって、
X社のPBR=2,500円÷(6,000億円÷4億)=1.666…倍≒1.67倍
Y社のPBR=1,300円÷(2,800億円÷3億)=1.392…倍≒1.39倍
となります。
4. 配当性向(%)=年間配当金総額÷当期純利益×100です。
よって、
X社の(%)=120億円÷210億円×100=57.142…%=57.14%
Y社の(%)=70億円÷190億円×100=36.842…%=36.84%
となります。
【問27】
オプション取引の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. コール・オプションは「原資産を権利行使価格で売る権利」であり、プット・オプションは「原資産を権利行使価格で買う権利」である。
2. 権利行使期間中であればいつでも権利行使が可能なものをヨーロピアン・オプションといい、満期日(権利行使日)においてのみ権利行使が可能なものをアメリカン・オプションという。
3. コール・オプションの買い手の最大利益とプット・オプションの買い手の最大利益は、いずれもプレミアム(オプション料)の額となる。
4. コール・オプションおよびプット・オプションは、他の条件が同一であれば、いずれもボラティリティが上昇するほど、プレミアム(オプション料)は高くなる。
正解:
1. コール・オプションは「原資産を権利行使価格で買う権利」であり、プット・オプションは「原資産を権利行使価格で売る権利」です。
2. 権利行使期間中であればいつでも権利行使が可能なものをアメリカンタイプと言い、満期日においてのみ権利行使可能なものをヨーロピアンタイプと言います。
3. コール・オプションとプット・オプション共通で、買い手の最大利益は、基本的に、限定されず、損失は、プレミアム(オプション料)に限定されます。
逆に、売り手の最大利益は、プレミアムに限定され、損失は、基本的に、限定されません。
4. コール・オプションとプット・オプション共通で、プレミアム(オプション料)は、権利行使がしやすくなるほど高くなりますから、ボラティリティが上昇するほど、プレミアム(オプション料)は高くなります。
【問28】
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. ポートフォリオのリスクとは、一般に、組成されたポートフォリオの損失額の大きさを示すのではなく、そのポートフォリオの期待収益率からのばらつきの度合いをいう。
2. ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去可能なリスクをシステマティック・リスクという。
3. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
4. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
正解:
1. 正しい記述です。リスクとは、期待収益率からのばらつきの大きさ(=値動きの変動幅の大きさ)を意味します。
2. ポートフォリオのリスクには、市場そのものが有し、分散投資によって軽減することができないシステマティックリスク(市場リスク)と、個別銘柄が有し、分散投資によって軽減することができるアンシステマティックリスク(非市場リスク)があります。
3. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値以下となります。
相関係数が1である場合、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値と等しくなり、相関係数が1よりも小さい場合、リスクの軽減効果が働き、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。
4. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値と等しくなります。
【問29】
上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る税金等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定口座のうち、源泉徴収がされない口座を簡易申告口座といい、源泉徴収がされる口座を源泉徴収選択口座という。
1. 上場株式等に係る配当所得等について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。
2. 上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。
3. 簡易申告口座には、上場株式等の配当等を受け入れることはできない。
4. 源泉徴収選択口座は、開設が投資家1人当たり1口座までとされており、複数の金融機関にそれぞれ源泉徴収選択口座を開設することはできない。
正解:
1. 上場株式等に係る配当所得等は、申告分離課税を選択すると、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができますが、総合課税選択分は、損益通算することができません。
2. 損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができます。
3. 正しい記述です。簡易申告口座(源泉徴収なしの特定口座)は、金融商品取引業者が年間取引報告書を発行し、譲渡損益を計算するだけの口座(損益通算や税金の源泉徴収は行われない口座)ですから、上場株式等の配当等を受け入れることはできません。
4. 源泉徴収選択口座は、複数の金融機関にそれぞれ開設することができます。
【問30】
わが国における個人による金融商品取引に係るセーフティネットに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1. 確定拠出年金の加入者が運用の方法として選択した定期預金は、預金保険制度による保護の対象とならない。
2. 日本国内に本店のある銀行の海外支店や外国銀行の在日支店に預け入れた預金は、その預金の種類にかかわらず、預金保険制度による保護の対象とならない。
3. 日本国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、原則として、破綻時点の責任準備金等の80%まで補償される。
4. 日本国内に本店のある銀行で購入した投資信託は、日本投資者保護基金による保護の対象となる。
正解:
1. 確定拠出年金の定期預金は、預金保険制度による保護の対象と対象となります。
2. 正しい記述です。預金保険制度は、国内に本店のある銀行の国内の本店・支店に預けた、特定の種類の預金だけを保護します。
3. 生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、原則として、破綻時点の責任準備金等の90%まで補償されます。
4. 投資信託は、投資者保護基金による保護の対象外です。

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